Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    しんの

    はなねこ

    INFOイシンノセカイ7にて頒布予定の美探ごった煮本のSSサンプルです。眉美ちゃんの歯磨き粉を取り替えたのは誰?
    まゆみペパーミント 美少年探偵団団則その一――美しくあること。
     団員たる者、心身だけでなく歯も美しくあらねばならない。虫歯なんて言語道断、もってのほかだ。
     というわけで美少年探偵団事務所においては、お茶や食事の後に必ず歯を磨くことが暗黙のルールとなっており、ご丁寧に歯磨きの時間まで設けられている。――幼稚園児か。
     それではどこで歯を磨くのかというと――もともと美術室にあった絵筆やパレットを洗うための流しが天才児くんの手によりアンティーク調の洗面台へとリフォームされているのだ。ただの飾りかと思っていた蛇口をひねるとちゃんと水が出たので驚いた。お湯も使える。すごい。今の時期だと、とっても有り難い。
     洗面台の下はキャビネットになっている。飴色の金具がついた観音開きの扉を開けると、中は上中下の三段に分かれており、上段と中段には各自の歯ブラシや歯磨き粉を入れる用のカゴ(六色に色分けされたリボンが結ばれている)が、下段にはふかふかのタオルや見るからに高級そうな紙の箱に入った石鹸等が収納されている。
    2999

    itomasin

    DONE暇シンの髭膝のBL本のタイトルは「二人は青い春の中」、帯のフレーズは【 無骨な姫君 】です。
    #あなたのBL本
    https://shindanmaker.com/670596

    且つての連ツイをまとめ直した。青と春で浮かんだのが五行思想だったので、木行に纏わる言葉を入れられるだけ入れてみたやつ。
    二人は青い春の中東雲の下。照らされる貌は紛れもなく弟のものだ。だが何故だろう、呼ばわろうとした声が口の中で溶けて消えた。その綺麗な目玉から、涙が一筋こぼれていた。瞬間、言いようのない感情が爪を立てる。誰が弟を泣かせたという怒りだろうか。それともただ純粋に美しいものをみられたという喜びだろうか。

    分からない。感情が重い。まるで肝に鉛を流し込まれたかのようだ。ただ己の目は涙を拭う弟を見つめたまま動かない。弟の、綺麗な鱗のような爪を涙が彩る。――ああ、あの爪が乗る薬指に、永遠に自分の物である証を刻みつけたい。ふと己の魂が、犬のように吼え立てた気がした。

    この感情が分からなくて、今代の主である人の子に何気なく聞いてみた。これは何なのかと。すると老齢の人の子は穏やかに微笑んだ。それは青い春だと。若い人間には様々な青い春が訪れる、貴方の感情はその数ある内の一つだと。その春が甘く咲き誇るか、大地に還り新たな芽を育てるかは君次第だと。
    543