🍲鍋🍲
DONE🐑🔮で🔮🐱。🔮さんがなんか人間にもなれる猫です。文庫メーカー版からほんの微かに変わっています。注意
・まるっとずるっと捏造
・もう、誰?
・甘い
この文章はこの世の何とも関係ありません 2124
kichimutimu
DONE🔮🐑これにて、この物語は一旦の終わりを迎えます。これが死の真相です。後、予想以上にFulgarが女々しい。
警告
※死ネタ有(グロくない程度の直接的な死亡描写)
※キス描写有
※設定の捏造
この話はhttps://poipiku.com/344169/7308372.htmlの続きになります。見てない方は先に此方をお読みください。 7673
おもち
TRAININGPsyBorg。のくちルムシェアパロ。ベッドをのろのろと抜け出して、電気をつけないまま床に落ちていたTシャツとスウェットパンツを身につけた。静かに部屋を出て扉を閉めてから大きく欠伸をする。
リビングに行くとそこにはサニーがいて、彼は目を擦っている俺を見て優しく笑った。
「浮奇、おはよう」
「サニー……おはよ……」
「あはは、まだ眠そうだ。朝ごはんは何か食べる?」
「シリアル……」
「用意してあげるから顔を洗ってきたら? ここ寝癖がすご、……あ」
「ん……? なぁに?」
「えーっと、……鏡、見たほうがいいかも?」
「……? オーケー……?」
俺の髪を撫でて何かに気がついたサニーに背中を押され、俺は洗面所に向かった。鏡の中の自分を見てすこし笑う。うん、たしかに今日は寝癖がすごいかも、……あ。
3082リビングに行くとそこにはサニーがいて、彼は目を擦っている俺を見て優しく笑った。
「浮奇、おはよう」
「サニー……おはよ……」
「あはは、まだ眠そうだ。朝ごはんは何か食べる?」
「シリアル……」
「用意してあげるから顔を洗ってきたら? ここ寝癖がすご、……あ」
「ん……? なぁに?」
「えーっと、……鏡、見たほうがいいかも?」
「……? オーケー……?」
俺の髪を撫でて何かに気がついたサニーに背中を押され、俺は洗面所に向かった。鏡の中の自分を見てすこし笑う。うん、たしかに今日は寝癖がすごいかも、……あ。
kichimutimu
DONE🔮🐑(🔮+🔗キス要素有り)Sonnyのキャラブレがヤバすぎる。この話は次の下編で終了を予定しております。
※死ネタ
※設定捏造が多々。stargazers、登場。
※歌詞引用有り
https://poipiku.com/344169/7263683.htmlの続き 5595
shica2nd
MOURNING🔮🐏。帰省したら年下の幼馴染が魔性の男になっていた(https://poipiku.com/649734/7285577.html)の🔮目線とその後の話。虎視眈々と自分の可愛さを利用して🐏を組み敷こうと計画する魔性の男。腹黒注意。 3619
shica2nd
MOURNING🔮🐏のつもりで書いています。美ショタ→魔性の男🔮✕面倒見のよい大学生→社会人(社畜気味)🐏。
年齢差家族もろもろ完全捏造パロディです。モブも出て来ます。
毎回そうで恐縮ですが、何でも許せる方向けです。 6500
おもち
TRAININGPsyBorg。バーテン🐏パロ5個目。⑥→https://poipiku.com/5487879/7448476.html
①→https://poipiku.com/5487879/7231467.html
たぶん俺は眠っていて、これは夢なんだと思う。ぐらぐらと揺れる視界には大好きな銀白の髪、いつも見てるより地面が遠く、足を動かしていないのに体が勝手に移動している。だらんと垂らしていた腕に力を入れてみたら、「起きたか?」と低く優しい声がすぐ近くで聞こえた。首を左右に振ってもっとぎゅうっと、彼のことを抱きしめる。
「浮奇、体調は? 気持ち悪いとかはないか? いつもこんなに飲まないのに、……シュウの酒のほうが美味くて飲み過ぎたとかだと、ちょっとショックだ」
「んん……ふーふーちゃんの作るお酒が一番好き……だいすき……」
「……ならいいけど」
「ふーふーちゃん……」
「うん?」
「……ふ、へへ、ふーふーちゃんだ、夢みたいな夢、ふーふーちゃんがおんぶしてくれてる」
3738「浮奇、体調は? 気持ち悪いとかはないか? いつもこんなに飲まないのに、……シュウの酒のほうが美味くて飲み過ぎたとかだと、ちょっとショックだ」
「んん……ふーふーちゃんの作るお酒が一番好き……だいすき……」
「……ならいいけど」
「ふーふーちゃん……」
「うん?」
「……ふ、へへ、ふーふーちゃんだ、夢みたいな夢、ふーふーちゃんがおんぶしてくれてる」
おもち
TRAININGPsyBorg。バーテン🐏パロ4つめです。紫🔮👟🗡の会。⑤→https://poipiku.com/5487879/7275634.html
①→https://poipiku.com/5487879/7231467.html
「あれ? まだ付き合ってないの?」
俺が今一番触れてほしくないところにグサリとナイフを刺し、シュウは目を丸くして俺のことを見た。「オーウ……」と呟いて度数の強いお酒をオススメしてくるから舌打ちをしてそれを頼む。俺の隣でショートがクスクス笑ってた。
