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    yurikoARASHIANS

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    yurikoARASHIANS

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    まだまだ途中だけど出来た所まではすぐに見て見て~ってしちゃう🤗大正時代っぽいidaoちゃんの続き。

    #イダアオ
    #いだあお
    father-in-law
    #idao
    #keki

    傷落ちの雄花~③~ 変なわだかまりが抜けた青木は、ますます友人のように浩介に距離を詰めてきた。歳近い男同士、話が出来るのが素直に嬉しいのだろう。

    ゆるりと二人だけの時間を重ねていくうちに、自然とお互いの緊張も取れて、青木も浩介も、互いに時折柔らかな表情を見せるようにまでなった。話が盛り上がればカラカラと軽快に笑う。「こんな笑い方をするのか…」新たな一面を知っていくことは、お互い当たり前に嬉しく思った。
    一見似た者同士な二人にも見えるが、一方の青木はこの表情の裏では心が不安定になりがちで、先日のような貧血で倒れる程ではないものの相変わらず出血騒ぎは度々起こすし、買い物に出ればまた闇市で劇薬を入手しようとし、浩介に説教される始末…しかしいざ筆を持つと最大限の力を発揮する。今まで出会ったことのない、意外性に跳んでいて時には振り回される状況になることも何もかもが目新しく、浩介は一緒に居る時間と平行して青木の魅力にどんどん取り憑かれていった。

    「この高さ、丁度良いな」
    いつの間にか、筆に疲れたり、原稿が無事に仕上がった時は浩介の膝枕で一休みする事が青木の日課になった。浩介は最初は驚いていたものの青木の強引さに押され、渋々受け入れるようになったのだ。日が経つうちに浩介の手は、自然と青木の髪に導かれた。触れると驚くほどに柔らかな手触りで、いつまでも撫でていたい、不思議な情動に駆られつつも穏やかに過ごす日々が続いた。

    とある日も浩介は、執筆が一段落し、脱力しきって膝枕で寝る青木をいつものようにか弱い小動物でも愛でるように撫でていた。…が、この日はいつもと状況が違った。すやすやと寝息を立てる青木の着合わせが着崩れていて、いつもより胸元が大きく開いている事に気付けば途端に目を奪われ、今まで味わった事のない思いに動揺していたのだ。
    冷や汗が出る、鼓動が高鳴る、顔も熱くなり、撫でている手付きが緊張で堅苦しくなる…。
    「先生…」
    まるで金属が磁石に引っ張られるように自然な動きで青木との距離を近付けていく…介抱した時には手当てに夢中で気付かなかった、ふわりととても良い、男性から香るとは思えない芳しい匂い…ますます惹き付けられていく…
    「ん…うう…」
    屈んだせいで少し膝が動いてしまったのか、青木が目を閉じたまま呻いた。浩介の唇と、青木の頬まで後一寸、浩介は自分の行動に驚き、即座に顔を離した。
    まだ寝続けている青木に心から安堵する。
    「俺…、先生に今何をしようと…?」
    冷静になった頭とは逆に、心臓の音はなかなか鳴り止まなかった。
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