Shinon @ysnr6love佐真/真マコの二次小説R18部分をあげる可能性があります。未成年の方は閲覧しないで下さい。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 24
ShinonREHABILIお嬢とじいじ⑧/真島家と家族になる佐【終】「俺が死んだって覚えちゃいねぇだろ。まだ二歳なんだからよ」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。一旦完結です。ありがとうございました!お嬢とじいじ⑧「おどれ…!何や筋が真島に似とるやないか…っ」 「そ?俺もすっかり奴の色に染められちまったってことか」 嶋野は思わずチッと大きく舌打ちをした。 「妬くな妬くな大叔父ちゃま」 「うっさいわ」 さて、佐川司が我が家に戻ったのは実に四時間後であった。嶋野太から連絡を受けて飛んできた真島吾朗に引きずられて帰ってきた彼は、そのまま居間に正座させられて散々に叱られた。傷だらけのじいじの変わり果てた姿にお嬢は絶叫し、真島は額に青筋を立てて怒鳴り、マコトは唇を引き結び無言で傷の手当をしている。 「だってよ」 佐川は腫れた頬を冷やしながらぼそぼそと言う。 「だってもクソもないねん!殺されとったかもしれへんのやぞ!」 お嬢は佐川の膝に取りすがって彼の血だらけの膝をべしべし叩いている。正直かなり痛い。やがて彼らの怒りは嶋野太の血判付きの書を見て最高潮に達した。それはかつての契約を書き直したものであった。 3205 ShinonREHABILIお嬢とじいじ⑦/真島家と家族になる佐「お前さんもしぶてぇな。こうなりゃとっておきのブツを出すしかねぇ」佐川司は勝気に唇を歪めた。「何する気や。もうおどれの指はいらんで、兄弟」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ⑦「さてさてさて」 佐川は両手を揉みながら独り言ちた。中折れ帽子を目深に被り、新しいトレンチコートを身にまとう。中身はばっちりスリーピースで上品に決めていた。お嬢の大好きなリンゴを切ってやるために活躍する果物ナイフはこの日のために鋭く磨き上げていて、懐にしまってある。これはホーリツに違反しているだろうか?いやどうだか。彼はこれからちょいとお嬢のために骨を折りに行くだけだ。首尾よくいった暁には無事に帰って蜜がいっぱい入った美味しいリンゴを買って帰れるだろう。大きな意味でとらえれば、この果物ナイフはその時のためのものなのだ。 「ちょいと出かけてくるよ」 居間にひょいと顔を出して声をかける。真島はどこぞに電話をかけていて、マコトは娘を膝にのせて絵本を読んでいた。二人とも今日は珍しく休みが重なっていたのだ。 3565 ShinonREHABILIお嬢とじいじ⑥/真島家と家族になる佐「好きなだけ泣きゃあいいさ。こいつはあんたと真島ちゃんが苦しい頃に、泣こうにも泣けなかった分を代わりに泣いてくれてんだろ」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。ギリ全員生存ifお嬢とじいじ⑥赤子の泣き声が聞こえた。もう二時間は泣き続けている。夜も一時を回っていた。彼がここで一番広い部屋に軟禁されている間に察したところによると、真島はどんなに早くとも五時より前に帰ることはない。彼は音を立てぬように帰ってくるとシャワーに直行し手早く身を清めるとすぐさま寝室に引き込んで赤子を妻から取り上げる。夜通し頑張った彼女を少しでも寝かせるため、居間か外へと赤ん坊を連れ出しているようだった。数時間寝た母親がずるずると寝床から這い出て来て赤ん坊を受け取ると、真島はそのまま居間でつっぷして寝ていることもあるようだ。佐川が朝のコーヒーを飲みに出ると彼がソファの足元で洗濯物に囲まれながら死体のように転がっているのを時折見かけた。 2996 ShinonREHABILIお嬢とじいじ⑤/真島家と家族になる佐「ぢぃぢ…」きゅうと背中にふかふかの頬を押し付けられて、佐川は「ん?」と目の前の冷蔵庫の中身からは目を離さずに唸った。「あーちてる、でェ」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ⑤車は峠を抜けて高速に入った。薄くたなびく雲が青空をゆったりと泳いでいく。暫く経った頃、運転手が遂に口を開いた。 「兄貴、そろそろ佐川の叔父貴に休憩して頂きますか?」 「せやな。そうしよ。うちの西田は気ぃきくやろ。