時系列
アンドリュー(鶏)
DONEⅢED後の大統領2主が15年ぶりにかつての本拠地を訪れるお話。(2主→リオウ、ぼっちゃん→ティル)
Ⅱ軍師組やぼっちゃん、フッチなどが出ます。タイトルと時系列で察せられるかもしれない、あの人の話でもあります。
令和になって突然小説を書き始めたわたしの、人生初同人誌だったりします。Ⅲの結末への愛と祈りをせいいっぱい込めました。
そういう意味でも個人的に思い出深くて好きな作品です。
風の在る理由 斜陽が草原を明々と染める中に草の香りを孕んだ風が舞っている。デュナン共和国、サウスウィンドゥ市に続く街道を青年はただ一人で歩いていた。風が優しく包み込むように過ぎて行って、彼の黒髪を包んだバンダナが宙に舞う。
突然、穏やかだった風が鋭さを増して青年に襲いかかった。一瞬の出来事であったが、その風に立ち止まった彼──ティルの表情は少しばかり翳ったように見えた。
「……そうか」
街道の先にあるデュナン湖を見据え、ティルはぽつりと呟いた。
「君も、逝ってしまったんだね」
彼はしばらくその場で風に吹かれるまま佇んでいた。そしてまた、一人でゆっくりと街道を進んでいく。これから訪れる夜を思わせるような冷たさが降り掛かってくる。風はただひたすらに彼の背を押すような追い風だった。
59561突然、穏やかだった風が鋭さを増して青年に襲いかかった。一瞬の出来事であったが、その風に立ち止まった彼──ティルの表情は少しばかり翳ったように見えた。
「……そうか」
街道の先にあるデュナン湖を見据え、ティルはぽつりと呟いた。
「君も、逝ってしまったんだね」
彼はしばらくその場で風に吹かれるまま佇んでいた。そしてまた、一人でゆっくりと街道を進んでいく。これから訪れる夜を思わせるような冷たさが降り掛かってくる。風はただひたすらに彼の背を押すような追い風だった。
matubahuki_2go
SPUR MEヨ●ンタの空白の25年間の捏造&妄想IFの本編。時系列は🌎5巻で逃亡して一週間後くらい。
その11…完結 【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)
(7/4追記)#ヨの25年間
その11 【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)
――石箱とは?
石で作られた容器
素材:石(大理石・石灰岩・花崗岩)や金属と組み合わせて作られる。
形状:蓋付きで、彫刻が施されることも多い。
理由:燃やされない・腐敗しない・水や虫にも強い。
使用目的①:聖遺物箱……聖人の骨や衣服を入れる箱。
迫害を恐れ地下や教会の壁に埋められた。
使用目的②:石棺……修道院において遺体を納める箱。
地中に埋められる。復活と永遠を表す十字が彫られる。
使用目的③:石箱…… 秘密文書・科学記録の隠蔽用
錬金術などの異端思想の記録を隠すための石製容器。
隠し場所:井戸の底、遺跡の壁裏、森の聖域など。
***
昼過ぎに三人と、荷物を乗せた馬は、視界の開けた草原に到着した。
5487――石箱とは?
