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panda_otete
DOODLEタルしょラブラブ初夜の翌日、甘雨ちゃんがやってきた!!可愛い先生と周りの人達(甘雨編)甘雨の仕事の大半は、書類を捌くことである。
月海亭から出ることはあまり多くない。
基本的には政治、経済に関する書類だが、長年務めていることもあり他部署の書類が回ってくることもある。
例えば、住民課。
異国との交流が盛んな璃月では国際結婚が認められている。
しかし法律は複雑かつ偽装結婚の可能性もあるため、甘雨に判断を任せられるのだ。
「甘雨先輩、北国銀行の方から婚姻届が提出されたのですが……」
「北国銀行……ファデュイですか。目を通します」
スネージナヤからの移民や国際結婚はもちろんあるが、ファデュイとなれば話は別だ。前代未聞である。
「一体どなた………………がッ!?」
夫の部分にはあろうことか悪名高い執行官の名前が。そして甘雨が目を見開いて硬直した原因は妻の部分に記された名前である。
2616月海亭から出ることはあまり多くない。
基本的には政治、経済に関する書類だが、長年務めていることもあり他部署の書類が回ってくることもある。
例えば、住民課。
異国との交流が盛んな璃月では国際結婚が認められている。
しかし法律は複雑かつ偽装結婚の可能性もあるため、甘雨に判断を任せられるのだ。
「甘雨先輩、北国銀行の方から婚姻届が提出されたのですが……」
「北国銀行……ファデュイですか。目を通します」
スネージナヤからの移民や国際結婚はもちろんあるが、ファデュイとなれば話は別だ。前代未聞である。
「一体どなた………………がッ!?」
夫の部分にはあろうことか悪名高い執行官の名前が。そして甘雨が目を見開いて硬直した原因は妻の部分に記された名前である。
oz_on_e
MAIKING鍾離先生と甘雨ちゃんがいちゃついてるだけのお話。W復刻記念のようななにか。あるいは、ご褒美「……岩王帝君の信仰が、そう容易く廃れるなどとは思いません。ですが、人間は百年生きることさえ難しいのです。迎仙儀式が失われ、帝君が璃月に姿を現さなくなってしまったら……」
信仰は、はたして千年続くだろうか。──かつて戦いの中だけではなく信者を失うことで、大陸から消え去っていった神々のことを何度となく聞いている。今でこそ璃月で岩王帝君の存在は磐石のものだけれど、誰も見たことのない存在となってしまった神を人々は信じ続けてくれるだろうか。
あるいは、人々の興味は新たなモラクスに移ってゆくのではないか。
「盤石もいつかは崩れる。何、そう悪いことばかりではない」
静かに涙をこぼし続ける甘雨の頭を、優しく鍾離が撫でた。声こそ上げなかったものの子供のように泣く麒麟に、それは悲劇ではないのだと彼は伝えてやりたかった。
900信仰は、はたして千年続くだろうか。──かつて戦いの中だけではなく信者を失うことで、大陸から消え去っていった神々のことを何度となく聞いている。今でこそ璃月で岩王帝君の存在は磐石のものだけれど、誰も見たことのない存在となってしまった神を人々は信じ続けてくれるだろうか。
あるいは、人々の興味は新たなモラクスに移ってゆくのではないか。
「盤石もいつかは崩れる。何、そう悪いことばかりではない」
静かに涙をこぼし続ける甘雨の頭を、優しく鍾離が撫でた。声こそ上げなかったものの子供のように泣く麒麟に、それは悲劇ではないのだと彼は伝えてやりたかった。
月咲ひたき
TRAINING原神 鍾離×甘雨(鍾甘)糸 激しい雨が窓を打ち付けている。大地も執拗に責め立てられているかのよう。甘雨は冷たいそれを眺めながら、遠く過ぎ去った昔のことを考えていた。
甘雨は数千年を生きている。外見こそまだまだ若い少女のものだが、半分だけ流れる麒麟の血が彼女に途方も無く長い時間を与えていた。
