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    kurage_honmaru

    PASTRPFレッドドラゴン10周年記念祭にお邪魔した際のもの。楽しい企画をありがとうございました。素晴らしい作品と出会えて嬉しいです。

    わくわく天凌ランド勝利ルートが見たい!!生きて勝っていちゃこいてほしい!!
    という私欲だけで、細部は都合よい展開にして突っ走りました。諸々個人解釈。
    互いに唯一になった七殺天凌と婁震戒が大好きです。
    〈天凌〉へ これはある一振りの御伽話。

     むかし。遠い昔。黄金の竜が吼え猛り、天地を統べていた昔。かつてが記された書は焚かれ、騙られる伝承と成り果てた昔。
     成り損ないの紛い物が、赤き剣へと姿を変えた。それが旅路の始まりだった。
     長い長い旅の果て、彼女にその夜が訪れる。


    * * *


     そこは暗く冷え切った回廊だった。視界の薄暗さのみならず、回廊には生の気配というものが無い。
     立ち入った者の生体魔素へ干渉する生きた霧も城主が使役する猛々しい魔物も、四半日程前には満ちていたそれら総てが消え失せている。かすかな熱すらそこには窺えない。
     それもそのはずだ。もはやこの城に城主は居ない。竜と人が約した遠い昔に生まれ、〈喰らい姫〉に祀られ生き延びてきた〈契りの城〉は〈炎なりし赤の竜〉と共にその生を終えた。今はただ、終わりを待つ遺骸に過ぎない。わずかな松明が名残とばかりに弱々しく燻っている。
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    たきぎ

    DOODLE※ネタバレ注意※
    本編52話より。

    台詞書かないのが敢えてそれっぽいかなと思いつつ、以下に少し蛇足文。

    彼にしかできないから嗜めて欲しいんだ。
    でも彼にしかできないからその思いを理解して肯定して欲しいんだ。
    なので今はその思いを飲み込んで。


    ↓以下蛇足




    駆け寄った先には先程まで自身も癒されていた薄くも外と中を完全に隔離するバリア。
    そっと触れるもジジッと震動しそれ以上干渉することは適わない。
    それをもどかしく感じながらも、それだけ今のこの人の安全が保証されるとなるとただただ感謝しかない。
    それを行ってくれた彼女は今はいない。
    あのそうそうの手によって屠られた。
    彼女は此処にいる皆の恩人だ、そして今はヨミ君と賽河君がそうそうと対峙している。
    そうそうを倒す術を再び成す為にも私も行かねば。
    先程、混濁しそうになる意識の中にも鮮烈に焼き付いている光景。
    皮肉にもそうそうの手によって防がれたその光景はスローモーションのように見えた。
    身動きならない身体で叫びたかった。
    炎上し叩きつけられ力無く横たわる姿に這ってでも近付きたかった。
    刑吏であるが故にそこまでされてもそれで命尽きることはないと知っていても。
    言いたいこと、沢山あるんですよ…先輩。
    今はバリアに護られ、此方からは顔は確認できないが外れた面と癒しの効果か休眠効果か傷も治っていっているように見えて安堵する。
    今はゆっくり休んでいてください。
    皆無事ですから、賽河君も無事ですから、安心してください。必ず奴を倒して戻ってきます。
    先輩は一人で頑張りすぎなんです……この際楽しい夢でも見ていてください。その間に皆で終わらせてきます。
    先輩がずっと苦しんで来られて、何を恐れていたかを知っている。だから私だけは決して責めませんよ。
    だから、……あとでお帰りなさいと言わせて下さい。
    行ってきます。
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