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    #フェイビリ

    phobility

    れんこん

    DONE第14回ベスティ♡ワンドロ用
    お題「契約」
    フェイビリ風味です
    こ難しく短い眉を寄せたり、緩く特徴的なカーブを描く唇に当てられた手袋越しの指がトントンとそこを叩いて、何かに悩むような考えてるような素振り。スマホを何度かスクロールして、なにかを見つけたのか、寄せられていた眉が緩んで、口角も緩んだ。
    同じような光景は今まで視界の隅で何度も見てきたような気がするけれど、改めてその様子をまじまじと見つめると、なるほど、ゴーグルをして謎めいてわからない印象を抱いていたけれど、案外その表情も、醸し出す空気すら、わりと豊か。

    「ふ〜……、って、なぁにDJ〜〜!?こないだからオイラの顔見過ぎじゃな〜い?……さては〜、今更俺っちに惚れちゃった!?」
    「まさか。……アハ、もしそうだったらどうするの。」
    「エ〜!?絶世のイケメンに言われちゃ考えちゃうナ〜♡」
    「はいはいっと。せめてゴーグル外してから言ったら?」
    「ンッフッフ、ゴーグルの下はベスティ♡にはトクベツ価格でご案内シマース♡」
    「……アハ。」

    ビリーは、変わった。
    今見ていたのもただただ金を巻き上げるためだけの情報でなく、誰かを喜ばせる為の下調べ。おおよそ……、前話していたジェイの子供のことだろうか。謎の胡 3408

    れんこん

    DONE第12回ベスティ♡ワンドロ、ワンライ用
    フェイビリ/ビリフェイ
    ほんのりシリアス風味
    目の前にひょこひょこと動く、先日見かけた忌々しいうさ耳。
    今日は見慣れない明るく所々にリボンがついた装束に身を包み、機嫌が良さそうに馴染まないタワーの廊下を跳ねていた。
    眩しいオレンジ頭に、ピンと立ったうさ耳はまだいいが、衣装に合わせたのか謎にピンク色に煌めくゴーグルはそのかわいらしさには若干不似合いのように思えた。胡散臭い。そういう表現がぴったりの装いだ。

    「……イースターリーグはもう終わったよね?」

    後ろから声をかけると、ふりふりと歩くたびに揺れるちまっとした尻尾が止まって、浮かれた様子のエンターテイナーはくるりと大袈裟に回って、ブーツのかかとをちょこんと床に打ち付けて見せた。

    「ハローベスティ♡なになに、どこかに用事?」
    「それはこっちの台詞。……そんな格好してどこに行くの?もうその頭の上のやつはあまり見たくないんだけど。」
    「HAHAHA〜♪しっかりオイラもDJのうさ耳つけて戦う姿バッチリ♡抑えさせてもらったヨ〜♪ノリノリうさ耳DJビームス♡」

    おかげで懐があったかい、なんて失言をして、おっと!とわざとらしく口元を抑えて見せる姿は若干腹立たしい。……まぁ今更だからもうわ 3591

    れんこん

    DONE第11回ベスティ♡ワンドロ用
    お題「瞳」
    フェイビリ/ビリフェイ
    「ねぇねぇ、DJの口説き文句を教えてヨ。」
    「……何、突然。」

    いつもの談話室での唐突な話題。
    俺もビリーもなんとなくそれぞれのスマホを見たり、その場に誰かが置いていった街の情報誌なんか眺めたりなんかして適当に過ごして
    その自由気ままな空間になんとなしにビリーが切り込んでくる。
    相変わらずその分厚く高反射なゴーグルでその真意を読み取るのは難易度が高い。まぁいつもの情報収集みたいなものなんだろうけれど。
    本当にこの親友らしい男は、そういう俺からしたらどうでもいいような細かい事について余念がない。

    「DJって、なんだかんだ女の子に喜んでもらえちゃう言葉かけるの上手じゃない?そういうのを色男必勝のモテテクとして売り込みしようかな〜って!」
    「……やっぱり売るつもりなの。」
    「モチロン情報の対価はな〜んでもDJのお望み通り支払うヨ!面倒事の解決でも雑用でもなんでもドーゾ♡」

