オサハタ
DOODLE付き合ってる半サギョが眠るだけの話。約束は暁に「うーわー……もう駄目っぽぉーおいぃぃー……」
「何が」
食事を終えて風呂に入りそして上がってくるなり俺にもたれてきたサギョウの目はほとんど開いていない。
「ねむー……ぅいー……」
「そうだろうな」
半乾きどころかびしょ濡れのままの髪。頭に乗っているタオル越しに撫で回すとこっちの顔にまで水滴が飛んできた。
「あばばばば、揺れる揺れる〜」
「ここのところ忙しかったからな」
「そんでー、明日は普段よりはー、遅くから勤務なのにー、もう眠いー……」
「髪を乾かすまで待て」
「うぃー……」
ドライヤーを手に戻ると、前方を見つめているサギョウの目はぼんやりとしつつ、しかし眉間には皺が寄っていた。
「何を怒っている」
「あー……自分の──不甲斐なさ?」
1611「何が」
食事を終えて風呂に入りそして上がってくるなり俺にもたれてきたサギョウの目はほとんど開いていない。
「ねむー……ぅいー……」
「そうだろうな」
半乾きどころかびしょ濡れのままの髪。頭に乗っているタオル越しに撫で回すとこっちの顔にまで水滴が飛んできた。
「あばばばば、揺れる揺れる〜」
「ここのところ忙しかったからな」
「そんでー、明日は普段よりはー、遅くから勤務なのにー、もう眠いー……」
「髪を乾かすまで待て」
「うぃー……」
ドライヤーを手に戻ると、前方を見つめているサギョウの目はぼんやりとしつつ、しかし眉間には皺が寄っていた。
「何を怒っている」
「あー……自分の──不甲斐なさ?」
オサハタ
MOURNINGSkew linesのセルフカバーでhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5378067
の続き。
本文の中ではさらっと流しちゃったけど盛り込めばよかったね。っていうものが後から後から湧いてくるので困る。ほんとに妄想の瞬発力がない、つらい。でも思いついたから今更遅かろうとも描く、私が見たい!ので!!!!
※サくんの額当ての左上ナゾ。
オサハタ
MEMO(過去のもの)ぽつぽつ描いてた、繋がってないようで繋がってる両片想いのモノたちで、この後きちんと結末まで描いてまとめたいと思っているので、忘れないように迷子にならないように自分用に置いておく備忘録的なもの。 7オサハタ
PAST2021/01/09Twitterに反応貰ったので懐かしくてこっちにも持ってきた。
今見ると色々恥ずかしいけどもすげー頑張って描いたなぁっていう思い出もあるので。
元ツイ↓
https://twitter.com/osahata_p/status/1347915771674939392 7
オサハタ
DOODLEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5248265の続き
Knights of Night⑩「いやの、初めて訪れた街ゆえ、彷徨っているときに──」
「ちょっと待て」
呑気にへらへらしてる吸血鬼に僕は口を挟んだ。
「その前に、お前の名前も一応聞かせろよ」
「朕の名?」
街を一望できる丘の上、遠くの空は夜と朝の混じった色をしている。
「聞いてどうするのじゃ?」
「どうもしないよ、ただなんか──不公平な気がするだけだ」
「ほぅ、それもそうじゃの」
こっちは名乗った、わけじゃないのもあるけど知られてる、それを引き合いに出すと相手はあっさり頷いた。
けど──
「朕の名は──…………む? おかしいのぅ……は! そうか!」
「なんだよ?」
ひとしきり首を傾げて、それからピンときた風に人差し指を立てる──また鼻につく大仰な仕草で──
1026「ちょっと待て」
呑気にへらへらしてる吸血鬼に僕は口を挟んだ。
「その前に、お前の名前も一応聞かせろよ」
「朕の名?」