石で作られた容器
素材:石(大理石・石灰岩・花崗岩)や金属と組み合わせて作られる。
形状:蓋付きで、彫刻が施されることも多い。
理由:燃やされない・腐敗しない・水や虫にも強い。
使用目的①:聖遺物箱……聖人の骨や衣服を入れる箱。
迫害を恐れ地下や教会の壁に埋められた。
使用目的②:石棺……修道院において遺体を納める箱。
地中に埋められる。復活と永遠を表す十字が彫られる。
使用目的③:石箱…… 秘密文書・科学記録の隠蔽用
錬金術などの異端思想の記録を隠すための石製容器。
隠し場所:井戸の底、遺跡の壁裏、森の聖域など。
***
昼過ぎに三人と、荷物を乗せた馬は、視界の開けた草原に到着した。
1000kobari
DONE初めてライジャン書いてみました。本編軸。時系列としては、トロスト区攻防戦(マルコ死亡)後〜第57回壁外調査(初・女型の巨人戦)前と4年後とをライナーのモノローグで行ったり来たりという感じのお話です。
致してる場面がありますが直接的描写はないので全年齢扱いとしています。
いつかの夜、グレイプニルが解けるまで ――手だ。声をかけたのはそれが理由だった。
あれは、いつの事だったか。記憶が朧気なのは、すでに余程の昔になっているということなのか。それともこの身を巨きく変えた弊害が今更になって表れたのか、はたまた無意識に〝分裂先に移動していた〟からか。
いずれにせよ。ちらつく明かりを受け輪郭を際立たせたその手だけは、ひどく印象に残っていた。付随してぱちぱちと小さな破裂音が耳を訪れる。この世に音とはそれしかないと勘違いできそうなくらい、その場が静かなことを意外に思った気がする。
ああ、火だ。火を、焚いていた。
夜だ。そう、夜だった。いつだかの、遠い夜の出来事。
影を揺らし空間に浮かび上がる細く長い指は、その下の骨の形を見るに女のものではない。手首の方へ視線は一度下り、肘の部分で折り返して肩へと向かう。その際に盾と交差する翼のエンブレムが過ぎった。
10014あれは、いつの事だったか。記憶が朧気なのは、すでに余程の昔になっているということなのか。それともこの身を巨きく変えた弊害が今更になって表れたのか、はたまた無意識に〝分裂先に移動していた〟からか。
いずれにせよ。ちらつく明かりを受け輪郭を際立たせたその手だけは、ひどく印象に残っていた。付随してぱちぱちと小さな破裂音が耳を訪れる。この世に音とはそれしかないと勘違いできそうなくらい、その場が静かなことを意外に思った気がする。
ああ、火だ。火を、焚いていた。
夜だ。そう、夜だった。いつだかの、遠い夜の出来事。
影を揺らし空間に浮かび上がる細く長い指は、その下の骨の形を見るに女のものではない。手首の方へ視線は一度下り、肘の部分で折り返して肩へと向かう。その際に盾と交差する翼のエンブレムが過ぎった。
2ya2yamiryusui
DONE時系列は26巻後の復興後の2人の小説です
ジャグジー施設を作った⚓️が🐈⬛を誘う話
(3632字)
パスワードはツイート元に記載
⚠️キス描写あり
エロくはないです。 3632
miyakokisaragi
DONEリベサガ最終パーティメンバー紹介。原作の時からのお気にいり。軽歩くんと終帝ちゃんのラブな関係はその時描きたいシチュエーションによって付き合ってたり付き合ってなかったりなので明確な時系列はないです…。
みよ(火谷未読)
SPOILERトゴスマ&ウィニア げんみ×ファンタジーパロ その② ミカドとイロハの話
書きたいところだけ書いたので時系列がギュッとしている。
↓設定集↓
https://fusetter.com/tw/OGFsxqbT
pass:アイツのあだ名 1427
みよ(火谷未読)
SPOILERトゴスマ&ウィニア げんみ×ファンタジーパロ その① ミカドとハルキの話
