幻想
そのこ
DOODLEシロが来て、キニスンが来なかったのではぐれたんかな、と思って。でもキニスンは心配しなくて、きっとシロなら大丈夫とはっきり言える強さと信頼がある。2025-04-07
縁があって身を寄せた傭兵隊はハイランドによりもろくも崩れ去った。砦は焼かれ、部隊の者はそれでもある程度の秩序をもって退却していく。人数が多すぎると目立つから、と部隊長の命に従って少しずつ部隊の人数は減って行く。キニスンもまた、身の振り方を決めなければならなかった。
道々に用意された、小さな森に隠された小屋の前でキニスンはまた犬笛を吹いた。やはりなんの返事もない。砦陥落の混乱でシロとはぐれてしまって、一昼夜が経とうとしていた。時折、煤だらけの傭兵たちが小屋に立ち寄るからそのたびに彼らへシロの行方を尋ねるのだが、芳しい答えは返ってこない。
彼らには何の責任もないのに、申し訳ないと眉を寄せて頭を下げてくれるのだからお人よし達ばかりだ。
1835縁があって身を寄せた傭兵隊はハイランドによりもろくも崩れ去った。砦は焼かれ、部隊の者はそれでもある程度の秩序をもって退却していく。人数が多すぎると目立つから、と部隊長の命に従って少しずつ部隊の人数は減って行く。キニスンもまた、身の振り方を決めなければならなかった。
道々に用意された、小さな森に隠された小屋の前でキニスンはまた犬笛を吹いた。やはりなんの返事もない。砦陥落の混乱でシロとはぐれてしまって、一昼夜が経とうとしていた。時折、煤だらけの傭兵たちが小屋に立ち寄るからそのたびに彼らへシロの行方を尋ねるのだが、芳しい答えは返ってこない。
彼らには何の責任もないのに、申し訳ないと眉を寄せて頭を下げてくれるのだからお人よし達ばかりだ。
そのこ
DOODLEシロが来て、キニスンが来なかったのではぐれたんかな、と思って。でもキニスンは心配しなくて、きっとシロなら大丈夫とはっきり言える強さと信頼がある。2025-04-07
縁があって身を寄せた傭兵隊はハイランドによりもろくも崩れ去った。砦は焼かれ、部隊の者はそれでもある程度の秩序をもって退却していく。人数が多すぎると目立つから、と部隊長の命に従って少しずつ部隊の人数は減って行く。キニスンもまた、身の振り方を決めなければならなかった。
道々に用意された、小さな森に隠された小屋の前でキニスンはまた犬笛を吹いた。やはりなんの返事もない。砦陥落の混乱でシロとはぐれてしまって、一昼夜が経とうとしていた。時折、煤だらけの傭兵たちが小屋に立ち寄るからそのたびに彼らへシロの行方を尋ねるのだが、芳しい答えは返ってこない。
彼らには何の責任もないのに、申し訳ないと眉を寄せて頭を下げてくれるのだからお人よし達ばかりだ。
1835縁があって身を寄せた傭兵隊はハイランドによりもろくも崩れ去った。砦は焼かれ、部隊の者はそれでもある程度の秩序をもって退却していく。人数が多すぎると目立つから、と部隊長の命に従って少しずつ部隊の人数は減って行く。キニスンもまた、身の振り方を決めなければならなかった。
道々に用意された、小さな森に隠された小屋の前でキニスンはまた犬笛を吹いた。やはりなんの返事もない。砦陥落の混乱でシロとはぐれてしまって、一昼夜が経とうとしていた。時折、煤だらけの傭兵たちが小屋に立ち寄るからそのたびに彼らへシロの行方を尋ねるのだが、芳しい答えは返ってこない。