街を一望できる丘の上、遠くの空は夜と朝の混じった色をしている。
「聞いてどうするのじゃ?」
「どうもしないよ、ただなんか──不公平な気がするだけだ」
「ほぅ、それもそうじゃの」
こっちは名乗った、わけじゃないのもあるけど知られてる、それを引き合いに出すと相手はあっさり頷いた。
けど──
「朕の名は──…………む? おかしいのぅ……は! そうか!」
「なんだよ?」
ひとしきり首を傾げて、それからピンときた風に人差し指を立てる──また鼻につく大仰な仕草で──
オサハタ
DOODLE半サギョの概念。袖返ししは──「探し物を、しているんだ」
先輩はそう言った。
何を? と、僕は聞いた。だけど先輩は首を横に振る。
「分からない」
と言いながら。
分からないんじゃ手伝いようがない。そう呆れたら、
「この気持ちの、名前は、何なのだろうか」
先輩は、ただ、僕を見ていた。
「お前に俺を、見て欲しい」
見ている、ずっと、僕はあなたが僕を知る前から、見続けている。
「お前に俺を、知って欲しい」
知っている、あなたは何も、隠さないから。
「お前のことを、知りたい」
僕も、何も隠していない。
「お前の、特別になりたい」
特別、だよ、あなたは、とっくに。
「俺はお前が、特別で、唯一で、離れたくない、離したくない」
おんなじだ、と、思った。
「なぁサギョウ」
845先輩はそう言った。
何を? と、僕は聞いた。だけど先輩は首を横に振る。
「分からない」
と言いながら。
分からないんじゃ手伝いようがない。そう呆れたら、
「この気持ちの、名前は、何なのだろうか」
先輩は、ただ、僕を見ていた。
「お前に俺を、見て欲しい」
見ている、ずっと、僕はあなたが僕を知る前から、見続けている。
「お前に俺を、知って欲しい」
知っている、あなたは何も、隠さないから。
「お前のことを、知りたい」
僕も、何も隠していない。
「お前の、特別になりたい」
特別、だよ、あなたは、とっくに。
「俺はお前が、特別で、唯一で、離れたくない、離したくない」
おんなじだ、と、思った。
「なぁサギョウ」
オサハタ
PROGRESSきゅーしファンブックのやつなのでワンクッション〜。ふたりとも袖口が分からないんだな~っていうね!
いやそれ以外にも分からない点は多いんだけれども、まぁそれはそれでね、広がっていいんじゃないですかね、夢が。
オサハタ
DOODLE付き合ってる。Love All「お前、俺の顔好きか?」
聞かれたのは唐突で、僕は思わず
「……はぁ?」
と眉を顰めた。
「いや、その……」
自室だからとソファに踏ん反り返っている僕とは正反対に、先輩はどこかそわそわと落ち着きがない。
「お前言ったじゃないか、俺を、イケメンって」
……ああ言ったな、あの変な、襷の吸血鬼が署に来たときに。
「俺は自分のみてくれに不満はない」
だろうね、ご両親に対する態度からもそれは見て取れるよ。
「だが、人にはそれぞれ好みがあるだろう?」
視線だけで頷いた僕に先輩は続けた。
「だからあのとき少し……いやこれは嘘だな、かなり、嬉しかった。お前が、俺の外見まで認めてくれていたのだと、知ったら……」
……なんだよ、だらしないな、随分とまぁ、楽しそうに嬉しそうに、顔中緩ませちゃって。
1193聞かれたのは唐突で、僕は思わず
「……はぁ?」
と眉を顰めた。
「いや、その……」
自室だからとソファに踏ん反り返っている僕とは正反対に、先輩はどこかそわそわと落ち着きがない。
「お前言ったじゃないか、俺を、イケメンって」
……ああ言ったな、あの変な、襷の吸血鬼が署に来たときに。
「俺は自分のみてくれに不満はない」
だろうね、ご両親に対する態度からもそれは見て取れるよ。
「だが、人にはそれぞれ好みがあるだろう?」
視線だけで頷いた僕に先輩は続けた。