書きたいところだけ書いたので時系列がギュッとしている。
↓設定集↓
https://fusetter.com/tw/OGFsxqbT
pass:アイツのあだ名 986
huhaitya
PAST水父子2024年の夏企画に参加させて貰ったCP薄め家族ほのぼの系短編集2本立てです。
時系列バラバラで鬼太郎が小さかったり本編の姿だったりします。
パスはWebオンリーサークル説明欄をご確認下さい。
【夏のほのぼの水父子短編集】【五月晴れ】
いやぁよく晴れている!と大声出して言いたくなる程の五月晴れである。
農家などの大事な雨以外は降らなくてもいいよなぁとなる雨があがり青空が顔を出す。
晴れはいい。
やはり雨よりはそりゃあいい。
洗濯物だってカラッと乾かせるからな。
しかし雨を望む者だっている訳だが…
「……」
「……いい天気だな…」
「あめーー!!」
この愛息子は晴れたらご立腹である。
雨が続く季節に入ると言う事で、鬼太郎は新しくレインコートを昨日買ったばかりだった。
そう、昨日である。
今日はそのレインコートを着て雨の中外へ遊ぶ気満々だったのだ。
それがまさかの五月晴れ。
おかげで丸い頬がパンパンになる程ふくれっ面を晒して不満で仕方ない息子の出来上がり。
4366いやぁよく晴れている!と大声出して言いたくなる程の五月晴れである。
農家などの大事な雨以外は降らなくてもいいよなぁとなる雨があがり青空が顔を出す。
晴れはいい。
やはり雨よりはそりゃあいい。
洗濯物だってカラッと乾かせるからな。
しかし雨を望む者だっている訳だが…
「……」
「……いい天気だな…」
「あめーー!!」
この愛息子は晴れたらご立腹である。
雨が続く季節に入ると言う事で、鬼太郎は新しくレインコートを昨日買ったばかりだった。
そう、昨日である。
今日はそのレインコートを着て雨の中外へ遊ぶ気満々だったのだ。
それがまさかの五月晴れ。
おかげで丸い頬がパンパンになる程ふくれっ面を晒して不満で仕方ない息子の出来上がり。
CuO
MOURNING寿月まとめたつもり 3年弱分あるはずなのに少ねーっ、多分漏れがたくさんあります、一応他のまとめに入ってるやつは入れてないつもり時系列ぐちゃぐちゃ、幼児化に死ネタにカスの寿に女装など色々あるし分けられる元気もなかった、女体化はない 37
ロウバイ
DOODLEストレイキャットの右目が磔のきみの青年の瞳の可能性だってあるんじゃない?きっとどんな宝石よりも綺麗なんだから
2枚目は蛇足、ストレイキャットの右目が宝石になる前、まだ青年が少年の家に来る前くらいの時系列
(一枚目の青年くんしっかり磔にされてなかったので思念ということにしてくれないか?) 2
どこかさん。
DONEひげんじつ卓様の二次創作となります。時系列は前半はクトゥグアとハスターの過去動画の後、後半のわちゃわちゃは鹿野山の後のつもりで書きました。ただの妄想です。
相変わらず+のような×のような小話です。描き終わって読み返したらほんのりと名→バヴェっぽいような気もしてきました。
パスは【0323】となります。 5701
matubahuki_2go
SPUR MEその10 石箱を探す3人ヨ●ンタの空白の25年間の捏造&妄想IFです。
本編です。時系列は🌎5巻で逃亡して一週間後くらいです。
****(5/20追記・その10完結)
6/11 齟齬を訂正
#ヨの25年間
その10 石箱を探し始めた3人翌朝、ポトツキがヨレンタに「手伝ってほしいことがある」と言った。
彼は小屋の外に出て、森の方を見ていた。
「コハンスキ君、馬の様子を見てきてくれ。」
コハンスキは無言で頷き、馬小屋に向かった。
「ヨレンタは私と一緒に来てくれ。」とポトツキは言った。
ヨレンタは黙って従った。
彼女は不安げに尋ねた。
「私は、何をすればいいんですか?」
