MondLicht_725
DONE呪専時代の夏五日常のちょっとした幸せ
【夏五】コンビニスイーツ 以前なら、素通りしていた。気にすることもなかった。単純に、好きでも嫌いでもない、興味がなかったからである。
自動ドアをくぐると、いらっしゃいませ、という機械的な声がかかる。レジにいたのは初めて見る若い男で、いつものおばちゃんはどうやら休みのようだった。
今日はやめといた方がいいかも。
仕方なく、アルコールコーナーを素通りしてコーラと茶のペットボトルを籠に放り込んだ。
都心から離れた辺鄙な村のさらに奥にある学校に在学する身となれば、徒歩で買い物に行ける場所も限られている。このコンビニもそのひとつだ。何度も訪ねていれば、店員とも自然と顔馴染みになる。客の大半は学校関係者なのだと、1番顔を合わせるおばちゃんは言っていた。
2001自動ドアをくぐると、いらっしゃいませ、という機械的な声がかかる。レジにいたのは初めて見る若い男で、いつものおばちゃんはどうやら休みのようだった。
今日はやめといた方がいいかも。
仕方なく、アルコールコーナーを素通りしてコーラと茶のペットボトルを籠に放り込んだ。
都心から離れた辺鄙な村のさらに奥にある学校に在学する身となれば、徒歩で買い物に行ける場所も限られている。このコンビニもそのひとつだ。何度も訪ねていれば、店員とも自然と顔馴染みになる。客の大半は学校関係者なのだと、1番顔を合わせるおばちゃんは言っていた。
おはぎ
DONE夏五と秋の小話です。冬が見えてきた短い秋を楽しんでほしいなぁ
たきび「あ、山茶花だ」
「あ?」
簡単な任務帰り。補助監督の車を帰らせて歩く道すがら、傑が垣根に咲いた花に目をやる。濃いピンク色をしたその花は、流石の俺でも見覚えがあった。
「いや、それ椿だろ?」
「ううん、時期的に椿は早いし、それにほら、花びら」
傑が指す方向を見ると、俺たちの足元に綺麗な花びらがちらほら落ちていた。
「椿は花ごとぼとりと落ちるけど、山茶花は花びらが散るんだよ」
「ふーん」
花はすごく似てるけどね、と言いながらまた歩き出す。傑は何かとカッコつけだし、普段からこんなのは常識だーとか、こうするのが当たり前だーとか、色々と口煩く俺にモノを教えてくるけれど、今のはそーゆーのとは違う感じがした。
何というか、大事なものを、思い出した感じ。
3127「あ?」
簡単な任務帰り。補助監督の車を帰らせて歩く道すがら、傑が垣根に咲いた花に目をやる。濃いピンク色をしたその花は、流石の俺でも見覚えがあった。
「いや、それ椿だろ?」
「ううん、時期的に椿は早いし、それにほら、花びら」
傑が指す方向を見ると、俺たちの足元に綺麗な花びらがちらほら落ちていた。
「椿は花ごとぼとりと落ちるけど、山茶花は花びらが散るんだよ」
「ふーん」
花はすごく似てるけどね、と言いながらまた歩き出す。傑は何かとカッコつけだし、普段からこんなのは常識だーとか、こうするのが当たり前だーとか、色々と口煩く俺にモノを教えてくるけれど、今のはそーゆーのとは違う感じがした。
何というか、大事なものを、思い出した感じ。
藤 夜
DONE教師×教師if野薔薇のウエディングドレス話から一年生組に外堀埋められていく五条先生。わいわい楽しく先生もいいよね。
pixivにて展示した短編集より
【緋色】 招待状「別に結婚したいワケじゃないけど、ウエディングドレスは着てみたいわよね」
「そういうモンなの」
とてもうっとりとは形容しがたい表情の野薔薇に、虎杖がよくわかんないと顔に書いて返事をしている。
「あんな豪華なドレスなら一回とは言わず、何回も着てみたいじゃない」
