笹
mct_ichi
DONE本丸3周年!審神者就3周年のお話を書いてみました。先日の「RT達成で普段と真逆の作風で書く」のお題を兼ねてみました。
いろんな意味で普段と逆というか、普段やらないことをやってみましたけど、たぶん本人しか気付かない。
自己投影型夢小説?
完全にうちの本丸の話になります。出てくる審神者がイコール私。
完全にうちの個体の子たちです。
朝のエピソードそのまま書きました。
出てくるのは笹貫と長谷部です。
本丸3周年記念日ガラッと言葉もなく開けられた襖に長谷部は視線をやる。そこには若干いつもよりも目が据わった笹貫が立っている。
「呼ばれてる。」
「…呼ばれ…ああ。」
相変わらず言葉の足りていない笹貫の言葉を汲み取り、壁にかかっているカレンダーを見て長谷部は頷く。そういえば昨日近侍を命じられなかったな、と思い出したのは今。多分に主に似て記念日というものにさして興味がないのである。
本を置いて立ち上がれば「あのさぁ、聞いてよ。」馴れ馴れしく肩に肘を置かれた。
「気安い。」
「同じ本丸の仲間なんだからそう言わないでよ。」
長谷部の拒絶などどこ吹く風で男は続ける。
「今日ってこの本丸が出来て3年の記念日なんだろ?」
「そうだな。」
軽く笹貫の手を払って歩き出せば、彼は後ろからついてくる。どころか、軽く肩を組むような格好で話しかけてくるではないか。
4297「呼ばれてる。」
「…呼ばれ…ああ。」
相変わらず言葉の足りていない笹貫の言葉を汲み取り、壁にかかっているカレンダーを見て長谷部は頷く。そういえば昨日近侍を命じられなかったな、と思い出したのは今。多分に主に似て記念日というものにさして興味がないのである。
本を置いて立ち上がれば「あのさぁ、聞いてよ。」馴れ馴れしく肩に肘を置かれた。
「気安い。」
「同じ本丸の仲間なんだからそう言わないでよ。」
長谷部の拒絶などどこ吹く風で男は続ける。
「今日ってこの本丸が出来て3年の記念日なんだろ?」
「そうだな。」
軽く笹貫の手を払って歩き出せば、彼は後ろからついてくる。どころか、軽く肩を組むような格好で話しかけてくるではないか。
asaki
DONE冬至だっていうから……お腹が減ったらごめんね
【笹仁】winter solstice「笹塚、さーさづか!」
キッチンの方から声をかけられて、そちらを見ると仁科が何か作っているようだった。
もくもくとした湯気が立ち上り、気が付けばふわりとした出汁の匂いがする。それに応じるように腹がぐうと鳴いた。
「メシにするけど、おまえも食べる?」
「食う」
「準備するから待ってて」
声をかけてきている時点で、仁科は笹塚に食事をさせる気だったはずだ。そうでなければわざわざしつこく声をかけてこない。
料理をする仁科も珍しいが、そうやって笹塚に食べさせようとする仁科も珍しかった。
笹塚は作業していた場所からソファの定位置に座って仁科を待つ。作業する仁科の生活音が耳に届き、サンプリングしたくなる衝動を抑えながら大人しくすることにした。
3577キッチンの方から声をかけられて、そちらを見ると仁科が何か作っているようだった。
もくもくとした湯気が立ち上り、気が付けばふわりとした出汁の匂いがする。それに応じるように腹がぐうと鳴いた。
「メシにするけど、おまえも食べる?」
「食う」
「準備するから待ってて」
声をかけてきている時点で、仁科は笹塚に食事をさせる気だったはずだ。そうでなければわざわざしつこく声をかけてこない。
料理をする仁科も珍しいが、そうやって笹塚に食べさせようとする仁科も珍しかった。
笹塚は作業していた場所からソファの定位置に座って仁科を待つ。作業する仁科の生活音が耳に届き、サンプリングしたくなる衝動を抑えながら大人しくすることにした。