ポトツキは、じっとヨレンタをじっと見つめた。
-----(5/11追記)
「ヨレンタ、君を異端者と見込んで、頼みたい事がある。
私の死んだ息子も異端者だった。養子だったが、本当に自慢の息子だった……。
今から10年前で、まだ12歳だった……。」
彼の肩まである長い髪と、口ヒゲは真っ白で、ポトツキの苦労を偲ばせた。
4654彼は小屋の外に出て、森の方を見ていた。
「コハンスキ君、馬の様子を見てきてくれ。」
コハンスキは無言で頷き、馬小屋に向かった。
「ヨレンタは私と一緒に来てくれ。」とポトツキは言った。
ヨレンタは黙って従った。
彼女は不安げに尋ねた。
「私は、何をすればいいんですか?」
ポトツキは、じっとヨレンタをじっと見つめた。
-----(5/11追記)
「ヨレンタ、君を異端者と見込んで、頼みたい事がある。
私の死んだ息子も異端者だった。養子だったが、本当に自慢の息子だった……。
今から10年前で、まだ12歳だった……。」
彼の肩まである長い髪と、口ヒゲは真っ白で、ポトツキの苦労を偲ばせた。
chitose_3_2
DOODLEこの前の第2.5話①でブロマンス男子ズを描いたので突発のロマンシス女子ズver.です。呼び方逆ver.とセリフなし全体も有。
※たぶんロマンシス
※露出が多めです
※シチュは謎ですが男子ズと同じ時系列
※この🍜🍥パラレル世界線はペパアオ、ピニャボタ前提です 4
mildfleur_HS
DOODLE【pkg】0333♂/パトリック(幼少期)
文字通り。5/5がこどもの日と聞いて、ほぼ突発的に描いてみた幼少期パトリックです。
時系列的に彼が相当幼い頃というイメージで妄想しながら描いた感じですね。
sorigosi_soru3
DONE飯Pワンドロワンライ お題「ハグ」での参加です!時系列はスパヒ後すぐです!
夜の静寂を切り裂いて戦いは終わった。
長い長い一日だったと、ピッコロは思う。地面は深くえぐれ、レッドリボン軍の基地は跡形もなく消え失せていた。視線を横に移せば、悟飯が娘のパンと無邪気にじゃれ合っている。
「じゃあね、バイバイ、気をつけてね」と、あちこちから声が飛ぶ。
「ピッコロさん、少し話したいことがあるので、夜にそちらへ行きますね」
「なんだ、今言えばいいだろう」
「今じゃどうしてもダメなんです。二人きりじゃないと」
「お前がいいならそれでいいが……今日は休んだらどうだ?」
「大丈夫ですよ、ボクは。ピッコロさんは大丈夫ですか?」
悟飯のその問いかけに、ピッコロは「ああ」と曖昧に返事をした。
「よろしくお願いしますよー!」と手を振る悟飯に、それを真似るパンが並ぶ。ピッコロは笑みをこぼしながら、ゆっくりと手を振り返した。
1424長い長い一日だったと、ピッコロは思う。地面は深くえぐれ、レッドリボン軍の基地は跡形もなく消え失せていた。視線を横に移せば、悟飯が娘のパンと無邪気にじゃれ合っている。
「じゃあね、バイバイ、気をつけてね」と、あちこちから声が飛ぶ。
「ピッコロさん、少し話したいことがあるので、夜にそちらへ行きますね」
「なんだ、今言えばいいだろう」
「今じゃどうしてもダメなんです。二人きりじゃないと」
「お前がいいならそれでいいが……今日は休んだらどうだ?」
「大丈夫ですよ、ボクは。ピッコロさんは大丈夫ですか?」
悟飯のその問いかけに、ピッコロは「ああ」と曖昧に返事をした。
「よろしくお願いしますよー!」と手を振る悟飯に、それを真似るパンが並ぶ。ピッコロは笑みをこぼしながら、ゆっくりと手を振り返した。
Tsugusawa
DOODLE⚠️ネタバレ注意⚠️奏章Ⅳのカドぐだ♀話
時系列は20歌のあたり
滾りと心の整理とで一気に書き上げたもの
閲覧される際は、奏章Ⅳを最後まで読み終わってからにして頂けますと幸いです 2682
waichan000