彼らには何の責任もないのに、申し訳ないと眉を寄せて頭を下げてくれるのだからお人よし達ばかりだ。
そのこ
DOODLE傭兵隊砦陥落のあたり。2主君が逃げるよりも、腐れ縁が逃げたのはあとだとはおもうんですよね流石にね。地下には生きたハイランド兵がいないの、二人が一掃したからだろうなとは思う。
2025-04-05
「本気で勝てると思ってたか」
「本気で勝つ気がない戦争やったつもりなら、金輪際戦争屋なんて止めろ」
ボイラーがごうごうと燃える。ハイランドの奴らがこの砦を蹂躙している音がする。俺の大事な家なのに。礼儀を知らねえ奴らが、土足で踏みにじっていやがる。
それだけでも腹が立つのに、それをどうにかできる力が俺にはないときたもんだ。出来る事と言ったら、全部を燃やしてしまうだけ。何人もの仲間が死んだ。今生きているとはっきり言える奴なんて、隣でせっせと火炎槍の穂先をボイラーに放り込んでいるこいつぐらいだ。
皆の前では出せなかったため息をこれ見よがしに吐き出して、俺もその作業に参加する。理屈の分からない兵器を理屈の分からないまま使って、やってはいけないと言われたことを最後にやって全部終わらせる。
1226「本気で勝てると思ってたか」
「本気で勝つ気がない戦争やったつもりなら、金輪際戦争屋なんて止めろ」
ボイラーがごうごうと燃える。ハイランドの奴らがこの砦を蹂躙している音がする。俺の大事な家なのに。礼儀を知らねえ奴らが、土足で踏みにじっていやがる。
それだけでも腹が立つのに、それをどうにかできる力が俺にはないときたもんだ。出来る事と言ったら、全部を燃やしてしまうだけ。何人もの仲間が死んだ。今生きているとはっきり言える奴なんて、隣でせっせと火炎槍の穂先をボイラーに放り込んでいるこいつぐらいだ。
皆の前では出せなかったため息をこれ見よがしに吐き出して、俺もその作業に参加する。理屈の分からない兵器を理屈の分からないまま使って、やってはいけないと言われたことを最後にやって全部終わらせる。
そのこ
DOODLEピリカと傭兵隊。ジョウイたちが案外好きに動いてて、その間のピリカの世話は傭兵隊が引き受けてたっぽいなって思って。
2025-04-04
なんだか煩くて目が冷めた。お目目の周りが痛くてぎゅっとこすって、また痛い。暗くて、ランプの灯りが小さくて、少しだけあったかいお部屋。知らないお部屋。
ピリカはどうしてこんなところにいるんだろう。おとうさんとおかあさんはどこ?
石の床ははだしの足には冷たかったけれど、ここでじっとしている方がよっぽど嫌だった。
重たい扉を開ければ、わっと人の声がした。なんだか大騒ぎの大人たちがたくさんいる。お祭りの前と言うよりもなんだかもっと怖い。金属がかちゃかちゃと鳴っている。怖い。怖い。あの音は、嫌い。
足が震えた。ドアノブで体を支えても、体の芯からの震えは収まらない。怖い音。怖い声。薄暗い戸棚の中から出たら、おとうさんとおかあさんがいて。
3353なんだか煩くて目が冷めた。お目目の周りが痛くてぎゅっとこすって、また痛い。暗くて、ランプの灯りが小さくて、少しだけあったかいお部屋。知らないお部屋。
ピリカはどうしてこんなところにいるんだろう。おとうさんとおかあさんはどこ?
