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    暴君

    last_of_QED

    DOODLE月光→暴君話。月光の暴君暗殺計画には計り知れない苦労がありそう。様子をうかがってるうちにあんまりにも世間知らずで暴君様のことちょっと心配しちゃうとか。暗殺しようとしてるのに。おかしいね。可愛いね。
    【仮初の仲間】 重厚な蓋を持ち上げれば敷き詰められた黒百合の花びらが舞った。狼男の鼻にはきつく感じられる、甘やかな香り。中を覗き込めば端正な顔立ちの男が瞼を閉じ、寝床に収まっている。その寝床が棺桶であることも相まって男はまるで絵画に描かれた死者のように見えた。彼はノーライフキング、死からはほど遠い存在であるはずなのだが。

     狼男は尚も寝息を立て眠る暴君ヴァルバトーゼの姿に眉をひそめた。

     間抜けな奴。たった半日行動を共にしただけのオレを信用し切って眠りこけて一体どういう了見だ?

     「血染めの恐怖王」として魔界中から畏怖される吸血鬼。噂に名高い暴君ヴァルバトーゼがまさかここまで不用心だとは思っていなかった。
     机の上には暗殺用にあからじめ用意しておいた毒入りワインとグラス。反吐が出るが都合は良い。オレたちが「仲間」になった記念だとでも言って差し出せばこいつは喜んでグラスをあおるだろう。そうだ、これまでの言動から推察するに十中八九疑いもせずに。
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    masu_en

    MOURNING2021年12月発行『緋色の暴君2』のBOOST御礼ペーパーだったものです(スパイパロです)(再録本2に入ってます)。当時はHiMERU(兄)の名を要だと思って書いていて今見ると恥なのですが、せっかく書いたのであの頃見てた本体の幻覚を共有します。
    BOOSTしてくださった方、改めましてありがとうございました。
    【再録】舞台裏【スパイパロ】 餃子、炒飯、麻婆豆腐、回鍋肉。
    「このお店美味しいね。あ、これも追加で」
     酢豚、八宝菜、春巻にエビチリ。
    「見かけによらずよく食べるよね~ヒメルンさんって。俺達も負けてられないっていうか」
     青椒肉絲、棒棒鶏、小籠包……
    「何張り合おうとしてるの、アニキ。燐音先輩の顔見てみなよ」
    「燐音? 箸動いてないけど大丈夫?」
     担々麺を口に運ぶ手を止めたヒメルは、はす向かいで口元を押さえている燐音に呼び掛けた。
    「さっきから豆苗しか食べてなくない?」
    「いや、俺っちはこれだけあればじゅうぶん……」
     彼は苦く笑って瓶ビールを煽った。そっちはもう五本目くらいだ。
     今日は〝『2wink』へのお礼とお詫び〟とか言っていたか。調べものを引き受けてくれた(それから血気に逸るニキとこはくを押さえてくれた)見返りに、中華料理をご馳走する約束をしていたのだそうだ。
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    last_of_QED

    DONEこんな気持ち、どうやったって伝わらない。
    R18執事暴君🐺🦇貴方への話し方、伝え方、そして触れ方を教えて。悪魔(おとな)のためのお勉強会、今開幕。
    悪魔(おとな)のためのコミュニケーション【悪魔(おとな)のためのコミュニケーション】



     絶対的な強さと理知を備え、孤高に己が道を往くは悪の美学……ではあるが、しかし悪魔である以上、綺麗事ばかり言ってはいられない。多勢に無勢、複数でたった一騎の敵を取り囲み手際良くカタをつけるのが定石というもの。それを卑怯だなどと糾弾される筋合いなどない。何せ、此処は悪魔巣食う魔界なのだから。

    「最近は歯応えのある輩がおらんな、つまらん」
    「流石は我が主。強過ぎるというのも困りものですね」

     まさにその美学を貫くように鮮やかに敵を蹴散らした主人の手元でカグツチの矛が焔を纏い、燻って魔力を持て余している。
     暴君ヴァルバトーゼ。オレが忠誠を誓い行動を共にするようになってからというもの、この人には事あるごとに驚かされてばかりだった。敵と対峙すれば槍一振りで薙ぎ払い、オレの出る幕などほとんどない。せいぜい敵の頭数が多い時に主人の背を守る程度のもので、仮にオレがいなくとも、吸血鬼は敵の数をその力で捩じ伏せただろう。
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