長谷部
takekavat
DONE強くてコンティニューな勇者燭台切とほこらのモンスター長谷部の話の続き。お題はまいじつ燭へしから「好奇心で近づいた燭台切×これが初恋だと思う長谷部」。
二千年の初恋「やっと今日の宿に着いたね」
「……ああ」
「長谷部くんも旅に慣れてきてるけど、今日はちょっとハードだったからね。ゆっくり休もう」
「……そうする」
「どうしたの長谷部くん。体調でも悪い?」
「そんなことはない。ただ、緊張しているだけだ」
「緊張……?」
「ここ数日、お前に伝えたいと思っていることがあって、でもなかなか言えなくて」
「えっなに? 遠慮しないで言ってよ。水臭いよ」
「遠慮じゃない。ただ、本当に緊張して」
「そんな緊張するようなことなの」
「うぅ……」
「なんでそんな、顔真っ赤に」
「おれは、おまえのことがすきなんだとおもう」
「え……、待って、何を」
「お前はすごくやさしい。お前がつくってくれるご飯は全部おいしい。お前といるとおれは、いつもあたたかくてふわふわした気持ちになる。2000年生きてて初めてなんだ。これが、おれの初恋なんだとおもう」
2029「……ああ」
「長谷部くんも旅に慣れてきてるけど、今日はちょっとハードだったからね。ゆっくり休もう」
「……そうする」
「どうしたの長谷部くん。体調でも悪い?」
「そんなことはない。ただ、緊張しているだけだ」
「緊張……?」
「ここ数日、お前に伝えたいと思っていることがあって、でもなかなか言えなくて」
「えっなに? 遠慮しないで言ってよ。水臭いよ」
「遠慮じゃない。ただ、本当に緊張して」
「そんな緊張するようなことなの」
「うぅ……」
「なんでそんな、顔真っ赤に」
「おれは、おまえのことがすきなんだとおもう」
「え……、待って、何を」
「お前はすごくやさしい。お前がつくってくれるご飯は全部おいしい。お前といるとおれは、いつもあたたかくてふわふわした気持ちになる。2000年生きてて初めてなんだ。これが、おれの初恋なんだとおもう」
tsukiyasan
DONEいつぞやのアンケートで、こっそり置いてた長谷部視点のしじまっぽい奴。本編終了後、初めて○いた長谷部くんの話。
へし面だと言い張る。
ナズナ草の音色長谷部が路傍によく生えている、なんてことはない小さなその花を手折ったのは、奇しくもあの日と全く同じ場所で。大きな桜の大樹に向かう道すがらにある、菜の花畑だった。
長谷部は今日一日、本丸の建物内から叩き出させれたのだ。
正確に言うと、先日の強襲調査を終えて以来、休みなく何かしらの仕事をし続けた結果、本丸の仲間に目の下のクマを指摘され、次いで働き過ぎだと注意を受けた。
それでも何かせずにはいられずにいた。休みなく仕事を見つけてはこなしていたら、とうとう頭から幻影の角を生やした燭台切や歌仙に「今日一日仕事禁止!!」「外に出て日の光でも浴びてきたまえ!!」と強制的に建物外につまみ出された。建物内にいると絶対に何かしら仕事を見つけてしまう。
9743長谷部は今日一日、本丸の建物内から叩き出させれたのだ。
正確に言うと、先日の強襲調査を終えて以来、休みなく何かしらの仕事をし続けた結果、本丸の仲間に目の下のクマを指摘され、次いで働き過ぎだと注意を受けた。
それでも何かせずにはいられずにいた。休みなく仕事を見つけてはこなしていたら、とうとう頭から幻影の角を生やした燭台切や歌仙に「今日一日仕事禁止!!」「外に出て日の光でも浴びてきたまえ!!」と強制的に建物外につまみ出された。建物内にいると絶対に何かしら仕事を見つけてしまう。
takekavat
DONE同棲中な冬のリーマン燭へし。お題はまいじつ燭へしから、「猫舌の燭台切×汗だくの長谷部」。冬のへしは寒さですぐ鼻の周りとかほっぺたとか赤くなっちゃうと可愛いなと思う。
