25Zenn
PROGRESS欠損ネタのジェイ監の後編です。ほぼ、ジェイド不在なのでフロ監みたいですが。誰が何と言おうとジェイ監です。
ゆくゆくは全部くっつけて支部におまけつけてあげる予定。
いつとは言えない 5528
kinoko12069
MOURNING捕まったルークを監督生が助けに行く話です。6章終わった時空になるのだろうか……。
何度でも言いますが私は大の男が誘拐される話が大好きです。
狩人が誘拐された話「ええ、大人の事情というものですよ」
何も尋ねてはいないのに、学園長はそう私に前置きした。「大人の事情」だとかそういう言葉を使う人間はあまり信用ならないが、話を複雑にするのもナンセンスなので黙っておくことにする。そんな私の様子に気づいているのかいないのか、学園長は飄々と掴みどころのない語り口で、そのまま話を続けていった。
「どんなことにも多少の犠牲はつきものですし、私にも学園の運営という大切な仕事がありますからね。私、こう見えても忙しいので」
……分かってはいたけど、遠回りだ。業を煮やした私は話の続きを促した。
「それで、今日はどんな御用です?植物園の草むしり?喧嘩の仲裁?行事の使い走り?今日は17時からサムさんの店で特売があるので、できれば早く教えていただけると助かるのですが」
10779何も尋ねてはいないのに、学園長はそう私に前置きした。「大人の事情」だとかそういう言葉を使う人間はあまり信用ならないが、話を複雑にするのもナンセンスなので黙っておくことにする。そんな私の様子に気づいているのかいないのか、学園長は飄々と掴みどころのない語り口で、そのまま話を続けていった。
「どんなことにも多少の犠牲はつきものですし、私にも学園の運営という大切な仕事がありますからね。私、こう見えても忙しいので」
……分かってはいたけど、遠回りだ。業を煮やした私は話の続きを促した。
「それで、今日はどんな御用です?植物園の草むしり?喧嘩の仲裁?行事の使い走り?今日は17時からサムさんの店で特売があるので、できれば早く教えていただけると助かるのですが」
mike_zatta
DONE夢を見る監督生の話。飽きもせず寿命ネタです。痛いとか怖くはないけど悲しいかもしれないので、大丈夫な人向け。
3と付いてますが続編ではないのです。またまた別の偏愛。
《 偏愛3 》 空を飛ぶ夢を見た。
毎夜世界に溢れる多くの夢がそうであるように、目を開いた私は唐突に、それでいてごく自然に、あの懐かしいオンボロ寮の裏庭に立っていた。在学中数えきれない時を過ごしたその場所には、一度うっかり使って洗濯物が赤銅色に染まった錆びた物干し台だとか、猫の額ほどの大きさながら驚くほど充実していた家庭菜園、そしてガーデンテーブルというには若干無骨すぎる机と椅子なんかが記憶と変わらずにちゃんとあって、それだけで郷愁に駆られてしまう。視線を落とせば私の手には二人分のティーセットが入ったバスケット。頭上からは「全く、すっかりあなたをお待たせしてしまって」とうっすらと憤りの滲む声が降る。振り仰げばそこには、記憶より少しだけあどけない顔をしたあの人の姿。
3941毎夜世界に溢れる多くの夢がそうであるように、目を開いた私は唐突に、それでいてごく自然に、あの懐かしいオンボロ寮の裏庭に立っていた。在学中数えきれない時を過ごしたその場所には、一度うっかり使って洗濯物が赤銅色に染まった錆びた物干し台だとか、猫の額ほどの大きさながら驚くほど充実していた家庭菜園、そしてガーデンテーブルというには若干無骨すぎる机と椅子なんかが記憶と変わらずにちゃんとあって、それだけで郷愁に駆られてしまう。視線を落とせば私の手には二人分のティーセットが入ったバスケット。頭上からは「全く、すっかりあなたをお待たせしてしまって」とうっすらと憤りの滲む声が降る。振り仰げばそこには、記憶より少しだけあどけない顔をしたあの人の姿。