「ごめんね? だってもう結構、……結構でしょう? とっくにそういう仲なのかと……」
「ほんとだよね。だって浮奇だよ?」
「うるさい。俺だってそう思ってる」
そう、シュウの言う通り、結構、経っている。具体的に言うなら二ヶ月ちょっと。俺はふーふーちゃんがお店を開ける日にはできる限りお店に行って、人がいなければ二人で一緒に飲んでいる。だけどまだ彼とは店員と客以上の何かになれていない。いや、友人と言ってもいいかな?くらい気軽に話せる仲にはなったんだけど、でも俺が求めているのは友達じゃないもん。
1798俺が今一番触れてほしくないところにグサリとナイフを刺し、シュウは目を丸くして俺のことを見た。「オーウ……」と呟いて度数の強いお酒をオススメしてくるから舌打ちをしてそれを頼む。俺の隣でショートがクスクス笑ってた。
「ごめんね? だってもう結構、……結構でしょう? とっくにそういう仲なのかと……」
「ほんとだよね。だって浮奇だよ?」
「うるさい。俺だってそう思ってる」
そう、シュウの言う通り、結構、経っている。具体的に言うなら二ヶ月ちょっと。俺はふーふーちゃんがお店を開ける日にはできる限りお店に行って、人がいなければ二人で一緒に飲んでいる。だけどまだ彼とは店員と客以上の何かになれていない。いや、友人と言ってもいいかな?くらい気軽に話せる仲にはなったんだけど、でも俺が求めているのは友達じゃないもん。
shica2nd
TRAINING🔮🐏。🐏だけ女体化注意。👹と🐏♀が兄妹で👹が過保護。🔮と🐏♀が高校のクラスメイトでちょっと良い感じになっているという謎時空謎設定。
書きたいところだけ書いています。当然のように捏造しかありませんので何でも許せる方向けです。※お名前はオビディアとしました。(🔮はふぅふぅちゃんと呼んでます) 2097
kichimutimu
DONE🔮🐑(🔗🎭要素有り)🔮🎭セフレとも言えない、変な関係。
※死ネタ
※微暴力。
※拘束。
※本番はありませんが、匂わせる描写有り。
🔮と🎭が、大体爛れています。
https://poipiku.com/344169/7205757.htmlの続き 7026
ya.フォロー前にbio見て
MOURNING中華AUとファンタジーAU(6月中旬と7月頭に描いたので絵柄が少し違う)
中華は私が読み始めたので。ファンタジーAUはMinecraftでの"becoming a forest witch"から……uが森の魔女ならfちゃは森に住む義賊に……🫣隠居してるuが森の中で傷ついたfちゃを見つけてお家で看病してあげてほち……そこからfちゃは森に住み着いてほち……待つ人が出来たfと待つ人になったu……🤦 2
yukuri
DONE🐑🔮+🔗🎭🔮と🎭がお互いの彼氏の自慢をするだけのお話です。
猫の喧嘩は犬も食わぬ ネオン賑わう夜の繁華街。バーの一角に、酒を手に睨み合う二人の男がいた。
「絶対サニーの方がいい彼氏だよ!」
「いいや、ふーふーちゃんが一番」
お互いの彼氏を自慢し合うアルバーンと浮奇は取り止めもない話から、どちらの彼氏がより良い彼氏か、話し合いを始めた。
側から見れば、自分の恋人が一番に決まっているのだから、この話し合いに終着点などないのだが、冷静さを欠いたほろ酔い気分の二人を止めるものは居なかった。
よってどちらの彼氏がより良い彼氏か、という論争の火蓋がここに切って落とされた。
「そもそも浮奇はファルガーのどこが好きなの?」
「あんなに魅力で溢れた人のいいところを一つに絞るなんてできないけど、強いて言うなら…」
3260「絶対サニーの方がいい彼氏だよ!」
「いいや、ふーふーちゃんが一番」
お互いの彼氏を自慢し合うアルバーンと浮奇は取り止めもない話から、どちらの彼氏がより良い彼氏か、話し合いを始めた。
側から見れば、自分の恋人が一番に決まっているのだから、この話し合いに終着点などないのだが、冷静さを欠いたほろ酔い気分の二人を止めるものは居なかった。
よってどちらの彼氏がより良い彼氏か、という論争の火蓋がここに切って落とされた。
「そもそも浮奇はファルガーのどこが好きなの?」
「あんなに魅力で溢れた人のいいところを一つに絞るなんてできないけど、強いて言うなら…」
おもち
TRAININGPsyBorg。🧜♀️うきと人間ふーちゃんの話です。海の深いところから見上げる水面は、不規則に揺れて光を反射しキラキラと輝いているようだ。色鮮やかな珊瑚礁も貝も、小さな体をめいっぱい動かして泳ぎ回る魚たちも、海の中は素敵なもので溢れてる。
でも俺は水面よりもっと上にある数えきれないくらいの星でいっぱいの夜空も、人間が作った嘘みたいにカラフルな建築物も、俺にはない二本の足で浜辺を走り回るこどもたちも、やっぱり同じくらい素敵に思えるんだ。なにより海の中じゃできない、空気を震わせて喉から音楽を紡ぐ、歌うということが大好き。
朝早くの冷たくて綺麗な空気の中、一人で歌う時間は誰にも邪魔されない俺の大切な時間だった。本当は一日中歌っていたいけれど、人間に見つかったら何をされるか分からないぞってみんなが心配するから、一番人が少なくて誰に見られる心配もないこの時間だけ。
