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    夜食

    さらさ

    MOURNINGアンケート結果のランロイ、連作というより融合作品になってしまいました。
    付き合いたての夜食にまつわる話の二人が、夜食を食べた後に二人で夜の街を歩いて話をして朝帰りする話。
    食が繋ぐ君とのこれから ロイドは時々ではあるが、夜食を作る。元々精神的なものからくる軽度の暴食の発散であったが、それを受け入れて以来はあまり作らなくなった。ただ時々口寂しい時はあるようで、ふとした時に起きてはスープやあまり胃に負荷がかからない様なものを作る事がある。今夜は、たまたまその日だった。そしてその時は抱えていた秘密を最初に知った男が必ずと言っていい程一緒にいる。ロイドが心に抱えていたものを真っ先に気付き、受け入れたのは他でもないランディであった。彼は境遇のせいか人それぞれ何かしらの事情があると思っての事だったが、その姿が余りにも痛々しい事から目を離せなくなってしまっていた。――それはやがて、恋へと変わり。ロイドがふらりと夜中に部屋を出て夜食を作っては暗い表情をする姿を見て、そんな顔をする位ならばやめればいいのにと何度も思った。だが食べている姿はどうにも好きで、目が離せなかった。転機が訪れたある日、ランディは思わず口にしてしまったのだ。そうやって食ってるロイド、俺は好きだぜ――と。勿論、うっかり口走ってしまったとは思った。だが相手は鈍感を通り越して朴念仁と名高く、人の好意にはとことん疎い。故にその言葉が告白として捉えられる事はなかった。相手が相手であるし、仕方ないとは思いつつも諦めていたが冷えるある日にどういう訳か一杯のホットワインで結ばれる事になってしまった。以来夜食には殆どお呼ばれされるし、気分じゃなく一緒に食べられない時でもロイドの食べる姿が好きなランディにとっては幸せ以外の何物でもなかった。
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    さらさ

    MOURNINGリハビリがてらいっぱい食べるロイドくんの話を書こうとしてなんか間違ったやつ。息をするようにシリアスしてます
    心持ちラン→(←)ロイのつもり。
    こっそり夜食を食べるロイドくんというよくわからないけど個人的には見たかったやつ
    我慢せずそのままで。「ロイドさん、案外よく食べますね?」
    「そうか?んー兄貴の影響かなぁ」

     再独立から数ヶ月、偶々オフでキーアと共に苦手分野であるお菓子作りをしていたロイドは事務処理の応援から戻ってきたティオの指摘に首をかしげた。確かに時々こっそり夜食を作ったりはしているし、否定できる要素はないのだが。意外性として捉えられているのは少し心外だった。そういえば、と教団事件の少し後の事をロイドは思い出す。同じ様なことを言われたことがあるな、と。

    「前にランディにも同じ事言われたっけ」
    「ランディさんにですか?」

    ティオが聞き返してくるのに、頷いてロイドは話し始めた。

     教団事件からしばらくして。ランディが警備隊に一時復帰する話が上がった夜の事だった。ふと小腹が空いて夜食を作ろうとこっそり部屋を出た時だった。隣から同時に扉が開く音がする。ロイドはふとその方向を見ると、少し考え込んだような表情をしているランディがいた。
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    蝋いし

    DONEガスマリ、夜食を作っただけの話 レンとヴィクターはそれぞれ自分たちの部屋へ行った。読書と、コレクションの手入れと言っていたか。マリオンはお腹がすいたので、ホットサンドを作ることにした。まともに食事をとるには少し時間が遅く、ちょっとした夜食にあたる。
     食パンならキッチンにまだあるし、中に挟む具材になるようなものも冷蔵庫を探せば見つかるだろう。自分でホットサンドを作ったことはないものの、ジャックが出してくれたことがあるので形にはできるはずだ。
     具材になりそうなものを調理台へ並べて、ふとマリオンはガストの視線に気がついた。テレビ前のソファの背もたれ越しに半身、キッチンの方を向いてこちらを眺めている。
    「おい。なんだ」
    「何作るんだろうなって、見てただけだよ。えっ、邪魔しなければいいんだろ」
     邪魔になってないよな!?とガストが狼狽えたので、マリオンはふんと息をついた。
     邪魔をするヤツは鞭で打ってやると先ほど言ったのはマリオンだ。マリオンと同じように夜食がほしくなったヤツが、一緒になってキッチンを使いたがったら迷惑だ、だのでマリオンは邪魔をするなと口にしてから作業を始めた。
     少し前までだったらこんなとき、ガストは自 4033

    岩藤美流

    DONEお題「赤/ヴァルプルギスの夜」です。

    捏造と不穏だらけの話ですが、付き合ってるアズイデ。でも確信には触れてません。
    いでぴの設定がわからないことにはなあ、と考えていたんですが、確定してない今だからこそ書けることもあるかなと思って。
    いでぴが夜食を食べたがるのは、向こうの世界の食べ物を食べたら……みたいなアレがアレしてるイメージです
     赤。
     ポツリ、ポツリと赤い炎が揺れている。風に揺れるそれを見ながら、夜の闇に身を寄せていると、声がする。名を呼ぶ声が。
     それに耳を貸さずにいれば、やがて目の前にぴょこりと青い炎が飛び出したから、イデアはハッとして目の前の弟に視線を戻した。
    「兄さんってば! 聞いてるの?」
    「ああ、ご、ごめん、考え事してた……」
    「もう、こんな暗いところで考え事してたら、転んじゃうよ? どうかな、炎はこれぐらい置けば十分かな?」
     イグニハイド寮の片隅、建物の灯りも届かない真っ暗な闇の中に、ポツリポツリと目印のように置かれている炎。本来は赤く灯るように成分が調整されたランプを置くのだが、学園内で無用の炎を使うのは流石のイデアでも気が引ける。だからそれは、炎に良く似せたホログラムの浮かび上がる、手のひらほどの端末だ。オルトの整備用部品の余りなどを使って作り出した、疑似ランプ。それが、道を作るかのように点々と並び、イグニハイド寮の入口から続いて闇に向かって伸びている。二人がいるのは、そんな闇とランプの境目だった。
    「こんばんは、お二人共」
     そこへ、声がかかる。見れば寮の方から、銀の髪を揺らし、本来そ 3586