さみぱん
DONE先週の流星群を見てた笹唯ちゃんからメリークリスマス!初出:2021.12.25
星に願うこと【笹塚創】 クリスマスシーズンで浮ついた街へ出て、人間観察と環境音のサンプリングから戻ったら、いつもの事だがとっくに夕食の時間は終わっていた。冷蔵庫を覗いてみると『笹塚さんの分』とメモが貼られた皿があった。そういえば昼も食べてないし、続けて食いっぱぐれるのは困るので助かるな。料理をレンジで温めていると、誰かがうろうろしている影が見えた。テラスから庭へ出たり入ったりしているような音もする。
「笹塚さん! 今日は何時からですか?」
食べ終えた食器を片付け、タブレットを弄りながら部屋へ戻ろうと立ち上がると、上着の袖をきゅっと引っ張られた。声ですぐわかるし、こんなことをするのは1人しか居ない。思った通り肩越しに見えたのは朝日奈だ。俺が席を立つのを待ち構えていたという所だろう。
3976「笹塚さん! 今日は何時からですか?」
食べ終えた食器を片付け、タブレットを弄りながら部屋へ戻ろうと立ち上がると、上着の袖をきゅっと引っ張られた。声ですぐわかるし、こんなことをするのは1人しか居ない。思った通り肩越しに見えたのは朝日奈だ。俺が席を立つのを待ち構えていたという所だろう。
asaki
MOURNING12/1は映画の日らしいので【笹仁】beauty in the movie ドラマの劇伴を作るときはストックの中から引っ張り出した曲をアレンジすることが多い。ふんわりとしたオーダーで、使用する場面などは特に指定されない。笹塚が依頼されるのはメインテーマだったり、エンディングのインストだったりと一部分が多いのでそれで事足りてしまうのだ。
だが映画は違う。事細かにオーダーがあり、監督の強いこだわりを延々聞いてイチから作らなければならない。そうなると笹塚はリサーチにかなりの時間を割くことになる。
前者は自由に笹塚が色付けをしておけば好き勝手に解釈してくれる絵画のようで、後者はバラバラのピースを渡されてきれいに当てはめろと言われているようなものだ。出来上がりの図は誰も分からない。携わる者の力量が試される。
2687だが映画は違う。事細かにオーダーがあり、監督の強いこだわりを延々聞いてイチから作らなければならない。そうなると笹塚はリサーチにかなりの時間を割くことになる。
前者は自由に笹塚が色付けをしておけば好き勝手に解釈してくれる絵画のようで、後者はバラバラのピースを渡されてきれいに当てはめろと言われているようなものだ。出来上がりの図は誰も分からない。携わる者の力量が試される。
nokonoko_nkkn
DONE成長兵みか・笹山先生まとめです。笹山(み)先生と旦那さん・笹山先生夫婦は相互さんのアイデア拝借いたしました。
どのパターンでも想像するととても楽しくて夢が膨らみます!!! 14
yugetsu1341
PROGRESS笹貫さんの話の進捗。ちょっと自信ないのと尻叩きで置いておきます。殿をやりたがる刀の話殿(しんがり)。
単に部隊の最後尾につくことを指すが、撤退戦において軍列の最後にて敵の追撃に備えることでもある。どちらにしても、最後尾というのは気が鋭い者強いてはそれなりに練度がある者が務めないと意味がない。奇襲などにいち早く気づき、そして後退する際は追撃する敵を防ぎながら味方の戦力を温存かつ速やかに移動させる。とても荷が重いこの役をやりたがる刀がいた。
笹貫である。
最近顕現した刀で現在進行系で練度上げを集中的にされているというのに、彼はやたらと殿をやりたがった。出陣はもちろん遠征でも。しかしまだ中途半端な練度の彼に殿は無理だということで却下されるのが常だった。