うちについたら「昼はラーメンにしよう」
長谷部がそう言いだしたのは、ある冬の休日の昼前。
「いいね、たまには食べにいこう」
頷いてそう応じれば、
「俺たちの部署も最近忙しかったし、これだけ働いてるんだから外食くらい許されるだろ」
にやりと笑って返される。燭台切が料理を好きなので、あまり二人は休日に外食をすることがない。だが最近は忙しいせいで少し億劫さを感じていたのも事実だ。それに気づいたうえでの提案だとしたら嬉しいけれど、聞いたところできっと彼は首を縦に振らない。だからそれには触れず、歩いて15分ほどのラーメン屋に向かう。
長谷部は福岡出身なのでとんこつが好きなのだが、味にこだわりがあるようで彼が認めるとんこつを出すラーメン屋は少ない。このラーメン屋でもとんこつではなくごま醤油を頼む。それでもとても美味しそうに啜るから見ているだけで幸せになる。カウンター席の隣に座る長谷部を見ながら、僕が長谷部くんを好きになった決め手はものを美味しそうに食べるところなのかもしれない、と思っていたら、
2331長谷部がそう言いだしたのは、ある冬の休日の昼前。
「いいね、たまには食べにいこう」
頷いてそう応じれば、
「俺たちの部署も最近忙しかったし、これだけ働いてるんだから外食くらい許されるだろ」
にやりと笑って返される。燭台切が料理を好きなので、あまり二人は休日に外食をすることがない。だが最近は忙しいせいで少し億劫さを感じていたのも事実だ。それに気づいたうえでの提案だとしたら嬉しいけれど、聞いたところできっと彼は首を縦に振らない。だからそれには触れず、歩いて15分ほどのラーメン屋に向かう。
長谷部は福岡出身なのでとんこつが好きなのだが、味にこだわりがあるようで彼が認めるとんこつを出すラーメン屋は少ない。このラーメン屋でもとんこつではなくごま醤油を頼む。それでもとても美味しそうに啜るから見ているだけで幸せになる。カウンター席の隣に座る長谷部を見ながら、僕が長谷部くんを好きになった決め手はものを美味しそうに食べるところなのかもしれない、と思っていたら、
takekavat
DONE体の関係から始まる本丸軸の燭へし。お題はまいじつ燭へしから「告白をする燭台切×おくちが寂しい長谷部」。くちびるがお留守 同時期に顕現し相部屋の燭台切と長谷部は自然と性欲処理のために互いのからだを求めあうようになった。だが燭台切は次第にそれだけの関係では満足できなくなる。
ただのセがつくフレンドなら別に他の相手を作っても構わないということだ。だが長谷部が自分以外の相手とそんなことをしているところを想像しただけでたまらない気持ちになる。
自分だけのものになってほしい。からだも、こころも。
いつものように長谷部が口づけを求めてきた夜、燭台切はその頬を両手で包みながらも唇は重ねずにいた。目を開け、不思議そうに自分を見上げてくる長谷部に語りかける。
「長谷部くん。僕は……君のことが好きなんだ」
長谷部は目を伏せ、どこか不貞腐れたような表情で返してくる。
2101ただのセがつくフレンドなら別に他の相手を作っても構わないということだ。だが長谷部が自分以外の相手とそんなことをしているところを想像しただけでたまらない気持ちになる。
自分だけのものになってほしい。からだも、こころも。
いつものように長谷部が口づけを求めてきた夜、燭台切はその頬を両手で包みながらも唇は重ねずにいた。目を開け、不思議そうに自分を見上げてくる長谷部に語りかける。
「長谷部くん。僕は……君のことが好きなんだ」
長谷部は目を伏せ、どこか不貞腐れたような表情で返してくる。
takekavat
DONE勇者燭台切とほこらを護るモンスター長谷部の話。お題はまいじつ燭へし https://shindanmaker.com/575163 から、「強くてコンテニューな燭台切×なんだか息が荒い長谷部」。二千年の孤独「僕は勇者燭台切! 君がこのほこらのボスモンスター、長谷部くんだね?」
