Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    zeppei27

    PROGRESS傭泥小説「鍵と錠」第七話の続きで、レッスン:デート編……多分いちゃついてる(?)折り返しくらいです
    鍵と錠 #7 公私混同は難しい。最初は線を引きつつ、うまく切り分けられているつもりでいても、一度踏み誤って仕舞えばあっという間に崩壊してしまう。作り上げられた物語は、筋書きを逸脱した時点で破綻するものだし、結末が予定された通りになるとは保証しかねる。それが自分自身の物語であるならば問題はない。好きなように生き、動き、結果を受け入れれば良いだけの話だ。だが、他人のために用意された物語だったら?相応の報いがあると覚悟せざるを得まい。開けてはならない扉を開いた者には然るべき罰があるのだ。

     自分でも開けるつもりのなかった扉を開いてしまったナワーブ・サベダーが、最初に抱いたのは拍子抜けするほどの安らぎであり、当惑だったと言って良い。確かに最初は自分が用意した脚本通りのゲームだったのだし、十二分に楽しめた。それがいつからか脚本上の『ナワーブ・サベダー』と自分自身とは混濁し、今では正直に言ってしまおう、職業人として恥ずかしいまでに私人として行動している。否、今日この時は意図してありのままの自分であろうと決意していた。
    9388

    zeppei27

    PROGRESS傭泥小説「鍵と錠」の続き、第七話の冒頭部分〜
    書き始めましたよ!というお知らせです。一夜明けて、再会を楽しみにしているナワーブからお届けします。
     公私混同は難しい。最初は線を引きつつ、うまく切り分けられているつもりでいても、一度踏み誤って仕舞えばあっという間に崩壊してしまう。作り上げられた物語は、筋書きを逸脱した時点で破綻するものだし、結末が予定された通りになるとは保証しかねる。それが自分自身の物語であるならば問題はない。好きなように生き、動き、結果を受け入れれば良いだけの話だ。だが、他人のために用意された物語だったら?相応の報いがあると覚悟せざるを得まい。開けてはならない扉を開いた者には然るべき罰があるのだ。

     自分でも開けるつもりのなかった扉を開いてしまったナワーブ・サベダーが、最初に抱いたのは拍子抜けするほどの安らぎであり、当惑だったと言って良い。確かに最初は自分が用意した脚本通りのゲームだったのだし、十二分に楽しめた。それがいつからか脚本上の『ナワーブ・サベダー』と自分自身とは混濁し、今では正直に言ってしまおう、職業人として恥ずかしいまでに私人として行動している。否、今日この時は意図してありのままの自分であろうと決意していた。
    3136

    zeppei27

    PROGRESS傭泥連載、鍵と錠六話目の中盤くらいまで書けてきたよ!パートナー代行としてそれらしいお仕事を始めたナワーブが、まさかの場所にあるパーティ会場に入ったが……
    鍵と錠#6 小難しい理論だと思われがちな話も、案外簡単に飲み込めることがある。例えばかの有名な相対性理論は、門外漢には到底理解できないと敬遠する人間は多い。しかし、『素敵な女性と並んで座って過ごす2時間は1分のように感じられるかもしれないが、熱いストーブの上に座った1分間は2時間過ごしたかのように感じられるだろう。それが相対性というものだ』と日常的な言葉で説明されたらば、やや気持ちは和らぐ可能性が高い。要するに、遠い出来事も身近になれば多少はわかった気になりうるのだ。

     クリーチャー・ピアソンは、ルカ・バルサーにこの説明で相対性理論を解説されてもまるで理解できなかった朴念仁である。なんでもアインシュタイン自身が語った言葉らしいが、アインシュタインが誰だと言うのだろう?自分の人生にはまるで関係あるまい――そう思っていたのだが、今となってはクリーチャーは誰よりも相対性なるものを深く理解していた。確かに、時間の重みとでも言うべきものは対象によって随分と変わる。
    8261

    牧野埴

    DONE鈴藤さんから頂いたプロットを互いにネームに起こして遊ぼう!という企画から起こしたネーム。後ろ4枚は鈴藤さんのネームです。
    好き勝手書いていたらずいぶん雰囲気が違ってしまったのですが、鈴藤さんの描く少女漫画のセンスがとても好きだったのでプロットに手を入れさせていただいてもうめっちゃ楽しかったです!!!

    鈴藤さんが私のプロットをもとにネーム描いてくださった漫画はこちら
    https://www.pixiv.net/artworks/92197538
    とても素敵な少女漫画にして下さいました ありがとうございます…成仏できます…(???)

    鈴藤さんとは全然漫画の雰囲気が違うから同じプロットからでも全然違うネームになってしまったのも楽しいというか。私のネームは字が汚すぎて読みづらいので、軽くペン入れしたらpixivのほうにアップしたいと思います~
    お誘いくださった鈴藤さんありがとうございました!


    以下元になった鈴藤さんのプロット↓

    タイトル
    ・通い路
    ・通い路〜異郷の花〜
    ・しろがね花の通い路
    ・すすきの迷路

    設定
    ・二人旅?二人行動
    ・キーワードのススキ
    花言葉は「心が通じる」
    ・リナは「あの日」で魔法が使えない日
    ・サクラコラボレーションの桜と同じく、異郷の花かもしれない、結界外かもしれない


    眼前に広がるススキ野原
    これ迂回できないの?
    迂回するにはいささか距離があるかと。
    突っ切るしかないかあ。
    抱えて飛びましょうか。
    いらない。貸しは作ってもあんたに借りは作らない。
    男女の間に合意があれば、貸しも借りも無いんじゃないですか。
    あんた男だったの。
    腹部をさする彼女は。
    (弱みを見せるのは是としない…か)
    こんな時(・・・・)くらい僕に頼ればいいでしょうに。
    そういう間に彼女はマントで頭まで覆ってススキ野原に踏み込んだ。


    リナさぁん、置いて行かないでくださいよ。どこにいるのか全然見えませぇん。
    悪かったわねっ。埋もれててっ。大体あんたは見えなくても分かるでしょっ。
    リナの背丈をゆうに超えるススキの迷路があなたを隠してしまう。
    ここ、途中に泥地とかないでしょうね。
    それはないでしょう。この植物は水はけの悪い場所では育たないらしいですから。
    詳しいじゃない。
    聞きかじりですよ。

    ゼロス。
    振り向くと忽然と姿を消すゼロス。
    彼の身長ならギリギリ頭が見えているはずなのに。
    頭を覆ったマントを解いて、周りを見渡すと、ススキの葉があたしの頬を切った。
    鋭利 

    血が出ていますよ。(・・・・・・・・)
    後ろから彼が私を包み込む。
    彼の言葉を勝手に意味深に捉えてしまい、頬が熱くなる。
    言い忘れましたけど、この花(・・・)の葉はとても鋭いので気をつけてくださいね。
    それにこんな日は(・・・・)身体を冷やすとよくないでしょう。
    そういってあたしのお腹をさすってくる。
    怒りと羞恥で耳まで赤くなってしまう。
    うるさい。こんな前も後ろもわからない迷路みたいなとこさっさと抜けるわ。
    手を振り払い歩を進めようとすると、


    そうですね。
    こんな迷路(もの)に惑ってしまうくらいなら、
    僕があなたを隠してしまいましょうか。
    ほぅ。ため息
    そうね。利害の一致だけで一緒にいるんじゃない。今を決めているのはあたし自身なんだから-。
    ま、いっか。
    彼のマントに包まれたあたしは気がつくとススキ野原を抜けていた。

    ススキの花言葉
    心が通じる
    20