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    シェラ

    yooko0022

    DONEマクファーレン家IF④/オリ♀シェラ前提のアンオリ♀/2学年時後半くらい/旧家令息のアンドリューズから見たシェラの『飼い猫』について/シェラ-アンドリューズのあまり噛み合っていない幼馴染関係も好きだけど、この二人は取り巻く環境の倫理観が狂っている/かなりの特殊設定につきなんでも大丈夫な方向け
    【そして訪れない春を知る】 それを響かせたのがシェラであったのならば、まだ耐えられたのだ。


    * * *


     『猫』を飼い始めたという噂は知っていた。
     この場合の『猫』は四足の獣ではなく、二本の脚で立っている。言葉を解す。知能がある。知性がある。浮いた腕で杖すら握る――つまるところは人間で、けれど家名に歴史がない。その一点を理由に彼ら彼女らは旧家の社会において数段劣る存在として見なされる。
     さもありなん。血に培ってきた神秘を宿さぬことが明白なのだ。自らの血を次の世代へと、それも出来る限り強化したかたちで繋ぐ――旧家の魔法使いに課せられた至上命題に能う『価値』を有していない。
     だから『飼い犬』で『飼い猫』だった。ソレには愛玩する以外の用途がない。まともな・・・・魔法使いの侮蔑と嘲弄。それだけで十分だ、愛させてくれる以上の価値などない。狂った・・・魔法使いの執着と愛着。……十と少しを数えた程度の少年であるアンドリューズでさえ時折伝え聞く程度の愁嘆場。
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    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ第六話。このシリーズ(馴れ初め編)は、これが最終話です。
    ルカの公開講座の最終日、打ち上げから帰宅したルカに、ビョルンはある質問をぶつける。『アシェラッドのバラッド』の本質に迫る彼らの問答は、思わぬ方向に向かい……。
    後半、ふたりが論争している場面で、ほんとうは傍点を使いたかった部分がいくつかあります。ポイピクではhtmlのタグも使えないので、斜体や太字にすることもできませんでした。このシリーズは年末あたりをめどに、一冊の本にしようと思っているので、そのときは傍点をつけます。
    Unknown Legend(6) 復活祭の後にはじまったロンドン博物館でのルカの公開講座は、八月最後の週の金曜日、無事に最終回を迎えた。
     終了後は、企画担当のルカの教え子ニコールと、最近彼女が同棲をはじめたという保存科学の専門家であるダミアンを交えて、いつもルカとビョルンが講義の後に寄るパブで打ち上げをした。ニコールの学生時代の話や、博物館のバックヤードでのこぼれ話に花が咲き、二人と別れたのは九時過ぎ。いつもながら混雑しているセントラル・ラインに乗って帰宅すると、ルカはさすがに疲れたようで、リビングに入るなりタイを解いてジャケットを脱ぎ、定位置のひとり掛けソファに身を投げ出した。
    「……こりゃア、嬉しいねェ」
     ミルクと蜂蜜をたっぷり足したアールグレイのマグを差し出すと、彼は眼を細める。いつも贔屓にしているコヴェント・ガーデンの茶葉専門店で買った、レモンとオレンジの皮がたっぷり入った特別なアールグレイである。疲れが溜まったときに、これを飲むのが好きなのだ。十ヶ月も一緒にいれば、彼がどんなときに何を望むのかくらい、すっかり頭に入っている。
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