「だからあのとき少し……いやこれは嘘だな、かなり、嬉しかった。お前が、俺の外見まで認めてくれていたのだと、知ったら……」
……なんだよ、だらしないな、随分とまぁ、楽しそうに嬉しそうに、顔中緩ませちゃって。
オサハタ
DOODLE続いたね①は
https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5279523
禁則事項② 来る応援がサギョウだとは思っていなかった、だが来たときには顔が見られて嬉しいと、この場にそぐわないと自覚しながらそれでも安堵した。
こいつが来てくれたのならきっと大丈夫だと。
暫くして収束した現場、それはいつにも増して多くの弾数を放った、他でもないサギョウのお陰でもある。
せめて一言、非番であっても駆けつけてくれた労いをしたいと走ったのは隊長の元。きっとサギョウもそこにいるからと、踏んで。
予想は当たり、ふたりはいた。
だが。
はっきりと視界に捉える前に感じたのは香ばしい匂い。
例えば焼き立てのパンの様な。
もしくは焼く直前の、パン生地。
ああこれは、アルコールだと気付いて直後、遠目に見たサギョウの、目元。
912こいつが来てくれたのならきっと大丈夫だと。
暫くして収束した現場、それはいつにも増して多くの弾数を放った、他でもないサギョウのお陰でもある。
せめて一言、非番であっても駆けつけてくれた労いをしたいと走ったのは隊長の元。きっとサギョウもそこにいるからと、踏んで。
予想は当たり、ふたりはいた。
だが。
はっきりと視界に捉える前に感じたのは香ばしい匂い。
例えば焼き立てのパンの様な。
もしくは焼く直前の、パン生地。
ああこれは、アルコールだと気付いて直後、遠目に見たサギョウの、目元。
オサハタ
DOODLE半サギョ。『あわでいず』、イチャっとしてる本と前置いておきながら、尻揉んだり抱きついたり一緒に寝たり事後っぽい雰囲気はあるのにおキッスは一回もしてないなぁと、気付いていながらまぁいいやそういうのもアリでしょと敢えて追加しなかったのでここでおキッスですよ。オサハタ
DOODLE半サギョ。これは付き合ってるっぽいな!?あと、うちのサギョウくんは強いぞぉ〜
俺にお前は殺せない「ごめんなさい」
サギョウ、は、苦しそうに言った。
突如とした吸血鬼の大量発生、サギョウと共に行動できていたのは現場に着くまで。
そこからはそれぞれ対応に追われ見失った、そして俺自身も満身創痍の中、視界の端に入った緑色。
「サギョウ!」
路地裏で蹲っているそこに駆け寄り、上げさせた顔。
覗き込んだ瞳、は──
真紅。
息を呑んだ。
血に染まっている左首筋。
「ごめんなさい」
苦しそうに呟いた、その唇の両端には、尖った、対の牙。
それがこちらへ向くより一瞬早く俺は身を翻して駆けた。サギョウ、は、飛ぶ様に追ってくる。
「吸 血 鬼 になっ、 ちゃ ったぁ ぁぁぁ‼︎、!!」
出来るだけ人の居ない通りを選び、逃げ切れないだけの、敢えて落とした、速度で走る。
1269サギョウ、は、苦しそうに言った。
突如とした吸血鬼の大量発生、サギョウと共に行動できていたのは現場に着くまで。
そこからはそれぞれ対応に追われ見失った、そして俺自身も満身創痍の中、視界の端に入った緑色。
「サギョウ!」
路地裏で蹲っているそこに駆け寄り、上げさせた顔。
覗き込んだ瞳、は──
真紅。
息を呑んだ。
血に染まっている左首筋。
「ごめんなさい」
苦しそうに呟いた、その唇の両端には、尖った、対の牙。
それがこちらへ向くより一瞬早く俺は身を翻して駆けた。サギョウ、は、飛ぶ様に追ってくる。
「吸 血 鬼 になっ、 ちゃ ったぁ ぁぁぁ‼︎、!!」
出来るだけ人の居ない通りを選び、逃げ切れないだけの、敢えて落とした、速度で走る。
オサハタ
DOODLE付き合ってる半サギョふわふわ ふるる 部屋に、先輩が来ると、空気が変わる。
ふわっとする。
