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    暴君

    よるのなか

    MOURNINGキスブラ。酔っぱらって暴君極まりないブさんです。ブさんが大分いけいけどんどんおかしなことになってます、すみません…キさんを暴君振りで振り回すブさんが急に書きたくなりまして。
    書いててとても楽しかった。
    割増暴君『三十分後、お前の家』
     受信したメッセージには、それだけが表示されていた。理由も状況もさっぱりわからねぇが、とりあえず三十分後に家にいろ、ということだけはわかったから、ディノにそれを告げてオレは自宅へ足を向ける。ちょうどパトロールが終わったところだから三十分後に着けるけど、これタワーで受け取ってたら三十分後に着けるかなんてわからねぇぞ、とそこまで考えて、いや、パトロール中だとわかっていたんだな、と思い直した。あの男のことだ、それくらい把握済みで送った指示なんだろう。
     ぴったり時間通りに着くと、既にブラッドは玄関先に立っていた。
    「……来たか」
     そう言って、オレをじっと睨んでくる。来るなり睨まれても、とオレは思わず後退りしそうになって、それからよくブラッドを観察した。どうも、目が据わっているように見える。なのにどこか覇気がなくて、それから目元や首筋、頬など全体的に妙に赤いような。
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    last_of_QED

    DOODLE月光→暴君話。月光の暴君暗殺計画には計り知れない苦労がありそう。様子をうかがってるうちにあんまりにも世間知らずで暴君様のことちょっと心配しちゃうとか。暗殺しようとしてるのに。おかしいね。可愛いね。
    【仮初の仲間】 重厚な蓋を持ち上げれば敷き詰められた黒百合の花びらが舞った。狼男の鼻にはきつく感じられる、甘やかな香り。中を覗き込めば端正な顔立ちの男が瞼を閉じ、寝床に収まっている。その寝床が棺桶であることも相まって男はまるで絵画に描かれた死者のように見えた。彼はノーライフキング、死からはほど遠い存在であるはずなのだが。

     狼男は尚も寝息を立て眠る暴君ヴァルバトーゼの姿に眉をひそめた。

     間抜けな奴。たった半日行動を共にしただけのオレを信用し切って眠りこけて一体どういう了見だ?

     「血染めの恐怖王」として魔界中から畏怖される吸血鬼。噂に名高い暴君ヴァルバトーゼがまさかここまで不用心だとは思っていなかった。
     机の上には暗殺用にあからじめ用意しておいた毒入りワインとグラス。反吐が出るが都合は良い。オレたちが「仲間」になった記念だとでも言って差し出せばこいつは喜んでグラスをあおるだろう。そうだ、これまでの言動から推察するに十中八九疑いもせずに。
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