「何回もって、それ、あんまりいいことじゃないんじゃない」
誰もが納得で同意してくれそうな突っ込みを受けた野薔薇は、コント見たいなやり取りをほぼ無表情で聞いていた伏黒に、矛先を向けてにやりと笑う。
「あんたは、タキシードって言うより紋付きの方が似合いそうね」
「どーでもいいし」
「相手もいないのにって。別にそこがどうでもいいわよ」
面倒そうに顔を顰める様子にばっさりと切って捨てた様子に、既に結婚式の要素はなくなりつつある。
2471「そういうモンなの」
とてもうっとりとは形容しがたい表情の野薔薇に、虎杖がよくわかんないと顔に書いて返事をしている。
「あんな豪華なドレスなら一回とは言わず、何回も着てみたいじゃない」
「何回もって、それ、あんまりいいことじゃないんじゃない」
誰もが納得で同意してくれそうな突っ込みを受けた野薔薇は、コント見たいなやり取りをほぼ無表情で聞いていた伏黒に、矛先を向けてにやりと笑う。
「あんたは、タキシードって言うより紋付きの方が似合いそうね」
「どーでもいいし」
「相手もいないのにって。別にそこがどうでもいいわよ」
面倒そうに顔を顰める様子にばっさりと切って捨てた様子に、既に結婚式の要素はなくなりつつある。
MondLicht_725
DONEhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16596444#6この世界の祓本夏五(転生)
ハロウィン編
【夏五】何でもない日【祓本】 ドアを開けてすぐ、目を突き刺すような光に右手を翳す。真っ暗な塒から久しぶりに外に出た熊はこんな気分だろうか。昇ったばかりの朝陽を遮るものはほとんどない。正面に似た形の木が3本並んでいるくらいで、その向こう側に小さな湖がある。しかし、眩しくはあるが不快ではない。
玄関と呼ぶには小さなドアから続くウッドデッキに出て、大きく伸びをする。10月下旬、さすがに半袖では寒い。
柔らかな日の光。頬を撫でる風。色づき始めている木の葉や草花。どこかから聞こえてくる鳥の囀り―――ここには、都会のような煩わしさは存在しない。
空は雲一つない青空。昨日もそうだった。日頃の行いがいいからだろ、と一緒に散歩をしながら笑えるほどには復活していた相方に、内心ホッとしていた。その相方はまだ、ベッドの上でぐっすり眠っている。
3990玄関と呼ぶには小さなドアから続くウッドデッキに出て、大きく伸びをする。10月下旬、さすがに半袖では寒い。
柔らかな日の光。頬を撫でる風。色づき始めている木の葉や草花。どこかから聞こえてくる鳥の囀り―――ここには、都会のような煩わしさは存在しない。
空は雲一つない青空。昨日もそうだった。日頃の行いがいいからだろ、と一緒に散歩をしながら笑えるほどには復活していた相方に、内心ホッとしていた。その相方はまだ、ベッドの上でぐっすり眠っている。
ヨモギ
DOODLEGGD.AUTUMN2022.10.23に公開していた夏五展示漫画。『一目見た時から!』
小学生夏五ドキドキはじめての出会いパラレル!
呪いが見える小学生傑君の元に不思議な少年悟君が舞い降りる!
後に最強ハッピー夏五となった二人は「運命の出会いだった」と互いに手を取り振り返るのだ! 11
そるとの裏
MOURNINGGEGODICAUTUMN開催おめでとうございます!短いですが、「僕の中の新しい命」の高専編の傑視点を書いてみました!
そして今回は五♀です。
にょたの方を思いついてしまったもので...💦
また思いつけば続きとか違う視点等書いてみたいと思っております!
