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    大佐

    soseki1_1

    PROGRESS終わらせない大佐🤕と手を伸ばすノワ🔮
    (大ノワ+DM/傭占+写)
    「寝ていなさい」
     重たい瞼は体を起こせば痛みで持ち上がる。だから背中に当たる柔らかなところから起きようとした。そうして色々分かった。まず、ここはきっとベッドだということ。背中らから僕の全身を包んでくれているのは寝台で、上から優しく抑え付けているのは毛布だ。後頭部を包んでいるのは枕。どうやら床を這いずり切れたらしいと思ったけど、たぶん、これは違う。起き上がろうとした僕を毛布より強く、なのに何処か穏やかに推し戻した力によって違うと解った。この力が助けてくれたんだろう。し、この力は手で、支持をくれた声はその手の持ち主だ。薬を作っているのに何故だか優しい不思議なあの子が助けてくれたんだろうか。でもあの子は、こんなに低い声はしていなかった。何より極力声を出そうとしない子だった。声を出さないことによって誰かと話すことを遠ざけているようだった。なのに時々僕を見つけて、見つけると助けてくれる。だからこの手はあの子じゃない。この手には僕を助ける理由がちゃんとある。観察という名の監視をしている。薬だとかここに送り込んだ兄さまの手がかりが僕の体には詰まっている。でも薬はもう完成していて、僕に使われていたのは粗悪品だから露見しても問題ない。兄さんのことを僕が話すわけがないので、これも問題ない。あの家で、僕は生きていても死んでいても変わらなかった。体も心もガタがきていた僕の処分を、兄さんはここに決めたのだ。だから僕は終わりを待っている。裁かれる日を待っている。兄さんにもあの人にも誰にとっても役立たずの僕の終わりを、ずっと待っている。
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