蒼月
サトリ
MEMOディミフェリ小説のメモ。幼少期の過去回想からの蒼月√二部序盤の闇堕ちディミトリの話。思い出の香りで荒ぶったディミトリを落ち着かせる、みたいな話。
くしゅん!
フェリクス、寒いか?
これ、巻いて!
嫌がるフェリクス
……いい匂いがする。
その言葉にディミトリは顔を輝かせる。
裏に縫い付けられたポケットから小さな袋を取り出す。
母上に作ってもらったんだ!
俺が好きな匂い、フェリクスも好きだって言ってくれて嬉しい!
暗闇の中に大きな影が浮かぶ。
ディミトリの側近であるギルベルト、ことギュスタヴが
夜分遅くに申し訳ありません。
殿下に例の症状が出てしまい……部屋まで来て頂いてもよろしいでしょうか。
フェリクス殿。
暗い廊下をただ歩いていく。
ベッドの上で額を擦り付けるようにうずくまっていた。
床には
手に持った毛布を広げると小瓶を取り出した。
それを毛布に吹きかけると花の香りが広がる。
417フェリクス、寒いか?
これ、巻いて!
嫌がるフェリクス
……いい匂いがする。
その言葉にディミトリは顔を輝かせる。
裏に縫い付けられたポケットから小さな袋を取り出す。
母上に作ってもらったんだ!
俺が好きな匂い、フェリクスも好きだって言ってくれて嬉しい!
暗闇の中に大きな影が浮かぶ。
ディミトリの側近であるギルベルト、ことギュスタヴが
夜分遅くに申し訳ありません。
殿下に例の症状が出てしまい……部屋まで来て頂いてもよろしいでしょうか。
フェリクス殿。
暗い廊下をただ歩いていく。
ベッドの上で額を擦り付けるようにうずくまっていた。
床には
手に持った毛布を広げると小瓶を取り出した。
それを毛布に吹きかけると花の香りが広がる。
nanndemo_monyo
DONE2022年5月発行のディミトリ中心小説アンソロジー「鏡の月」に寄稿させていただいた、ディミトリとペトラの話です。CP色は皆無、蒼月√。再録可能になったそうなので掲載。原文一切修正してないです。残部小とのことでBOOTHのURLも載せておきます。
BOOTH→https://minesreone-aoi.booth.pm/items/3803756
【Web再録】境界線 そこは監獄だった。
着なれない異国の衣服、見知らぬ風貌の人々、聞いたこともない言葉たち。誰一人、わたしを名前で呼びはしなかった。何を言われているか、何が起きているのかさえわからない中でも、侮蔑の眼差しだけは確かに感じ取れた。満足に眠ることもできず、いやにやわらかな寝台で無為に時を過ごすだけの夜が幾度も繰り返された。
ある朝だった。わたしはその部屋につけられた、とても小さな窓から外を見つめた。気味の悪いほど明るい日差しが目を焼いた。重い瞼を押し上げると、彼方遠くに、抜けるような青空が広がっていることに気が付いた。息の詰まる狭い部屋の棚に、いっぱいに本が詰まっているのに思い当たった。半身を起こし、立ち上がる。そこには確かに動く四肢と、何かを思う心があった。
10712着なれない異国の衣服、見知らぬ風貌の人々、聞いたこともない言葉たち。誰一人、わたしを名前で呼びはしなかった。何を言われているか、何が起きているのかさえわからない中でも、侮蔑の眼差しだけは確かに感じ取れた。満足に眠ることもできず、いやにやわらかな寝台で無為に時を過ごすだけの夜が幾度も繰り返された。
ある朝だった。わたしはその部屋につけられた、とても小さな窓から外を見つめた。気味の悪いほど明るい日差しが目を焼いた。重い瞼を押し上げると、彼方遠くに、抜けるような青空が広がっていることに気が付いた。息の詰まる狭い部屋の棚に、いっぱいに本が詰まっているのに思い当たった。半身を起こし、立ち上がる。そこには確かに動く四肢と、何かを思う心があった。
姶良の人
MAIKING蒼月のヴァルキリーの格好したにょたそまちゃんのラフ。女悪魔の姿に変身する系ソウルは公式女体化ではないだろうか!?(妄言)ここからペン入れする作業が苦手というか、ここから削って整えて…ってしてったほうがキレイに出来る?難しいよー
kochi