そんな彼女が七つの元素が絡むテイワットで生きているのは、岩王帝君――岩神モラクスとの契約があった為。甘雨の生まれた意味、生きる意味、そしてこれからの人生のすべてが岩神に繋がっている。甘雨は璃月でも一番と言っていいほど岩王帝君を慕い続けてきた。
「……」
彼女は思いを巡らせる。テイワット大陸で最大の繁栄を誇る璃月という国。甘雨は、そんなこの国が産声を上げたその瞬間を覚えている。いつまでもこの繁栄が続くことを祈りながら、甘雨は「璃月七星」と呼ばれる者たちの秘書として働いてきた。それもまた、岩神との契約があったから。彼女の糸は彼と固く結び付けられている。この糸は何があっても途切れることは無い。甘雨には多くの時間があり、それは普通の人間とは比較にならないほど。
773甘雨は数千年を生きている。外見こそまだまだ若い少女のものだが、半分だけ流れる麒麟の血が彼女に途方も無く長い時間を与えていた。
そんな彼女が七つの元素が絡むテイワットで生きているのは、岩王帝君――岩神モラクスとの契約があった為。甘雨の生まれた意味、生きる意味、そしてこれからの人生のすべてが岩神に繋がっている。甘雨は璃月でも一番と言っていいほど岩王帝君を慕い続けてきた。
「……」
彼女は思いを巡らせる。テイワット大陸で最大の繁栄を誇る璃月という国。甘雨は、そんなこの国が産声を上げたその瞬間を覚えている。いつまでもこの繁栄が続くことを祈りながら、甘雨は「璃月七星」と呼ばれる者たちの秘書として働いてきた。それもまた、岩神との契約があったから。彼女の糸は彼と固く結び付けられている。この糸は何があっても途切れることは無い。甘雨には多くの時間があり、それは普通の人間とは比較にならないほど。
月咲ひたき
MEMO原神 鍾離×甘雨(鍾甘)幸福 この世界には、幸福なものとそうでないものが存在する。様々な痛みと苦しみを味わってきたけれど、今の「私」はきっと、前者なのだろう。何故なら彼――何よりも大切に想える存在を得たから。彼と運命が交わったことは、本当に幸福と言えよう。私は闇夜に浮かぶ月を見上げてそう強く思うのだった。
139月咲ひたき
MEMO原神 鍾離×甘雨(鍾甘)なんかこういうの書きたい あなたの周りにはたくさんの人がいる。あなたはとても素敵な方で、私よりもあなたの隣が相応しい人だって居るのではないかと思う。でも、私はあなたのそばに居たい。許されるのならば、一番近くに。
「――」
無言のまま、私はあなたを見つめていた。石珀に似た瞳が青空を見上げている。きっと何か考えているのだろう、何かしらの思いを遠くの空へ向けているのだろう。私はあなたを見ているけれど、あなたは――そう思う私に、あなたが振り向く。甘雨、と低い声が私を呼ぶ。僅かに戸惑う私に、あなたの瞳は全てを見抜いているかのよう。
「俺は――お前で無ければ駄目だ」
少しだけ鋭い眼差し。私の心を掴んで離さない。本当に、あなたは全部を見抜いている。私は、あなたの隣で生きてもいいのだろうか、問いかけようとして言葉が詰まる。
398「――」
無言のまま、私はあなたを見つめていた。石珀に似た瞳が青空を見上げている。きっと何か考えているのだろう、何かしらの思いを遠くの空へ向けているのだろう。私はあなたを見ているけれど、あなたは――そう思う私に、あなたが振り向く。甘雨、と低い声が私を呼ぶ。僅かに戸惑う私に、あなたの瞳は全てを見抜いているかのよう。
「俺は――お前で無ければ駄目だ」
少しだけ鋭い眼差し。私の心を掴んで離さない。本当に、あなたは全部を見抜いている。私は、あなたの隣で生きてもいいのだろうか、問いかけようとして言葉が詰まる。
月咲ひたき