4319でも俺は水面よりもっと上にある数えきれないくらいの星でいっぱいの夜空も、人間が作った嘘みたいにカラフルな建築物も、俺にはない二本の足で浜辺を走り回るこどもたちも、やっぱり同じくらい素敵に思えるんだ。なにより海の中じゃできない、空気を震わせて喉から音楽を紡ぐ、歌うということが大好き。
朝早くの冷たくて綺麗な空気の中、一人で歌う時間は誰にも邪魔されない俺の大切な時間だった。本当は一日中歌っていたいけれど、人間に見つかったら何をされるか分からないぞってみんなが心配するから、一番人が少なくて誰に見られる心配もないこの時間だけ。
gameeeee_kin
CAN’T MAKE海神🧜♂️ゥと、ゥを、ただの人魚だと思ってるフのやりとり。書きたいとこだけ書きたいように書いた。続きは書きたいけど形になるかはわからない。
(@ieatn4be)様のイラストの内容を少しだけお借りしております。
気付かないでね、それは、本当にただの「気まぐれ」だった。
夜の暗い海でも映える銀髪が綺麗だなとか、二本の腕が怪我のせいか不気味な色に変色してるなとか、彼が持っていたのであろう本のページが破れてグチャグチャになって、海月みたいにふわふわ浮いている様子が面白いなとか、その程度の興味。
長い永い「神生」から見たら、珊瑚の卵くらいしかない気まぐれ。
「今までに類を見ない嵐」と音の出る箱が言ったある嵐の日、浮奇は気まぐれに人間を助けた。
青い空と、青い海と、美味しい魚と、人魚の歌が有名な観光地。その港町の喧騒から少し離れた海岸の岩場が俺たちの秘密の場所。
今日も今日とて「ふーふーちゃん」が楽しそうに、「人魚の研究」について語られた論文を捲っていた。
1483夜の暗い海でも映える銀髪が綺麗だなとか、二本の腕が怪我のせいか不気味な色に変色してるなとか、彼が持っていたのであろう本のページが破れてグチャグチャになって、海月みたいにふわふわ浮いている様子が面白いなとか、その程度の興味。
長い永い「神生」から見たら、珊瑚の卵くらいしかない気まぐれ。
「今までに類を見ない嵐」と音の出る箱が言ったある嵐の日、浮奇は気まぐれに人間を助けた。
青い空と、青い海と、美味しい魚と、人魚の歌が有名な観光地。その港町の喧騒から少し離れた海岸の岩場が俺たちの秘密の場所。
今日も今日とて「ふーふーちゃん」が楽しそうに、「人魚の研究」について語られた論文を捲っていた。
おもち
DOODLEPsyBorg?🧜♀️🔮と人間の🐏天気のいい朝方、観光客は来ないような静かな浜辺に愛犬と散歩に行った時のことだった。穏やかな波の音の合間、遠くから聴こえる魅力的な音楽に俺は思わず足を止めた。明らかに波の音ではない、風の音でも動物の鳴き声でもなく、それはメロディーを奏でているなにかだ。
誰かが海に向かって歌っているという可能性もなくはない、が、この時期でも朝の海は肌寒いくらいで、声出しに適しているとは思えなかった。それにここに来るまで俺は誰ともすれ違っていない。浜辺に俺の他に人影は見当たらないのだ。
どこかの家からラジオでも漏れ聞こえているのだろうと片付けてしまえばそれまでだけれど、胸の奥に響くようなこの歌声を誰が歌っているのか気になって、ここにその誰かがいるのなら一目見たいと思ってしまった。あたりを見渡し、やはり浜辺に人はいなさそうだと判断する。少し離れた堤防や岩影なら、もしかしたら。どうするの?と言いたげな顔で俺を見上げていた愛犬にゴーの指示を出し、俺は再び海辺を歩き始めた。
1095誰かが海に向かって歌っているという可能性もなくはない、が、この時期でも朝の海は肌寒いくらいで、声出しに適しているとは思えなかった。それにここに来るまで俺は誰ともすれ違っていない。浜辺に俺の他に人影は見当たらないのだ。
どこかの家からラジオでも漏れ聞こえているのだろうと片付けてしまえばそれまでだけれど、胸の奥に響くようなこの歌声を誰が歌っているのか気になって、ここにその誰かがいるのなら一目見たいと思ってしまった。あたりを見渡し、やはり浜辺に人はいなさそうだと判断する。少し離れた堤防や岩影なら、もしかしたら。どうするの?と言いたげな顔で俺を見上げていた愛犬にゴーの指示を出し、俺は再び海辺を歩き始めた。
おもち
TRAININGPsyBorg。バーテン🐏パロ、これで三個目なので前の話を先にどうぞ。④→https://poipiku.com/5487879/7275601.html
①→https://poipiku.com/5487879/7231467.html
そこまで度数の強いものを作ったつもりはなかったのだけれど、浮奇は俺が予想していたより早くに酔って顔を赤く染めていた。俺を見つめる瞳がゆるくとろけて引力を増している。さりげなく目を逸らしながら空になったグラスの代わりに水の入ったコップを渡せば、彼は可愛らしく小首を傾げた。
「おみず?」
「ああ、もうずいぶん酔っているようだからな」
「んん〜……まだふーちゃんと飲んでたい……」