PROGRESS蒼月中異教の村 フォドラに降臨した白き女神セイロス。その神を信仰するセイロス教が浸透してから、およそ1000年の月日を経た。全土に渡って信仰される教団は、多くの信者の寄る辺となり、支えになり、三国とは特別の地位を築いていった。
そして、フォドラとて、どこの地とて……異なる神を信仰する地がある。それに伴い思想や生き方が異なり、独自の文化が出来上がる。例え、それが歪つで異端と見做されようと信奉は止まないのが世の摂理。
──人は、己のみで生きていけるほど強くない。何かに縋り、信奉して、ようやく自己を確立していく生き物。幾多の淘汰を経ようと人間は脆く、脆い故に群れて、知恵を得て、力を得る。
弱きものが、縋るものを見出すのは必然。そして、それは女神でなくても構わない。……邪悪なる悪鬼とて、彼彼らにとっては神であり、父や母の如くあたたかき慈悲なる存在。人の数だけ神は存在する、と言っても過言ではないのかもしれない。
5360そして、フォドラとて、どこの地とて……異なる神を信仰する地がある。それに伴い思想や生き方が異なり、独自の文化が出来上がる。例え、それが歪つで異端と見做されようと信奉は止まないのが世の摂理。
──人は、己のみで生きていけるほど強くない。何かに縋り、信奉して、ようやく自己を確立していく生き物。幾多の淘汰を経ようと人間は脆く、脆い故に群れて、知恵を得て、力を得る。
弱きものが、縋るものを見出すのは必然。そして、それは女神でなくても構わない。……邪悪なる悪鬼とて、彼彼らにとっては神であり、父や母の如くあたたかき慈悲なる存在。人の数だけ神は存在する、と言っても過言ではないのかもしれない。
たまを
PROGRESS5/3 「超刻印の誇り2023」発行予定の新刊進捗です。蒼月の章、鉄血の鷲獅子終了〜王の凱旋の期間。想い合っているもののディミトリとの未来を望んではいけないと心を閉ざしているベレスと、彼女の心に踏み込むことを決意したディミトリが結ばれるまでの話。
(進捗に記載してませんが、R18パートも含むので発行時はR18になります)
誰ガ為ノ世界/ディミレス/1
ひたひた。
真っ暗な闇の中。青白い炎が灯り、燃え上がった炎から数多の人の貌をした死者が現れる。
焼け爛れた顔の彼らは、口を揃えて俺を誘う。
〝――お前は、こっちだ〟
ひたひた。ヒタヒタ。
見知った顔がひとつ、ふたつ、みっつ。
〝所詮お前には、復讐を果たすなど無理だったか〟
父と継母と、友の顔をした彼らは揃えて口にする。彼らの表情は酷く軽蔑の色に満ちている。
無理もない。無念の中で死んでいった彼らの期待に応えられないまま、ここに来てしまったのだから。
「……申し訳ありません」
救うことが出来なかった酷い無力感に苛まれる。
「無念を晴らすなど俺には初めから無理だったのでしょう。……だって俺は、父上達のお側に居られれば良かったのですから」
12903ひたひた。
真っ暗な闇の中。青白い炎が灯り、燃え上がった炎から数多の人の貌をした死者が現れる。
焼け爛れた顔の彼らは、口を揃えて俺を誘う。
〝――お前は、こっちだ〟
ひたひた。ヒタヒタ。
見知った顔がひとつ、ふたつ、みっつ。
〝所詮お前には、復讐を果たすなど無理だったか〟
父と継母と、友の顔をした彼らは揃えて口にする。彼らの表情は酷く軽蔑の色に満ちている。
無理もない。無念の中で死んでいった彼らの期待に応えられないまま、ここに来てしまったのだから。
「……申し訳ありません」
救うことが出来なかった酷い無力感に苛まれる。
「無念を晴らすなど俺には初めから無理だったのでしょう。……だって俺は、父上達のお側に居られれば良かったのですから」
mirai_mmm
PROGRESS新刊(クロマリ本3冊目)の表紙絵(線画)です。これを印刷して水彩で色を塗りました。
写真撮って途中経過少し上げましたが、線画はこんな感じです。
この新刊は蒼月ルートでマリアンヌのみスカウトした前提のお話になってます。
そのためデアドラで出てくるクロードとヒルダ以外の金鹿の子たちはロストします…
大半は(またもや)ED後のお話です。
蒼月やってる時から書きたかった話なので残り作業も頑張るぞー!