mike_zatta
PAST監がジェの何を愛してるか、という話。2と付いてますが続編ではないです。また別の偏愛です。
(2021.3.30)
《 偏愛2 》「ジェイド先輩の好きなところ?えーっと頭が良くて格好良くって、それから、」
へーへー、お熱いこって。
呆れた声に返されたのは、すでに懐かしい学生時代のこと。
◇
「ならばここを出て行きますか?あなた、僕無しでどうやって生きていくおつもりで?」
ちょっとした言い合いの最中に投げつけられた言葉。歪に口角を吊り上げたジェイドの挑発的な瞳に見下げられたユウは、頭の中心が急速に冷えていくのを感じた。自身を取り囲む空気がどろり、と澱む。それはまるでスライムが肌を滑り落ちていくような、粘性をもった不快感。
何故
何故、
何故。
どうしてそんな、つまらないことを言うの。
彼女の心を満たしたのはありがちな悲しみなどでは無い。真っ赤な怒りだ。
1417へーへー、お熱いこって。
呆れた声に返されたのは、すでに懐かしい学生時代のこと。
◇
「ならばここを出て行きますか?あなた、僕無しでどうやって生きていくおつもりで?」
ちょっとした言い合いの最中に投げつけられた言葉。歪に口角を吊り上げたジェイドの挑発的な瞳に見下げられたユウは、頭の中心が急速に冷えていくのを感じた。自身を取り囲む空気がどろり、と澱む。それはまるでスライムが肌を滑り落ちていくような、粘性をもった不快感。
何故
何故、
何故。
どうしてそんな、つまらないことを言うの。
彼女の心を満たしたのはありがちな悲しみなどでは無い。真っ赤な怒りだ。
mike_zatta
PASTお互いの好奇心が暴発してしまった2人の話。若干不穏な雰囲気ですが悲しい展開は一切ありません。
ちょっと独占欲を拗らせただけの、ただただ相思相愛な2人です。
(2020.12.3)
《 偏愛 》「ジェイド先輩が泊まりに来てる日は、なんだか安心して眠りが深くなっちゃうみたいなの。」
そんな惚気にあてられてうんざりした顔をしたのは、エースだったかデュースだったか。
◇
深夜二時。監督生がむくりと身を起こす。
"ジェイド先輩が泊まりに来てる日"なのに、目が覚めちゃった。寝起きで靄がかかったような頭をゆるりと振ると、しんと静まり返った部屋の中、すうすうと規則的な寝息が響く。
左隣に顔を向ければ、月明かりの中、ジェイドが無防備な姿を晒している。僅かに上下する胸、時折ぴくりと震える[[rb:瞼 > まぶた]]。そこにあるのは命の気配。
──今なら、この人を殺せるかしら。
唐突に、しかしはっきりと。何故そんな思考に陥ったのか、夜の闇に[[rb:唆 > そそのか]]されたとしか思えない。そっと首筋に手を掛ければ血管がドクドクと脈打つのを感じる。
1466そんな惚気にあてられてうんざりした顔をしたのは、エースだったかデュースだったか。
◇
深夜二時。監督生がむくりと身を起こす。
"ジェイド先輩が泊まりに来てる日"なのに、目が覚めちゃった。寝起きで靄がかかったような頭をゆるりと振ると、しんと静まり返った部屋の中、すうすうと規則的な寝息が響く。
左隣に顔を向ければ、月明かりの中、ジェイドが無防備な姿を晒している。僅かに上下する胸、時折ぴくりと震える[[rb:瞼 > まぶた]]。そこにあるのは命の気配。
──今なら、この人を殺せるかしら。
唐突に、しかしはっきりと。何故そんな思考に陥ったのか、夜の闇に[[rb:唆 > そそのか]]されたとしか思えない。そっと首筋に手を掛ければ血管がドクドクと脈打つのを感じる。
mike_zatta
MOURNING1年前に書き始めてずっと眠ってたやつ。場面場面は割と気に入ってるんですが、話の流れがイマイチ。かといってゼロから組み立てるほどの気力も湧かず。おまけにラストが二つある。メモというには書き込みすぎたので供養 (9000字オーバー)
