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    膝枕

    mame

    DONEエアスケブSS/お題:千ゲンで千空がゲンに膝枕+ふとしたきっかけで僅かな身長差が気になりだす千空ちゃん
    ▼石油代集め中・付き合ってない
     その姿を見るのは初めてと言うわけではなかった。
     改めて考えてみても、お得意の口八丁に付属する作られた表情なんかでは、しょっちゅう目にしているように思う。だから今更、というのが千空自身の感想だったのだけれど。


     石油代集めも終盤に差し掛かった、陽射しが優しいある日の昼下がり。ストックしていた筆記用の鉛筆がなくなり、とりあえず竹で炭を作ってしまうかと千空は近場の竹をひとり切りに来た。これくらいの作業であればカセキに頼むほどではないし、竹炭で作られた鉛筆は随分石神村に馴染んだ。いまでは子どもたちが遊び半分で作ったりするほどだ。
     竹の優秀さを改めて考えながら千空が訪れたのは清流が近くで流れる竹林だ。すこやかに伸びた背の高い竹と、生い茂る笹の葉の隙間から漏れ落ちた光が地面に模様を作っていた。寿命を終えて地面を形成する薄茶色の枯れた笹の葉が、千空の行く道のクッションとなっている。先述のようにここではよく子どもたちが遊んでいるのだが、今日は無邪気な声はせず、遠くで川のせせらぎと笹の葉が擦れる涼やかな音がするばかりだ。自然と心が凪いでいく。
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    masasi9991

    DONE世間話と膝枕の土ガマつらつらと 2021-05-26
    「で、それで見たこともねえ奴らが、ビルの上に居てよ……なんでオレのようなのをこんなとこまで呼び出した、って聞いたら両手合わせて拝み始めるんだよ。こいつは参ったなと、なにか勘違いしてやがると思ってこっちの事情を話してみようにも、ああいう奴らは聞く耳持たねえのなんのって……で面倒になって置いて帰っちまおうかとも思ったけど、まだ足は生えてるつもりらしくて、ほっぽっておいたら延々とここに居座って地縛霊にでもなるのかなとさ……」
    「ふむ、わからん。お主はいったい何の話をしておるのだ」
    「土蜘蛛さんが訊ねたんじゃねえか。あの庭に増えた石の話だよ」
    「持ち帰ったのか? 物好きな」
    「放っちゃおけないのが、どうもオレの性らしいや。ところがさ、連れ帰ったはいいものの、奴らみんな呪われてたんで……それで蛙にでも縋ろうってんで……まあ奴らオレが蛙とは知らんでいたらしくて……」
     話してる途中に眠くなってきて、あくびをひとつ、と寝返りを打とうとした。ところがこの枕があんまり広くもないモンだから、うっかり間に落っこちそうになる。
     枕の上に伸びた身体のてっぺんの、堅苦しっく据え 1821

    あーや

    DOODLEにゃんちょぎとぶぜまつ前提で、にゃんが豊前に膝枕してもらう話。刀帳順個室の本丸です。 その日の風呂と晩ごはんを済ませた南泉一文字は、寝るまでの暇な時間を持て余していた。一日中暇だったわけではない。毎日馬当番をしている。ふかふかの藁との戦いだ。最近はなぜか毎日、山姥切長義と馬当番に当てられている。長義は嫌そうにしているけど、南泉はそんなに悪くないと思っている。嫌そうにしている長義が、馬の反応を見て、小さく笑う瞬間を見つけるのが好きだ。
     昼間しっかり働いたんだから、夜くらいゆっくりしてもバチは当たらないはずだ。友達が少ないアイツも暇だろうから、俺が構ってやらなきゃな。なんて思って、南泉は長義の部屋の戸を叩いた。
    「おーい、俺だ。入るぜー」
     返事はない。戸に手をかけてみるが、鍵がかかっている。
     ふすまなのに、わざわざ鍵かけるんだよなアイツ。留守の間に物盗んだりするような悪いヤツ、この本丸にはいないと思うけど。
    「山姥切なら、いないぞ」
     声がした方向に振り返ると、縁側にひとり腰掛ける豊前江がいた。
     南泉は目を細めて、なんでお前が知ってんだにゃ、という顔で睨みつけてやった。
    「あるじに連れて行かれた」
    「あるじに?」
    「夕飯のすぐあと、ちょっと話がある、つってあるじが 2113

    Hoopono41030595

    TRAINING疲れたのでいちゃいちゃするくわぶぜが書きたかった。
    膝枕させたかった。
    ただそれだけ。
    確定申告って面倒だよね。
    桑名が、見慣れた、それでいていつでも見ていたいと思う、恋人の姿を見つけたのは、午後の畑作業もひと段落着く頃のことだった。
    豊前は、いつからいたのかわからないが、桑名の姿がよく見える木の下に腰をかけて、ひらひらとこちらに手を振っている。
    「豊前、どうしたの?いつからいたの?」
    「ん、ちょっと前。邪魔しちゃいけねーと思ったからさ。」

    ヘラりと笑う豊前の顔は、少しだけ疲労の色が濃い。

    桑名は横に座ると、当然というようにその膝にごろりと頭を預けながら口を開く。
    「どしたん?だいぶお疲れみたいだけど。」
    「お前はそれがわかってて、膝枕を要求するのか。」
    そう言いながらも、豊前は優しくねぎらうようにふわふわと桑名の髪を漉いた。
    「ま、確かに疲れてんな。精神的に参った……。」
    豊前のそのつぶやきに、桑名はピンときた。
    「そういえば、今日は一日書類作業だったね。松井がずっと怒ってたもの。」
    個人の戦績やら、給与計算やらの書類の提出。
    文字が苦手な豊前にとっては大変に苦痛な作業であったらしく、提出日を大幅にすぎて、松井を怒らせていた。
    「それで逃げ出してきたの?」
    「逃げ出したわけじゃねーよ。終わっ 1413

    pluto__iv

    DOODLE夢腐 琥鴞くんのかんがえごと

    診断メーカーよりお題「こんなに好きになる筈じゃなかったんだけどな。」を元に指を動かしてたら、こきょむざの歴史みたいになった。良さみのエッセンスを感じてくれ……あと膝枕は良いぞ
    沈思「こんなに好きになるつもりじゃなかったんだけどな」
    琥鴞こきょうは膝の上で微睡む無惨を見下ろし、その癖の強い黒髪を弄りながら呟く。

    元はと言えば生まれて初めて自分に匹敵する才能と思想と品格の持ち主、そして自分を遥かに上回る意思と生命の力に満ちた彼の姿に、朝廷暮らしで擦り減らした自我と欲を呼び覚まされたのだ。まつりごとに組み込まれた無味乾燥な人生を嫌悪し、知らぬ間に緩やかな絶望の道を歩んでいた自分に、彼は本当の人生を思い出させてくれた。初めから尊敬と親愛の情を寄せていたことは否めない。

    しかし、当時は彼の本性を今ほど理解していなかったのだ。自信に満ちた振る舞いは、他者に微塵も価値を見出さない過度な傲慢さからくるものだと知った。鋭い舌鋒は機知のみでなく、彼の生に根付いた深く絶え間ない怒りの現れだった。品性は病的な完璧志向と卑賤なるものへの嫌悪と蔑み、孤高は共感性の欠如、生命力は気も狂わんばかりの死への恐怖の裏返しだった。
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