「ねぇ、笹貫。あんたどうしてそんなに殿やりたがるの?」
3845単に部隊の最後尾につくことを指すが、撤退戦において軍列の最後にて敵の追撃に備えることでもある。どちらにしても、最後尾というのは気が鋭い者強いてはそれなりに練度がある者が務めないと意味がない。奇襲などにいち早く気づき、そして後退する際は追撃する敵を防ぎながら味方の戦力を温存かつ速やかに移動させる。とても荷が重いこの役をやりたがる刀がいた。
笹貫である。
最近顕現した刀で現在進行系で練度上げを集中的にされているというのに、彼はやたらと殿をやりたがった。出陣はもちろん遠征でも。しかしまだ中途半端な練度の彼に殿は無理だということで却下されるのが常だった。
「ねぇ、笹貫。あんたどうしてそんなに殿やりたがるの?」
さみぱん
TRAINING昨日の月食見てた笹唯ちゃん。ただイチャイチャしてましたね。。。
初出:2021.11.20
ビーバームーン【笹塚創】 テラスのベンチに笹塚が座っているのが見えた。日も落ち、冷たい風が吹き始めた時間に一人で何をしているのだろうか。
もしも録音中だった場合に備え、余計な音が入らないようにそおっとテラスに続く扉を押し開けて覗くと、笹塚は缶コーヒーを片手に空を見上げているだけのようだ。そばに寄ってみると、持っているのはコーヒーではなくココアだったらしく、甘い香りが漂っている。
「笹塚さん、おかえりなさい」
「ああ、朝日奈か。ただいま」
「玄関通ってませんよね? ここで何やってるんですか?」
笹塚はチラリと一瞥して朝日奈の存在を確認すると、すぐまた空を見上げる姿勢に戻ってしまう。
「今日ビーバームーンの月食だから」
「え? ビーバー……⁇」
2184もしも録音中だった場合に備え、余計な音が入らないようにそおっとテラスに続く扉を押し開けて覗くと、笹塚は缶コーヒーを片手に空を見上げているだけのようだ。そばに寄ってみると、持っているのはコーヒーではなくココアだったらしく、甘い香りが漂っている。
「笹塚さん、おかえりなさい」
「ああ、朝日奈か。ただいま」
「玄関通ってませんよね? ここで何やってるんですか?」
笹塚はチラリと一瞥して朝日奈の存在を確認すると、すぐまた空を見上げる姿勢に戻ってしまう。
「今日ビーバームーンの月食だから」
「え? ビーバー……⁇」
さみぱん
DONEとある秋の日の笹塚さんのお話11月ホムボあります
初出:2022.11.6
いろづくまちのおと 気持ちよく揺蕩っていた深い深い音の海から、ゆっくりと意識が覚醒する。
思い通りの音が紡げた時の、あの感覚。空っぽになった音の泉を覗き込んでいるのに何故か満ち足りている。
見渡す限りひとつの欠けも綻びも無く整然と並んだ音の粒。それは全てのピースが在るべき位置にぴったりと敷き詰められたジグソーパズルに似ている、といつも思う。
完璧な音にはまだ遠くても、いまのこの曲としての最高点には間違いない。
だんだんと身体中の感覚が戻ってくる。
呼吸の仕方を思い出してひとつ息を吐く。
最後の音の余韻が消えてしまうのが怖くて目を開けることができない。微かに金木犀の香りを感じて一瞬意識を向けた途端に頭の中で鳴っていた音は消え、すっかり静かになってしまった。
1429思い通りの音が紡げた時の、あの感覚。空っぽになった音の泉を覗き込んでいるのに何故か満ち足りている。
見渡す限りひとつの欠けも綻びも無く整然と並んだ音の粒。それは全てのピースが在るべき位置にぴったりと敷き詰められたジグソーパズルに似ている、といつも思う。
完璧な音にはまだ遠くても、いまのこの曲としての最高点には間違いない。