    だから、ねぇ教えてヨ〜なんて甘えたな声色で尋ねてくるのはその怪しげな風貌からだと滑稽だ。
    前々から女の子達に売り込むための情報収集はしょっちゅうされていたけれど、新たなターゲットに目をつけたのか。……ただ。

    「アハ 5056

    れんこん

    DONE第6回ベスティワンドロ用
    お題「手料理」
    アカデミー捏造のフェイビリです。
    窓からカーテン越しに差し込む光が、もう夜が明けてしまったのだと伝えてくる。
    朝といっても、もうきっと世の中の一般の人達は遅いと言う時間だろう。ほんの少しだけ重い瞼を持ち上げて、日差しの差し込み加減から勝手に時間を判断すると、ゆっくりと伸びをした。
    ……あぁ、お腹空いた。

    ほんの少しだけ腰に軋むような痛みがあるけれど、きっと普通に過ごしていたら忘れてしまう。
    ゆっくりとベッドから降りて、ベッドサイドにきちんと畳んでおいた下着を身につけて。
    今日はホリデー。制服に着替える必要も無いから、適当な服で良いかな。
    緩めのパーカを選んで袖を通し、あくびをしながら部屋にひとつだけ付いている洗面台へ。
    いつもみたいに顔を洗ってから歯磨きをして。
    それからベッドサイドに置かれていたゴーグルを取っていつものように隙間なくきっちりとつける。ゴムで締め付けられて変な形になった髪の毛を、鏡を見ながら整えて。最後に馴染みの黒い手袋……これは洗濯したての新しいやつを出してきて身につける。
    これでいつものオイラの完成。

    ベッドのゴミ箱に捨てられている様々な痕跡は、同室の子が帰ってくる前に、忘れる前に処分しなくちゃ 4276

    れんこん

    DONE付き合う事について雑談するベスティのお話
    フェイビリフェイ?
    「ん〜♪んっふふ〜ん♪ふ〜ん♪」
    「……なんだかご機嫌だね。」

    談話室で何やらるんるんと楽しそうに大きな声で鼻歌を歌うビリー。
    手元にはいつもハニーと呼ぶ、髪色と同じようなスマホがあって、その画面を手袋をつけた細身の指が辿っていく。
    特に用事もないので、隣に座ってどうしたの、と尋ねると、ビリーはにやりと笑って特徴的な八重歯を見せつけてきた。

    「みてみてDJ〜、昨日撮ったコレが今バズってるんだヨ♡」
    「……え、何…って、昨日寄ったカフェでビリーに隠し撮りされたやつじゃん…。」
    「やっぱりDJが被写体だと反応スッゴイんだよネ〜♪」

    ビリーが見せつけて来たのは俺が頼んだドリンクをただ飲んでいるだけの写真だけれど、たしかにやたらと反応が来ている様子だった。
    ……勝手に載せるなんて、と何度か言ったけど、ビリーは聞きやしないし、実害も特段無いからまぁいいかと今回は不問にする。
    ついでに自分のスマホもチェックすると、山のような彼女からのメッセージ通知の中に、同じようにエリチャンの通知も大量に混ざっていた。

    「……あ、なんか俺のやつも一緒に伸びてる。俺のは最新のショコラドリンクを撮っただけなん 4400

    れんこん

    DONE第4回ベスティ♡ワンドロ用
    ラジオドラマの続きみたいなフェイビリです
    ただでさえ広いエリオスタワー。
    基本的に移動はエレベーターを使うように出来ているけれど、俺から逃げて行った悪い鼠はあろうことか滅多に使われることのない非常階段の方へ走って行った。
    談話室のある階からひとつ下がるとビリーのイーストセクターのスペースがある階になる。
    ビリーは体力があるほうじゃない。無闇矢鱈に逃げ回るのは、ビリーよりもはまぁ普通の男並みの体力の俺相手だと悪手だ。
    ……つまりは早めに部屋に逃げ込んでしまおうとしているんだろう。

