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    ju__mati

    呪の七五置き場。書きかけの長編とか短編とか。
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    ju__mati

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    七七五のけんと時空の呪専七五02
    ※支部の七七五3Pのけんとが自分時空に戻ったあとの呪専七五の話。続き。
    ※8/8に後半(教室シーン)少し修正しました。

    #七五
    seventy-five

    ほわんほわんほわんとそこらじゅうに、白やらピンクやらのモヤが浮かんでいる。
    白い肌がいやらしくかすむ。色のない髪は汗に湿って、薄いピンク色の唇が、きもちい、と喘ぐ。きもちい、けんと、もっと。青色の目がゆらゆらと揺れて、ねだる。熱で紅潮した体を押し倒し、腰を掴んで、ねじこむ。あぁん、と、甘い声があがって、それを貪るように口付けて、それから。

    ハッと目を覚まして、七海は呆然とした。視界に映ったのは見慣れた天井で、ベージュのカーテンの隙間から、朝の光が射し込んでいる。高専の寮の自室だ、と理解しながらも、夢のせいで思考が混乱していた。
    体を起こそうとして、下肢の違和感に気づく。湿った感触に、もしや、と思う。確認して、悲しくなる。夢精なんて、中学一年生以来だ。



    七海は、ずっとモヤモヤしていた。
    おかしな夢を見たのが先週、その翌日、図書室に連れ込んだ五条にキスをして舌を噛まれてから5日。それからずっと股間に熱が溜まっている。10代男子の常として自慰の習慣はあるが、それが頻繁になっている。ひとりでいるとすぐに悶々としてしまって、ほとんど毎晩弄っている。それもこれも五条のせいだ、と思う。
    夢で見た28歳の五条は、それはそれはいやらしかった。積極的なのに敏感で、少し触れるだけでびくびくと肌を震わせる。やさしく笑って、おいで、けんと、と誘う。しかし、七海を追い詰めているのは、夢の中のえっちなおにいさんではなかった。



    身支度のために共有の洗面所に行くと、何人かの声がした。「マジで? ヤバ、」と軽薄な物言いが聞こえて、ドキッとする。五条の声だ、と無意識に息を潜める。
    廊下からひとつ角を曲がったところに洗面所がある。洗面ボウルと蛇口が三つ並んでいるそこに、五条悟と夏油傑、ひとつ上の先輩二人の姿が見えた。スウェットやジャージ等、寝巻きがわりの部屋着に身を包んだ彼らは楽しげに笑っている。談笑の声がふと途切れて、水音が聞こえ始める。夏油が歯ブラシを口に突っ込み、五条が顔を洗っているのが見える。
    平均をはるかに超える長身の持ち主にとって、寮の洗面台は明らかに低い。おかげで五条の体勢は不自然で、膝を曲げ、背中を窮屈に丸めて、それでも足が余って腰が突き出されている。何度か見たことのある、なんということはない光景のはずが、今の七海には刺激的だった。
    スウェットの紐が緩んでいて、下着のゴムに刻まれたどこぞのブランドのロゴが見えている。その上に、腰回りの素肌がチラチラと覗く。生地が伸びて張り付いて、臀部のラインがくっきりとしている。身長の割に小ぶりだがしっかり筋肉がついて、身動きのたびに形を変えるそれに、触れたい、と思う。どんな感触がするのだろう。硬くてもやわらかくても、ぎゅうぎゅうと指を食い込ませて、揉んでみたい。触れたいどころではなく、揉みたい。気がすむまで揉んだあと、服の上から自分の股間を押し付けて……

    「おはよう、七海」

    声をかけられて、ハッとした。夏油がにこにこと七海を見ている。五条の手が止まって、蛇口を捻って水を止める。
    「おはようございます」と返すと、「まだ眠い? ぼーっとしてるね」と夏油に聞かれた。

    「なんでもないです、大丈夫です」
    「今日は任務あるの?」
    「いえ、授業だけです。夏油さんは?」
    「午後から一件ね。そっちは体術だっけ?」
    「えぇ、午後は座学です」