だから眠っていても分かる。
そして、ただでさえ心地よい微睡みが、僕をゆっくり溶かしきってしまう。
そうなる前に、と、目を開けると、先輩は決まって
「起こしてごめん」
と、眉尻を下げるから、いつからか僕は眠ったままのふりをするようになった。そうすれば、先輩は僕の髪を撫でてから、寝る支度をして、そおっと隣に来てくれるから。
だから今日も、僕はふわっとした空気を感じて、眠りの底から少しだけ浮かべた意識で、髪を撫でられるのを待った。
期待どおりに触れられた手、だけど──
いつもより、冷たい。
ああそうか、もう夏の終わり、だからかな。
ぼんやりと思った、僕の頭から、手はいつまでも離れない。
1060ふわっとする。
だから眠っていても分かる。
そして、ただでさえ心地よい微睡みが、僕をゆっくり溶かしきってしまう。
そうなる前に、と、目を開けると、先輩は決まって
「起こしてごめん」
と、眉尻を下げるから、いつからか僕は眠ったままのふりをするようになった。そうすれば、先輩は僕の髪を撫でてから、寝る支度をして、そおっと隣に来てくれるから。
だから今日も、僕はふわっとした空気を感じて、眠りの底から少しだけ浮かべた意識で、髪を撫でられるのを待った。
期待どおりに触れられた手、だけど──
いつもより、冷たい。
ああそうか、もう夏の終わり、だからかな。
ぼんやりと思った、僕の頭から、手はいつまでも離れない。
オサハタ
DOODLEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5121350の続き
Knights of Night⑨「まぁ、そういったことが数十年──いや百年を超えたかの? 分からんがとにかくぽつぽつと続いての」
再開された吸血鬼の話を、俺は振り向かず耳だけで聞いた。
「とうとう朕が一族最後となったわけじゃ」
「どうしてそうだと分かった?」
聞いたのはサギョウだ。
「この時期に必ず、朕を訪ねてきていた、母が、来なくなったからじゃよ」
「お母さん……?」
「うむ」
気配の元は、少しずつではあるが近付いている、丘の頂上に向かうにつれて。
「元々外に出るより内にいるのを好む、というより、己の楽しみは内にこそあり、外には出ずとも幸福、そういった人であったことに加え、親族が次々居亡くなったのも手伝ってさらに居城に篭っていた、その母が、年に一度だけ、朕の世話焼きのために出たとき、屠られたのじゃろうと、母の訪ねてこないこの季節が数度巡ってきたとき、朕は悟った」
1135再開された吸血鬼の話を、俺は振り向かず耳だけで聞いた。
「とうとう朕が一族最後となったわけじゃ」
「どうしてそうだと分かった?」
聞いたのはサギョウだ。
「この時期に必ず、朕を訪ねてきていた、母が、来なくなったからじゃよ」
「お母さん……?」
「うむ」
気配の元は、少しずつではあるが近付いている、丘の頂上に向かうにつれて。
「元々外に出るより内にいるのを好む、というより、己の楽しみは内にこそあり、外には出ずとも幸福、そういった人であったことに加え、親族が次々居亡くなったのも手伝ってさらに居城に篭っていた、その母が、年に一度だけ、朕の世話焼きのために出たとき、屠られたのじゃろうと、母の訪ねてこないこの季節が数度巡ってきたとき、朕は悟った」
オサハタ
INFOpixivのエア新刊(全ページ)https://www.pixiv.net/artworks/92781980
BOOTHの紙媒体(自家製本)
https://booth.pm/ja/items/3279139 2
オサハタ
DOODLEサギョウくんを対等に見ている半田くんツーマンセル 非番の夜、歩いていた街。
ふと聞こえた喧騒、妙に気になって赴いた先には先輩たち。
切羽詰まった雰囲気、騒つく胸中。
だけど握った電話は鳴っていない、僕は必要ない?
