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    異世界

    tamagobourodane

    DOODLE自分の世界に帰って異世界のことをかなり忘れちゃってる晶君のところにこれまた色々忘れてるフィガロが「来ちゃった♡」する話 (1/4)
    全編にわたってフィガロがほぼヒモ
    重いけど最後まで手は離さないパターンのやつ


    ※若干心療内科のシーンがあるので、その場所にトラウマがあったりする人は注意してください
    ※模造の城読んだ人はあれの対になるやつなので話の構造はやや似てます




    1.

    『八日未明、〇〇海岸沿いにて、三日間行方不明になっていた男性が発見されました。現在は意識を回復され、ご家族にも連絡が取れたということです。海難事故に遭った経緯に関して本人は覚えていないと話しており、警察は事件性の有無を調査しています――』

     モニター越しに見える濃い青をたたえた海、それに広がる小さな白波、それから少し黄色い砂浜。それらはいずれも晶が良く見知った光景で、彼の住んでいるマンションから十分ちょっとも歩けばその目で見に行くことができる。カメラを通さず自分の目で直接見るそれは、もっと青と緑の濃く入り混じる複雑な色をして輝き、それから人を飲み込むように暗い。
     晶は歯ブラシを口の中で動かしながら、ぼんやりとその映像を見ていた。安価であることだけが取り柄の家具屋で買った、どの単身者の家にもある、白木の背もたれ付きの椅子に身体を預け、日々の仕事で疲れた足を安っぽいフローリングの上に投げ出していた。それから椅子と揃いのテーブルに朝食の食べ残しを載せて――そんな若い単身者にお決まりの光景であっても、晶にとっては自分の稼ぎで住んでいる、自分だけの城の景色だった。
    映像は海の危険性に 44754

    まちこ

    TRAININGジャミルと監督生と異世界カレー「私の世界では固形のルーというものがありまして・・・」



     図書室の本を必死に書き写したというレシピを見ながら恐る恐るスパイスを準備する彼女の背中を眺める。


     「いつもお世話になっているので!」と突然彼女が両手を握って言ってきたかと思えば俺は誰もいない厨房へと強制的に引っ張られた。なんでも俺のためにカレーを作ってくれるらしい。でもその手はたどたどしく不安が募っていく。


     確かにいつも面倒を見ている。だけどそれは嫌々だとかそういうわけではなく、俺がしたいからしているだけなのだが、そんな俺の気持ちに気づいてない彼女は“面倒見がいい先輩”として慕ってくれていた。下心なんてあるわけないと信じ切っているわけだ。
     男子校の中で浮いている華奢な体なんて簡単に捕まえられるのに、そうしないのは理性があるからだと気づいてほしいような、気づいてほしくないような、複雑な気持ちで最近悩まされている。

     スパイスを準備し終わって、鼻をすすりながら玉ねぎの皮をむく彼女はしょぼつく目を擦りたいのに擦れない状態がもどかしいのかその場で足踏みをしている。



    「大丈夫か?」

    「大丈夫です・・・これもジ 2617