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    え?

    totorotomoro

    REHABILI鯉博です。え、別に朝まで一緒に居て、寝てただけですとも。 え? 何か見える?
    不思議ですね、私も前夜に何かあったように見えますが、そこはそれ。みなさまの想像にてお楽しみいただければと存じます。


    (これ皆様の解釈とかけ離れている気はするので、大丈夫かなとは思ってはいます。でも書いてて楽しかった。)
    珍しく遅く起きた日に。 ───ぽつ、ぽつ。ぽつ。
     ふわりと意識がゆるやかに浮き上がり、薄く開いた視界にはぼんやりとシーツの波が目に入る。
     音に向けて視界をこらせば、寝台の側に下げられたロールスクリーン越しの影がちらついて、天気が雨で、曇っているということをリーに知らせていた。
     吸い込む空気は少し冷めていて、寒気を感じた肩に上掛けをかけ直し、もう少し眠ろうと目を閉じて、腕を伸ばしてシーツの波を掻き分けて温もりを探す。───何を?
     リーはぱちりと目を開けて、ベッドの上を見渡す。そこには何もなく、シーツも冷えていて、でもそこには自分以外の───ドクターが身に纏っている───香りが確かに残っていた。
     うつ伏せになって、首を上げてきょろきょろと視線を動かすと、部屋の薄暗さの先に簡易机で明かりをつけて資料に目を落としているドクターが見えた。
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