俺が組いた頃からの付き合いでのう、未だにこないして用聞きしてくれんねん」 「真島の兄貴には本っ当に世話になりましたから!正直兄貴にはあのまま俺らの組長になって欲しかったんすけど…でも、俺らは兄貴が幸せならそれでいいっす!…佐川の叔父貴、お煙草でもご用意しましょうか?」 運転手はさきほどその兄貴を殴った時は何の口もさしはさまなかったのに、まるで何事もなかったかのような調子で弟分面をしている。随分とよく教育されているようだ。 3491 ShinonREHABILIお嬢とじいじ④/真島家と家族になる佐「お、生きとるやないか」大きな欠伸をしながら真島は冗談めかして言った。「んだよ死んで欲しいのかよ」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ④二人の間に暫くの間沈黙が下りた。運転手は一言も口をさしはさまないまま、車は峠を下り始めている。 「何考えてんだよ、お前」 漸く口を開いたのは佐川の方であった。 「そんな馬鹿な条件飲みやがって──わからねぇのか?出来るわけねぇことばっかり並べ立てて、嶋野はお前がいずれ泣きついてくんのを待ってんだよ。金が払えねぇ、嫌がらせを受けて近所で噂になる、そんなことにカタギの女が耐えられると思うか?おまけに何だ、子供だと?どうしてそんなこと…せめて、──ああ、畜生」 佐川はやがて何もかも手遅れであることに気が付いて後の言葉を全て飲み込み項垂れた。 「…そない心配してくれるやなんて意外やのう」 しかし真島の方は落ち着いて佐川を可笑し気に眺めている。 2081 ShinonREHABILIお嬢とじいじ➂/真島家と家族になる佐「何で指全部揃ってんの、お前。嶋野の兄弟がこんなこと許すわけねぇじゃん」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ➂車はぶんぶんと逞しいエンジン音をふかしながら走り出した。 「まずはお勤め、ご苦労さんでした」 「はぁ、どうも」 居住まいを正し両手を膝に置いてこうべを垂れるかつての犬に佐川はどんな顔をしていいかわからぬまま曖昧に頷いた。十年前、全ての責任を取らされて弾かれることが確実であった彼は苦肉の策で自首を選んだ。佐川組を解散し、残された子らのことを僅かでも関わりのあった他の組長らに頼み込んでからの自首だ。彼自身の罪もそうでない罪も丸ごと被ることで幕を引こうとの算段で、会長も表面上は納得して見せた。下されたのは十五年の刑期。だが模範囚として勤め上げた彼は本日晴れて仮釈放となったのだ。最初の五年ほどは何度か刺客が送り込まれたがうまく潜り抜けてきた。近江は結局彼を許していないのだろう。シャバに出ればいつか殺されるのはわかっている。誰にも関わるべきではない。それなのに。 3015 ShinonREHABILIお嬢とじいじ➁/真島家と家族になる佐「マコトちゃんに頼まれたんだぜ、殴っても蹴ってもいいのでどうか吾朗さんを起こして来て下さいってよ」「言うか!」真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ➁カーテンの隙間から柔らかな光が降り注ぐ。その薄明りに優しく顔を撫でられた真島は未だ固く目を閉じたままにしてきゅっと眉を顰めた。さきほどまで何か苦しい夢を見ていたような気がしたが、もうよく思い出せない。そっと腕を伸ばし、隣で丸まっているはずの恋しい温もりを探しつつ彼は眠たげに呟いた。 「マコトぉ…」 ぱた、ぱた、と腕がシーツの上を空しく掻く。柔らかな身体をぎゅっと腕に抱きながら目覚めたかったのに、どうやら彼女は先に起きてしまったようだ。起こしてくれといつも言うのに、日付が変わってから帰ってきて泥のように眠りに落ちる夫を早朝から揺り起こすことにどうしても躊躇いのある妻は、今朝も早々に諦めてしまったのだろう。どんなに疲れていても家族と一緒に朝飯を食う。これは真島の意地なのだ。それなのに。真島はぷすんと頬を膨らませた。 3031 ShinonREHABILIお嬢とじいじ①/真島家と家族になる佐久方ぶりのシャバの空気は、むせ返るような下水の匂いがした。真マコ夫婦の娘ちゃんにじいじと慕われる生存if佐のお話です。全年齢。お嬢とじいじ①ほにゃ、とそいつは微笑んだ。つんと尖った唇で。 「抱いたってや」 そんなこと、出来るわけがない。この手は汚れすぎている。脅し、傷つけ、騙し、苦しめ。数々の人生を容易く狂わせ堕としてきた。他人から何かを奪い続けることしか知らない、穢れた手。 