だんだんと身体中の感覚が戻ってくる。
呼吸の仕方を思い出してひとつ息を吐く。
最後の音の余韻が消えてしまうのが怖くて目を開けることができない。微かに金木犀の香りを感じて一瞬意識を向けた途端に頭の中で鳴っていた音は消え、すっかり静かになってしまった。
asaki
DONE1031は天才の日だそうで【笹仁】Dear My Prodigy ――笹塚創は天才だと誰もが言う。
(俺も、そう思う)
その意見に否やはないが、作曲家・笹塚創という人物像は一人歩きしてしまっているところがある。
仁科が営業先で聞く天才笹塚のイメージはいくつかある。
よく聞くのは情緒、あれだけ繊細な曲を仕上げられるのはふくよかな感受性あふれた人であると言われている。
(空気は読めないし、情緒ゼロだけど。豊かな感受性ってのは正解)
そう宣った映画のプロデューサーは、もちろん笹塚に会ったことなどない。的を得ているなと思う反面、笹塚を妖精かなんかだと思っているのかというくらい繊細な人物だと思い込んでいた。理由は直接会いたいという要望をにべもなく断っていたからだろう。加えて、仁科が「人と会うのは得意じゃない」とフォローを入れたのがまずかったか。
2056(俺も、そう思う)
その意見に否やはないが、作曲家・笹塚創という人物像は一人歩きしてしまっているところがある。
仁科が営業先で聞く天才笹塚のイメージはいくつかある。
よく聞くのは情緒、あれだけ繊細な曲を仕上げられるのはふくよかな感受性あふれた人であると言われている。
(空気は読めないし、情緒ゼロだけど。豊かな感受性ってのは正解)
そう宣った映画のプロデューサーは、もちろん笹塚に会ったことなどない。的を得ているなと思う反面、笹塚を妖精かなんかだと思っているのかというくらい繊細な人物だと思い込んでいた。理由は直接会いたいという要望をにべもなく断っていたからだろう。加えて、仁科が「人と会うのは得意じゃない」とフォローを入れたのがまずかったか。
asaki
MOURNINGハロウィン、ホラー映画に怯える仁科が書きたかっただけでした。【笹仁】Halloween tellor「ハロウィンぽいことしたいって言ったけどさぁ……」
仁科はソファの上で行儀悪く体育すわりをし、両手でマグカップを持ったままぼやく。視線の先にはテーブルの上に届いたファーストフードを黙々と並べる笹塚がいた。
(まぁ、笹塚が楽しんでるんならいい、のか……?)
事の発端は仁科の何気ない一言だった。
週末にライブハウス主催のハロウィンライブがあった。複数のバンドやユニットが参加していたため、ライブの終了後に簡単な打ち上げに誘われた。普段なら参加は控えるのだが、ハロウィンというイベントごとのせいか客はけが悪くすぐに帰ることは難しそうで、仁科と笹塚は打ち上げにお邪魔することにした。そこで主催が気を聞かせてサプライズでハロウィン演出をし、仁科は久々に童心に返って楽しませてもらった。
3467仁科はソファの上で行儀悪く体育すわりをし、両手でマグカップを持ったままぼやく。視線の先にはテーブルの上に届いたファーストフードを黙々と並べる笹塚がいた。
(まぁ、笹塚が楽しんでるんならいい、のか……?)
事の発端は仁科の何気ない一言だった。
週末にライブハウス主催のハロウィンライブがあった。複数のバンドやユニットが参加していたため、ライブの終了後に簡単な打ち上げに誘われた。普段なら参加は控えるのだが、ハロウィンというイベントごとのせいか客はけが悪くすぐに帰ることは難しそうで、仁科と笹塚は打ち上げにお邪魔することにした。そこで主催が気を聞かせてサプライズでハロウィン演出をし、仁科は久々に童心に返って楽しませてもらった。