紅色の悪夢王都が燃えている。
数えるくらいしかきた事がなかったがどうもそれが王都であることは確信していた。
この国の王はいなくなった。しかし王がいなくてもここにはたくさんの民が住んでいるのは変わりない。
女帝は王国そのものを滅ぼそうとしているのだ。
赤い炎があちらこちらで噴き出していて出してまるで煉獄のようだ。
また一人、そして二人と敵兵を殺して屍を積んだ。この道を選んで、進んだ。それだけだ。
燃え尽きた建物から煤と灰が髪と顔を黒く汚し、敵を斬ってかかった返り血は服に模様を描いた。
これが終わればどんな未来が待っているのだろう。一般兵に紛れて、その影には懐かしさを覚えた。
「・・・もう十分でしょう。王も、民も、誇りも全て奪ったんだ・・・。これ以上この国から何を奪おうって言うんですか?・・・!」
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