石の床ははだしの足には冷たかったけれど、ここでじっとしている方がよっぽど嫌だった。
重たい扉を開ければ、わっと人の声がした。なんだか大騒ぎの大人たちがたくさんいる。お祭りの前と言うよりもなんだかもっと怖い。金属がかちゃかちゃと鳴っている。怖い。怖い。あの音は、嫌い。
足が震えた。ドアノブで体を支えても、体の芯からの震えは収まらない。怖い音。怖い声。薄暗い戸棚の中から出たら、おとうさんとおかあさんがいて。
卸@とても眠い
DONE幻水2、クリアしました~(*´▽`*)一度ノーマルエンドになっちゃってロックアックスからやり直したのは内緒(^^ゞ
ビクトールさんが強くて最後までお世話になっちゃった。流石クマさん(´艸`*) 3
そのこ
DOODLEグレミオの外套なんじゃないか、の話をもう一回。坊ちゃん視点。直して坊ちゃんが使っているとしたらどうかな、って。2025-04-03
両の手で大きく外套を広げた。誰もいない夜の部屋。しんと静かで誰の声もしやしない。これを届けた男ももうとっくに去ってしまって、僕は夜の中一人取り残されている。
似合いもしないのに握りしめていた斧と瞳の色と良く似合う緑の外套。随分前に失った僕のグレミオ。ずっと隠し持っていたくせに、明日死ぬかもしれないから返しに来たなんて笑わせる。
どれだけ腕を持ち上げても、僕の背丈では裾が床についてしまう。菌糸にやられたのか、それとも保管方法が悪かったのか、使い込まれて柔らかな外套にはそこここに穴が開いていた。グレミオならすぐに直してしまうだろうが、僕にその技術はない。
自分が腕を上げた場所よりももう少し上にグレミオの頭はあった気がする。手足ばかりがひょろりと長くて、眉を下げて情けなく笑う。僕を叱る時でさえ、厳めしい顔は出来なかった優しい男。
1309両の手で大きく外套を広げた。誰もいない夜の部屋。しんと静かで誰の声もしやしない。これを届けた男ももうとっくに去ってしまって、僕は夜の中一人取り残されている。
似合いもしないのに握りしめていた斧と瞳の色と良く似合う緑の外套。随分前に失った僕のグレミオ。ずっと隠し持っていたくせに、明日死ぬかもしれないから返しに来たなんて笑わせる。
どれだけ腕を持ち上げても、僕の背丈では裾が床についてしまう。菌糸にやられたのか、それとも保管方法が悪かったのか、使い込まれて柔らかな外套にはそこここに穴が開いていた。グレミオならすぐに直してしまうだろうが、僕にその技術はない。
自分が腕を上げた場所よりももう少し上にグレミオの頭はあった気がする。手足ばかりがひょろりと長くて、眉を下げて情けなく笑う。僕を叱る時でさえ、厳めしい顔は出来なかった優しい男。
Bloom_zt
DOODLE幻想シアターマスターモードのキャスト選択の2枠がこの2人だったことが複数回あったこの謎奇跡の裏事情ってこうだったのかもしれない…という漫画
(※Xでは元画像を引用してるので作品内で説明を省いているぞ!)
そのこ
DOODLE坊ちゃんのマント、グレミオのマントを手直ししたやつとかだといいなって。マリーさんが直してたりすんのかなって。2025-04-02
「マリー、少しいいかな」
仕事の落ち着いた午後の宿、カウンターで拭き掃除をしていたマリーに軍主が声をかけた。ひそめた声、毛羽だった布を大事そうに抱えた姿はまるで悪いことをしているかのようだ。
幸いなことに客はおらず、窓から初秋の穏やかな光が入るばかり。兵のざわめきが時折外から聞こえることを、セキアは少し怖がっているように見えた。
「はいはい。どうしたんだい」
ひとりで宿に来るのは本当に珍しい。マクドールのお坊ちゃんと呼ばれていた頃から知っているが、その時もいつだって誰かと連れ立っていた。今はもう亡い金色の髪の従者が、いつだってそばに居て、なんくれとなく世話を焼く。それがずっと続くと、マリーとて信じていた。
1533「マリー、少しいいかな」
仕事の落ち着いた午後の宿、カウンターで拭き掃除をしていたマリーに軍主が声をかけた。ひそめた声、毛羽だった布を大事そうに抱えた姿はまるで悪いことをしているかのようだ。
幸いなことに客はおらず、窓から初秋の穏やかな光が入るばかり。兵のざわめきが時折外から聞こえることを、セキアは少し怖がっているように見えた。