ポイピクのわこ
DOODLEニャカヨシ星のみんなを元に戻しに行くちょっと前の、マナブとニャンデスターの漫画です。故郷を離れている間に成長してしまったニャンデスターだけど、大切な人たちが凍り付いてしまったあの日、体は凍らずとも心の時は少女のまま凍ってしまって、そんな彼女が素直に子供のまま接することができて、また彼女をありのままに受け入れることができるのが、マナブだけだったらいいなぁっていう。 4
ntkfe
DONEフェリディミWEBオンリー新作。蒼月ルート後の国王陛下なりたてディミトリとフラルダリウス公爵なりたてフェリクスの奮闘の日々(?)のひとこま。教会に資金援助の交渉をするためにガルグ・マクにきたよシチュです。大司教レト先生も出てきます。 9ketayama
DOODLEいつしか、とらを模した獅子と槍を持った蒼月潮役が、2体で1体となり白面の者を打ち滅ぼす場面を演じる獅子舞が行われるようになったとかならなかったとか── という妄想からの「とらの獅子舞ってどんなん?」の落書き卯咲うらり Rabyu_ut
DONEホーリヘア擬人化/from「月負いの縁士」いるはずのない十三体目、
月兎のフルムーンイーター・ホーリヘア
「こうすれば、よかったんだ」
蒼月が昇る度に、卯咲に大きな爪痕を残す、
"聖なる野兎"とは名ばかりの、
怨嗟《えんさ》のかたまり。
災厄の白い手を夜空へと伸ばす。
そして月が、落ちてくる……next is 2023 3
nanndemo_monyo
DOODLEらくがき/紅花のエーデルガルト、蒼月のディミトリ、翠風のクロードが眠る先生を囲んで、「フォドラの運命を先生が決する」と知った上で好き勝手話す話。エーデルガルトがすぐ帰っちゃう。 1774ntkfe
DONE2022/11/3【3年目の同窓会】展示漫画。蒼月ルート後にフェルディアに移住してダスカー料理を専門に出す宿場を開いたアッシュの店で青獅子学級の皆が同窓会をする話です。アッシュとドゥドゥーのペアエンドとアッシュとディミトリの支援会話が下敷きになっています。CPはない話です。ダスカー料理はポルトガル料理をイメージしました!じゃが芋の存在は曖昧にしています! 29emitter_0714
MOURNING1000年後の世界雰囲気漫画シリーズ 蒼月版本当はwebオンリーイベント「黎明の星の下にて」で限定公開予定してたものを供養
先生はゲーム内だとあの戦争で学級のみんなを率いていたように見えがちだけど
立場的には大司教代理なわけだから近くで戦っていた教団兵たちを節目節目で弔ったりしてもいいんじゃないかなっていう雰囲気の補足て…蛇足です。 5
kochi
DONE金鹿ワンドロの加筆修正。テーマは「夏」「ペアエンド」蒼月エンドです。もの凄い才能の無駄遣いがお気に入り
氷菓子と夏 木漏れ日の中を歩くと風が涼しくて、爽やかな気分になる。日傘を差せば陽光は遮られるが、やはり木々の中だとより涼やかで癒される。
ベンチに一息付くと少し汗ばんだ火照りが冷めていき、さわさわと賑わう葉の踊りを楽しんでいった。
「ふう……今日はあまり暑くないですね」
ぽつりと呟いて、ゆるゆる日傘を回して帰路に向かう。夏の香りを堪能して、笑みを浮かべながら──。