「俺は飲んでいるだろう」
「一緒に飲みたいんだもん……」
「……酔った時のシュウに少し似ている」
「シュウさん……? あそこのお店の?」
「ああ、彼も酔うと甘えたになるタイプだから、呼び方も同じだと余計にそう思うのかも」
「……じゃあ変える」
2332「おみず?」
「ああ、もうずいぶん酔っているようだからな」
「んん〜……まだふーちゃんと飲んでたい……」
「俺は飲んでいるだろう」
「一緒に飲みたいんだもん……」
「……酔った時のシュウに少し似ている」
「シュウさん……? あそこのお店の?」
「ああ、彼も酔うと甘えたになるタイプだから、呼び方も同じだと余計にそう思うのかも」
「……じゃあ変える」
おもち
TRAININGPsyBorg。まーた朝の話書いてる…。天気、スケジュール、交流など、さまざまな外的要因でストレスを溜めやすいたちの恋人は、それでも簡単には疲れたと口にしないで一人で抱え込んでしまいがちだ。ここへ来るまでの移動にだって体力を使ってしまうだろうから俺が浮奇の家に行くことも提案したのだけれど、ふーふーちゃんの家でのんびりしたい、久しぶりにわんちゃんにも会いたいな、と言われてしまえば断ることはできなかった。たしかに浮奇の家より田舎にあるから無駄に広いし周りは静かだし、リラックスするのならこっちの方が適しているだろうけど。久しぶりに見るその顔がやつれていたらどうしようと心配していた俺の期待をいい意味で裏切ってくれて、浮奇はにこにこと楽しそうな様子で俺にハグとキスを浴びせた。到着時間が遅かったから昨日はデリバリーで簡単に夕飯を済ませた後二人で時間をかけて風呂に入り、毎日通話していても話し足りない会話を楽しむために晩酌をしようと思っていたのだけれど……やっぱり目の前にいると話すだけじゃ物足りなくなって。疲れているからかアルコールが回りやすかったらしい浮奇がいつもより早く瞳をとろけさせて俺を見つめ、俺はそれ以上浮奇が酔って眠ってしまう前にとベッドに彼を連れ込んだ。
2055おもち
TRAININGPsyBorg。バーテン🐏パロ。二個目③→https://poipiku.com/5487879/7241901.html
①→https://poipiku.com/5487879/7231467.html
カラン、と氷が溶けるような涼しげな音のベルが鳴った。全てを俺の好きなもので満たしたこのバーはほとんど趣味でやっているようなもので、開けたばかりに来客なんて珍しいことだ。
顔を上げて視界に飛び込んできた紫に、俺は目を見開いた。彼が何かを発する前に瞬きひとつで表情を戻す。
「こんばんは」
「あ……、こんばんは。えっと……」
「お一人ですか。カウンターへご案内しても?」
「……はい」
少し前にシュウの店を手伝った時にいた子だ。あの時より控えめな化粧は、むしろ彼の美しさを際立たせているように思えた。高いヒールを静かに鳴らしてカウンター席へ座った彼は、チラッと俺を上目遣いで見て困ったように視線を彷徨わせた。
たまたま、か? 通りを一本入った細い路地にあるこの店に一人でフラッと入ってくる客はほとんどいない。だが酒を飲み慣れているようだったし色々なバーに行くタイプなのかもしれない、誰かの紹介という可能性もあるだろう。なんにせよ、もう一度会えるとは思っていなかったから。
1809顔を上げて視界に飛び込んできた紫に、俺は目を見開いた。彼が何かを発する前に瞬きひとつで表情を戻す。
「こんばんは」
「あ……、こんばんは。えっと……」
「お一人ですか。カウンターへご案内しても?」
「……はい」
少し前にシュウの店を手伝った時にいた子だ。あの時より控えめな化粧は、むしろ彼の美しさを際立たせているように思えた。高いヒールを静かに鳴らしてカウンター席へ座った彼は、チラッと俺を上目遣いで見て困ったように視線を彷徨わせた。
たまたま、か? 通りを一本入った細い路地にあるこの店に一人でフラッと入ってくる客はほとんどいない。だが酒を飲み慣れているようだったし色々なバーに行くタイプなのかもしれない、誰かの紹介という可能性もあるだろう。なんにせよ、もう一度会えるとは思っていなかったから。
おもち
TRAININGPsyBorg。バーテン🐏パロ②→https://poipiku.com/5487879/7235591.html
友達が主催のちょっとしたパーティーは地下にあるバーを貸し切って行われた。雰囲気が良くて店員さんもカッコイイ素敵なバーなのに、友達はどんなメンバーを集めたのか、騒がし過ぎて呆れてしまう。すこしだけ付き合って輪の中にいたけれどタイプじゃない男に絡まれて面倒だったから顔見知りの女の子を一人捕まえてバーカウンターへ逃げた。
「浮奇、あからさまに嫌そうな顔すんのアイツが可哀想過ぎるって」
「相手の顔色も伺えなさそうな人だったんだもん、しょうがないでしょ。俺今回知り合い少ないや……俺のタイプの人いた?」
「どうかな。私のタイプはいた」
「……あー、いってらっしゃい。素敵な夜を」
「浮奇も素敵な人と出会えますように」