    「ビリー!」
    「っ、ふふ〜ん!捕まえられるなら捕まえてみなサ〜イ♡」
    「っは、何そのノリ、」

    完全にこちらを揶揄う口ぶりで、ああもうと舌打ちをする。ビリーは体力は無いけど身軽だからか、走るのは早い。
    ビリーがタン、タン、タンと小気味いい音を立てて階段を駆け降りていく音。……ああそうだ、ここなら誰もいないしちょっとだけならいいかな。
    いい具合に空間も狭いし、反響が効く。
    走るなんて面倒なことはなるべくしたくないしね。悪い鼠を袋の鼠にしてしまおう。
    ほんの少しだけ、ちょっぴりだけの能力をのせ、

    パチン

    といつものように指を弾くと、音の振動が狭い空間 3925

    れんこん

    DONE第3回ベスティ♡ワンドロ用
    入れ替わっちゃったお話。
    「は?」
    「あ?」

    2人同時につい口から出たのは気の抜けたような、本気で力の抜けるような、意味のない言葉。
    それだけお互いに驚いた。
    今、目の前にいるのは鏡に映ったような自分自身。この声すら、自分の身を通して聞く音と違って違和感を感じる。

    ……今日はお互いオフの日だった。
    DJはいつも通り夕方頃からふらふら起き出して夜遊びにくりだし、自分は朝っぱらから情報屋の仕事であちこち歩き回っていた。
    情報の集まる場所は遊び場が多く、必然的にDJとばったり出会す事もしばしばあった。
    たまにはクラブで怒らせてしまったおじさんたちに追いかけられている所を助けてもらったりなんだり、逆にDJが修羅場に巻き込まれているところをうまく逃したり、なんだかんだそのたびにお互い持ちつ持たれつな感じで2人で雑談でもしながら帰路につく、そんな事も結構あった。
    今日もそんな気ままな日常のひとつで、2人でだらだらと喋りながらタワーへの道を歩いていた所、突然前触れもなしに路地裏から何やら変な色の霧と共に甘い香りが漂ってきたかと思うと……この有り様。

    DJが俺で俺がDJで。
    ナニコレ、フィクションの世界?

    目の前の自分 5814

    れんこん

    DONEフェイスを好きになった女の子とビリーのお話ふんわりとやわらかく閉じられた瞼のその先に、長く繊細なまつ毛がかかって、綺麗な影を作っている。整った形をした眉毛が少し緩んで、なんとなくあどけない印象。……普段はずっと大人っぽくてセクシーなのに、今は年相応の同級生の男の子の顔をしている。半開きの唇は眠っていても尚色っぽく、見ているだけでドキドキとする。
    さわやかな風がその艶やかな黒髪を撫でて、さらりと靡くのがまた彼の持つ格好良さを引き立てる。

    いつも落ち着いて読書をするために選んでいるなんてことない木陰が、今だけ王宮の一角かと錯覚してしまうくらい。その黒髪の王子様はとてもきれいに眠っていた。

    きれいなのに甘やかで可愛らしさ格好よさも全てがそこにあって、全てに目を奪われる。
    永遠に時が過ぎなければいいと初めて思った。ずっとこのまま見ていたいと。

    そう思った矢先に、重たい瞼がゆっくりと開かれて、その色っぽいピンクトルマリンの瞳が外に晒された。特徴的な下まつ毛は艶やかで、気怠げで、でも可愛らしい。
    見ていたのを気付かれないように慌てて本を目の前に持っていく。