TRAINING原神 鍾離×甘雨(鍾甘)仮面 彼女に名を呼ばれる度に、胸の奥に痛みのようなものが走る。鍾離はそれを否定することが出来ない。彼女――甘雨は彼が普通の人間ではないことを知らない。璃月の葬儀屋「往生堂」の客卿。今の彼はそんな仮面を被っている。いつかは話さねばならないことだと、鍾離はちゃんと分かっている。彼女が呼ぶ「鍾離」という名も、立場も、何もかもが仮初めのものであると。
「……鍾離さん?」
「あ、ああ、甘雨か」
璃月港の中心部にある、宿の一階。鍾離が椅子に座し、物思いに耽っていると彼女――甘雨が不思議そうに鍾離の方に目を向け、声をかけてきた。鍾離は十五分程前からこの部屋で本のページを捲っていたのだが、いつの間にか考え事の方に集中してしまい、手にした本は殆ど読み進められてはいなかった。甘雨がどのタイミングで下りてきたのかは分からない。
995「……鍾離さん?」
「あ、ああ、甘雨か」
璃月港の中心部にある、宿の一階。鍾離が椅子に座し、物思いに耽っていると彼女――甘雨が不思議そうに鍾離の方に目を向け、声をかけてきた。鍾離は十五分程前からこの部屋で本のページを捲っていたのだが、いつの間にか考え事の方に集中してしまい、手にした本は殆ど読み進められてはいなかった。甘雨がどのタイミングで下りてきたのかは分からない。
月咲ひたき
CAN’T MAKE原神 鍾離×甘雨(鍾甘)無題 岩神――「岩王帝君」がこの璃月にすべてをもたらした。璃月の人間であれば、信心深い者でなくとも誰だって知っていることだ。そう、港町を駆け回る、小さな子どもであっても。
この国を実質的にまとめあげる「璃月七星」の秘書である甘雨は、今日も変わらない一日を月海亭で過ごした。仕事も一段落し、甘雨は豊かな水色の髪を櫛でそっと梳く。それから鏡に映る自分と数秒見つめ合い、そのままの足で街の雑踏へ。
夜の街は昼間ほどの活気は無いが、それでも多くの人々が行き交う。その大半が岩神を「岩王帝君」と呼び、敬っている。この街が今の姿であり続けているのも、岩王帝君のお陰であると。当然、甘雨もそう考えている。
甘雨はゆっくりと歩いた。特にあては無い。夕餉も簡単にではあるが済ませているし、買わねばならないものも特に無い。無意味な散歩のように思えてしまうかもしれないが、このようなこれといって目的のない散歩が甘雨は好きだった。遠く、遠く、離れた昔から。理由は簡単だ、そういう時は思考の全てを岩王帝君へ向けることが出来るから。
960この国を実質的にまとめあげる「璃月七星」の秘書である甘雨は、今日も変わらない一日を月海亭で過ごした。仕事も一段落し、甘雨は豊かな水色の髪を櫛でそっと梳く。それから鏡に映る自分と数秒見つめ合い、そのままの足で街の雑踏へ。
夜の街は昼間ほどの活気は無いが、それでも多くの人々が行き交う。その大半が岩神を「岩王帝君」と呼び、敬っている。この街が今の姿であり続けているのも、岩王帝君のお陰であると。当然、甘雨もそう考えている。
甘雨はゆっくりと歩いた。特にあては無い。夕餉も簡単にではあるが済ませているし、買わねばならないものも特に無い。無意味な散歩のように思えてしまうかもしれないが、このようなこれといって目的のない散歩が甘雨は好きだった。遠く、遠く、離れた昔から。理由は簡単だ、そういう時は思考の全てを岩王帝君へ向けることが出来るから。
月咲ひたき
TRAINING原神 鍾離←甘雨無題 孤月が海面で揺れている。静かな夜。甘雨は璃月港の外れでひとり時を紡いでいた。
こんな夜に思うのは、やはり遠い過去。彼女は少女の外見をしているが、三千年以上もの長い時を生きてきた。岩王帝君――岩神モラクスの召喚に応え、彼や仙人たちと璃月の為に戦い続けた。その後も璃月の為に生きてきた。璃月七星の秘書として、ずっと、ずっと。
七つの元素が絡み合うテイワット。人は神の庇護下で慎ましやかに生きてきたが、今は――少し違ってきているように思う。人が人として生きる為に神の存在はどんな国であれ必須だったけれど、今はどうだろう、歴史は人が紡ぐと多くの者が云うかもしれない。それでも甘雨は神の為――岩王帝君との契約を貫き通す。それは絶対的で揺るがぬもの。