ニコッと笑い、彼女は角のソファー席で穏やかに楽しんでいるグループへ声をかけに行った。残念ながらそこにも俺のタイプの人はいなさそう。あんまりジロジロ見るのも品定めしてるみたいで嫌らしいし控えないと。
2076「浮奇、あからさまに嫌そうな顔すんのアイツが可哀想過ぎるって」
「相手の顔色も伺えなさそうな人だったんだもん、しょうがないでしょ。俺今回知り合い少ないや……俺のタイプの人いた?」
「どうかな。私のタイプはいた」
「……あー、いってらっしゃい。素敵な夜を」
「浮奇も素敵な人と出会えますように」
ニコッと笑い、彼女は角のソファー席で穏やかに楽しんでいるグループへ声をかけに行った。残念ながらそこにも俺のタイプの人はいなさそう。あんまりジロジロ見るのも品定めしてるみたいで嫌らしいし控えないと。
おもち
TRAININGPsyBorg。🐱浮奇④🔮🐏寄りです。🐱発情期の話ですが実際の生態とは異なるファンタジーですのでなんでも楽しめる成人済みの方のみどうぞ。Are you over 18? 2677
おもち
TRAININGPsyBorg。🐱浮奇③前の話を読んでいないと訳わからないと思う好き勝手パロです。人の体温って俺たちより低いんだ。夜中に目が覚めて外を散歩した後に彼の隣に潜り込むたび、あまりに静かで「ちゃんと息をしてるかな?」って不安になって顔を近づけてしまう。すぅすぅと呼吸をしていることを確認してから、ようやく俺は彼のことをぎゅっと抱きしめる。そうして俺の体温を分けてあげる。目覚めた彼が「暑い」って文句を言って、でも俺のこと突き飛ばしたりはしないでほんの少し身を捩ってみせるだけだから、俺は余計に彼に抱きついてしまうんだ。
「おはよう、ふーふーちゃん」
「おはよう……なんで朝からそんな機嫌がいいんだ……」
「ふーふーちゃんのおかげだよ。ね、今朝は何を食べたい?」
「起きたばかりでまだ食欲がない……」
1744「おはよう、ふーふーちゃん」
「おはよう……なんで朝からそんな機嫌がいいんだ……」
「ふーふーちゃんのおかげだよ。ね、今朝は何を食べたい?」
「起きたばかりでまだ食欲がない……」
おもち
TRAININGPsyBorg。🇭🇰デートまあまあ失敗。ギラギラと看板や街灯が眩しい通りを見て回っていくつか土産の品を入手したあと、俺は浮奇の顔色を見て細く薄暗い横道に連れ込んだ。パッと顔を上げ、不思議そうに首を傾げる浮奇の頬に手のひらを添える。
「何か言いたいことは?」
「……特に、なにも?」
「そうか? 俺の勘違いではないと思うんだけど」
「なにが?」
「人酔いしただろう。気分があまり良くないんじゃないか」
「……、どんだけ俺のこと見てるんだよ」
「当たり前だろ、おまえと二人で来ているんだから。ホテルに帰ろう。買い物なんてどこでもできる」
「やだ、もっとデートしたい」
「俺はここじゃ手も繋いでやらないよ」
「……ずるい」
「体調不良を隠していたおまえとどっちが狡い?」
2157「何か言いたいことは?」
「……特に、なにも?」
「そうか? 俺の勘違いではないと思うんだけど」
「なにが?」
「人酔いしただろう。気分があまり良くないんじゃないか」
「……、どんだけ俺のこと見てるんだよ」
「当たり前だろ、おまえと二人で来ているんだから。ホテルに帰ろう。買い物なんてどこでもできる」
「やだ、もっとデートしたい」
「俺はここじゃ手も繋いでやらないよ」
「……ずるい」
「体調不良を隠していたおまえとどっちが狡い?」
kichimutimu
DONE🔮🐑(多少🔗🎭要素あり)※死ネタ
※微暴力描写有り
※何でもあり世界観。
※noxtyx登場(特にYugoが酷いので、好きな方気を付けて)
https://poipiku.com/344169/7189365.htmlの続き 6264
おもち
TRAININGPsyBorg。in出られない部屋。目が覚めて自分の状況を理解した途端、俺は最高に興奮してしまった。なんてこった、夢じゃないよな? 頬をつねり、その痛みにも気分が上がる。
俺が抜け出したベッドの中には恋人になったばかりの男がまだすやすやと眠っている。オーケー、つまり、そういうことだ。イエス……!と小声で叫び、部屋の中を改めて見渡した。
真っ白で出入り口の見当たらない謎の空間。あるのは俺たちが寝ていたベッドと、その横にある何の変哲もない小ぶりのキャビネット、以上。念のため壁におかしなところがないか点検しながら部屋を一周して、何も見つけられずに元の場所に戻った。まだ手をつけていなかったキャビネットの前にしゃがんで引き出しを開ける。
「おぉ……」
1761俺が抜け出したベッドの中には恋人になったばかりの男がまだすやすやと眠っている。オーケー、つまり、そういうことだ。イエス……!と小声で叫び、部屋の中を改めて見渡した。
真っ白で出入り口の見当たらない謎の空間。あるのは俺たちが寝ていたベッドと、その横にある何の変哲もない小ぶりのキャビネット、以上。念のため壁におかしなところがないか点検しながら部屋を一周して、何も見つけられずに元の場所に戻った。まだ手をつけていなかったキャビネットの前にしゃがんで引き出しを開ける。
「おぉ……」
