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    なこ

    tsuyuirium

    PAST狂児さんの賭けとそんなことはつゆ知らずの聡実くん。
    映画の演出を踏まえた描写がございます。
    大穴ばかり外すギャンブラーに明日はない 今日は振り返るやろうか。慣れた帰り道を少し俯きながら歩く背中に変わったところはなさそうだ。ベッティングまでに残された時間はあと少し。何か見落としていることはないか。可能な限りの情報を集めるために、対象の観察をしばし続ける。
     屋内での部活だからか、日に焼けていない頸がヘッドライトに照らされると幽霊みたいに白いこと。助手席で寝てしまってシートに押し付けられた後ろ髪が癖になってたまにはねていることも、後ろから見送るようになって初めて知った。
     初めて送り届けた日。家を教えられないと健気にも突っぱねながらも可哀想に、車に乗っている時点で無理だと告げたあの日から始まったことだ。
     家を知られたくないなんて面と向かって言った相手にすらも礼を尽くせるこの子の心根が、心配になるほど清らかで美しいのを目の当たりにして、そこにつけ込んだと言う自覚は正直、あった。着いたらラインして。心配やもん。そう言うとあの時の聡実くんはぎょっとした表情で目を丸くしてこちらを見ていた。あの顔を思い出すと今でも愉快な気持ちになれる。
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    DOODLE2024.4.17
    高校三年生の仙にょ越です。
    『それは、クラゲだけが知っていた』の続きです。
    ⚠️越野くんが女の子になっていますがあんまり女の子らしくないので普通に読めると思います。
    診断メーカー【あなたに書いてほしい物語】
    ななこさんには「海に向かって叫ぶ夢を見た」で始まり、「どうかお幸せに」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以上でお願いします。
    いぬもくわない海に向かって叫ぶ夢を見た。
    「ばかセンドー!!」
    あれ、こんなに高かったかな、声。


    遊泳禁止の七里ヶ浜は波が高く泳ぎには適さないが、サーフィンやヨットといったマリンスポーツを楽しむ者たちには隠れた名所として人気がある。右手にはライトアップされた江ノ島のシンボルタワー、左手には三浦半島。マジックアワーの幻想的な空。そんな絶好のロケーションにそぐわない罵倒の叫び。
    「浮気者ー!!今度こそ別れてやるー!!」
    これは夢だ。そして先程から叫んでいるのは自分であると越野は理解していた。だが、それにしては声が高い。そして何よりも、
    『なんでスカートはいてんだ』
    スカートどころかセーラー服なのだが。
    「はっ?!」
    海面に浮上したかのように唐突に意識が戻った。
    1912