前話↓
https://poipiku.com/2831561/7176434.html 1382
aozorras
DONE開催おめでとうございます!◇10月イベント無配◇
興味の問題五条悟という男は周りの意見を気にしない。誰かの言葉で行動を変えたり、愛想を向けたりというのは不必要だと思っている。そんな非効率的な事をするより、彼にはやるべき事があった。
任務が午前中で終わったある晴れた日。五条悟は一人の友人を待つ。それは彼にとって唯一にして初めて出来た親友と呼べる相手。本来であればそんなに親しい間柄の友人を待つ間は少なからず前向きな感情であるはず。しかし、当の本人は大層不機嫌そうに眉間の皺を深めていた。何故かと言うと本日、既に六人目を突破したのだ。
「あの〜、お一人ですか?」
「良かったら、私達とお茶しましょう」
所謂、ナンパというやつだ。
「だーから、行かねぇって」
しっしっ、と追い払うように手で牽制するが、全く効果がない。最初の女は昼休憩の合間にでも来たようなOLで、昼食に誘われたが相手の顔も見ずに一言「嫌」と答えれば去っていった。次は同い年の女子高生三人組で逃げ道を塞ぐように囲われ、デートに行こうと言われたので「無理」と断ったが諦めない。いい加減鬱陶しいと、無視を始めたらいつの間にか居なくなっていた。
1942任務が午前中で終わったある晴れた日。五条悟は一人の友人を待つ。それは彼にとって唯一にして初めて出来た親友と呼べる相手。本来であればそんなに親しい間柄の友人を待つ間は少なからず前向きな感情であるはず。しかし、当の本人は大層不機嫌そうに眉間の皺を深めていた。何故かと言うと本日、既に六人目を突破したのだ。
「あの〜、お一人ですか?」
「良かったら、私達とお茶しましょう」
所謂、ナンパというやつだ。
「だーから、行かねぇって」
しっしっ、と追い払うように手で牽制するが、全く効果がない。最初の女は昼休憩の合間にでも来たようなOLで、昼食に誘われたが相手の顔も見ずに一言「嫌」と答えれば去っていった。次は同い年の女子高生三人組で逃げ道を塞ぐように囲われ、デートに行こうと言われたので「無理」と断ったが諦めない。いい加減鬱陶しいと、無視を始めたらいつの間にか居なくなっていた。
shiki_sbp
DONE2022.10.23 夏五WEBオンリーイベント【GEGODIG.AUTUMN】開催おめでとうございます!夏に引き続きPPパロ漫画第二弾となります。今回パロ要素は控えめですが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです…! 24
おはぎ
DONEWebイベ「GGD.AUTUMN」展示作品でした!R-18要素を含む作品のため、18歳未満の方は閲覧禁止です。
(18歳以上ですか? yes/no)
⚠注意 以下の要素を含みます!
・教師生存if
・攻めフェラ、若干の無理やり表現
感想等頂けますととっても嬉しいです!
https://odaibako.net/u/ohagihakuroneko 10932
おはぎ
DONEWebイベ「GGD.AUTUMN」展示作品でし!お読み頂いてありがとうございました!
⚠注意 以下の要素を含みます!
・ご都合術式
・教師生存if
・オメガバース(Ω×α)※一部独自解釈
直接の性描写はありませんが、匂わせてはいますので苦手な方はご注意ください
感想等頂けますととっても嬉しいです!