「はいはい。どうしたんだい」
ひとりで宿に来るのは本当に珍しい。マクドールのお坊ちゃんと呼ばれていた頃から知っているが、その時もいつだって誰かと連れ立っていた。今はもう亡い金色の髪の従者が、いつだってそばに居て、なんくれとなく世話を焼く。それがずっと続くと、マリーとて信じていた。
アスナショウコ
DONE幻想種ヴィーヴィル〈ホルアクス〉の絵 デザイン優勝したのではこれ めっちゃ良くないですか 黒い天使と白い死神……めちゃくちゃ勝手にクレマリー先生との対比というかクレマリー先生をめちゃくちゃ意識したデザインにしている(つもり)なんですがどうでしょう有識者の皆さん 2しん☆
INFOpixivアナログ垢にて幻想水滸伝の坊ちゃんを投稿しました
https://www.pixiv.net/artworks/128631729
色鉛筆メインで描きましたので
いつもと雰囲気違うかも
知らない人だと目に付きにくいのも
あるのですが良かったら見に来てね
版権絵 滅多に描かんのでね
豆大福
DONEhttps://poipiku.com/3245689/10309118.html【企画 織葉町幻想録】にて桐箱さんが書いてくださったお話のワンシーンを描かせて頂きました!桐箱さん家の柳世沖さんお借りしております🙇♀️そのこ
DOODLE傭兵隊の砦。ビクトールさんが「家」っていうの嬉しくもあり、その後を知っているので悲しくもある2025‐03‐23
ミューズに呼び出され、砦を留守にして数日。ようやく帰ってこられた。轍のはっきりと残る道を歩けばサクサクと軽い足音が立つ。夕方の風が草原をのびのびと走って、髪の毛を乱した。随分と長くなってしまったから、そろそろ切る頃合いだ。明日にでもフリックに頼んでみようか。
まだ灯りのいらない道をゆっくりと歩く。その先に目指す場所がある。慣れた寝床があって、気やすい店主の元で酒が飲めて、迎えてくれる人がいる。
帰る場所だ。ずっと前に失われたビクトールの故郷とよく似た、だが少しばかり血なまぐさい場所を迷うことなく目指してビクトールは歩いていた。
ありがたい話だ。顔を上げれば遠く、小さな森が見えた。明かりがちらちらと木々の間に揺れている。騒がしい連中の騒がしい声が、まだ聞こえるはずもない距離なのに耳に響いて、思わず笑みが漏れた。
1215ミューズに呼び出され、砦を留守にして数日。ようやく帰ってこられた。轍のはっきりと残る道を歩けばサクサクと軽い足音が立つ。夕方の風が草原をのびのびと走って、髪の毛を乱した。随分と長くなってしまったから、そろそろ切る頃合いだ。明日にでもフリックに頼んでみようか。
まだ灯りのいらない道をゆっくりと歩く。その先に目指す場所がある。慣れた寝床があって、気やすい店主の元で酒が飲めて、迎えてくれる人がいる。
帰る場所だ。ずっと前に失われたビクトールの故郷とよく似た、だが少しばかり血なまぐさい場所を迷うことなく目指してビクトールは歩いていた。
ありがたい話だ。顔を上げれば遠く、小さな森が見えた。明かりがちらちらと木々の間に揺れている。騒がしい連中の騒がしい声が、まだ聞こえるはずもない距離なのに耳に響いて、思わず笑みが漏れた。
そのこ
DOODLEミルイヒがクラウディアを愛していたバルバロッサを自伝に書いた、って話がどっかにあったとおもうんですけど、3かな……バルバロッサの孤独を思うとけっこうきついことやってるよなって。2025‐03‐22
ウィンディ。クラウディア様の面影があるとバルバロッサ様は言うが、私にはよくわからない。彼女は心に悪しきものを飼っている。それが何に起因しているのかは分からないが、このまま陛下のおそばにいればきっと帝国に仇を成す。
解放軍の力は日増しに大きくなり、帝国は足元から揺らいでいる。早く何とかしなければ、あの女を陛下から引き離さなければ。
「そうか、戻るのはそろそろだったな」
「はい。レナンカンプのアジトが潰れたとはいえ、解放軍が完全に消滅したわけではありません。自領へ戻り、まず足元から掃除いたしたく思います」
