Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    3h1364rYPW5q2mO

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    3h1364rYPW5q2mO

    ☆quiet follow

    曦澄ワンドロワンライ。第三十三回。お題。旅。
    開催ありがとうございます。
    過去と現世を行き来させてみました。
    うまく伝わるといいなぁ…。

    #曦澄ワンドロワンライ
    eiChengWangdrooWanglai.

    過去と現世の狭間で宗主の執務を全うし、余命も短くなった江晩吟は先立った藍曦臣の後を追うように息を引き取った。
    蓮の花が咲き誇る暑くなりそうな早朝に江晩吟の命は終わりを迎えた。

    二人が生まれ変わった現世では、海岸沿いの道路の急斜面の道を自転車で2人乗りをして藍曦臣が自転車を漕いでいる。
    藍曦臣の腰に両腕を回し、しがみついている江晩吟は声を上げて高らかに笑っている。
    江晩吟が現世でやってみたかった二人乗り自転車。
    太陽が照りつける季節。生暖かい風が自転車で道を下るときに吹いて髪がなびく。
    額と首に流れ出る汗をタオルで拭き取りながら海辺へ向かう。
    車はレンタカーを借りて駐車場に停車しているが、江晩吟がレンタル自転車の借り出しを見つけて

    「自転車に乗りたい」

    と言ったのが切っ掛けで、二人とも交代交代で自転車を漕いでは登ったり下ったりを繰り返している。
    車や電車社会の現代社会で、非日常を味わいたいという事で、海へ旅行へ来ている。
    海は蓮花塢の畔を思いおこさせる。
    というわけで、非日常を味わうということで自転車に乗っては、汗は出るが年甲斐にもなく楽しんでいる。
    自転車を漕いで汗をかいたあとは、靴を脱ぎ捨てて波しぶきに身を任せて子供みたいにきゃっきゃっと騒ぐ江晩吟。
    波しぶきにうたれた後は、上半身裸になり、海水パンツに着替えた江晩吟。
    海水浴場ではしゃいでは、綺麗なターンを披露しながら水飛沫をあげてクロールで泳いでいる。
    泳ぐ姿をビーチパラソルの日陰の中から微笑ましく目を細めながらみているのは藍曦臣。
    筋肉質な体質で、やはり、眉目秀麗ということもあり、他の女性から声をかけられたりもしているが、やんわりと断っている。
    藍曦臣の目には人魚姫みたいに美しく水の中で踊るように泳ぐ江晩吟の姿しか映っていないのだ。
    海辺の砂浜の波しぶきに連れられるかのように藍曦臣も海水浴場へと泳ぎにやってくる。

    「江澄、貴方は泳ぐ姿も美しいです」
    「女性から声をかけられていたのによくそんなことが言えるな」
    「私の瞳の中には江澄しか映っていません。信じていただけますか?」

    江晩吟は藍曦臣にははっと笑いかけ、濡れた髪を掻き上げる。
    正にその通りだ。
    日焼け止めも塗らず泳いでいる姿を江晩吟を熱い眼差しで見つめていたのは藍曦臣だけ。
    藍曦臣は江晩吟を目で追い続け、真夏の誘惑を抑えながら水も滴る麗しの姿を眺めていた。

    「信じるさ。藍渙の下半身が我慢ならないと言っているのが証拠だ。だが、夜までお預けだ。俺はまだ泳ぎたい」
    「分かってましたか…今すぐにでも岩穴に隠れて誰もいないところで抱き合いたいです」

    抱き合いたい…藍曦臣の不埒な考えは今の江晩吟には通用しない。
    江晩吟は時間も現実も忘れてただ一心不乱に波の飛沫を浴びて泳ぎたいのだ。
    こうして、真っ赤な夕陽が波の色と空の色を染め上げるまで水平線に夕陽が沈むまで、気が済むまで、江晩吟は時間を忘れて泳ぎ続けた。
    蓮花塢で産まれ育って畔で泳ぐ生前の過去を思い出すかのように、ただただ、泳ぐ姿は美しかった。

    夜。
    誰もいない海辺に二人で来ては、江晩吟が藍曦臣の肩に寄り添っている。

    「…海に連れてきてくれてありがと」
    「海に行きたいって言っていましたからね。日常生活を忘れて楽しめていますか?」
    「うん…藍渙、今夜は寝かせないで抱いてほしい」

    頬を赤らめながら照れ臭そうに普段言わない言葉を江晩吟は言ってみた。
    夏の解放感は人を大胆にさせるのかもしれない。

    「可愛い人ですね」

    藍曦臣は江晩吟の頭をよしよしと撫でる。
    愛おしくてたまらない大切な人。
    こうやって時間を共にできることが何よりの幸せ。
    過去は立場もあり素直になれなかった。
    現世でお互いに生まれ変わって、恋人同士として傍にいる。
    片時も離れたくない。
    二人きりでいるときだけはどうか夢をみてた過去を現実として受け入れさせて下さいと、二人は、神に誓った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺❤❤❤👏👏👏👏👏👏❤💖💖💖😍💯👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    takami180

