歩/零
TRAINING洋三ワンドロワンライ 5/5「かさぶた/火をつける」※洋→←三
※三に自分は相応しくないと思っている洋の独白
※三はほぼ出てきません
※流血表現あり
建物と建物の間の路地、喧嘩するにはうってつけのような場所に壁に寄りかかって座り込んでいる。周囲はここで誰かが暴れましたよと言わんばかりの散らかりようで、逃げて行ったやつらの痕跡といえば勝ったもののちょっと立てそうにない自分と、血の付いた刃物だけになっている。
無意識に手で押さえている脇腹が熱い。ガキの喧嘩で刃物なんか出してくるんじゃねえっつんだよ。
別に調子が悪いわけではなかった。いやうそだ、少しぼーっとはしていた。気温とか空気感とか色々とあまりにもあの日と似通っていて、望んでもいないのに壊れたビデオテープのように何度も彼の顔を繰り返し思い出していた。
注意力が散漫になっていたのだろう、ぶつかったぶつかってないのありがちな諍いは、ヒートアップする前に相手の数人のうちの一人から上がった「お前水戸だろ」の声を発端にあっさり殴り合いに切り替わった。どこで買ったか覚えていない恨み――というよりただの逆恨みから始まった小競り合いは結果としてどいつも大した事はなかったが、粘着そうな雰囲気をした一人が刃物を持ち出したことにより空気が一変した。
1753無意識に手で押さえている脇腹が熱い。ガキの喧嘩で刃物なんか出してくるんじゃねえっつんだよ。
別に調子が悪いわけではなかった。いやうそだ、少しぼーっとはしていた。気温とか空気感とか色々とあまりにもあの日と似通っていて、望んでもいないのに壊れたビデオテープのように何度も彼の顔を繰り返し思い出していた。
注意力が散漫になっていたのだろう、ぶつかったぶつかってないのありがちな諍いは、ヒートアップする前に相手の数人のうちの一人から上がった「お前水戸だろ」の声を発端にあっさり殴り合いに切り替わった。どこで買ったか覚えていない恨み――というよりただの逆恨みから始まった小競り合いは結果としてどいつも大した事はなかったが、粘着そうな雰囲気をした一人が刃物を持ち出したことにより空気が一変した。
歩/零
TRAININGhttps://poipiku.com/3231663/8692803.htmlの話の続きですが、よくあるなんちゃらオチ的な内容です。前回の話の終わり方でおしまいにしたいという方は無理して読まなくても問題ありません。
なんちゃらオチだからってハピエンではないので、なんでも大丈夫な人向けです。
超余談ですが、お題を見た時に先にこのオチのほうを思いついていて、メインはそこから遡って考えました。
視界に広がるのが彼の顔ではなく、見慣れた寝室の天井であることを脳が認識するよりも早く耳をついたのは己の荒い呼吸音だった。夢と現実の境目が曖昧で心臓が嫌な音を立てているのが分かる。
無理矢理深く息を吸って吐く、を繰り返しようやく少し落ち着いたところでベッドの中の隣が空っぽなことに気が付き、どくりと再び心臓が跳ねた。
勢いよく起き上がって一人分空いているスペースを震える手で撫でる。
そんなわけない、あれは夢だ。ケーキだフォークだなんてものは存在しないし、俺は三井さんを食べたりしない。
動揺を現すように、どくり、どくりとだんだん大きさを増しながら耳元で鳴っているように感じていた動悸の隙間にふと生活音が飛び込んでくる。息を詰めて耳をすませば、寝室の向こう――おそらくキッチンから物音が響いてきて、何度も聞いた耳慣れたそれに一気に脱力した。まだ胸中にわだかまる不安を全て押し出すように大きく息を吐く。
931無理矢理深く息を吸って吐く、を繰り返しようやく少し落ち着いたところでベッドの中の隣が空っぽなことに気が付き、どくりと再び心臓が跳ねた。
勢いよく起き上がって一人分空いているスペースを震える手で撫でる。
そんなわけない、あれは夢だ。ケーキだフォークだなんてものは存在しないし、俺は三井さんを食べたりしない。
動揺を現すように、どくり、どくりとだんだん大きさを増しながら耳元で鳴っているように感じていた動悸の隙間にふと生活音が飛び込んでくる。息を詰めて耳をすませば、寝室の向こう――おそらくキッチンから物音が響いてきて、何度も聞いた耳慣れたそれに一気に脱力した。まだ胸中にわだかまる不安を全て押し出すように大きく息を吐く。
歩/零
TRAINING洋三ワンドロワンライ 4/28「ホットケーキ/甘い指先/意気地無し」※ケーキバース(参考:ピクシブ百科事典)
※高校生×大学生
※三にグレ期が無い
※ベースは原作とそんなに変わらないけれどちょっとだけ年齢いじってるし他人設定なのでパロになる…のか?