https://odaibako.net/u/ohagihakuroneko
ニアリーイコールアイ「――っふぅ、は、っ」
じっとりと汗ばんで蒸気した頬に張り付く艶やかな黒髪を、優しく外しながらそっと手を添える。少し体温の低い僕の手が気持ち良いのか、自身の熱を逃すようにその手に擦り寄ってきた。艶めかしい様子に自然と喉が上下するのを感じ、細く吐く息に昂まる熱を混ぜて懸命に理性を繋ぎ止める。
「大丈夫? 今回の結構辛そうだね、早く薬効いてくるといいけど」
「さ、とる、ゴメン、こんな、」
「なーんで謝るのよ、仕方ないでしょ傑のせいじゃないよ」
ふらふらと僕の部屋に来たかと思ったら、いきなりせっせと洗濯物を漁るから何かと思ったけど、どうやら前兆が出ていたらしい。いつもきっちり傑は管理していたから油断したなぁ、ちゃんと周期気にしてあげなきゃいけなかったのに。
30494じっとりと汗ばんで蒸気した頬に張り付く艶やかな黒髪を、優しく外しながらそっと手を添える。少し体温の低い僕の手が気持ち良いのか、自身の熱を逃すようにその手に擦り寄ってきた。艶めかしい様子に自然と喉が上下するのを感じ、細く吐く息に昂まる熱を混ぜて懸命に理性を繋ぎ止める。
「大丈夫? 今回の結構辛そうだね、早く薬効いてくるといいけど」
「さ、とる、ゴメン、こんな、」
「なーんで謝るのよ、仕方ないでしょ傑のせいじゃないよ」
ふらふらと僕の部屋に来たかと思ったら、いきなりせっせと洗濯物を漁るから何かと思ったけど、どうやら前兆が出ていたらしい。いつもきっちり傑は管理していたから油断したなぁ、ちゃんと周期気にしてあげなきゃいけなかったのに。
MondLicht_725
DONE「GEGO DIG. AUTUMN」展示作品でした。見てくださりありがとうございました😊
転生パロです。
ハロウィン当日、恵、悠仁、野薔薇が忍び込んだ屋敷に住んでいたのは…という話。
夏五要素は少なめです。あの方が友情出演。 12992
rinrizerosyura
DONEGEGO DIG. AUTUMN 開催おめでとうございます。展示用の新作長編です。祓ったれ本舗の夏油傑と、祓ったれ本舗であるはずの五条悟、二人の舞台(世界)と過去の縛り。
夏油目線でお送りします。
夏五Forever……
☆作品の感想等は、スペースの書き込みボードか、当方のTwitterにあるwaveboxからお送り頂けますと嬉しいです(о´∀`о)
あの照明(光り)を覚えているか「……、さとる」
隣に佇む相方の肩を叩く。サングラスに隠された、日本人とは思えない蒼の瞳が瞬きもなく会場を見つめていた。
「さとる、悟。行こう、呼ばれてるよ」
「……すぐる、俺たち……」
「そうだよ」
たくさんの紙吹雪が舞い、歓声が響く。金色のテープも床や私たちの頭の上にまで引っかかってて、悟の頭のそれを取ってあげた。
「私たち、優勝したんだよ!」
念願だった。芸人としてデビューしてから今日まで長かったような、あっという間だったような。十年以上寄り添ってきた相方兼親友はまだ現実を飲み込めていないのか、一言と発さない。私は彼の手を引いて舞台の中央まで向かった。
私たちが優勝したのは、若手芸人の登竜門とも言われ、全国で生放送されているお笑いグランプリだった。ずっとこれを目標に生きてきたのだ、嬉しくない訳が無かった。
23843隣に佇む相方の肩を叩く。サングラスに隠された、日本人とは思えない蒼の瞳が瞬きもなく会場を見つめていた。
「さとる、悟。行こう、呼ばれてるよ」
「……すぐる、俺たち……」
「そうだよ」
たくさんの紙吹雪が舞い、歓声が響く。金色のテープも床や私たちの頭の上にまで引っかかってて、悟の頭のそれを取ってあげた。
「私たち、優勝したんだよ!」
念願だった。芸人としてデビューしてから今日まで長かったような、あっという間だったような。十年以上寄り添ってきた相方兼親友はまだ現実を飲み込めていないのか、一言と発さない。私は彼の手を引いて舞台の中央まで向かった。
