Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    夜食

    蝋いし

    DONEガスマリ、夜食を作っただけの話 レンとヴィクターはそれぞれ自分たちの部屋へ行った。読書と、コレクションの手入れと言っていたか。マリオンはお腹がすいたので、ホットサンドを作ることにした。まともに食事をとるには少し時間が遅く、ちょっとした夜食にあたる。
     食パンならキッチンにまだあるし、中に挟む具材になるようなものも冷蔵庫を探せば見つかるだろう。自分でホットサンドを作ったことはないものの、ジャックが出してくれたことがあるので形にはできるはずだ。
     具材になりそうなものを調理台へ並べて、ふとマリオンはガストの視線に気がついた。テレビ前のソファの背もたれ越しに半身、キッチンの方を向いてこちらを眺めている。
    「おい。なんだ」
    「何作るんだろうなって、見てただけだよ。えっ、邪魔しなければいいんだろ」
     邪魔になってないよな!?とガストが狼狽えたので、マリオンはふんと息をついた。
     邪魔をするヤツは鞭で打ってやると先ほど言ったのはマリオンだ。マリオンと同じように夜食がほしくなったヤツが、一緒になってキッチンを使いたがったら迷惑だ、だのでマリオンは邪魔をするなと口にしてから作業を始めた。
     少し前までだったらこんなとき、ガストは自 4033

    岩藤美流

    DONEお題「赤/ヴァルプルギスの夜」です。

    捏造と不穏だらけの話ですが、付き合ってるアズイデ。でも確信には触れてません。
    いでぴの設定がわからないことにはなあ、と考えていたんですが、確定してない今だからこそ書けることもあるかなと思って。
    いでぴが夜食を食べたがるのは、向こうの世界の食べ物を食べたら……みたいなアレがアレしてるイメージです
     赤。
     ポツリ、ポツリと赤い炎が揺れている。風に揺れるそれを見ながら、夜の闇に身を寄せていると、声がする。名を呼ぶ声が。
     それに耳を貸さずにいれば、やがて目の前にぴょこりと青い炎が飛び出したから、イデアはハッとして目の前の弟に視線を戻した。
    「兄さんってば! 聞いてるの?」
    「ああ、ご、ごめん、考え事してた……」
    「もう、こんな暗いところで考え事してたら、転んじゃうよ? どうかな、炎はこれぐらい置けば十分かな?」
     イグニハイド寮の片隅、建物の灯りも届かない真っ暗な闇の中に、ポツリポツリと目印のように置かれている炎。本来は赤く灯るように成分が調整されたランプを置くのだが、学園内で無用の炎を使うのは流石のイデアでも気が引ける。だからそれは、炎に良く似せたホログラムの浮かび上がる、手のひらほどの端末だ。オルトの整備用部品の余りなどを使って作り出した、疑似ランプ。それが、道を作るかのように点々と並び、イグニハイド寮の入口から続いて闇に向かって伸びている。二人がいるのは、そんな闇とランプの境目だった。
    「こんばんは、お二人共」
     そこへ、声がかかる。見れば寮の方から、銀の髪を揺らし、本来そ 3586