※明るくはないです
この世界の人間はケーキ・フォーク・それ以外に分かれている。
自分は生まれてこの方それ以外――いわゆる普通に属しており、特に不都合もなく生きてきた。幸か不幸か腕っぷしがそこそこ強いため、フォークに襲われているケーキという現場に遭遇した際に数度助けたことがある程度の関わりしかない。
バイト帰りのいつもと変わらない夜、建物と建物の間の細い路地から悲鳴が聞こえ、そちらに足を向けてみれば案の定ケーキがフォークに襲われているという状況だった。慣れた拳でフォークをぶっ飛ばし、へたり込んでいたもう一人の手を取ってとりあえず路地裏から安全な大通りまで出る。暗いところから多少マシになった灯りの下でざっと見たケーキの彼は無傷のようでほっとした。
6535自分は生まれてこの方それ以外――いわゆる普通に属しており、特に不都合もなく生きてきた。幸か不幸か腕っぷしがそこそこ強いため、フォークに襲われているケーキという現場に遭遇した際に数度助けたことがある程度の関わりしかない。
バイト帰りのいつもと変わらない夜、建物と建物の間の細い路地から悲鳴が聞こえ、そちらに足を向けてみれば案の定ケーキがフォークに襲われているという状況だった。慣れた拳でフォークをぶっ飛ばし、へたり込んでいたもう一人の手を取ってとりあえず路地裏から安全な大通りまで出る。暗いところから多少マシになった灯りの下でざっと見たケーキの彼は無傷のようでほっとした。
歩/零
TRAINING洋三ワンドロワンライ 4/21「今は好きさ」※大人よみつ(イメージは社会人×プロバスケ選手)
※水戸の過去ふんわり捏造
※あまり明るくないです
アラームを必要としない休日の朝、身体の欲求に任せるまま休息を摂り自然と目を覚ました。ゆるく何度か瞬きをした視界の中で、遮光カーテンと壁の隙間から侵入した薄ぼんやりとした陽の光が朝だと告げている。
肌触りの良い毛布が心地良い温度を提供してくれているのとは別に、横向きで寝ている己の身体に巻き付いている体温に気が付く。寝床を共にするのなんて一人しかいないが、僅かばかり顎を引いて視線を胸元に落とすと水戸が胸元へ顔を埋めるように潜り込んで静かに寝息を立てていた。
昨夜は真逆に自分が抱き込まれて眠りに就いたはずだったがどうやら夜の間に逆転していたらしい。穏やかな寝顔に頬が緩む。
付き合いたての頃の水戸は今からでは考えられないほど眠りが浅く、また短かった。それを聞かされた時、本人はすでにその体質を受け入れて久しかったらしく、「そういうもんだから気にしないで」と笑っていたし、一度本当に大丈夫なのかと確認した時は「三井さんの寝顔見てると寝つきが良い気がするんだよね」などと恥ずかしげもなく言うので、セックスをしてもしなくても遠慮なくその腕の中で先に寝付いていた。まぁ遠慮云々を抜きにしても水戸の家で水戸の匂いに包まれていると安心してすぐに瞼が重くなってしまっていたのだが。
1836肌触りの良い毛布が心地良い温度を提供してくれているのとは別に、横向きで寝ている己の身体に巻き付いている体温に気が付く。寝床を共にするのなんて一人しかいないが、僅かばかり顎を引いて視線を胸元に落とすと水戸が胸元へ顔を埋めるように潜り込んで静かに寝息を立てていた。
昨夜は真逆に自分が抱き込まれて眠りに就いたはずだったがどうやら夜の間に逆転していたらしい。穏やかな寝顔に頬が緩む。
付き合いたての頃の水戸は今からでは考えられないほど眠りが浅く、また短かった。それを聞かされた時、本人はすでにその体質を受け入れて久しかったらしく、「そういうもんだから気にしないで」と笑っていたし、一度本当に大丈夫なのかと確認した時は「三井さんの寝顔見てると寝つきが良い気がするんだよね」などと恥ずかしげもなく言うので、セックスをしてもしなくても遠慮なくその腕の中で先に寝付いていた。まぁ遠慮云々を抜きにしても水戸の家で水戸の匂いに包まれていると安心してすぐに瞼が重くなってしまっていたのだが。
let_it_tei
MAIKING鉄三の影を感じて苛立つしかない洋平の洋三。消え失せろ ただの影だと思うには、その男の輪郭が鮮明に過ぎた。
今年は残暑が長かった。そのせいか、間もなく秋を迎えようとする空には、黄昏れる時機を逃したかのように水色と黄色のグラデーションが広がっている。