私たちが優勝したのは、若手芸人の登竜門とも言われ、全国で生放送されているお笑いグランプリだった。ずっとこれを目標に生きてきたのだ、嬉しくない訳が無かった。
rinrizerosyura
DONE5月から参加させて頂いてますワンライのまとめです。祓本ネタと学生や現パロと分けてます。★こっちは学生時代や現パロ、教師ifです
夏五ワンライまとめ①ワンライ 目次
①「八月」学生時代/ふたりが炎天下の下を歩く
②「征服」学生時代/硝子と悟が可愛いという話をする(一方的に)
③「ライアー」学生時代/ゲームする二人
④「ギャレー」教師×教師/ナチュラルにいちゃつく教師たち
⑤「終わりの日」未来の話/シリアス
⑥「ペスカトーレ」教師×教師/朝チュン飯物語
⑦「正統派」学生時代/女の趣味
⑧「エンゼルフィッシュ」死者の話/魚越しに見る彼の世界
⑨「ジェットバス」学生時代/好奇心旺盛ボーイととあるカード
⑩「自爆」学生時代/悩む最強と自爆する相棒
━━━━━━━━━━━━━━━
①「八月」
「えっ暑……」
「何を今更……」
隣に座る親友が、ボソッと呟いた。小声で呟かれたそれは、セミの鳴き声に掻き消されるくらいの声音であったが、逆に言えばセミの鳴き声以外に聞こえてくる音もないこの地では、生憎と真隣の私にはハッキリと聞こえた。
46269①「八月」学生時代/ふたりが炎天下の下を歩く
②「征服」学生時代/硝子と悟が可愛いという話をする(一方的に)
③「ライアー」学生時代/ゲームする二人
④「ギャレー」教師×教師/ナチュラルにいちゃつく教師たち
⑤「終わりの日」未来の話/シリアス
⑥「ペスカトーレ」教師×教師/朝チュン飯物語
⑦「正統派」学生時代/女の趣味
⑧「エンゼルフィッシュ」死者の話/魚越しに見る彼の世界
⑨「ジェットバス」学生時代/好奇心旺盛ボーイととあるカード
⑩「自爆」学生時代/悩む最強と自爆する相棒
━━━━━━━━━━━━━━━
①「八月」
「えっ暑……」
「何を今更……」
隣に座る親友が、ボソッと呟いた。小声で呟かれたそれは、セミの鳴き声に掻き消されるくらいの声音であったが、逆に言えばセミの鳴き声以外に聞こえてくる音もないこの地では、生憎と真隣の私にはハッキリと聞こえた。
NOCO
DONEGGD.AUTUMN開催おめでとうございます!謎世界線の聖職者×淫魔 夏五即堕ち2コマ(ド健全)の続編です!
前作を読んでいただいてからの方がとっつきやすいかもしれません。(出会い編→https://poipiku.com/1512923/7030344.html)
※特定の思想・宗教を揶揄する意図は一切ございません。 5965
MondLicht_725
MAIKING10/25 続き追加夏五版ワンドロワンライ第87回お題「骨の皮」お借りしました。
呪専時代の夏が堕ちるキッカケになった子供に逆行した五(子供)…というネタです。
大丈夫な方のみどうぞ。 3949
wsst_nvl
MAIKING学生五+夏がラーメンを食べる話(https://poipiku.com/1330641/7582905.html )の続きです。五条家のターンなので傑は出てきません。
悟の実家での振る舞い書くの楽しかった。
※23,4,7追記
完成版をpixivにアップしました。
特級呪物・連理の簪 | 鷲下 https://www.pixiv.net/novel/show.ph
【五+夏】特級呪物・連理の簪②【ブロマンス】 実家の廊下は無駄に長い。しかも書庫は離れにあって、蔵書を自室で読もうと思うと運ぶのが地味にダルい。
おまけに山積みの書物を抱えて歩けば、どこからともなくわらわらと女中たちが集まってくる。
「いけません悟様! お荷物は私たちに任せて」
引き留める女たちに目もくれず、すたすたと廊下を進む。