「あんたに、抱いたって欲しいねん」 思っていたより、ずっと重い。ずしりと熱く重たいのに、ふと目を離したら天に駆け上ってしまうのではないかと思うほどに、ふわふわとして、綿のようでもあって。 「だ、めだ。真島ちゃん」 手の震えを抑えながら、親と盃を交わした日。虐げられずに生きるために。生き続けるために。 「なぁんや。近江で長年極道張って直参にまで上り詰めたあんたが、赤ん坊抱くだけでそないに震えるやなんて」 2207 ShinonTRAININGテレビをあまり見ない真と、その理由を知った佐の佐真「お前あんまりテレビ見ねぇよな。映画とか興味ねぇ?」「そんなことないで」※キャラクターや時代背景を鑑みて一部不適切な用語の使用が含まれます。視力にまつわる佐真の散文佐川司は欠伸を噛み殺しながらリモコンを手に取ると何の気なしにチャンネルを回した。ニュースも粗方終わっていて、くだらない深夜番組ばかりの時間だ。既に砂嵐になっている局もある。ザッピングを繰り返していく毎に喧しいコマーシャルが静寂を裂いた。佐川は手元の新聞を手に取るとざっとラテ欄に目を通し、ちびりとウィスキーの水割りを傾ける。 「相変わらず暇そうやのう」 いつの間に帰ってきていたのか。ちらと顔を上げると奇天烈な恰好をした不審者が呆れた様子で立っていた。豪奢な蛇柄のジャケットから逞しい胸を露わにしたその男は、やれやれと腕を組みながらこちらを見下ろしている。 「そりゃ暇だよ、やることないんだもん」 佐川はつまらない留守番の時間が遂に終わりを告げたことに気づいてにんまりと口角をあげた。 3294 ShinonMAIKING真マコ散文①「舌…ええか」真島はこうして、何をするにも必ず彼女に問いかける。狭い部屋で身を寄せ合って貧乏暮らしする二人のお話。 1810 ShinonREHABILIレテの水底番外編/記憶喪失佐真「ママ、マフィア」佐川は指でピストルを撃つ真似をしてやり、善良な母親から危うく警察を呼ばれかけた。レテの水底シリーズにスタンプ、いいね、ご感想、イラストなどを送って頂き本当にありがとうございました!御礼になるかわかりませんがレテの水底本編中の出来事についての短編を書きました。R18です。password: 成人していますか→yes/no 3845 ShinonREHABILIレテの水底㉒/記憶喪失佐真【終】「俺を切り捨てる覚悟もねぇような奴が、極道の世界で生きていけると本気で思ってんのか」狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。全年齢。最終回です。お付き合いいただき本当にありがとうございました!書くのとても楽しかったです。レテの水底㉒/記憶喪失佐真「先に地獄で待ってるぜ、兄弟」 呪いの言葉を背に受けながら、嶋野はひょいと手をあげひらひらと振ると己が部屋を後にした。 「……佐川…ッはん」 「お前、さ…」 嶋野の足音が遠のいて漸く腕の中の彼をまともに覗き込んだ真島の言葉を遮るように、佐川は嗄れ声で彼を呼んだ。 「よくやった……偉かったよ、ほんと」 それを聞いた途端、不意にどっと全身から汗が噴き出した。佐川の血と己の汗でドロドロに濡れた首元をトントンと震える手で宥められながら、真島は唇を噛む。佐川司に褒められた。実際彼に初めて陰茎を舐められた時の五百倍は驚いて、一千倍は「幻聴か?」と己の耳を疑っている。 「はは、何てツラだよ。やめてよ笑うとあばらが痛ぇんだから」 3498 ShinonREHABILIレテの水底㉑/記憶喪失佐真「先に地獄で待ってるぜ、兄弟」狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。流血シーンあり注意 2364 ShinonREHABILIレテの水底⑳/記憶喪失佐真「ワシはただ質問さしてもうただけやで。『真島はお前が生きとることをいつから知っとったんや』てな」狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。執着十人十色。 1650 ShinonREHABILIレテの水底⑲/記憶喪失佐真「お前さんだろ、俺売ったの」狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。全年齢部分です。 1157 ShinonREHABILIレテの水底⑱/記憶喪失佐真じっくりと死体を検分した結果、『佐川司は死んでいる』という事実を彼は、遂に認めざるを得なかった狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。