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    last_of_QED

    DONE「好きなもの」のことぐらい、わかるから。
    【ボーナスゲージ!】ヴァルバトーゼ閣下とフェンリッヒ、それからボーナスの話。全年齢。
    ※文字書き遊びのためにプロットをユスノキさん(Twitter ID:@arufurato)よりいただき書いたものです。記録用にupしておきます。
    【ボーナスゲージ!】 小気味良くノックをすれば聞き馴染んだ声で「入れ」との返答。扉を開けると、そこには複数匹のプリニーが行儀良く列をなして自分の番を今か今かと待っている。一体何がどうなって、我が主のそう広くない部屋にプリニーどもがみっちりと詰まっているのか。

    「閣下、これは一体……」
    「こやつらを表彰してやろうと思い立ってな。優秀な者は評価されて然るべきだ」
    「なるほど、それで『イワシを準備しろ』と仰せでしたか」

     フェンリッヒはようやく状況を理解する。それならそうと「プリニーへの褒美としてイワシを準備しろ」ともう一言、付け足してくだされば良いものを。主人の言葉足らずにそんな気持ちを抱いたのも束の間、罪人であるプリニーにさえ褒美を与えんとする精神性に「さすがは我が主」と胸の内で独りごちる。過去に犯した罪が消えることはない。けれど今なされる行いは善きものとして認めてやる。これが出来る者が果たしてこの世にどれだけいるだろうか。
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    あまや

    DOODLESSS/凪茨
    閣下と茨とホットケーキ
    寮に戻ると玄関先まで甘い匂いが漂ってきていた。すでに夕飯時を過ぎているのにこんな時間から甘いものを食べるなんてあり得ないなと思う反面、ここ最近で最も精神的に堪える商談を終え疲弊した脳が糖分を欲しているのを感じた。
    「あ、茨おかえり」
    まさか殿下などが自分の居ぬ間にこっそり間食をしようとしているのではあるまいなと念のため共有キッチンに顔を出すと、なんと閣下がホットケーキを焼いている最中だった。エプロンをつけて束ねた髪をさらにクリップで留めている姿は大変衛生的で料理をする人間としては大正解であったが、あまりにも庶民的なその姿にすでに疲労困憊だった脳のヒューズが飛ぶかと思った。今の俺には負荷が大きすぎる。駄目だろう、乱凪砂がホットケーキを焼いてるなんて。高圧的な男性性を売りにしているAdamの乱凪砂が、かわいいエプロンでホットケーキ。イメージとギャップがあり過ぎておかしいだろ。いやまてよ、料理男子は世の女性からは好意的に受け取られる傾向が強いのだから悪くはないのか。いやいや、絆されるなそれはイメージ戦略と真逆の方向性だ。良くない、全くもって良くない。だいたいあのファンシーなエプロンはどこから持ってきたんだ。誰だ貸し与えたやつ、絶対許さない。
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