    夏油と会話をしながら、洗面所の、五条の隣に進む。空いているのがそこしかなかったからだ。洗面道具を棚に置くと、「おはよ」と隣から声がかかり、「おはようございます」と普段通りに挨拶しながら、チラッと横を見る。五条は、濡れた顔をタオルで拭っていた。前髪から滴が垂れて、ぽつっと落ちる。
    奥の窓から光が射し込んで、五条の輪郭をぼんやり浮かび上がらせていた。滴が反射してきらきらと光る。軽く伏せられた睫毛の長さに目を惹かれる。鼻筋がすっきりとして、顔が小さい。唇は薄いのにやわらかそうだ。陰になって淡く見える目が、ふと動く。七海を見て、繊細このうえない眉毛が、不機嫌そうに寄せられる。

    「なに見てんだよ」

    と低く言われて、ドキッとした。造りもののようだった男の感情を見せられて、様々な思いが一緒くたになってざわつく。焦り。戸惑い。憧憬、背徳。はいとく? なぜ、と更に混乱しかける七海の思考を、ハハ、と明るい夏油の声が救った。もしくは、ブッ壊した。

    「悟が美人だから見惚れちゃったんじゃない」
    「!」

    五条も七海も、ぐっと息を詰めた。五条はことさら不機嫌そうに顔を歪めて、「そうなの?」と聞いた。七海は、違います、も、そうです、も、もちろん言えず、洗面道具を鷲掴みにして、その場を去るしかできなかった。
    廊下を曲がる直前、「あーあ、行っちゃった」と、からかい混じりの夏油の声が小さく聞こえた。



    教科書に向かって、七海は盛大にため息を吐き出した。午後の教室である。灰原は夏油と任務に行っており、七海はひとりで座学の課題をやっていた。あとから日下部が見にくることになっているが、どうにも身が入らない。理由は明白すぎて、考える気にもならない。
    それでもシャープペンを離さず課題のプリントを睨んでいると、前の入り口がガラリと空いた。日下部か、と思ったが雰囲気が違い、顔を上げて驚く。立っていたのは、五条だった。

    「探した」

    と五条は言った。七海は耳を疑い、何も言えず、五条を見上げた。高専の真っ黒な詰襟姿が、ゆっくりとこちらに近づいてくる。七海の隣の椅子を乱暴に引いて、どしんと座る。
    五条はむっつりと唇を結んだまま、サングラス越しに前を見て、黙っていた。何かあるのかと七海は視線を向けたが、何もない。また五条を見ると、唇がむずむずと動いて、「なぁ」と言った。

    「なんかねぇの」
    「……なんか、とは」

    あまりに唐突で、碌な言葉が出てこなかった。どうしてここに来たんですか、あなたの予定は大丈夫なんですか、常識的な問いかけは浮かぶだけで言葉にならず、必要だと思えなかった。五条が、きつい目をして七海を見た。その奥に揺らぎがあって、らしくなくて、ドキドキとする。

    「私を、探したんですか」
    「……そうだよ。灰原いないだろ、オマエが、ひとりだと思って」

    ひとりだと思って、わざわざ探したのか。探されたのか、と思うとどうしてかきゅんとした。
    何の用ですか、と言いかけて黙った。多分、悪手だ。この間のことでそのくらいは分かるようになった。この間の、図書室での一件で。しかし、なんと言うべきかは相変わらず分からない。
    「そうですか、」と言ったきり黙ってしまった七海に、五条は焦れた。組んだ足をイライラとぶらつかせ、乱暴に立ち上がった。

    「オマエ、俺になんか言いたいことねぇの」
    「言いたいこと、ですか」
    「朝も、なんか言いたかったんじゃねぇの。言いたいことか、それか、したいこととか」
    「したいこと……」
    「……ないんなら、別にいいけど」

    したいこと、と言われて、すぐにいくつかを思いついた。どれが可でどれが否だと考える間もなく、いや、考えたはずがその判断を押しのけて、したいことが口をついて出た。出てしまった。

    「さわりたい、です」
    「っ、」

    五条は少し驚いて、息を詰め、頬を紅潮させ、目を泳がせたあと、「さわるって、どこに、」と言った。

    「どこでもいいです」
    「どこでもって、なんだよ、それ」
    「手でも、肩でも、それ以外でも、」
    「それ以外ってなに、」

    それ以外とはどこだろう。具体的な単語は浮かばず、ただほわんほわんとモヤだけが浮かぶ。顔が熱いな、脱ごうかな、と考えていると、五条が、「……いいよ」と言った。ぎゅっと結ばれた唇を見て、なんだか目の前がくらりとした。
    五条に合わせて、七海も立ち上がった。そっと肩に触れて、詰襟の厚い布地がじゃまだと感じた。