それでも駆けた、呼んだ。
「先輩!」
弾かれたように僕を見た先輩に、『何か手伝えることは?』と、聞く前に──
「助かった!」
先輩が応えて、くれた。
「吸血鬼が逃げた! この地点から各周囲ふた区画、一般人への非難誘導を頼みたい!」
手短に、だけど要点は捉えた先輩の声に僕は頷いて、来た道を戻り駆けながら返答した。
「了解です!」
私服で丸腰の僕にできるのはそれくらいだ、だけど──
ひたすらに嬉しかった。
僕に、できることがある、そしてなにより──
先輩が、僕を頼ってくれた、その一点が。
706ふと聞こえた喧騒、妙に気になって赴いた先には先輩たち。
切羽詰まった雰囲気、騒つく胸中。
だけど握った電話は鳴っていない、僕は必要ない?
それでも駆けた、呼んだ。
「先輩!」
弾かれたように僕を見た先輩に、『何か手伝えることは?』と、聞く前に──
「助かった!」
先輩が応えて、くれた。
「吸血鬼が逃げた! この地点から各周囲ふた区画、一般人への非難誘導を頼みたい!」
手短に、だけど要点は捉えた先輩の声に僕は頷いて、来た道を戻り駆けながら返答した。
「了解です!」
私服で丸腰の僕にできるのはそれくらいだ、だけど──
ひたすらに嬉しかった。
僕に、できることがある、そしてなにより──
先輩が、僕を頼ってくれた、その一点が。
オサハタ
DONEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5229674の続きで本文はこれでおしまいです、お疲れ様でした、見てくれてありがとうございます。表紙とかも揃ったらpixivにも置くです。置いたらこっちでもお知らせするつもりです(心が折れなければ……)(なんかいろいろと恥ずかしくてつらい……) 6
オサハタ
DONEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5221660の続き。
下手くそのくせになに調子乗って描いてんだよぉ恥ずかしいよぉ消えてしまいたいよぉの正気メンタルなので滅茶苦茶しんどいあとお腹めっちゃ痛いボスケテ。でもあと本文6ページと表紙裏表紙塗ったら上がりだから頑張るよ終わったらまた半サギョ書くんだえへへ……楽しみだなぁ(ぐるぐる目) 4
オサハタ
DOODLE②https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5175673
の続きで終わり。
「好きだ」
なんて望んでいなかった。
ただせめて、今よりももっと後になっても、
「そんな奴もいたな」
と、思ってもらえる程度、記憶の片隅に残っていられたら、それでいいと、漠然と考えていた。
それなのに。
目の前の想い人は、僕がとっくに捨て去って、振り向かないようにしていた望みを、ぶつけてきた。
怯えているような、悲しそうな、苦しそうな、痛そうな──
恐怖、に、染まった、双眸で。
どうして、が、いくつも頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合った。
どうして僕なんだ。
どうしてあなたなんだ。
どうしてそんな、今にも、泣きそうな、くせに、僕から目を逸らさないんだ。
何をくだらない冗談を、と、そうでも言って笑い飛ばせと声がした。
1150なんて望んでいなかった。
ただせめて、今よりももっと後になっても、
「そんな奴もいたな」
と、思ってもらえる程度、記憶の片隅に残っていられたら、それでいいと、漠然と考えていた。
それなのに。
目の前の想い人は、僕がとっくに捨て去って、振り向かないようにしていた望みを、ぶつけてきた。
怯えているような、悲しそうな、苦しそうな、痛そうな──
恐怖、に、染まった、双眸で。
どうして、が、いくつも頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合った。
どうして僕なんだ。
どうしてあなたなんだ。
どうしてそんな、今にも、泣きそうな、くせに、僕から目を逸らさないんだ。