⚠️ちょっとだけ肌色です。
擬態薬&ウツボ式セの設定はいつかどこかでリサイクルしたい。
《 想い出と対価の話 》 夜遅く人通りも無い鏡舎の真ん中で、オンボロ寮の監督生は逡巡していた。
左から数えて三つ目、巻き貝や珊瑚の装飾が施された鏡の前を行ったり来たり。時折何か覚悟を決めたようにその滑らかな表面をキッと見据え、かと思えば再び目を伏せたりしながら、心はその奥に繋がっているオクタヴィネル寮を、そしてその中の一室にいるはずの恋人、ジェイド・リーチのことを思う。
学園長室に呼び出されたその帰り道、顔が見たいという衝動に突き動かされて一直線にここまで来たけれど、最後の一歩が踏み出せないまま早くも十五分ほどが経過してしまった。
やっぱり迷惑だろうな、こんな夜更けに会いたいだなんて。
手元の時計は間もなく二十二時半を指そうという頃。
9147左から数えて三つ目、巻き貝や珊瑚の装飾が施された鏡の前を行ったり来たり。時折何か覚悟を決めたようにその滑らかな表面をキッと見据え、かと思えば再び目を伏せたりしながら、心はその奥に繋がっているオクタヴィネル寮を、そしてその中の一室にいるはずの恋人、ジェイド・リーチのことを思う。
学園長室に呼び出されたその帰り道、顔が見たいという衝動に突き動かされて一直線にここまで来たけれど、最後の一歩が踏み出せないまま早くも十五分ほどが経過してしまった。
やっぱり迷惑だろうな、こんな夜更けに会いたいだなんて。
手元の時計は間もなく二十二時半を指そうという頃。
kinoko12069
MOURNING・好きな曲から連想して書いた当社比重めなイデ監。何の縁もない田舎の駅で会話する二人の話。この二人は付き合ってはいないです。・人を選ぶ内容なので気をつけてください。卒業後設定、セフレ的な関係と妊娠の描写があります。
・夏が終わったばかりですが冬の話です。
・書き終わってから思い出しましたがこの曲、別れの歌なんですよねぇ……。良かったら聴いてみてください。
There will never be another you「外はやっぱり寒いね」
何もない駅のベンチで蹲っていると、頭上から声が降って来た。今もっとも聞きたくなかったような、それなのに聞きたくて仕方がなかったような声だ。
けれど顔を上げる気にはなれず、俯いたままそれに答える。
「……出てこなければ良かったのでは?」
もともと出不精な人だから、輪をかけて寒い今日などは世界が終わっても部屋を出てこないと思っていた。そういえば今朝はこの冬一番の冷え込みになるとラジオでは言っていたっけ。
それも含めて皮肉を言うと、その人は困ったようにため息をついた。
「君ねぇ……」
彼は何か言いかけて、しかし止めた。そして着ていた外套を脱ぐと、私の肩に掛けて羽織らせた。冷えた身体に、そのあたたかさは染み入っていくようだ。
6588何もない駅のベンチで蹲っていると、頭上から声が降って来た。今もっとも聞きたくなかったような、それなのに聞きたくて仕方がなかったような声だ。
けれど顔を上げる気にはなれず、俯いたままそれに答える。
「……出てこなければ良かったのでは?」
もともと出不精な人だから、輪をかけて寒い今日などは世界が終わっても部屋を出てこないと思っていた。そういえば今朝はこの冬一番の冷え込みになるとラジオでは言っていたっけ。
それも含めて皮肉を言うと、その人は困ったようにため息をついた。
「君ねぇ……」
彼は何か言いかけて、しかし止めた。そして着ていた外套を脱ぐと、私の肩に掛けて羽織らせた。冷えた身体に、そのあたたかさは染み入っていくようだ。
柚木(insheaht70)
MAIKINGフロ監になる予定の書きかけ。尻切れとんぼ。
