紐解く ドン、ガシャン。
裏のガレージから大きな音がしたのは、オレが閉店作業をしている真っ最中だった。不良の世界から離れて久しいが、ここを訪れるのは一般人以外に、そういう奴も多い。もちろん昔の仲間だったりその連れだったりもするが、どこからか噂を聞きつけて集まる、新時代の不良たちも最近では多くて。
まるで真一郎くんの店と同じだ。彼の黒龍を求めていたオレにとって、それは喜ばしいことだった。やんちゃな奴らの集まれる場所、それがオレの始まりだったんだから。
だから、どうせそういう奴なんだろうなと思った。ちょっと暴れて、それでガレージのシャッターにぶつかって。どうせ見たことある顔だろう。オレはなんの警戒もなくガレージへ行き、シャッター脇にある勝手口から外に出た。
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