kichimutimu
DONE🔮🐑 ※死ネタ有 なんでもあり世界観。『imprint』と言う言葉に嫌な予感を覚えた人は戻って下さい。※暴力描写は肉体的にはありませんが、精神的にはあります。 3103
おもち
TRAININGPsyBorg。🐱浮奇②一個前の続きです。目が覚めた瞬間男の顔が真正面にあるという経験を今までの人生でしたことがなかった。学生の頃の修学旅行では個々にベッドがあったから一人で眠ったし、昔付き合っていたのは全て女性だった。ここ数年は自分の部屋で他人が寝ることはなかったから、今の俺はまあまあ、わりと、驚いている。
早鐘を打つ心臓が落ち着くまで、無言のまま一ミリも動かずにただ瞬きと呼吸を繰り返した。すこしでも動けば目の前の男が起きてしまうかもしれないから。混乱が和らぎようやく考える余裕が出てきたところで、昨夜のことを思い出す。
浮奇を拾ってから、三日が過ぎた。最初の日はまだ姿を変えられないと言うから冬用の布団を出してそこに寝かせた。次の日、体調が良くなったらしい浮奇は俺の目の前で本当に猫の姿になって見せ、ずっと一緒にいてくれた俺の愛犬と二匹で重なるように眠っていた。
4430早鐘を打つ心臓が落ち着くまで、無言のまま一ミリも動かずにただ瞬きと呼吸を繰り返した。すこしでも動けば目の前の男が起きてしまうかもしれないから。混乱が和らぎようやく考える余裕が出てきたところで、昨夜のことを思い出す。
浮奇を拾ってから、三日が過ぎた。最初の日はまだ姿を変えられないと言うから冬用の布団を出してそこに寝かせた。次の日、体調が良くなったらしい浮奇は俺の目の前で本当に猫の姿になって見せ、ずっと一緒にいてくれた俺の愛犬と二匹で重なるように眠っていた。
おもち
TRAININGPsyBorg。🐱浮奇①猫が浮奇になる話です。愛犬の散歩の帰り道、天気が良かったからいつもより少し遠回りして帰っていると、彼は突然見慣れない路地裏に向かって駆け出した。何か楽しそうなものでも見つけてしまったのか、美味しそうな匂いでもするのか、リードを引く力は制止できないほどに強かったため俺は仕方なくその後に続いた。
陽の光の届かない細い路地はコンクリートの隙間から雑草が生えて石は苔け、寂れた看板や放置されたゴミであまり居心地のいい場所とは言えなかった。彼が何を求めてここへ走ったのか確認するため視線の先を探ると、小さなビニール袋が道の端に転がっている。……いや、あれは。
「ワンッ」
「なるほど、おまえはこの子を見つけたんだな。……まだ生きてる、な。おはようキティ、君を病院に連れて行ってもいいかな」
2593陽の光の届かない細い路地はコンクリートの隙間から雑草が生えて石は苔け、寂れた看板や放置されたゴミであまり居心地のいい場所とは言えなかった。彼が何を求めてここへ走ったのか確認するため視線の先を探ると、小さなビニール袋が道の端に転がっている。……いや、あれは。
「ワンッ」
「なるほど、おまえはこの子を見つけたんだな。……まだ生きてる、な。おはようキティ、君を病院に連れて行ってもいいかな」
おもち
TRAININGPsyBorg&Sonnyban。(住んでいるところを🐏🔮🎭米、🔗豪、🎧日と仮定しています。)
サニーが僕のところに遊びに来るんだよ!と過去一番の笑顔で言ったアルバーンに、誰より先に浮奇が「デートするの!?」と驚きの声をあげた。サニーが「え」と目を丸くしているのに気づいているのかいないのか、アルバーンは満開の笑顔のまま「うん!」と答える。ユーゴは当たり前のように「いいじゃん、楽しそう」と話を続け、仕方なく俺も「オフコラボもできるな」とほんのすこしの軌道修正を図ったが、浮奇が「ずるい……」と拗ねた声でそう言うから、無視するなんてできなくて。
「……俺たちも会うか、浮奇」
「え!」
「え!? ふーちゃんたちも会うなら俺だけ一人じゃん!?」
3746サニーが僕のところに遊びに来るんだよ!と過去一番の笑顔で言ったアルバーンに、誰より先に浮奇が「デートするの!?」と驚きの声をあげた。サニーが「え」と目を丸くしているのに気づいているのかいないのか、アルバーンは満開の笑顔のまま「うん!」と答える。ユーゴは当たり前のように「いいじゃん、楽しそう」と話を続け、仕方なく俺も「オフコラボもできるな」とほんのすこしの軌道修正を図ったが、浮奇が「ずるい……」と拗ねた声でそう言うから、無視するなんてできなくて。
「……俺たちも会うか、浮奇」
「え!」
「え!? ふーちゃんたちも会うなら俺だけ一人じゃん!?」
おもち
TRAINING🐏&👟が話してるだけ。さいぼぐは付き合ってて、るかしゅは片想いです。「ふーちゃんは優しすぎるよね」
「……おまえが言うのか?」
「ええ? 僕は別に優しくなんてないでしょう」
「百人に聞いたら百人が優しいって答える」
「あはは、大袈裟だよ。軽く見積もって九十人くらいじゃない?」
「ふ。軽く見積もるなら二十人くらいじゃないか?」
「んへへ」
お互い適度に気を許していて、好きも嫌いもなんとなく分かっているから相手の地雷をわざわざ踏むこともない。深く考えずに話をするのにちょうどいい相手が先輩である闇ノシュウだった。
