Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ティト

    一ノ瀬若菜

    MOURNING五乙@或る補助監督と同期の話

    五乙が一行も出て来ない五乙の話

    10月に発行した〝Ain Soph Aur〟のノベルティとして途中まで作成していたんですけど、タイムアップを迎えてしまって出来ずお蔵入りになっていたやつです
    出すタイミングが何処にもないので供養の為に置いてみる…

    同人誌未読でも読めるように修正しております
    お持ちの方は見比べてみてやって頂けたら一粒で二度楽しんで頂けるかと…
    五乙@或る補助監督と同期の話「こないださぁ、例の子の補助監督として任務に同行したんだけど」
    「誰?」
    「五条せんぱ…、五条さんが見つけて来たっていう、乙骨術師…だっけ?」
    珍しい名前だから覚えていた。禪院術師や狗巻術師も珍しいといえば珍しいけれど。
    でも、あの二人は家柄が有名だから、そんなに違和感はなかった。だけど、乙骨術師は極めて珍しかった。
    高専に来た理由もだけれど。
    親戚って本当だって…言おうとして顔を上げたら、食い入るように身を乗り出してきた。
    「えー!いいなぁ!!俺まだ当たった事ないんだよね!五条先輩の従兄弟興味あるー!!」
    キャッキャとはしゃぐ様を見て、どこから突っ込んだら良いか悩んだ。こいつ、学生時代から五条さんのシンパだったけれど、変わらない。いつまで先輩と呼ぶのかしら。
    5888

    589

    DONE【FGO】モリアーティと藤丸くんによる微妙な距離感を保ちながらの交流の話
    ヤング・モリアーティと藤丸立香 コツ、コツ、と。硬質な靴底が鳴る音は規則的で、定規で引いた直線のような几帳面さを感じさせる。高い天井に反射するその響きに、藤丸立香はそっと溜め息をいた。
     ノウム・カルデアの図書館の一角に設けられた読書用のスペースはと言えば、普段から、埋まっている席のほうが稀である。図書館自体の利用者はさほど少ないというわけではないが、やや奥まったその空間はなんとなく足を運びがたい空気でもあるのかもしれなかった。今日も例に漏れず、藤丸が腰掛けている席を除けば見渡す限りが空席だった。が、迷いない足取りで近づいてきた訪問者は何を考えているのか、低い衝立を挟み、藤丸の正面の席にすとんと腰を下ろす。
     空席だらけの電車で、わざわざ隣に座られたような居心地の悪さを覚える──まあ実際のところ、電車など、もう何年も乗ってはいないのだけれど──目の前に座る相手とは生まれた国も時代もかなりの隔たりがあるので、あちらにおいてはこれがスタンダードなマナーなのかもしれない。藤丸はそう考え、無理に自分を納得させようとしたが、残念ながらうまくはいかなかった。
    3402