「いーよこれくらい。つか本読むたびに誰かしら呼びつけるのがめんどいわ」
「しかし悟様の手を煩わせるわけには」
「お前らが集まってくる方がよっぽど煩わしいんだけど」
だいたいここにいる女中どもはあらゆる呪術師家系から五条家に遣わされた奉公人で、次期当主の妻、跡継ぎの母の座を狙うハイエナだ。そんな下心見え見えで親切にされたってこっちは反吐しか出ない。
3298おまけに山積みの書物を抱えて歩けば、どこからともなくわらわらと女中たちが集まってくる。
「いけません悟様! お荷物は私たちに任せて」
引き留める女たちに目もくれず、すたすたと廊下を進む。
「いーよこれくらい。つか本読むたびに誰かしら呼びつけるのがめんどいわ」
「しかし悟様の手を煩わせるわけには」
「お前らが集まってくる方がよっぽど煩わしいんだけど」
だいたいここにいる女中どもはあらゆる呪術師家系から五条家に遣わされた奉公人で、次期当主の妻、跡継ぎの母の座を狙うハイエナだ。そんな下心見え見えで親切にされたってこっちは反吐しか出ない。
藤 夜
DONE離反if行方を晦ませた傑を連れ戻しにきた悟との、物静かな束の間のふたりだけの初冬のお話
GEGO DIG. SUMMERでpixivにて展示した短編集より。
【蒼】 卵焼き『これ以上迷惑を掛けられない』
ひと言置手紙をして行方を晦ませた。今ごろ、自分勝手だと怒っているだろうか。迷惑なのはわかっていたが、私が隣にいることで悟が縛りを受ける事にも、悟に対する上の連中とやらの扱いにも、もう耐え切れそうにもない。何かしでかす前に、姿を消した方がいい。そう判断をしてひっそりと、様々な思いを孕らんだ呪術高専を後にした。
山深い場所に件の山小屋はあった。元々は狩猟を生業にしていた男の住居だったらしい。薪ストーブでもあるのか、蒼白い煙が使い込まれた煙突からするすると、鈍色の空に向かって伸びていく。蝦夷松の細く延びた枯れ枝や杉の葉、幹の根元や日陰には所々に、新雪が積もっている
「話は聞いている。今日から使えばいい」
2670ひと言置手紙をして行方を晦ませた。今ごろ、自分勝手だと怒っているだろうか。迷惑なのはわかっていたが、私が隣にいることで悟が縛りを受ける事にも、悟に対する上の連中とやらの扱いにも、もう耐え切れそうにもない。何かしでかす前に、姿を消した方がいい。そう判断をしてひっそりと、様々な思いを孕らんだ呪術高専を後にした。
山深い場所に件の山小屋はあった。元々は狩猟を生業にしていた男の住居だったらしい。薪ストーブでもあるのか、蒼白い煙が使い込まれた煙突からするすると、鈍色の空に向かって伸びていく。蝦夷松の細く延びた枯れ枝や杉の葉、幹の根元や日陰には所々に、新雪が積もっている
「話は聞いている。今日から使えばいい」
MondLicht_725
MOURNING夏五版ワンドロワンライ第84回お題「時間制限」お借りしました。前の「問題児×問題児」(https://poipiku.com/5310780/7552239.html)の続きです。
まだ殺伐してます。夏が五にボコられてます。
なんでも大丈夫な方のみどうぞ。 3589
wsst_nvl
DONE学生五+夏がラーメンを食べる話。ツイッターでハイジさんが呟いてらしたネタに鷲下が茶々入れてたら楽しくなっちゃったので、冒頭ワンシーンを許可いただいて小説に仕立てました。夏油をまともに書いたの初めてな気がする。
タイトルの「連理の簪」は続編で登場する予定。いつ書けるか分からんけど。
ブロマンスのつもりですが、BLと思って読まれても問題ないのでそのようにタグ付けしています。お好きにどうぞ。
【五+夏】特級呪物・連理の簪①【ブロマンス】「悟、ラーメン食わないか?」
「ひのき屋? 行く行く!」
高専から麓へ少し下ると、ほどなく小さなラーメン屋が見えてくる。藍染めの暖簾を潜ると、まずは券売機。続くたった四席のカウンターの奥には、捻り鉢巻の大将がしかめ面で立っている。