「はぁ…… はぁ……」
「どうしたの息が荒いよ」
「こんな世界の片隅のほこらに勇者が現れるなんて2000年で初めてのことで、慌てて駆けつけたら息切れしてしまった……」
「君、小ボスとは言え曲がりなりにもボスだよね? このほこらの」
「し、仕方ないだろう2000年だぞ!」
「日頃の備えが足りないんじゃないかな」
「しかもお前が晩飯の支度をしてる時に来るのが悪いんだ! せっかくトカゲを煮込んでたのに」
「君、トカゲなんて食べてるの?」
「このほこらで食べ物なんて、トカゲか虫か生えてる草しかないからな。……やめろ、憐れみの目で見るのは!」
「こんなこの世の隅っこで何もないほこらを護るのやめたら? 世界はもっと楽しいことに満ちてるよ。僕と冒険しない?」
1645「はぁ…… はぁ……」
「どうしたの息が荒いよ」
「こんな世界の片隅のほこらに勇者が現れるなんて2000年で初めてのことで、慌てて駆けつけたら息切れしてしまった……」
「君、小ボスとは言え曲がりなりにもボスだよね? このほこらの」
「し、仕方ないだろう2000年だぞ!」
「日頃の備えが足りないんじゃないかな」
「しかもお前が晩飯の支度をしてる時に来るのが悪いんだ! せっかくトカゲを煮込んでたのに」
「君、トカゲなんて食べてるの?」
「このほこらで食べ物なんて、トカゲか虫か生えてる草しかないからな。……やめろ、憐れみの目で見るのは!」
「こんなこの世の隅っこで何もないほこらを護るのやめたら? 世界はもっと楽しいことに満ちてるよ。僕と冒険しない?」
mona5770
DONE(燭へし)お題「春」ワンライとは別の話(連ツイ・本丸軸)
お弁当つくりを配信する本丸燭台切と手伝い長谷部
(燭へし)とはる春のはなし「こんにちは。今日も君の力になりたい!水柿本丸燭台切光忠の「厨から愛を込めて」始めるよ」
「ブフ」
「ちょっと!笑わないでよ!前回お知らせしていた通り、今日は長谷部くんが来てくれました!」
「へし切長谷部だ」
光忠に身体を寄せて手を振る長谷部の様子に画面には「はわああああ」「可愛い系個体か」「長谷部くうううううん」と文字が流れ続ける。
「なんだこれは」
「みんな喜んでるってことだよ」
「そうか。よろしく頼むな」
「ちょっと!長谷部くん!どこでそんなこと覚えたの?指ハートとか送らないで!画面がすごいことになってるから」
「ふぁんさというのだろう?おまえの配信に出るって言ったら乱が教えてくれたんだ。上手にできてるってほめてもらったんだがなあ?どうだ?」
2630「ブフ」
「ちょっと!笑わないでよ!前回お知らせしていた通り、今日は長谷部くんが来てくれました!」
「へし切長谷部だ」
光忠に身体を寄せて手を振る長谷部の様子に画面には「はわああああ」「可愛い系個体か」「長谷部くうううううん」と文字が流れ続ける。
「なんだこれは」
「みんな喜んでるってことだよ」
「そうか。よろしく頼むな」
「ちょっと!長谷部くん!どこでそんなこと覚えたの?指ハートとか送らないで!画面がすごいことになってるから」
「ふぁんさというのだろう?おまえの配信に出るって言ったら乱が教えてくれたんだ。上手にできてるってほめてもらったんだがなあ?どうだ?」
906
DONE伽羅ちゃんが年長さん→小学生の謎時空ネタ4作目。何でも許せる方向けのちび🌰を愛でたいだけの小話です。今回は小学校入学編。
全話通して、かっこいい長谷部が好きな方には向かない傾向があります。
あ、でももしかしたら、今回は拙作イチかっこいい長谷部かもしれません。(当社比です)
からちゃんがっこうへいくへし切長谷部は頭を抱えたかった。いや、心のうちではとっくに頭を抱えていた。