自己肯定感の低い監督生とフロイド俯いたままどうすることもできない感情を吐き出すように夕暮れに染まる教室の片隅で誰にも見つからない様に膝を抱えて、深く、深く溜息を吐いた。
キラキラと輝く様に楽しそうに、自由に過ごすその姿に、私の視線は奪われた。
フロイド・リーチ先輩。一つ上の学年の、クルーウェル先生曰く『問題児』な先輩。あの人は何でも持っている。唯一無二の兄弟であるジェイド・リーチ先輩。幼馴染で友人のアズール・アーシェングロット先輩。クルーウェル先生に『問題児』と言われながら、その反面『天才肌』と言わしめる頭脳。
飛行術は苦手らしいけど、運動神経に優れ、整った容貌を持ち、魔力もピカイチ。
それに比べ、私は…家族無し。友人、数人。頭脳、赤点ギリギリの底辺。運動、苦手。容貌、地味。魔力、皆無。比べるのも烏滸がましいレベルだ。
2112キラキラと輝く様に楽しそうに、自由に過ごすその姿に、私の視線は奪われた。
フロイド・リーチ先輩。一つ上の学年の、クルーウェル先生曰く『問題児』な先輩。あの人は何でも持っている。唯一無二の兄弟であるジェイド・リーチ先輩。幼馴染で友人のアズール・アーシェングロット先輩。クルーウェル先生に『問題児』と言われながら、その反面『天才肌』と言わしめる頭脳。
飛行術は苦手らしいけど、運動神経に優れ、整った容貌を持ち、魔力もピカイチ。
それに比べ、私は…家族無し。友人、数人。頭脳、赤点ギリギリの底辺。運動、苦手。容貌、地味。魔力、皆無。比べるのも烏滸がましいレベルだ。
Nia.
DONE「本当のハッピーエンドを見せてあげる」※注意※
not監督生
男装女子
マレウスとは遠い親戚
幼い頃はお嬢様口調
本人に自覚はないが、けっこう暗い過去持ち
”眠れる森の美○” のような呪いをかけられている
最終的に自身のオーバーブロットを引き起こす運命にある
視点切り替え多め
サバナクロー贔屓で友情夢
レオナとラギーの過去捏造
モラルに欠けた描写有
社会的な問題について作者の意見の反映なし 128
柚木(insheaht70)
MEMOフロ監ちゃんで、死ネタまでは行かないけど監督生ちゃんが寿命で逝っちゃう話です。さよならシリーズの二人と思っても良いと思う。元は友達とのリレー小説ネタ。フロ監ちゃんの捏造息子(ユイド君)が出て来ます。ネタなので苦情などは受け付けません。 6
yama__0000
MAIKINGラギ監♀たちが旅行に行く話一緒に温泉入ったり美味しいもの食べて欲しいなという願望から書き始めたら長くなる予感がして筆を止めたやつです😇
ひょんなことから旅行に行くことになったラギ監の話*監督生は元の世界と行き来できるようになったが、高校はNRCのまま*
*ラギー・ブッチと付き合ってます*
「……え?高級旅館?」
ぽかんと口を開けて、学園に戻ろうとして持っていた手荷物をぼとっと床に落とした。
「そう!当たったのよ〜!でも、お父さんは行けないっていうし、お友達もこの日は予定があって無理って断られちゃったのよ。だからあげる」
「それで、なんで私……?」
「あんた、前に戻ってきた時彼氏も連れてきてくれたじゃない!ラギーくんとかだったかしら」
私は2年生に無事進級し、しばらくした頃に元の世界へ戻ることができるようになった。いや、正しくは"行き来"ができるようになった。
学園長があれこれ頑張ってくれたおかげで、元の世界と行き来することができるようになったために私はまだNRCに通っている。
2581*ラギー・ブッチと付き合ってます*
「……え?高級旅館?」
ぽかんと口を開けて、学園に戻ろうとして持っていた手荷物をぼとっと床に落とした。
「そう!当たったのよ〜!でも、お父さんは行けないっていうし、お友達もこの日は予定があって無理って断られちゃったのよ。だからあげる」