この時期にはいつも西方へ戻る。決まっていた事だというのに、今年はなかなかその気になれなかった。解放軍などと名乗る反乱軍がその牙の一端を覗かせるようになってきていた。帝都の近いレナンカンプのアジトは内通により潰すことができたが、首魁が死んだという確証はいまだに上がってきていない。
1678ウィンディ。クラウディア様の面影があるとバルバロッサ様は言うが、私にはよくわからない。彼女は心に悪しきものを飼っている。それが何に起因しているのかは分からないが、このまま陛下のおそばにいればきっと帝国に仇を成す。
解放軍の力は日増しに大きくなり、帝国は足元から揺らいでいる。早く何とかしなければ、あの女を陛下から引き離さなければ。
「そうか、戻るのはそろそろだったな」
「はい。レナンカンプのアジトが潰れたとはいえ、解放軍が完全に消滅したわけではありません。自領へ戻り、まず足元から掃除いたしたく思います」
この時期にはいつも西方へ戻る。決まっていた事だというのに、今年はなかなかその気になれなかった。解放軍などと名乗る反乱軍がその牙の一端を覗かせるようになってきていた。帝都の近いレナンカンプのアジトは内通により潰すことができたが、首魁が死んだという確証はいまだに上がってきていない。
そのこ
DOODLEポール。公式紹介ツイートにも出てくるぐらいだもんな。彼がいるから、傭兵隊の砦に2主君がなじみやすくなった気がする。
傭兵隊にはいくらか子供がいる。おれがここに来る前からもいたし、ここに来てからも何人か増えた。ボスであるビクトールさんが行き場のない子供を端から拾ってくる悪い癖があるからだ。
ここは傭兵の砦なんだ。子供がそこらをうろちょろしたらたまったものじゃない。命のやり取りに邪魔になるし、何より危なっかしくて仕方ない。おれは皆の中で一番年長だから、面倒を見てやる義務がある。
ここでは飯が食えるし働くこともできる。危なくなればおれが守ってやれる。いい所だ
休戦協定が結ばれたからなのか、砦はどこか緩んだ気配が漂っている。演習という名目で三分の一ぐらいの人数とビクトールさんたちが砦にいないのも多分良くないんだろうな。おれはおれで倉庫の片づけをしないといけないと知りつつも、こうしてのんびりと日向ぼっことしゃれこんでいる。
1738ここは傭兵の砦なんだ。子供がそこらをうろちょろしたらたまったものじゃない。命のやり取りに邪魔になるし、何より危なっかしくて仕方ない。おれは皆の中で一番年長だから、面倒を見てやる義務がある。
ここでは飯が食えるし働くこともできる。危なくなればおれが守ってやれる。いい所だ
休戦協定が結ばれたからなのか、砦はどこか緩んだ気配が漂っている。演習という名目で三分の一ぐらいの人数とビクトールさんたちが砦にいないのも多分良くないんだろうな。おれはおれで倉庫の片づけをしないといけないと知りつつも、こうしてのんびりと日向ぼっことしゃれこんでいる。
そのこ
DOODLEフリックがいつ坊ちゃんを認めたか、ってあれですけど、最初からでもいいし、グレミオの事があってからでもいい。ただ、実際、落ち着くまでが早すぎるので、最初っから仕込みだったんじゃないかという疑惑はある。
これは折衷案。
2025‐03‐20
まったく愚か極まりない。
悪いほうだけ考えろ、とだけ教わったわけではないが、最悪の思考に蓋をしろ、とはけして教わらなかったはずだ。何しろ俺たちがしているのは革命戦争で、トップが死ぬことは許されないが、ありえないことではない。
次を、最悪の次の最善手を常に考えておかねばならない。
オデッサの生死が確認できていないのに健在なりと流した噂も、生きているオデッサが再建したと標榜する湖の城の解放軍へハンフリーたちを先に送ったのも、全部最悪の次の手だ。
だから俺は本当は知っていたのだ。オデッサが生きていない事なんて、とっくの昔に。
鎧戸の隙間から差し込む光はまだ強く明るく、夜には程遠い。湖の音と連れてきた兵たちとここに暮らす人間たちの気配がして、煩いぐらいだ。
974まったく愚か極まりない。
悪いほうだけ考えろ、とだけ教わったわけではないが、最悪の思考に蓋をしろ、とはけして教わらなかったはずだ。何しろ俺たちがしているのは革命戦争で、トップが死ぬことは許されないが、ありえないことではない。
次を、最悪の次の最善手を常に考えておかねばならない。