ここはちいさな大倶利伽羅が通っている小学校の一室である。
部屋の入り口を、時折副校長が通りががかる。
時刻は9:20。始業時間の8:20はとっくに過ぎていた。
「どうするんだ、俺も本丸に戻って仕事があるんだが」
そう声をかけると、部屋の片隅の椅子の上に乗っていた塊がぴくりと動いた。ちいさな大倶利伽羅である。
「…あと10分。で長谷部とお別れする…」
視線が合わないまま絞り出された頼りなげな声に、長谷部は罪悪感でいっぱいになった。
だが、近侍である己が戻らねば職務が滞る。すぐにさぼりたがる何某がたくさんいるのだ、幣本丸には。
心を鬼にして10分後に部屋を出ると、やり取りが聞こえていたのか、副校長が現れた。長谷部が暇を告げると、
3417ここはちいさな大倶利伽羅が通っている小学校の一室である。
部屋の入り口を、時折副校長が通りががかる。
時刻は9:20。始業時間の8:20はとっくに過ぎていた。
「どうするんだ、俺も本丸に戻って仕事があるんだが」
そう声をかけると、部屋の片隅の椅子の上に乗っていた塊がぴくりと動いた。ちいさな大倶利伽羅である。
「…あと10分。で長谷部とお別れする…」
視線が合わないまま絞り出された頼りなげな声に、長谷部は罪悪感でいっぱいになった。
だが、近侍である己が戻らねば職務が滞る。すぐにさぼりたがる何某がたくさんいるのだ、幣本丸には。
心を鬼にして10分後に部屋を出ると、やり取りが聞こえていたのか、副校長が現れた。長谷部が暇を告げると、
シュガー@おさとうくじら
PAST先日のお話「俺たちは友だ」を描きながら、なんとなく考えたどうでもいい小話です。おさとうが何回も煎じているタイプの、長谷部と燭台切の友情に関する胡乱な呟きです。
「俺たちは友だ」というのは、過去作・天狗隠しでの長谷部のセリフですが。
それを思い出しながら、ふとこんなことを考えました。
過去作MYSTERY MUSEUMにて、太鼓鐘貞宗が
「なんでそんなハセベクンに過保護なの?」と尋ねるシーンがありましたが。
あれは単に、長谷部への親しさから、彼を贔屓しがちである…というだけでなく。
(太鼓鐘はそう解釈して、じぇらしいを感じていましたが)
ミノニヨク遠征で垣間見た彼の希死念慮や、アンビリーバーズでの自己犠牲的で無謀な戦い方。
極め付けは同セッション内で発狂し、殺人癖に囚われた燭台切を正気に戻すため(説得をするため)真正面から槍に串刺しにされにいくという暴挙の数々を見て。
753それを思い出しながら、ふとこんなことを考えました。
過去作MYSTERY MUSEUMにて、太鼓鐘貞宗が
「なんでそんなハセベクンに過保護なの?」と尋ねるシーンがありましたが。
あれは単に、長谷部への親しさから、彼を贔屓しがちである…というだけでなく。
(太鼓鐘はそう解釈して、じぇらしいを感じていましたが)
ミノニヨク遠征で垣間見た彼の希死念慮や、アンビリーバーズでの自己犠牲的で無謀な戦い方。
極め付けは同セッション内で発狂し、殺人癖に囚われた燭台切を正気に戻すため(説得をするため)真正面から槍に串刺しにされにいくという暴挙の数々を見て。
___
DONE審神者就任7周年を迎えました!実質2年やってるかやってないかな感じなので
いない刀だらけの本丸……本丸の皆ダメ審神者でごめんな…って感じです。
刃選は最初期第一部隊(陸奥は違うけど初期刀なので) 描いた4振りと長谷部と光忠で最初期第一部隊。たまに次郎ちゃん誰かとチェンジで編成…最初期から隊長は長谷部くんです。
Sanda_torino
DOODLE【お題箱】でろっでろどろどろのへしさに(解釈自由)リクありがとうございます!ブレーキ踏みながら描いたら粘度が足りませんでした。
長谷部の頭が溶けきってるということで許してください。
蒸し暑い倉庫の奥で汗だくになりながらすけべしろ!