「いらっしゃい」
俺の定位置は一番奥、隣が傑だ。各々置いた食券を一瞥して、大将はテボに麺を放り込んだ。
「七海、大丈夫かな? 今日結構キツくしたよね」
ついさっきまでやっていた自主練は、灰原が座学の補習だとかで、一年生は珍しく七海一人だった。
「あれぐらいでバテるとか弱すぎ。任務で死ぬより俺らにしごかれてぶっ倒れる方がマシだろ」
「それはそうだけど」
傑は苦笑いして、首に掛けたタオルで汗を拭った。シャワーを浴びたばかりの長髪はまだ湿っていて、白いTシャツの背中に染みを作っている。
2647「ひのき屋? 行く行く!」
高専から麓へ少し下ると、ほどなく小さなラーメン屋が見えてくる。藍染めの暖簾を潜ると、まずは券売機。続くたった四席のカウンターの奥には、捻り鉢巻の大将がしかめ面で立っている。
「いらっしゃい」
俺の定位置は一番奥、隣が傑だ。各々置いた食券を一瞥して、大将はテボに麺を放り込んだ。
「七海、大丈夫かな? 今日結構キツくしたよね」
ついさっきまでやっていた自主練は、灰原が座学の補習だとかで、一年生は珍しく七海一人だった。
「あれぐらいでバテるとか弱すぎ。任務で死ぬより俺らにしごかれてぶっ倒れる方がマシだろ」
「それはそうだけど」
傑は苦笑いして、首に掛けたタオルで汗を拭った。シャワーを浴びたばかりの長髪はまだ湿っていて、白いTシャツの背中に染みを作っている。
おちゃわん
DOODLE夏五(夏×ショタ五)⚠️おにショタ / ♡喘ぎ / んほぉ系 / 潮吹き
悪い大人にメスの快楽 教え込まれて、
仰け反り潮吹きアクメ キメちゃうショタ5️⃣くん。
転生夏五のつもりです。
夏は記憶あり、5️⃣は記憶なしですが
いずれ思い出す。
えっちな体にした夏をめちゃ怒る。
「見て♡見て♡♡」ってなるの可愛いな…って。 4
おちゃわん
DOODLE夏五 / 甚五 🔞おそうじフェラ(2枚目のりナシ)
この間の救出される5️⃣の続きというか、
エロパートというか…。
描きたかっただけです。
たっぷり中出しされて
2人に可愛がられた後なので
5️⃣はぽやぽやしてます。気持ちいいね。
生存教師if / 離反回避if / ♡喘ぎ 2
MondLicht_725
DONE呪専時代の夏五風邪っぴき夏の話
【夏五】いつもとは違う顔「…お前、大丈夫かよ?」
覗き込んでくる五条に、いつもの傲慢さはない。まるで置いてけぼりをくらった幼子のように、青い目は不安げに揺れていた。大丈夫だよ、と伝えたかったのに、耐えきれなかった咳に邪魔される。こんなときどうすればいいのかわからないのだろう、ただおろおろと周囲を見渡して狼狽える。
あの、五条悟が。
そう考えればなんだかおかしくて、思わず顔に出てしまっていたらしい。なに笑ってんだよ、と顔を顰めた。
「だい、じょぶ、だから。ほら」
もう出なければならない時間なのだろう。白い頭の向こうに、困った顔で中を覗き込んでいる補助監督が見える。急がなければならないが、無理やり連れだすほど非情にもなれない。
2456覗き込んでくる五条に、いつもの傲慢さはない。まるで置いてけぼりをくらった幼子のように、青い目は不安げに揺れていた。大丈夫だよ、と伝えたかったのに、耐えきれなかった咳に邪魔される。こんなときどうすればいいのかわからないのだろう、ただおろおろと周囲を見渡して狼狽える。
あの、五条悟が。
そう考えればなんだかおかしくて、思わず顔に出てしまっていたらしい。なに笑ってんだよ、と顔を顰めた。
「だい、じょぶ、だから。ほら」
もう出なければならない時間なのだろう。白い頭の向こうに、困った顔で中を覗き込んでいる補助監督が見える。急がなければならないが、無理やり連れだすほど非情にもなれない。
藤 夜
DONE呪専投げ掛けられる視線と受け取る視線。俺、天使なんかじゃないよ