430こんな夜に思うのは、やはり遠い過去。彼女は少女の外見をしているが、三千年以上もの長い時を生きてきた。岩王帝君――岩神モラクスの召喚に応え、彼や仙人たちと璃月の為に戦い続けた。その後も璃月の為に生きてきた。璃月七星の秘書として、ずっと、ずっと。
七つの元素が絡み合うテイワット。人は神の庇護下で慎ましやかに生きてきたが、今は――少し違ってきているように思う。人が人として生きる為に神の存在はどんな国であれ必須だったけれど、今はどうだろう、歴史は人が紡ぐと多くの者が云うかもしれない。それでも甘雨は神の為――岩王帝君との契約を貫き通す。それは絶対的で揺るがぬもの。
月咲ひたき
TRAINING原神 鍾離×甘雨(鍾甘)無題 彼女は岩王帝君の為に生き、そして死ぬのだろうと考えている。彼女にとってそれ程「岩王帝君」という存在は大きかった。彼との契約があったからこそ彼女は今の自分がいると思っており、それは紛れもない事実として在る。
だから彼女は――甘雨は「帝君」の「死」を受け止めきれない。あの日、儀式の途中で何者かにより殺害されたという岩王帝君。甘雨はその日から心が激しく痛むのを感じるようになった。
岩王帝君――岩神モラクスは甘雨の全てだ。璃月七星の秘書としての仕事に就いていることも、何もかもが岩神に繋がっている。故に、甘雨は悲しみに暮れた。岩王帝君を殺めた者を許せないという怒りより、そちらの感情が勝り、彼女の心は滂沱の涙を落としている。
481だから彼女は――甘雨は「帝君」の「死」を受け止めきれない。あの日、儀式の途中で何者かにより殺害されたという岩王帝君。甘雨はその日から心が激しく痛むのを感じるようになった。
岩王帝君――岩神モラクスは甘雨の全てだ。璃月七星の秘書としての仕事に就いていることも、何もかもが岩神に繋がっている。故に、甘雨は悲しみに暮れた。岩王帝君を殺めた者を許せないという怒りより、そちらの感情が勝り、彼女の心は滂沱の涙を落としている。
月咲ひたき
TRAINING原神 鍾離×甘雨(鍾甘)雨のなかで 璃月の街に雨の匂いが漂ってくる。空は確かに分厚い雲に覆われつつあった。鈍色のそれは、いずれ大地に雫を落としていくのだろう。傘を持って来れば良かった。鍾離は今になって小さな後悔を抱く。
ややあって、無情にも雨が降ってきた。鍾離は仕方なく雨宿りをする為に大木の下に移動する。雨は多くの恵みを与えるものではあるが、今はタイミングが悪すぎた。
「……」
雨の中で思い起こすのは、水色の髪をした少女の姿。この恵みの雨と――優しく降る慈雨と同じ意味を持つ名をした彼女は、とても穏やかに微笑う。時折酷く寂しそうに遠くを見つめることのある彼女は、鍾離からすると特別な少女だった。
彼女は――甘雨はどうしているのだろうか。鍾離は考える。彼女とはとても「長い付き合い」になる。少し前に雨に降られてしまった時、甘雨は自らの浅葱色の傘を傾けてくれた。その時も鍾離は傘を持っていなかった。
507ややあって、無情にも雨が降ってきた。鍾離は仕方なく雨宿りをする為に大木の下に移動する。雨は多くの恵みを与えるものではあるが、今はタイミングが悪すぎた。
「……」
雨の中で思い起こすのは、水色の髪をした少女の姿。この恵みの雨と――優しく降る慈雨と同じ意味を持つ名をした彼女は、とても穏やかに微笑う。時折酷く寂しそうに遠くを見つめることのある彼女は、鍾離からすると特別な少女だった。
彼女は――甘雨はどうしているのだろうか。鍾離は考える。彼女とはとても「長い付き合い」になる。少し前に雨に降られてしまった時、甘雨は自らの浅葱色の傘を傾けてくれた。その時も鍾離は傘を持っていなかった。