saragisaya
DONE長谷部さん視点じょーさや。結婚報告を受けた長谷部さんが混乱しているお話。ダズンローズをきみに(じょーさや)話したいことがあるから時間をとってくれないかと譲二に声をかけられたのは、週末金曜日のことだった。
長年の友人とはいえ、あらためて場を設けることを乞われると何事かと緊張するものである。待ち合わせ場所である庁舎の一角、いつも閑散としている自販機の傍にドギマギしつつ足を運ぶと、そこにいたのは譲二だけではなかった。
「あれ? 三好ちゃんもジョージに呼び出し受けたの?」
茶化した物言いに三好は「いえ、まあ」と煮え切らない返事をする。
不思議に思って目を瞬かせると譲二に呼ばれた。軽薄な言い方を窘められるのだろうかと思ったが、対する譲二はいささか緊張した面持ちだった。
――えっ、おまえ、このまま本題に突入するのか!?
長谷部が覚悟を決める前に譲二が切り出してしまった。
4443長年の友人とはいえ、あらためて場を設けることを乞われると何事かと緊張するものである。待ち合わせ場所である庁舎の一角、いつも閑散としている自販機の傍にドギマギしつつ足を運ぶと、そこにいたのは譲二だけではなかった。
「あれ? 三好ちゃんもジョージに呼び出し受けたの?」
茶化した物言いに三好は「いえ、まあ」と煮え切らない返事をする。
不思議に思って目を瞬かせると譲二に呼ばれた。軽薄な言い方を窘められるのだろうかと思ったが、対する譲二はいささか緊張した面持ちだった。
――えっ、おまえ、このまま本題に突入するのか!?
長谷部が覚悟を決める前に譲二が切り出してしまった。
turubamitanbo
DONE敵打刀の刀剣男士(?)江戸時代の半ばから幕末に掛けて暗躍していると見られる。
所持している刀剣は重要文化財の■■(銘:回)だと推測。詳細不明。
■■本丸のへし切長谷部より接敵報告/有
◆
イッシュの庭 で出てきた敵の打刀さんです。
906
DONE伽羅ちゃんが年長さんくらいの謎時空ネタ3作目。何でも許せる方向けの卒園式話。
全話通して、かっこいい長谷部が好きな方には向かない傾向があります。
日本号&福島光忠が出ます。
おもいでのアルバム松の内も明け、本丸は日常を取り戻していた。
ちいさな大倶利伽羅は、無事ランドセルの準備も終わり、春から小学校に通うのを楽しみにしていた。無論、本人は嬉しそうな素振りだなど見せているつもりはないが、ランドセルを見つめると、思い出したように舞う薄紅色の花弁は、ごまかしようのない大倶利伽羅の気持ちを表していた。
「「「出席は2人まで!?」」」
常日頃から賑やかな伊達組の部屋に、3人分が重なった声が木霊する。
正面に座るちいさな大倶利伽羅は、その勢いに吹き飛ばされそうで、腹に力を込めて、なんとか持ちこたえた。
「…せんせいが、今は密になるのはいけないからだ、と言っていた」
キリっとした表情に「伽羅ちゃんはやっぱりカッコいいねぇ」と相好を崩しているのは燭台切光忠だ。
3885ちいさな大倶利伽羅は、無事ランドセルの準備も終わり、春から小学校に通うのを楽しみにしていた。無論、本人は嬉しそうな素振りだなど見せているつもりはないが、ランドセルを見つめると、思い出したように舞う薄紅色の花弁は、ごまかしようのない大倶利伽羅の気持ちを表していた。
「「「出席は2人まで!?」」」
常日頃から賑やかな伊達組の部屋に、3人分が重なった声が木霊する。
正面に座るちいさな大倶利伽羅は、その勢いに吹き飛ばされそうで、腹に力を込めて、なんとか持ちこたえた。
「…せんせいが、今は密になるのはいけないからだ、と言っていた」
キリっとした表情に「伽羅ちゃんはやっぱりカッコいいねぇ」と相好を崩しているのは燭台切光忠だ。