何をくだらない冗談を、と、そうでも言って笑い飛ばせと声がした。
オサハタ
DONEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5215750の続き。
ラストのページ、クリックして拡大していいよ、私もこんなのあったら絶対するもん、限界までピンチアップするもん。
(追記:続きは
https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5229674 7
オサハタ
DONEモチベーションがマイナス5億になったのでもう出来たとこから上げていくね……、なんか、しんどくなってきたから……、全部出来たときには一括のものをpixivにも置くけど紙媒体にするかどうかはちょっと分かんなくなってきたな……へへ……(追記:続きは
https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5221660
です) 15
オサハタ
DOODLE① 怖いもの、は、あっただろうか。
例えば幼い頃、夜中にふと目覚めてしまった時の手洗い、それは母の起きている時間であって、家には灯がともっていたから怖くなかった。
例えば教訓や娯楽のために作られたおぞましい物語、それらも作り物だと強く信じれば立ち向かえた。
例えば幾度か遭遇した命の危機、その時も感じたのは恐怖よりも焦燥。
思い返してみれば心の底から震えるほどの恐ろしさなど、感じたことはなかった。なのに。
俺は今、想像しただけで喉が詰まって痛むほどの、そう、これこそが恐怖だと思い知らされるものを、目の当たりにしている。
想像と違う、もっと温かくて、浮き立つような、夢見心地の、それこそ幸福と言えるものだと思っていた。
536例えば幼い頃、夜中にふと目覚めてしまった時の手洗い、それは母の起きている時間であって、家には灯がともっていたから怖くなかった。
例えば教訓や娯楽のために作られたおぞましい物語、それらも作り物だと強く信じれば立ち向かえた。
例えば幾度か遭遇した命の危機、その時も感じたのは恐怖よりも焦燥。
思い返してみれば心の底から震えるほどの恐ろしさなど、感じたことはなかった。なのに。
俺は今、想像しただけで喉が詰まって痛むほどの、そう、これこそが恐怖だと思い知らされるものを、目の当たりにしている。
想像と違う、もっと温かくて、浮き立つような、夢見心地の、それこそ幸福と言えるものだと思っていた。
オサハタ
DOODLEリアクションくれていつもありがとう、という感謝の気持ちを伝えるべく何か描かなきゃと思ったのに却って気負いすぎてこんなのになってしまってしょんぼりだよ、いつかちゃんとしたお礼絵を描きたいという気持ちだけはあるんですよすみません、ありがとう、見てくれてありがとう、愛してます、ぶちゅー!オサハタ
DOODLE後の祭り 夜が明けた。もう寝る時間。
枕に頭を沈めた僕。その上に覆い被さる先輩。
いつもどおり。これからする。それは嬉しいこと。
両手で顔を包んで、引き寄せて、キスをした、僕に──
「っ、今更なんだが、この体勢、苦手なんだ」
先輩が、気まずそうに言った。
「体勢?」
首を傾げた僕はベッドに横たわり、先輩はその上。
これの、何が?
疑問は声にする前に解決した。
「一方的に組み敷いているようで、落ち着かない」
「ああそういうこと」
それを聞いて僕が最初に思ったのは、別に四肢を拘束されているわけでもなし、仮にされていてもそれなりの訓練を受けているし、その気になれば返せるから気にしなくていいよ、ということ。
だけど。
「まぁ、それは先輩の心理的なもんでしょうからね、僕が何を言っても解決しないでしょうけど」
710枕に頭を沈めた僕。その上に覆い被さる先輩。
いつもどおり。これからする。それは嬉しいこと。
両手で顔を包んで、引き寄せて、キスをした、僕に──
「っ、今更なんだが、この体勢、苦手なんだ」
先輩が、気まずそうに言った。
「体勢?」
首を傾げた僕はベッドに横たわり、先輩はその上。
これの、何が?