スケジュールを確認しながら配信準備の作業をするのに付き合ってもらい、シュウはシュウで何かしらの作業をしている。カチャカチャと聞こえるタイピング音は聴き慣れたものより少し早く、通話相手を間違わずにいられる目印だった。
3137「……おまえが言うのか?」
「ええ? 僕は別に優しくなんてないでしょう」
「百人に聞いたら百人が優しいって答える」
「あはは、大袈裟だよ。軽く見積もって九十人くらいじゃない?」
「ふ。軽く見積もるなら二十人くらいじゃないか?」
「んへへ」
お互い適度に気を許していて、好きも嫌いもなんとなく分かっているから相手の地雷をわざわざ踏むこともない。深く考えずに話をするのにちょうどいい相手が先輩である闇ノシュウだった。
スケジュールを確認しながら配信準備の作業をするのに付き合ってもらい、シュウはシュウで何かしらの作業をしている。カチャカチャと聞こえるタイピング音は聴き慣れたものより少し早く、通話相手を間違わずにいられる目印だった。
おもち
TRAININGPsyBorg。学パロだけどそんなに学パロ感なくなった。誕生日より前の話です。「日曜日って予定ある?」
「日曜? 特にないよ。どっか出かけるか?」
「んー、ていうか、うちこないかなぁって」
「……浮奇の家?」
「うん。誕生日なんだよね、その日」
「……は?」
誕生日? 飲み込めなかった言葉を繰り返すと、浮奇は困ったような顔で笑って「だめかな?」と首を傾げた。
金曜の授業終わり、いつもならすぐに家に帰って休みを満喫するところだが、今日はホームルームが終わってもそのまま席に座っていた。トコトコと近づいてきた人を見上げ、ようやく鞄を手に持つ。
「荷物多くなっちゃったよね、ごめんね?」
「そんなに重くないから大丈夫だ。それよりもう一度確認するけど、三連休、三日間も浮奇の家に泊まって平気なんだな?」
2021「日曜? 特にないよ。どっか出かけるか?」
「んー、ていうか、うちこないかなぁって」
「……浮奇の家?」
「うん。誕生日なんだよね、その日」
「……は?」
誕生日? 飲み込めなかった言葉を繰り返すと、浮奇は困ったような顔で笑って「だめかな?」と首を傾げた。
金曜の授業終わり、いつもならすぐに家に帰って休みを満喫するところだが、今日はホームルームが終わってもそのまま席に座っていた。トコトコと近づいてきた人を見上げ、ようやく鞄を手に持つ。
「荷物多くなっちゃったよね、ごめんね?」
「そんなに重くないから大丈夫だ。それよりもう一度確認するけど、三連休、三日間も浮奇の家に泊まって平気なんだな?」
おもち
TRAININGPsyBorg。🐏🔮ですHB!!!!!たぶん同棲してる二人。日付が変わる時に一緒にいたいというお願いをふーふーちゃんは二つ返事で受け入れてくれた。お風呂を済ませて夜ごはんを食べて、ふたつのスマホはリビングに置いたまま寝室へ引きこもる。だってせっかく二人でいられるんだもん、みんなからのお祝いの言葉はもちろん嬉しいけど、ふーふーちゃんから一番にたっぷりお祝いしてほしい。
「それで、何をする?」
「ん? もちろんめいっぱいイチャイチャするよね」
「……ま、そうなるよな。おいで浮奇」
「えへへ、やったあ」
俺は腕を広げてくれたふーふーちゃんに思いっきり抱きついて、すりすりと頬を寄せた。ふーふーちゃんはたぶんちょっとだけ呆れて、でも誕生日だからっていう大義があるから頭を撫でたりキスをしたり、いつもはなかなかしてくれない甘やかし方をしてくれて、俺はものすごくドキドキした。
1408「それで、何をする?」
「ん? もちろんめいっぱいイチャイチャするよね」
「……ま、そうなるよな。おいで浮奇」
「えへへ、やったあ」
俺は腕を広げてくれたふーふーちゃんに思いっきり抱きついて、すりすりと頬を寄せた。ふーふーちゃんはたぶんちょっとだけ呆れて、でも誕生日だからっていう大義があるから頭を撫でたりキスをしたり、いつもはなかなかしてくれない甘やかし方をしてくれて、俺はものすごくドキドキした。
おもち
TRAININGPsyBorg。🔮🐏ですHB!!!!!誕生日プレゼントは何がほしい?と聞く前から、ある程度予想はついていた。相手はあの浮奇だ。誕生日でなくても色々とおねだりをしてくる可愛い恋人。
「ふーふーちゃんのことめちゃくちゃ優しく抱きたい。俺の家に来てくれる?」
めちゃくちゃ乱暴に、と言われるよりドキドキするのはなぜだろう。咄嗟に返事が出来なくて固まった俺に浮奇は「だめ……?」と可愛らしく不安な声を出し、俺は考えをまとめる前に「行く」と返事を返してしまった。パッと笑顔に変わる表情にほんのすこし後悔。もうすこし焦らしてやれば良かったな。
「やった! 約束だよ、絶対、やっぱりやめたとか本当になしだから」
「……わかった、約束する。そっちがおまえの誕生日の日に向かえばいいな?」
1388「ふーふーちゃんのことめちゃくちゃ優しく抱きたい。俺の家に来てくれる?」