「それで、なんで私……?」
「あんた、前に戻ってきた時彼氏も連れてきてくれたじゃない!ラギーくんとかだったかしら」
私は2年生に無事進級し、しばらくした頃に元の世界へ戻ることができるようになった。いや、正しくは"行き来"ができるようになった。
学園長があれこれ頑張ってくれたおかげで、元の世界と行き来することができるようになったために私はまだNRCに通っている。
苗麻呂
DONE【監督生顔有・性別不問・エー監】「普段友人として接している人といい感じの関係になったとき、時々発生する秘密のキスの時間の共有、これエモじゃない?」という漫画です。
Twitterだと読みにくいかもしれないので、まとめてみました。 10
minamikantwst07
DONE人様宛に描いたクルーウェル先生です😌届いたとお知らせ頂いたので、載せちゃいますね!昨日のタグの直前の作品(ほぼ同時進行?)になりす😌
絵は先生しかいないんだけど、
きもち夢仕様を目指したので
#twstプラス
#twst夢
(?)(適切タグが分からない)
urushiuru
TRAINING書きたいと思っていたジャック×監督生。ジャックの男らしさと可愛らしいさは犯罪級……!そんな彼に助けられる監督生と恋の始まりジャック×監督生♀ 失恋したその日に、NRCにやってきてしまった監督生。終始テンションがロー。その日本容姿とも相まって、ホラー映画の人形の様に遠巻きにされる。振られたその身で男子校に放り込まれるなんて、苦行以外の何物でもない。マブは確かに存在するが、男しかいない閉鎖空間には段々とストレスが溜まるばかり。そんな環境へのストレスが、今度は自分へと向き始める。「なんで私は何も言わないの?」、「なんで何も言えないの?」自分がどんどん嫌いになっていく……。そんな状況を打破したくて、でもどうすれば良いかも分からない。ある日ふと、限界を突破してしまった監督生。授業が終わると、そのまま走ってオンボロ寮へと向かう。高ぶったまま吐き出せない感情を、ぶつける先がどこにも無かった。
1730urushiuru
TRAININGシルバーくんの寝顔をただひたすら見つめていたい!と言うリクエストを頂いて書いてみました。シルバー初書き……✨硬派なイケメンを直視できない監督生と、それでもやっぱり顔を見たいシルバーのお話。シルバー×監督生♀ クスクス。頭上から聞こえる小さな笑い声に、ふとシルバーの意識は浮上した。どうやらまた、自分は寝てしまっていたらしい。シルバーは未だ瞼を閉じたまま、右手で前髪をかき上げる。
「あ、起きました?」
「……?」
自分以外の誰かの声。それが誰かを察すると同時に、シルバーは重い瞼を上げた。視界に広がるのは、愛しい監督生の顔。逆さに自分の顔を覗き込み、その背景には青空が広がっている。
「……監督生?」
「はい。おはようございます、シルバー先輩」
「どうしてお前がここに?」
「えぇ? そこにシルバー先輩がいたからとしか……」
膝枕されている事に気づき、その居心地の良さに安心感を得る。しかしそれと同じくらいに、恥ずかしさがひっそりと募った。シルバーは上半身を起こす。監督生から、それを惜しむような声が漏れた。
895「あ、起きました?」
「……?」
自分以外の誰かの声。それが誰かを察すると同時に、シルバーは重い瞼を上げた。視界に広がるのは、愛しい監督生の顔。逆さに自分の顔を覗き込み、その背景には青空が広がっている。
「……監督生?」
「はい。おはようございます、シルバー先輩」
「どうしてお前がここに?」
「えぇ? そこにシルバー先輩がいたからとしか……」
膝枕されている事に気づき、その居心地の良さに安心感を得る。しかしそれと同じくらいに、恥ずかしさがひっそりと募った。シルバーは上半身を起こす。監督生から、それを惜しむような声が漏れた。