スタリオンと坊ちゃん三叉路の端に座り込み担いできた荷を肩から下ろす。
きっと近い。
そんな予感がしたものだから、瞼下ろし静かに閉じた暗い視界の中。
まるで遠くを見るように視力ではなく感覚を、染み渡る水を想像しながら広げて伸ばす。
空では無く地でまたたく、世界でリオだけが知るあたたかな星たちを、探すように。
赤月での戦いの中、すがる様に探した百を超える星たちは。
ビクトールの様に今はもうすっかり追えなくなった光もあれば、生まれて初めてひかり灯したほたるのその、淡い明滅の様に今も柔らかく存在を教えてくれる星も居る。
そしてリオが今一番会いたいかの星は、いつだって彗星のごとく、流れ星の様に。たなびく光の余韻を引き連れて、渡り鳥の速度と自由さで地を駆ける。
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