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    真砂長文倉庫

    DONE1の続きです。2とは別時空。2より少し短いです。
    死者はいませんが、メリバ風味です。
    王子の思考回路が女々しいので、無理な方はリターン願います。

    2を書きながら「こんなん俺が許せねぇ…っ!」と悶えたのですが、「乙女的思考回路で本人が納得すればメリバ?」(訊くな)と言い訳しつつ頑張りました。
    「これを書くから2を思いっきりバドエンにできる!」
    ……我ながら無理矢理すぎる尻叩き。
    「Thank You」 3 Resigned Calm Dawn(白王子Ver.)ごぼっ、ごほ……っ!
    急激に意識が浮上する。喉を圧する水を吐いたぼくは、夜空を背にしたクラウチを下から仰ぐ形となっていた。
    そのまま、数回咳き込む。頬にクラウチの髪から滴る海水が当たる。短く呼吸を紡ぐクラウチがぼくをきつく抱きしめた。

    「王子…っ!良かった……っ!」
    身体を離し、ぼくの額を撫で上げ、両手で頬を包み、そのまま肩を抱く。
    「どこか異変はないか?」
    「う…っん、だい、じょうぶ。大丈夫だよ」
    ほう、と呼気を落として再びぼくを抱きしめた。今度は、包み込むように柔らかく。
    「そうか……。心臓が潰れるかと思ったぞ」
    両手をクラウチの背に回し、二度、撫で下ろす。
    「……ごめん。ちょっと酔いが回ったみたいで…はしゃいじゃった」
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    a_yousou

    DOODLEカレンダー企画、2024年の1月担当しまして愛妻の日をテーマとして書かせていただきました。かいた作品の投稿は任意の形をとらせて頂きます。の言葉に前日譚的なものは大丈夫でしょうか?と訊ねましたら、そこもお任せしますとのお言葉を頂けましたので。
    印刷済みで読んでくださった方は440さんの挿絵の花と全体の色合いにニヤニヤして下されば幸いです!(440さん本当にありがとうございます!!)
    愛妻の日/前日譚 ルイスがバラとチューリップを主に使った花束を手にして帰宅したのは冬中月の最終日の事。任務はどうしたのかとロザリーが訊ねると、新たな七賢人となった後輩に任せたらしい。
    「今日が妻へ感謝の気持ちを伝える日だと口にしたら快く引き受けてくれました」
     上機嫌に語る姿に「そう」と、素っ気ない返事をしてしまうが何気ない日も大切にしている事が嬉しくて堪らない。
    「ロザリーいつもありがとうございます。……愛していますよ」
     花束を抱えたまま、ロザリーの手を取り指先に口づけをひとつ。次は頬に触れるか触れないかのタイミングで——。
    「ルイス、花を生けるのが先よ」
     花束を奪い取りロザリーはくるりとルイスに背を向ける。丁寧な言葉も花束も勿論嬉しい。しかし粗野な口調で言ってくれたらもっと嬉しいのにと思ったのは内緒だ。
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