MEMO占祖(身体の関係はありますが完全に祖の片思いです)性描写はほとんどありませんので18禁にはしていませんが、ヤることヤってますのでご注意ください※R15 ※
祖の独白
ずっと時系列に淡々と語ってるだけです
占が死ぬ描写はしっかりあります
※書きたいことをだらだら書いてるので小説と呼べるほどのものではないです
※先日書いたネックレスの話を掘り下げただけ
※喧嘩と殺し合いはセックスだと思ってます。
俺は、占の手が好きだった。
大きくて、温かくて、まるでこの世界で唯一、俺だけに触れるためだけに存在しているみたいだった。
冗談を言い合うときも、そっと慰めるときも、いつだってその手は優しく、俺を包み込んだ。
けれどある日、右手の甲に蠍の刺青を見つけた。
黒々と、肌を食い破るように這うその蠍は、占が雷に自らを捧げた証だった。
占は何も話さないし、俺も「何故だ。」なんて、訊けなかった。
訊いたところで、欲しい答えは得られないのだから。
その右手は、もう俺だけのものじゃない。その現実だけで十分だった。
その夜も、占は変わらず俺を抱いた。
暗い部屋の中で押し倒され、肌と肌が貼りつくたび、蠍の刺青が俺の身体をなぞった。
背筋をなぞる感触に、びくりと身体が跳ねる。
3726大きくて、温かくて、まるでこの世界で唯一、俺だけに触れるためだけに存在しているみたいだった。
冗談を言い合うときも、そっと慰めるときも、いつだってその手は優しく、俺を包み込んだ。
けれどある日、右手の甲に蠍の刺青を見つけた。
黒々と、肌を食い破るように這うその蠍は、占が雷に自らを捧げた証だった。
占は何も話さないし、俺も「何故だ。」なんて、訊けなかった。
訊いたところで、欲しい答えは得られないのだから。
その右手は、もう俺だけのものじゃない。その現実だけで十分だった。
その夜も、占は変わらず俺を抱いた。
暗い部屋の中で押し倒され、肌と肌が貼りつくたび、蠍の刺青が俺の身体をなぞった。
背筋をなぞる感触に、びくりと身体が跳ねる。
suisoo___
MAIKING双子ちゃんバースデー、途中までなんですがこんな感じの話をアップ予定です🩵💛タイトルが本日バースデーの超時空シンデレラの曲からいただいたのでちょっとだけ…🤟
無印砂漠→無印宇宙→運命クレタ後→自由前の時系列で、とりあえず無印砂漠編になります
ZEROが公開されるまでに出したかった話なので、間に合って良かった……
流星にまたがって(双子話/無印) ふと目が覚めてしまったカガリは、外の空気を吸いに寝床から出て夜の砂漠を歩いていた。昼間の焼けつくような熱をすっかり手放し、冷え込むような静けさに包まれている。月の光は頼りなく、風が吹くたびにサラサラと砂が音を立て視界をゆっくりと削る。
そろそろ戻ろうかと踵を返そうとした所、視界の端に人影を見つけた。
「……ん?あいつ、確か……」
薄暗い月明かりの中を、誰かがふらふらと歩いていた。カガリは目を凝らした。制服の裾が風に揺れている。その歩き方はどこか現実から切り離されたように頼りない。細身の身体、ブラウンの髪。見覚えのある少年。
「あんな所で何してるんだ……?」
思わず足を動かしていた。戦闘がようやく終わりみんなが寝静まった時間に、何故か夜の砂漠を歩いていた。帰る場所があるはずなのに、何故。
3386そろそろ戻ろうかと踵を返そうとした所、視界の端に人影を見つけた。
「……ん?あいつ、確か……」
薄暗い月明かりの中を、誰かがふらふらと歩いていた。カガリは目を凝らした。制服の裾が風に揺れている。その歩き方はどこか現実から切り離されたように頼りない。細身の身体、ブラウンの髪。見覚えのある少年。
「あんな所で何してるんだ……?」
思わず足を動かしていた。戦闘がようやく終わりみんなが寝静まった時間に、何故か夜の砂漠を歩いていた。帰る場所があるはずなのに、何故。