そこが下衆と「ではお薬を送りますね、ミスタ・ニコルズ」
「ありがとうございます」
通話が終わったらしい。一人で通話をする場合は余程のことか、それとも定期的なオンライン診療か。モクマが読んでいたニュースペーパーを下ろすと眼前のソファにチェズレイが座っていた。
「大分時間かかったね」
「医師の所見に時間がかかっただけですよ」
「それでも普段より長い。どこか不調だね、チェズレイ」
捕らえて逃がさない、意志をもった眼にチェズレイも視線を反らせなかった。
「俺に教えちゃくれんかい。ついでにゴミ箱にあるコットンパフの理由。お前さん、化粧にはコットンパフ使わなかったのにこの数日、具体的にはルークからの電話の後から、かな」
「……」
「俺にできることならなんだってするよ」
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