    彼は気付いてないのか、くぁ、と小さくあくびをして立ち上がる。その所作すら高 4532

    mimi_soileh

    DONE第二回ワンドロ「同級生」「HELIOS∞CHANNEL」木漏れ日の中で、黒い毛先がかすかに揺れる。夏よりも少し日差しが弱まってほのかにその頬を撫でていく。緑から黄色や赤に色づきはじめた葉の数枚がはらはらと落ちて、なめらかな頬を撫でていく。むずかるようによく整った眉を寄せたが、彼がまどろみから覚めることはなかった。
    『あれ、フェイスくんじゃない?』
    『えっ寝てるのかな? かわいー……』
     遠巻きに見ている女の子たちは顔を赤らめてヒソヒソとこちらの様子を伺っているが、近寄ってくるつもりはないらしい。今日の授業はもう終わりの時間。先生の都合で午後の授業が無しになったからだ。いくつかの宿題を取り残したまま、お気に入りの木の下で昼寝に耽る彼は、さながら眠れる森のイケメン……王子様、と言っても過言ではない。
    「みんなの王子サマの貴重な寝顔、ゲット出来ちゃうのはオイラの特権……⭐︎」
     フェイスが寄りかかる木の幹のほんの隣に腰掛けて、スマホのカメラを構える。画面の中では背景ごと切り取られた男前の寝顔がしっかりと収まっていて、こみあげるにやけを抑えてシャッターを押した。角度を調節して、数枚。きっと校内SNSに投稿すれば大バズり間違いなしだ。
     
     先ほどか 2297

    れんこん

    DONE第二回ベスティ♡ワンライ用
    フェイビリ/ビリフェイ
    お題「HELIOS∞CHANNEL」
    何度も何度も震えるスマホ、画面も何度も光って、最早充電も尽きかけてしまっている。
    鳴り止まなくなって電源ごと落としてしまうのも日常茶飯事ではあるけれど、今回は規模が違う。
    ……今朝おチビちゃんが撮ってエリチャンにアップロードした写真がバズっている。
    その写真は新しく4人の体制となったウエストセクターで撮ったもので……それだけでも話題性があるのは確かだけれど、それよりもっとややこしいことでバズってしまった。

    『フェイスくん、この首の赤いのどうしたの!?』
    『これってキスマーク……。』
    『本当に!?どこの女がこんなこと、』

    「はぁ〜……。」

    止まらない文字の洪水に、思わず元凶である自分の首を撫でさする。
    タグ付けをされたことによる拡散の通知に混じって、彼女たちからの講義の連絡も合わさって、スマホは混乱するようにひっきりなしに泣き喚いてる。
    いつもはなるべく気をつけているからこんなこと滅多にない。……ただ、昨夜共に過ごした女の子とはまだ出会ったばかり……信じて寝入っている間にやられてしまったらしい。
    今日はタワーから出るつもりがないから別にそのマークを晒していてもわざわざ突っ込んでくる 2313

    mimi_soileh

    DONEベスティワンドロ!
    お題:『勝負』
    フェイビリです!
    おおよそ1h
    草木も眠る丑三つ時、にはまだ少し早いぐらいの時間。キースが潜入捜査に駆り出されて、後を追うようにやる気満々のジュニアが出動して数日。最近は気兼ねなくクラブ通いを続けていたフェイスだが、今夜はたまには誰もいない静かな共有スペースでまったり過ごすのもいいかな、と夜遊びをだいぶ早めに切り上げてきたところだ。
    「稲妻ボーイとキースパイセンがいないなら、二人でゆっくり映画でも見ちゃう? コメディ? ホラー? それともラブロマンス?」
     タワーのエントランスで鉢合わせたビリーが、なぜかウエストの共有スペースまでついてきて、当たり前のようにくつろいでいる。面倒だし、気が済むまで放っておこうと思ったが、ジュニアが買い置きしていた冷凍食品を物色し始めたところで、これは長居する気だな、と諦めて口を開いた。
    「映画は見ないよ」
    「それならオイラとおしゃべりしよ? 深夜のボーイズトーク!」
    「面倒だからパス」
    「も~!! 一人ボッチのDJがそろそろ寂しがってるトコロかな? って俺っちなりに気をつかってあげたのにぃ!」
    「今パトロールの担当増やされて疲れてるんだよね。ほんと参っちゃう」
     むっとした顔をしたビリ 2957