    「脱いでくれませんか」
    「は?! え、なに、なにを、」
    「いえ、その、暑そうなので、今日は暑いので、制服を脱いだほうが暑くないと思って、」
    「あ、うん、そっか、そうだな、制服な、暑いよな、」

    長い指がボタンにかかって、慌ただしく前が開けられる。中に着るものに指定はないが、一応学校推奨のシャツはある。ブロード織りの白シャツは五条の不遜な印象にはそぐわない気がしたが、似合っていた。詰襟が肩から落とされて、また、どきりとする。
    心臓の高鳴りのまま、手を伸ばした。五条は視線を落として黙っている。肩口に触れると、さっきより余程、骨と、筋肉の感触がした。
    こうして向かい合うと、不自然な状況に胸がふるえた。足と、手指も震えている気がする。心臓が口から出そう、というのはこういう状況をいうのだろう。五条は少し目を伏せ、赤い顔をして、黙って立っている。その体に、手を這わせる。シャツ越しに、五条の肌に。
    肩は薄く、尖っていた。手のひらを腕へと滑らせる。固い筋肉の感触がある。ゆっくり、肉を味わうように触れて、親指で、肘の内側をこする。五条が、ほんの少し、息を詰める。
    指を戻して、首筋に触れる。直接触れた素肌は熱くて、汗で湿って、その感触に驚いて、すぐに離す。ボタンをふたつ外したシャツの襟元があまりに蠱惑的で、そこに指を滑らせ、そのまま触りたい、という欲望は強烈すぎて、怖くて、苦しくなる。それでも指先は止まらず、シャツの上から鎖骨に触れる。骨をなぞると、五条が唇を噛む。体がかしいで、背後の壁にぶつかる。手のひらで、胸に触れる。鼓動がドキドキと伝わる。自由を奪うつもりなどなかったが、気づけば壁に押し付けている。手のひらひとつで。
    脇腹から下腹に動かそうとして、「まっ、て」と五条が言った。囁き声が色っぽくて、理性が薄まる。気づけば、はぁ、はぁ、と息が荒れている。
    五条は、壁に押し付けられて、少し俯いて、七海を睨んでいた。サングラスの上端から淡い青色の目が覗く。潤んで見えて、喉が、ごくりと鳴る。視線が逸らされて、捻じ曲げた首筋の白さが目を灼く。七海の手のひらを、五条は振りほどかない。

    「なんでこんな触り方すんの」
    「こんな、とは」
    「なんか、これ、……やらしい」

    やらしい、と綴った五条の口元に、目が惹きつけられる。ら、という時の舌の動きが、それこそ、いやらしい。

    「嫌でしたか」
    「やじゃ、ないけど、」
    「それなら、……もっと触りたいです」
    「…………っ、」

    五条は、軽く唇を噛んで、ぎこちない動作で、胸元の七海の手を退けた。これで終わりか、やりすぎたか、と焦っていたら、「オマエも脱げよ」と言われて、驚く。慌ててボタンを外し、制服を脱ぐ。二人分の詰襟が狭い机の上に置かれる。七海も、定番の白いシャツを着ている。
    再び手を伸ばして、今後は、そっと抱き締める。五条の体が強張るのが分かる。しかし抵抗はなく、ドキドキとうるさい鼓動に気を取られている間に、五条の腕が、同じように背中に回って来る。
    五条の体は、硬く、骨張っていた。やわらかくも華奢でもない、男の体だ。それでも、指で触れた背中の隆起、接している胸と肩、回された指の感触がたまらなくて、こうしているだけでぞわぞわとして、鮮烈だった。
    肩口に顔を埋めると、体の匂いがした。清潔なせっけんの匂いに汗の匂いが混じっている。男の体臭だが少しも不快ではなく、七海は、気づかれないように、すうっと深く息を吸い込んだ。股間がじわじわと熱くなる。どく、どく、と心臓が鳴って、うわついて、手足に力が入らず、どうかすればこのまま倒れこみそうになる。
    真昼の教室は、少し蒸し暑くて、しんとしていた。窓の外には曇り空が広がっていた。お互いの心臓の音が響いて、喉を塞ぐようだった。目の前に白い首筋があって、ほのかに紅潮して、色っぽいと思った。舐めたい、と思ってしまって、湧いた唾液をごくりと飲んだ。
    五条はとうとう、たまらないというように身じろぎして、笑おうとして失敗した細い声で、恥ずかしそうに言った。