GEGO DIG. SUMMERでpixivにて展示した短編集より。
【白】 スノーエンジェル いつからかなんて、知らない。
でも、なぜかは、わかるかも、しれない。
学食のごはんも慣れてこれば、おいしく食べられるようになった。そもそも温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出してくれるのだけでも、おいしく感じられる。育ち盛りだと大盛にしてくれたハンバーグ定食を持って傑を探せば、天ざる定食を持った傑と視線がぶつかった。
探していたと顎で身近なテーブルを指し示せば、軽く手を上げた後、ひょこひょことこちらまで歩いてきた。
そんな事が何度か繰り返されるうちに、探さなくても傑が見つけてくれるようになった。怪訝そうにしていたのか、そんな簡単なことと、当然のように表情も変えずに彼曰く
「悟は頭一つ出るから、探さなくてもすぐにわかるよ」
2326でも、なぜかは、わかるかも、しれない。
学食のごはんも慣れてこれば、おいしく食べられるようになった。そもそも温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出してくれるのだけでも、おいしく感じられる。育ち盛りだと大盛にしてくれたハンバーグ定食を持って傑を探せば、天ざる定食を持った傑と視線がぶつかった。
探していたと顎で身近なテーブルを指し示せば、軽く手を上げた後、ひょこひょことこちらまで歩いてきた。
そんな事が何度か繰り返されるうちに、探さなくても傑が見つけてくれるようになった。怪訝そうにしていたのか、そんな簡単なことと、当然のように表情も変えずに彼曰く
「悟は頭一つ出るから、探さなくてもすぐにわかるよ」
おはぎ
DONE夏五版ワンドロワンライのお題をお借りしたものでした~!主観色、とても素敵なお題で色々書きたくなりますね!お題:第80回「恋する/主観色」
彩度と輝度――恋をすると、世界が薔薇色に見えるものなのよ
昔見た映画のワンシーンだっただろうか、柔らかいブロンドの髪を揺らしながらヒロインが口にしたその台詞をその時は良く分かっていなかった。恋は盲目とか、痘痕も靨とか、恋をすると冷静な判断が出来なくなって、周りが見えなくなって、まるでこれまでの自分では無くなってしまったように振り回されるものなのだと思っていた。そんな風になってしまうなら恋なんてしなきゃいいのに、そんな状態になるまでハマらないようにすればいいのに、なんて冷めた目で見ていた。
昔から映画を見るのは好きだった。映画の中の人物には汚い呪力がまとわりついていることもないから表情をしっかり読み取ることができ、没入している間は自分も普通の世界を見ている気分になった。別にこの眼をもって生まれたことを悔やんだことは一度も無いし、普通になりたいなんて思ったことも一度もない。ただ、興味はあったのだ。普通の眼を通してみた世界はどのようなものなのか。
3016昔見た映画のワンシーンだっただろうか、柔らかいブロンドの髪を揺らしながらヒロインが口にしたその台詞をその時は良く分かっていなかった。恋は盲目とか、痘痕も靨とか、恋をすると冷静な判断が出来なくなって、周りが見えなくなって、まるでこれまでの自分では無くなってしまったように振り回されるものなのだと思っていた。そんな風になってしまうなら恋なんてしなきゃいいのに、そんな状態になるまでハマらないようにすればいいのに、なんて冷めた目で見ていた。
昔から映画を見るのは好きだった。映画の中の人物には汚い呪力がまとわりついていることもないから表情をしっかり読み取ることができ、没入している間は自分も普通の世界を見ている気分になった。別にこの眼をもって生まれたことを悔やんだことは一度も無いし、普通になりたいなんて思ったことも一度もない。ただ、興味はあったのだ。普通の眼を通してみた世界はどのようなものなのか。