オデッサの生死が確認できていないのに健在なりと流した噂も、生きているオデッサが再建したと標榜する湖の城の解放軍へハンフリーたちを先に送ったのも、全部最悪の次の手だ。
だから俺は本当は知っていたのだ。オデッサが生きていない事なんて、とっくの昔に。
鎧戸の隙間から差し込む光はまだ強く明るく、夜には程遠い。湖の音と連れてきた兵たちとここに暮らす人間たちの気配がして、煩いぐらいだ。
そのこ
DOODLEたまにはちゃんとビクフリぽいのも書かないと忘れちゃうからなオデッサがいることが大前提になってるほうが好きなんだよね自分は。
2025/03/19
情けない事に夢見はあまり良くないほうだ。悪いものに追いかけられるし、家族は真っ赤な目で腐った腕で俺に縋りついてくる。どうして見捨てた、どうして殺した。どうしてお前ばかりが生きている。
ただ俺はこれが夢だともうとっくに知っている。目を覚ます方法は分からないから、泣きわめく姉と弟を抱きしめ、その臭気に顔を歪めてため息なんかをつきながら、目が覚めるのを待つばかり。
そうしてふと気が付くのだ。髪を撫でる掌の感触とあることと自分の名前をささやく柔らかな声音に現実味があることを。
目を開けてみれば朝というには暗かった。外からは雨の音がする。ぱたぱたぽつぽつ。時折ざあ、と風が大きくリズムを崩す。起きるにはまだ少し早そうだ。
1351情けない事に夢見はあまり良くないほうだ。悪いものに追いかけられるし、家族は真っ赤な目で腐った腕で俺に縋りついてくる。どうして見捨てた、どうして殺した。どうしてお前ばかりが生きている。
ただ俺はこれが夢だともうとっくに知っている。目を覚ます方法は分からないから、泣きわめく姉と弟を抱きしめ、その臭気に顔を歪めてため息なんかをつきながら、目が覚めるのを待つばかり。
そうしてふと気が付くのだ。髪を撫でる掌の感触とあることと自分の名前をささやく柔らかな声音に現実味があることを。
目を開けてみれば朝というには暗かった。外からは雨の音がする。ぱたぱたぽつぽつ。時折ざあ、と風が大きくリズムを崩す。起きるにはまだ少し早そうだ。
そのこ
DOODLE0318一人称の揺らぎ、みたいなポスト見て、一人称が「私」のフリックも2なら生息できるのでは、とおもったあれ。らくがき。
「その件は私から」
役人たちからビクトールへの質問に、フリックが応えた。白いシャツにタイをゆるく結んだ格好は居並ぶ役人たちとそうは変わらない。居心地の悪いふかふかの椅子から立ち上がる様をなんとなしに見上げていると、フリックの指先が会議の進行を示すかのように書類の一点をさした。
その間も、ミューズへの報告はよどみなく続いていく。
まったく何をさせてもそれなりに取り繕ってしまう男だ。
傭兵隊とてミューズの正式な組織の一部だ。定例会議への出席は義務付けられている。毎月何を成し、いくら金を使い、次に何を行うのか。自分たちの存在意義は自分たちで示さなければならない。
面倒この上ない。だからと言って、出席しなければ自分たちを推したアナベルの名前に傷がつく。それもまたビクトールの本意ではなかった。
2178役人たちからビクトールへの質問に、フリックが応えた。白いシャツにタイをゆるく結んだ格好は居並ぶ役人たちとそうは変わらない。居心地の悪いふかふかの椅子から立ち上がる様をなんとなしに見上げていると、フリックの指先が会議の進行を示すかのように書類の一点をさした。
その間も、ミューズへの報告はよどみなく続いていく。
まったく何をさせてもそれなりに取り繕ってしまう男だ。
傭兵隊とてミューズの正式な組織の一部だ。定例会議への出席は義務付けられている。毎月何を成し、いくら金を使い、次に何を行うのか。自分たちの存在意義は自分たちで示さなければならない。
面倒この上ない。だからと言って、出席しなければ自分たちを推したアナベルの名前に傷がつく。それもまたビクトールの本意ではなかった。
深藍桜
DONE幻想水滸伝Ⅰ(リマスター版)クリア記念に書いたものです。(文庫ページメーカーにて作成)
魔術師の島から帰還後、パーンの寄り道がとんでもない事になった後の話です。
因みに自分は一度全滅しました(苦笑)。
主人公の名前は、小説版の「ティル」としております。
個人サイト等にも掲載しております。 3