「一分一秒でも長く練習したいってーのによ、消防の点検ってなんだよ。そんなの昼間の授業中にやっとけってんだ」
「体育の時間があるからそうもいかないんじゃない?」
「なら授業のコマ変更すりゃいいだろ。何のための日直と黒板だよ」
原付バイクを押す水戸の隣には、部活ができずぶさくさと文句を言い続ける三井がいる。
三井の言う通り、職員室入口の壁には時間割の変更や担当教員の変更が書かれる黒板があり、前日あるいは当日朝の段階でクラス別に変更内容が記入される。
768今年は残暑が長かった。そのせいか、間もなく秋を迎えようとする空には、黄昏れる時機を逃したかのように水色と黄色のグラデーションが広がっている。
「一分一秒でも長く練習したいってーのによ、消防の点検ってなんだよ。そんなの昼間の授業中にやっとけってんだ」
「体育の時間があるからそうもいかないんじゃない?」
「なら授業のコマ変更すりゃいいだろ。何のための日直と黒板だよ」
原付バイクを押す水戸の隣には、部活ができずぶさくさと文句を言い続ける三井がいる。
三井の言う通り、職員室入口の壁には時間割の変更や担当教員の変更が書かれる黒板があり、前日あるいは当日朝の段階でクラス別に変更内容が記入される。
fumidesuga313
DONE先日支部で上げた洋三にtkb責めだと思って期待してたのに…!!と姉から盛大なダメ出しを食らったのでリベンジマッチ!tkbって無限大の可能性があるよね…(お下品!)
18↑y/n 4020
momosodate
DOODLE韓ドラのアイランドパロ三井:大企業の跡取り。権力を狙う叔父の策略によりデマニュースを拡散され左遷。離れ小島の高校に臨時教師として赴任。前世では鬼を封印する力を持ち、半妖となった水戸を救うと約束するも叶わず死亡。
水戸:この島に蔓延る鬼を倒すため無理やり鬼の血を入れられ、半妖となる。何百年も生きている。三井が前世を思い出すのを待っている。
宮城:悪魔祓いの神父。三井を守るために近づく。 2
akkkkkkira053
MOURNINGセルフライナーノーツが好きすぎてあとがきを書かないと死んじゃうので、書きました!サンプル読む前に読むとネタバレになります。全部自分のこだわりです!しらんがな!とかの突っ込みあると思いますがそれでいいです!しらんがなって思ってもらえたら嬉しいです!
このお話のあとがきです→https://poipiku.com/7524627/8481989.html 6
ann
DOODLE大事な友人の先輩と大事な後輩の友人、くらいの距離感だけど、洋三。時期が花の検査から一週間ほどだからセンチメンタルジャーニーしているけど、洋三!!10daCの存在を書いた後に知ったので齟齬あったら申し訳ない 4
ann
MOURNING【注意】水戸さんから花道さんへと片思いらしきモノと、花道さんから他の方へのプロポーズが含まれます。読後話↓
作中の二人に恋愛感情があるのかはわかりませんが、翌年に三井が筋トレ器具を買いたいと言い出して、じゃあもう少し広い部屋借りるかと二人で引っ越します。 2923
aoyamachan__
CAN’T MAKEいずれ洋三になる洋+三。「ひょんなことから再会する洋三」の続きです。警備会社に就職した洋がプロ三をストーカーから護衛するはなし。
パスは三の番号と身長を続けて。 1368
キムラ
INFO以前書いた「我慢くらべ」という小話にわやおささるさん(@9qcXG0vAhADppLB)から、セクシーみついさんを頂戴しました!!どうしてもお話とイラストを並べたかったので再掲です。
わやさんのイラストはお話の後なのでスクロールしてください!
玉ねぎ切ってる三井さん(水戸フィルター)と、ちがうお前がしたいんだろうの三井さんです💓
追記・三井さんを見た水戸くんもいただきました︎💓 6
キムラ
DONE絵チャで は さんが描いてくださった洋三が可愛すぎてお話書かせていただきました☺️は さんのイラストはいちばん最後です!
原案・プロデュース:わやおささる さん(@9qcXG0vAhADppLB)
イラスト:は さん(@harunishite) 8
キムラ
DONE大好きな は さんの洋三にSS書かせていただきました😭こちらのかっこいい水戸くんを...どうぞ...ご覧ください...
https://poipiku.com/3041787/7329319.html 4