疑問は声にする前に解決した。
「一方的に組み敷いているようで、落ち着かない」
「ああそういうこと」
それを聞いて僕が最初に思ったのは、別に四肢を拘束されているわけでもなし、仮にされていてもそれなりの訓練を受けているし、その気になれば返せるから気にしなくていいよ、ということ。
だけど。
「まぁ、それは先輩の心理的なもんでしょうからね、僕が何を言っても解決しないでしょうけど」
オサハタ
DOODLEre-birth ③(終)「僕が、あんたを?」
サギョウはまた笑った。だが今度は、けらけらとはしていなかった。
無理矢理な、口の端だけを引き上げた、いびつな笑みだった。
「あんたは僕より、たくさんのものを持っているのに?」
喉の締まった嗄れた声、それは猛毒の霧。
「お前には、そう見えるのだな」
俯いた顔を上げさせることはしない。
「だが俺には、俺の持ち得ないものを持っているお前が、眩しく見える」
俺の肩を掴むサギョウの手は震えている、それでも、決して、離れていない。
「変わる必要は無い、変えようなどと思ってもいない、お前はお前の、そのままでいい」
敷布に滴が垂れた。
「俺はもう、お前を抱かない、それでも──」
ぼたぼたと落ちる涙は、サギョウのものか、それとも──
1019サギョウはまた笑った。だが今度は、けらけらとはしていなかった。
無理矢理な、口の端だけを引き上げた、いびつな笑みだった。
「あんたは僕より、たくさんのものを持っているのに?」
喉の締まった嗄れた声、それは猛毒の霧。
「お前には、そう見えるのだな」
俯いた顔を上げさせることはしない。
「だが俺には、俺の持ち得ないものを持っているお前が、眩しく見える」
俺の肩を掴むサギョウの手は震えている、それでも、決して、離れていない。
「変わる必要は無い、変えようなどと思ってもいない、お前はお前の、そのままでいい」
敷布に滴が垂れた。
「俺はもう、お前を抱かない、それでも──」
ぼたぼたと落ちる涙は、サギョウのものか、それとも──
オサハタ
DOODLEre-birth②「もしかして僕を救おうとしてます?」
あれから数週間経った。その間俺はサギョウに口付けた、抱きしめた、好きだと言った、だがそれだけだった。
サギョウは何度か俺を誘った。そのたび俺はしないと断った。
そして、聞かれたのが、今だ。
「こないだ僕がぶっちゃけたからかな? いいんですよ気にしなくて、むしろ好きにしてもらった方がこっちとしてはありがたいから」
サギョウは今日もけらけらと笑う。
「それとも雰囲気が良くない? しおらしいほうが盛り上がりますか?」
瞳にすうっと憂いに似た恥じらいが帯びる、控えめに袖を引く手を握って、抱き寄せて、好きだと告げた。
「それは分かってますよぉ」
頭の斜め後ろから聞こえた声は呆れを含んでいる。
489あれから数週間経った。その間俺はサギョウに口付けた、抱きしめた、好きだと言った、だがそれだけだった。
サギョウは何度か俺を誘った。そのたび俺はしないと断った。
そして、聞かれたのが、今だ。
「こないだ僕がぶっちゃけたからかな? いいんですよ気にしなくて、むしろ好きにしてもらった方がこっちとしてはありがたいから」
サギョウは今日もけらけらと笑う。
「それとも雰囲気が良くない? しおらしいほうが盛り上がりますか?」
瞳にすうっと憂いに似た恥じらいが帯びる、控えめに袖を引く手を握って、抱き寄せて、好きだと告げた。
「それは分かってますよぉ」
頭の斜め後ろから聞こえた声は呆れを含んでいる。
オサハタ
DOODLEre-birth①「セックスが好き」
とサギョウは言った。
俺は同意した、好いた相手との触れ合いという意味で。
だがサギョウにとっての意味は、違ったようだ。
「セックスってどうしたって相手が必要じゃ無いですか、となると、してる間だけは少なくとも自分が必要とされていて、ああ、だったらとりあえず今だけは生きていてもいいんだな、このくらいの価値はあるんだな、って、実感できるから、好きですね」
聞いた瞬間息が止まった。
サギョウはけらけらと笑っている。
俺は、何を言えばいい?
その日を境に、俺はサギョウを抱くのをやめた。
260とサギョウは言った。
俺は同意した、好いた相手との触れ合いという意味で。
だがサギョウにとっての意味は、違ったようだ。
「セックスってどうしたって相手が必要じゃ無いですか、となると、してる間だけは少なくとも自分が必要とされていて、ああ、だったらとりあえず今だけは生きていてもいいんだな、このくらいの価値はあるんだな、って、実感できるから、好きですね」
聞いた瞬間息が止まった。
サギョウはけらけらと笑っている。
俺は、何を言えばいい?