全年齢部分。暴力を匂わせるシーンが含まれます。 1527 ShinonREHABILIレテの水底⑰/記憶喪失佐真『いつまで死体と遊んでんの』狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。R18です。password: 成人していますか?→yes/no 1959 ShinonREHABILIレテの水底⑯/記憶喪失佐真出来ればまた、この子を愛してやりたかった。狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。R18です。password: 成人していますか?→yes/no 2117 ShinonREHABILIレテの水底⑮/記憶喪失佐真『それってほんとに俺か?』狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。全年齢部分です 1830 ShinonREHABILIレテの水底⑭/記憶喪失佐真「目ぇ閉じろって言ったのに。言うこと聞けねぇ悪い子なの?」狂犬が記憶喪失の元飼い主と過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。R18ダッッ俗にいう攻めふぇ…という奴が含まれているので苦手な方は逃げてください。password: 成人していますか?→yes noの方は進んではいけません 2182 ShinonREHABILIレテの水底⑬/記憶喪失佐真「佐川はん、今、寝言で、俺をちゃんと呼んどった」組に復帰して三年。町でチンピラに絡まれていた男を助けた真島は、それがかつて己を飼い殺していた憎くも忘れ難い男であったことに気が付いた。しかし男の方は真島のことどころか自分の名前すら忘れていたのだった──。記憶喪失の元飼い主と元飼い犬が過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。 2684 ShinonREHABILIレテの水底⑫/記憶喪失佐真組に復帰して三年。町でチンピラに絡まれていた男を助けた真島は、それがかつて己を飼い殺していた憎くも忘れ難い男であったことに気が付いた。しかし男の方は真島のことどころか自分の名前すら忘れていたのだった──。記憶喪失の元飼い主と元飼い犬が過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。ここからR18が多くなってくるので公開形式変えました!今回は全年齢です。レテの水底⑫/記憶喪失佐真「なぁ、おい」 地面に敷かれた粗末なむしろの上に這いつくばって嗚咽する真島の横にぬっと現れた佐川は、ぐりりと杖の先を彼の脇腹に食い込ませてきた。発した唸り声はかつての色を孕むかのように思われて、真島は縋るように元飼い主を見上げる。だが見上げた先にあったのは、よく知らない青年の突然の奇行に引いている初老男性の姿だった。 「君さ…急に怒り出すのやめない?おじさんも年いってるし君みたいなのが特別怖いってわけじゃないんだけど、やっぱりちょっと「うわっ」て思うよ」 一緒に住もうってんだから尚更さ、と彼はかなり嫌々と言った感じで真島の背をぽんぽんとよそよそしく叩いた。 「あーあ。お前さんにとってはゴミでもさ、おじさんにとっちゃ大事なモンだって言ったよね?何でこんなことすんの。酷いじゃん。俺なんかしちゃった?」 2687 ShinonREHABILIレテの水底①-⑤/記憶喪失佐真組に復帰して三年。町でチンピラに絡まれていた男を助けた真島は、それがかつて己を飼い殺していた憎くも忘れ難い男であったことに気が付いた。しかし男の方は真島のことどころか自分の名前すら忘れていたのだった──。記憶喪失の元飼い主と元飼い犬が過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。①-⑤全年齢 6 ShinonREHABILIレテの水底⑥-⑪/記憶喪失佐真組に復帰して三年。町でチンピラに絡まれていた男を助けた真島は、それがかつて己を飼い殺していた憎くも忘れ難い男であったことに気が付いた。しかし男の方は真島のことどころか自分の名前すら忘れていたのだった──。記憶喪失の元飼い主と元飼い犬が過ごした、甘くも苦い不毛な日々の話。⑥-⑪R18あり。Password:成人していますか?→yes/no 6 1