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    32

    ar_rn_3150

    MAIKING小説家の蟻生(32)
    大学生の凛(19)
    が同じアパートに住んでいて隣人だったらいいな〜!蟻生くんに煙草吸ってほしいな〜!という願望です

    猫飼いは煙草を吸わないべきですが、BLはファンタジーなので許してください
    小説家隣人パロ その男は、まるで風景でも見るかのように俺を一瞥して通り過ぎたあと、ぎょっとした顔をして振り返った。頭のてっぺんから爪先までぐっしょりと濡れて、古びて少し傾いたアパートの外廊下に座り込んでいる人間を見たら誰でも驚くだろう。驚かせて申し訳ない、と思った。
     しかしそいつはその後、何事もなかったかのようにドアノブに手をかけると手前に引き、その隙間に薄い体を滑り込ませると静かに扉を閉めて姿を消した。それで俺はやっと、そいつがアパートの左隣の部屋に住む人間だったことを知る。
     数ヶ月、前引っ越しの挨拶をするために訪ねた時は留守にしていたそいつの顔を、俺はこれまで一度も見たことがなかった。ドアに鍵をかけていないのか。不用心な奴だ。こんなボロアパートの鍵などあってないようなものだが、なるほど。鍵をかけなければ俺は今こんな状況に陥っていないわけだから、あいつのやり方も道理にあっているのかもしれないと、冷えた体でぼんやりと考えながら今日の災難について思い返していた。
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    jomtrjokdm

    DONEトラックにはねられて転籍モノの学パロ赤風です。
    赤井秀一は32歳だけど風見裕也は16歳男子高校生です。学生パロディ。
    ひかるきみーわかむらさきー「市川さんに梨を剥いてもらったから、秀ちゃんと一緒に食べてね」
    エリザベスさんはお盆からぽてぽてと梨が盛られた薄い白い皿とまろんっと光が鈍く映る黒い漆の皿を二枚机の上に置いて部屋から立ち去った。ドアの向こうから風見くんってやっぱりえらいからちゃんと宿題してたわぁ!とよかったですね奥様とエリザベスさんと市川さんの声が漏れ聞こえ、足音が遠くに消えていった。


    集中力が切れて塾のテキストから目をはずす。まず、こんなに大きな梨を見たことがない。砲丸投げの玉ぐらいの大きさの梨。それにどうして市川さんは、剥いていない梨を剥いた梨の横に用意をしたのだろうか。
    皮が剥かれていない梨をつーと触ると温くざらざらしていた。まだ赤井さんはいないけれど、せっかくだしと木のフォークで梨らしい手ごたえを感じながら刺して口まで運ぶ。しとしと水気を含む梨はしゃりしゃりしていて甘くおいしかった。果物を食べる習慣がないので、季節ごとに果物を食べる彼らは四季折々をこうして舌で楽しむのだなと思うも、特異というか、自分が今まで出会ったことのない人種であった。特にその中でも目の前の男は特異の中の異質すぎて理解の範疇の外である。目の前に赤井さんがいる?足音もドアの開閉音すらしなかった。
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