    「オマエ、すごいドキドキしてる……」

    頬がカッと熱くなった。けれど、重なった胸が同じようにドキドキしているのに気づいて、引きつった息を無理やりに飲み込んだ。手のひらを滑らせて五条の胸に置くと、慌てたように手首を掴まれ、外された。七海は肩口から五条を見上げて、

    「アナタもですよね」

    と言った。もともと紅潮していた五条の頬が、見る間に赤くなっていく。

    「……キスとか、する?」

    そう聞いた五条の声は、うわずって、かすれていた。返事の代わりに、七海は顔をあげ、踵をあげて、唇を寄せた。五条の顔が近づいて、唇が重なった。
    頭が熱くて、くらくらとした。朝に見たあの唇にキスしているのだと思っただけで腹の底から歓喜が込み上げた。息が苦しい。五条の唇が小さく開いて、ほんの少し舌を出して、舐めた。前歯に当たって拒まれて、しかしこれだけで充分だと思った。
    唇と胸が重なって、密着して、熱くて、背中に回された手がたまらなくて、触れた背中がいとおしくて、シャツの生地をぎゅうと握った。もっと触れたい、と、たぐり寄せ、無心に手繰っているうちにシャツ生地がなくなる。衝動のままに進めた指先に素肌が触れて、五条の肌だ、と思った瞬間、手を掴まれて、離される。

    「オマエ……ッ、ちょっ、マジで、」

    胸を押されて引き剥がされる。七海はまだ触りたいままで、なぜ中断されたのか分からず、夢中で五条を捕まえようとする。五条が後ずさって、七海が手を伸ばして、軽く揉み合っていたところに、ガラリと扉が開いた。互いに虚を突かれて、七海は手を止め、五条は素早く身を翻した。机の上の詰襟をかっさらって、後ろの扉から逃走する。

    「遅くなって悪かった……あれ? 今、五条いなかった?」

    日下部は、怠そうに首を傾げてあくびをした。七海は教室の真ん中で立ち尽くしたまま動けなかった。
    「七海、どした?」と聞かれて、「なんでもないです」と答えながら、前屈みに机に手を突いた。素数を数えようとするが数字など散り散りに消え、代わりに、抱き合った体の感触、温もりと暑さ、間近の吐息や匂い、かすかな唾液の味などが、何度も何度も再生される。頭の中で、肌の上で。
    とうとうしゃがみ込んだ七海を見て、日下部は「オイオイどうした、腹痛いの? トイレ行くか?」と言った。トイレどころじゃない、と七海は思った。







    <謎時空で見守っている大人七五>
    「あんなんで勃っちゃう七海、かわいいね♡」
    「はっ倒しますよ」







    つづく?
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    七海建人は、授業を終えて高専の廊下を歩いていた。灰原は見たいテレビがあると言って先に寮に戻っており、七海は図書室で調べ物をしていた。さすがに腹が減ってそろそろ下校するつもりだったが、横の廊下から歩いてきた人物を見て、足を止めた。向こうも七海に気づいて、「あ」と立ち止まる。
    五条悟だった。すらりとした長身を高専の制服に包み、丸眼鏡をかけた姿にほんの少し違和感を覚える。「こんにちは」と挨拶すると、「ん」と返事がある。どこかぎこちない、と思った。

    昨晩、七海はおかしな夢を見た。やたらリアルで、音も色も匂いもあって、現実としか思えないような夢。その中で、七海は11年後の自分と、11年後の五条に会った。28歳だという五条は恐ろしいほどに外見が変わっていなくて、それでも大人らしい穏やかさと柔らかさを身につけていた。その彼と、セックスをした。

    「ひとり?」

    と、目の前の五条が言った。「はい。ちょっと調べ物をしていたので」と言うと、「ふぅん」と、聞いてきたくせに気のない反応だった。しかし、立ち去るかと思った五条は片手をポケットに突っ込んだまま、七海の方をチラッと見た。
    七海は、この五条に、キスさ 2445