    PROGRESSたぶん長編になる曦澄その5
    兄上はおやすみです
     昼時を迎えた酒楼は賑わいを見せていた。
     江澄は端の席から集まる人々をながめた。
     やはり商人、荷運び人の数が多い。
     川が使えないといっても、この町が交通の要衝であることに変わりはない。ここから馬に乗り換えて蓮花塢へ向かう者も多い。
     まだ、活気は衰えていないが、川の不通が長引けばどうなるかはわからない。すでに蓮花塢では物の値段が上がっている。これ以上、長引かせるわけにはいかない。
     そこに黒い影が駆け込んできた。
    「お、いたいた、江澄!」
    「魏無羨!」
     彼は江澄の向かいに座ると、勝手に酒壺をひとつ頼んだ。
    「何をしにきた。あいつはどうした」
    「んー、ほら、届ける約束だった写しを持ってきたんだよ。藍湛は宿で沢蕪君と話してる」
    「何故、お前たちが来るんだ」
    「写しだって、蔵書閣の貴重な資料だから、藍湛が届けるんだってさ。俺はそれにくっついてきただけ」
     魏無羨はやってきた酒壺を直接傾け、江澄の前の皿から胡瓜をさらっていく。
     江澄は茶碗をあおって、卓子にたたきつけるように置いた。
    「帰れ」
    「藍湛の用事が終わったら帰るさ」
     魏無羨がまたひとつ胡瓜をつまむ。
     江澄は苛立ちを隠すこ 2255

    takami180

    PROGRESS長編曦澄その8
    スーパー無自覚兄上
     ——ところで、雲深不知処では葉が色づきはじめました。かわいらしい竜胆の花も咲いています。
     竜胆を見ているとあなたを思い出します。あの美しい紫はあなたの衣の色にそっくりです。
     そういえば、蓮花塢はまだ夏の終わり頃なのでしょうか。
     魏公子が寒くなるのが早いと言っていました。忘機が魏公子のために毛織物の敷布をいつもより早く出していました。
     あなたも今頃に姑蘇へいらしたら、寒く感じるのでしょうか。
     もう少し秋深くなったら、一度こちらへおいでください。見事な紅葉が見られますよ。
     
     藍曦臣ははたと筆をとめた。
     危ないところだった。また、「早くあなたにお会いしたい」と書くところだった。
     しばし考えて、「そのときはまた碁の相手をしてください」と結んだ。
     これで大丈夫だろう。友への文として及第点をもらえるのではないだろうか。
     最初の文は散々だった。
     雲夢から姑蘇へ戻ったその日から、三日続けて文を出した。そうしたら返事は来ずに、四日目に本人がやってきた。借りた文献を返しにきたついでにと、面と向かって返事をもらった。
     まず、返事が来ないうちに次の文を出さない。それから、必要以上に 2210

    refrain0411

    DONE魏無羨が居なくなって1年後くらい(藍忘機は面壁中。)
    曦臣→江澄の状態

    初参加です。1時間でまとめるのって難しいですね…
    何度も書きながら混乱して、お題に沿っているのかも怪しい気もする…💦
    1時間で描いたり書いたりされる皆さんを今まで以上に尊敬しました。

    誤字脱字もあるかと思いますが、とりあえずはこれが私の1時間の実力だと言うことで💦
    失せ物江澄は夜狩に来ていた。今回は雲夢と姑蘇の丁度中間地点で邪祟が現れたため両家に夜狩の要請があった。
    問題なく、夜狩は終わった。時々、鬼道を使う者と遭遇し奪舎されていないか紫電で確認するが、魏無羨の手がかりもなければ、奪舎されていた者もいなかった。
    今回の夜狩ではそんな鬼道の使い手すら見つからなかった。
    江澄と藍曦臣は宗主同士であり、夜狩の後に2人で話をしていた。
    地元の住民が助かりましたと、仙師に贈り物をすることはよくあることだ。
    今回はその贈り物が一風変わったものであった。

    「仙師様は、おみくじというものを知っておるかい?」
    「おみくじですか?」

    藍曦臣がお婆さんに話しかけられている。

    「占いみたいなものさ。これ、よく当たるんだよ。普段なら金を取っているんだが、仙師様達には助けられたからね、一つずつ持っていってくれ。私ゃ、他に食べ物や差し出す物が無いんで、貰ってくれるとこちらも嬉しいのさ。」
    1944