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    教室

    フォ……

    TRAINING司と類の日常。

    お題「素晴らしい教室」
    15分トレーニング 1

    902文字(所要時間約2分)
    天馬司の机は教室の廊下側にある。
     2Aの教室は、それでなくとも階段のすぐ近くにあり、とてもよく見渡せるいい場所だった。

     類は、そのすぐ近くの廊下をひた歩く。
     時刻は午後一時。
     昼休みも終わり、気だるい五時限目が始まろうという時刻だった。

    「類!」

     聞き慣れた大声が聞こえてきた、ような気がした。
     実際は、分厚い壁よろしく張られたガラス越しに声を張られたようで、類の耳に彼の声は聞こえてこない。けれど、ちょうど屋上から降りてきた類が目の前の教室を見やると、その目の前にはこちらを振り向いて、目立つ大げさな動作で手を振りながら、激しい自己主張をしている司の姿があるのだった。

     司は、類の恋人だった。
     つい最近、彼に押し入るように告白されて、類はうっかり承諾してしまったのだった。

     恋人同士になったからと言って、二人の関係性な何一つ変わっていない。
     こうしてお昼の時間だって、相変わらず類は一人で屋上へ行き優雅な時間を過ごしていたし、司だって変わらず、教室の友人たちと健康的な食事をするなり好きにしていたようだった。

     けれど、司はそれでもめげる事はない。
     類が昼終わりに 933