ちょうどいい天気で良かった、と視察から戻った彼女は目の前の相手に、そのまま思いを告げた。
「……は?」
睨むかのように見つめる琥珀の瞳は、苛立ちが滲んでいた。何を言っているのか理解できない、とありありと態度で示していた。
「なんで、そんな顔するんですか? ちょうどいい天気ですね、って言っただけじゃないですか」
3343ベンチに一息付くと少し汗ばんだ火照りが冷めていき、さわさわと賑わう葉の踊りを楽しんでいった。
「ふう……今日はあまり暑くないですね」
ぽつりと呟いて、ゆるゆる日傘を回して帰路に向かう。夏の香りを堪能して、笑みを浮かべながら──。
ちょうどいい天気で良かった、と視察から戻った彼女は目の前の相手に、そのまま思いを告げた。
「……は?」
睨むかのように見つめる琥珀の瞳は、苛立ちが滲んでいた。何を言っているのか理解できない、とありありと態度で示していた。
「なんで、そんな顔するんですか? ちょうどいい天気ですね、って言っただけじゃないですか」
リコ(Kio)箱
DONE2022/5/14風花雪月CPなしWEBオンリー用の展示です。(全体公開しました)不思議な空間で紡がれていく、蒼月シルヴァンの抱えるものと青獅子の皆への眩しさ、それを見守り導くベレト先生の、なんともイメージ的…?な小説です。(※1枚目はカットに使った絵です)
当日ご覧下さった皆様、ありがとうございました~! 7
toto
DONE現パロ海月武捨海斗(takesute kaito)消防士
星見蒼月(hoshimi sougetu)カフェ星の書庫店主
レモンとミントにシュワシュワを部屋に響くシャワーの音。
バクバクと鳴る心臓を落ち着けるように深く深く
深呼吸をした。
俺は今日。
常連客、そして絶賛片思い中の男を部屋に泊めるのだ
事の発端は数時間前
いつもクローズ1時間前に来るこの男、武捨海斗は今日も変わらず同じ時間にやってきた。
最初はスコッチ。ストレート
軽くつまみを注文して
他愛のない話をする。
人も少ないこの時間はこの男のお気に入りらしく
よくポツリポツリと話題を振ってくる。
しかし、そんな時間を1本の電話が強制的に終了させにきた
胸ポケットに入っている電話を取ると短く返事をしてガタガタと席を立つ海斗。
テーブルに多過ぎるお金を置いて足早に店を出てしまった。
そう
普段彼が使っているプライベート用のスマホと一緒に
3430バクバクと鳴る心臓を落ち着けるように深く深く
深呼吸をした。
俺は今日。
常連客、そして絶賛片思い中の男を部屋に泊めるのだ
事の発端は数時間前
いつもクローズ1時間前に来るこの男、武捨海斗は今日も変わらず同じ時間にやってきた。
最初はスコッチ。ストレート
軽くつまみを注文して
他愛のない話をする。
人も少ないこの時間はこの男のお気に入りらしく
よくポツリポツリと話題を振ってくる。
しかし、そんな時間を1本の電話が強制的に終了させにきた
胸ポケットに入っている電話を取ると短く返事をしてガタガタと席を立つ海斗。
テーブルに多過ぎるお金を置いて足早に店を出てしまった。
そう
普段彼が使っているプライベート用のスマホと一緒に