めちゃくちゃ乱暴に、と言われるよりドキドキするのはなぜだろう。咄嗟に返事が出来なくて固まった俺に浮奇は「だめ……?」と可愛らしく不安な声を出し、俺は考えをまとめる前に「行く」と返事を返してしまった。パッと笑顔に変わる表情にほんのすこし後悔。もうすこし焦らしてやれば良かったな。
「やった! 約束だよ、絶対、やっぱりやめたとか本当になしだから」
「……わかった、約束する。そっちがおまえの誕生日の日に向かえばいいな?」
おもち
TRAININGPsyBorg。好き勝手書いてるのでなんでもいい方向けです🙆♂️逃げ出したところで向かう場所なんてないのは分かっていた。けれどもう少しもあの場所にいたくなくて、足が勝手に走り出していた。追いかけてくる大人の怒鳴り声への恐怖を力にして道をめちゃくちゃに走り回る。そもそも自分がどこにいたのか分からないのだからどっちに進めばいいなんて、正解は一ミリも知らなかった。ただ追いかけてくる人から逃げ切れればそれで良い。
迷い込んだ路地裏は真っ暗で、このまま進むべきか悩んだ一瞬に誰のものとも分からない足音が後ろから聞こえ、俺は咄嗟に目の前の鍵が壊れた非常階段に上った。音を立てないように静かに階段を上り、踊り場に置いてあった大きな箱の影に身を隠す。どうかバレませんように。呼吸を止めてもバクバクとうるさい心臓の音が聞こえてしまいそうで、静かにしてよって自分に向かって思った。
4627迷い込んだ路地裏は真っ暗で、このまま進むべきか悩んだ一瞬に誰のものとも分からない足音が後ろから聞こえ、俺は咄嗟に目の前の鍵が壊れた非常階段に上った。音を立てないように静かに階段を上り、踊り場に置いてあった大きな箱の影に身を隠す。どうかバレませんように。呼吸を止めてもバクバクとうるさい心臓の音が聞こえてしまいそうで、静かにしてよって自分に向かって思った。
おもち
TRAININGPsyBorg。腕にくっついて離れない紫に、そろそろ腹が減ったんだがと声をかけつつも悪い気はしなかった。ヤキモチを妬く恋人は可愛い。怒ってどこかに行ってしまうのではなくて、拗ねた顔で俺を独占してくれるのは正直とても気分が良いものだ。
そんな俺の心に気がついているのかいないのか、浮奇はひたすら俺の腕を抱きしめて離れようとしない。片手が塞がっているからゲームをすることはできないし、こんな可愛い浮奇を放っておくことはしないよ。
「浮奇」
「……」
「うーき。うきうきだいすき〜」
「……なぁに」
「お、返事した。機嫌は直ったか?」
「ばぁか」
「ふふ、かわいい」
「……」
おまえが「可愛い」って言われるのが好きなこと、俺が知らないわけないだろう。怒った顔がくずれないようわざとらしくぷくっと膨らむ頬を、空いている手を伸ばしてツンとつついてやる。浮奇はふるふると首を振ってそれから逃げ、俺がしつこく頬を突けば「もう!」と怒って口を開けた。
1677そんな俺の心に気がついているのかいないのか、浮奇はひたすら俺の腕を抱きしめて離れようとしない。片手が塞がっているからゲームをすることはできないし、こんな可愛い浮奇を放っておくことはしないよ。
「浮奇」
「……」
「うーき。うきうきだいすき〜」
「……なぁに」
「お、返事した。機嫌は直ったか?」
「ばぁか」
「ふふ、かわいい」
「……」
おまえが「可愛い」って言われるのが好きなこと、俺が知らないわけないだろう。怒った顔がくずれないようわざとらしくぷくっと膨らむ頬を、空いている手を伸ばしてツンとつついてやる。浮奇はふるふると首を振ってそれから逃げ、俺がしつこく頬を突けば「もう!」と怒って口を開けた。
おもち
TRAININGPsyBorg。🔮🐏といぬ。朝の散歩を終えて家に着くと、いつもは小屋に戻っていく愛犬がトコトコとまっすぐ家の中に入って行った。向かう場所はきっと寝室だ。そこでまだ眠っているだろう俺の恋人に彼はよく懐いている。警戒心が強い犬種だから慣れるまで時間がかかると思ったのに、浮奇が初めてここに来た日の夜にはもう大人しく頭を撫でられていたのだから驚いた。彼が俺とこの家に慣れるのにどれだけかかったことか。
俺も家の中に入り寝室に向かうと、予想通り彼は浮奇が眠るベッドのすぐ下で丸くなっていた。俺を見て不審者じゃないことを確認してから再度目を瞑る優秀な警備兵だ。飼い主の匂いくらい覚えろ。
浮奇を起こさないようにベッドのふちに座り、スマホでSNSをチェックする。今日も友人たちは元気に活動を楽しんでいるようだ。いくつかのツイートに反応し、タグに投稿されているものも確認しようとしたところで背後の気配が動いた。咄嗟にスマホの電源を消して体を捻ったと同時に、伸びてきた浮奇の手が俺のスマホを奪い取る。
1630俺も家の中に入り寝室に向かうと、予想通り彼は浮奇が眠るベッドのすぐ下で丸くなっていた。俺を見て不審者じゃないことを確認してから再度目を瞑る優秀な警備兵だ。飼い主の匂いくらい覚えろ。
浮奇を起こさないようにベッドのふちに座り、スマホでSNSをチェックする。今日も友人たちは元気に活動を楽しんでいるようだ。いくつかのツイートに反応し、タグに投稿されているものも確認しようとしたところで背後の気配が動いた。咄嗟にスマホの電源を消して体を捻ったと同時に、伸びてきた浮奇の手が俺のスマホを奪い取る。