その日を境に、俺はサギョウを抱くのをやめた。
オサハタ
DOODLEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=5036287の続き
Knights of Night⑧「朕は一族最後の吸血鬼なのじゃ」
「は 急になんだよ!」
「そなたらと結んだ取り決めに従って事の経緯を明かしておるだけじゃが?」
「そういうことかよ! ……いやそれにしても!」
歩き出してすぐ、突拍子もない話を始めた吸血鬼は、どうやら『事情は道すがらに話す』という自分の宣言に従っているらしい、けど──
「入りが重い!」
「仕方なかろう? 事実じゃ」
「……じゃあ家族、は、いないってこと?」
「うむ」
「……ふぅん」
吸血鬼に寿命はない、けど弱点はあるから不死身じゃない、それにゴビーみたいに偶発的に吸血鬼化する場合もある、その辺りは知ってる、だから天涯孤独でも不思議じゃない。
だけど、こいつは今『一族』って言い方をした、だからきっと、少なくとも何代かは続いていて肉親に当たる吸血鬼は複数いたはずなんだ。
2159「は 急になんだよ!」
「そなたらと結んだ取り決めに従って事の経緯を明かしておるだけじゃが?」
「そういうことかよ! ……いやそれにしても!」
歩き出してすぐ、突拍子もない話を始めた吸血鬼は、どうやら『事情は道すがらに話す』という自分の宣言に従っているらしい、けど──
「入りが重い!」
「仕方なかろう? 事実じゃ」
「……じゃあ家族、は、いないってこと?」
「うむ」
「……ふぅん」
吸血鬼に寿命はない、けど弱点はあるから不死身じゃない、それにゴビーみたいに偶発的に吸血鬼化する場合もある、その辺りは知ってる、だから天涯孤独でも不思議じゃない。
だけど、こいつは今『一族』って言い方をした、だからきっと、少なくとも何代かは続いていて肉親に当たる吸血鬼は複数いたはずなんだ。
オサハタ
DOODLEhttps://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=275708&TD=4991951の続き
Knights of Night⑦「少々声が高いぞ」
「お前のせいだけどぉぉぁあ」
「すまぬな騒がしくて……ああほれ、サギョウとやら、ぬしが騒ぐからこのダンピールに唾液が飛んだぞ、手巾はいずこにある?」
「だからお前のせいだけど しゅきん ……ああハンカチ ならズボンの尻ポケットにあるよ! 右側!」
「ふむ、ここじゃな……どれ、拭いてやろう、重ね重ねすまな──これ動くでないダンピールよ、大人しくしておらぬと拭けぬであろう」
「すみません先輩ちょっと考え事してて……だからあんま近付くなよお前! 距離感おかしいぞ!」
「……お前たち、ふたりとも、一度黙れ、そして吸血鬼、少し離れろ……」
言いながら俺の方が後ずさった。至近距離で交互に、いつの間にか目の色どころか表情までころころと変えて諍いながらハンドタオルをこっちの顔に当ててくる手から離れるために。
1419「お前のせいだけどぉぉぁあ」
「すまぬな騒がしくて……ああほれ、サギョウとやら、ぬしが騒ぐからこのダンピールに唾液が飛んだぞ、手巾はいずこにある?」
「だからお前のせいだけど しゅきん ……ああハンカチ ならズボンの尻ポケットにあるよ! 右側!」
「ふむ、ここじゃな……どれ、拭いてやろう、重ね重ねすまな──これ動くでないダンピールよ、大人しくしておらぬと拭けぬであろう」
「すみません先輩ちょっと考え事してて……だからあんま近付くなよお前! 距離感おかしいぞ!」
「……お前たち、ふたりとも、一度黙れ、そして吸血鬼、少し離れろ……」
言いながら俺の方が後ずさった。至近距離で交互に、いつの間にか目の色どころか表情までころころと変えて諍いながらハンドタオルをこっちの顔に当ててくる手から離れるために。