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    omoti_022

    ☆quiet follow
    POIPOI 19

    omoti_022

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    煙草とキスの話。
    K暁がちゅーしている。あきくんが唾液ものむ。kおじの肉体アリの謎時空。

    香る煙草の匂い。自身は吸わないのに、KKと常に共にいることで覚えてしまった匂いだ。
    離れていても、匂いひとつでKKの存在を感じる事が出来る。そればかりか、唇を合わせると、彼と味覚を共有しているような感覚に陥る。それが、暁人にとってはたまらなく嬉しいことだった。

    「ん…ぁ、ふ……け、けぇ…もっと…」
    「フッ…ほら」
    「んぅ…ん、ふ……」

    トロリととろける瞳で強請ると、KKは楽しそうに口角をあげて応えた。
    再び口付けられ、KKの首に手を回す。舌が痺れる程に没頭し、彼の全てを求めた。

    また、KKとひとつに成りたい。僕の中に入って欲しい。僕からいつまでも離れないで。僕をひとりにしないで。

    浮かんでは溜まっていく、いつまでも満たされない欲望。純粋で、欲深いそれを、口付けと不埒な行為で満たそうとした。けれど、穴の空いた壺のように、満たされた傍から無くなり、また次を求める。
    終わりのない欲に、暁人は気付かずに溺れていた。
    それを、KKは傍観していた。時折餌を与えてはいるが、自分に溺れる子が愛しくて仕方なかったのだ。

    「ふぁ…けぇけぇ……んっ、んっ…….」

    飲み込めなかった唾液が顎をつたい、地面に落ちる。それさえ分からないほど、暁人は口付けに無我夢中だった。

    「はっ…はっ…けぇ、け…おいし…」
    「…口開けろ、暁人」
    「ん、あ…」

    はふはふと息をつき、KKを味わう可愛らしい獣。従順に口を開けたその姿に、KKは笑みを隠すことなくご褒美を与えた。
    とろぉ…とKKの舌から伝う唾液が、銀の糸をつくりながら暁人の口の中に零れた。それを、こくりと。苦くて、濃厚なかおりのするKKの。歓喜で包まれる暁人は、大事そうに飲み込んだ。

    「美味いか?」

    KKが問いかける。たっぷりの熱と甘さを孕んだ声で。
    暁人はそれに、迷いなく頷いた。

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    りんご

    DONEK暁デー、初デート。K←暁のようでK→〈超えられない壁〉←暁です。
    理想のデート像を黙って実行するおじと、訳も分からず振り回されるあっきーの話。
    過去それなりに色んな話を書いてきましたが、ぶっちぎりで砂糖吐きそうな話になったと思います。けけは所々横暴だしあっきーはちょっと暴走気味です。そんな二人の初めてなんて、絶対事件になるに決まってるじゃないですか(笑)
    閻魔帳のきれはしには(1)


    待ち合わせは、やっぱり駅前かなあ
    ベタなのは分かってるよ! でも後に来る僕が気になって、その後ろ姿がどこかそわそわしてるの、きっとかわいいなって思うんだろうな


    ◆◆◆◆◆


    『KK

    今日午前11時。渋谷駅北側に集合。』


    凝り固まった肩を回しながら、ネオンが薄まりゆく都会の路地を暁人はゆったりと歩いていた。長期の仕事が終わって漸くまともな寝食にありつけると思えば、心も穏やかになる。
    こんな職業なので、どうしても一日の行動が普通のそれとは大きくずれ込む時がある。今日はそういった日で、数日掛かりの依頼を何とか終わらせたときには、すっかり空が白み始めていたのだ。

    自分の名前をした空を背にしながら、暁人は連絡のためにスリープモードにしていたスマホを起動させた。そこに表示される、送り主と簡素な一文。暁人が首をひねるのも無理はない。めったに文字でのやり取りを行わない人物から突然こんなものが来たら、誰だって困惑するだろう。自分がいない間に向こうで何かあったのかもしれない。それにしても……メッセージ? 凪いでいた心情の波が僅かに揺れて―――まあいいか、と持ち直した。暁人が暁人たるゆえんは、この微妙な状況に対しての構えがやたら大きいことである。波乱万丈な生い立ちのせいで大概のことは受け流せるようになった結果だった。
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    らいか⛩

    DONE25日はK暁デーのお題「犬or猫」です

    素敵なお題ありがとうございました!
    とても楽しかったです
    「お、いたいた、俺の話聞いてくれるか?」

    煙草を吸いながら隣に来た中年男は自分に目もくれず話し始めた。
    聞いてくれるか?と言っているが実際返事を聞く前に語り始めているのを見ると聞かないという選択肢はないようで男をジッと見つめる。

    「俺の恋人兼相棒がそこにいるんだが、あいつはやたらと犬や猫に好かれやがる。あの日も…おっと、あの日って言ってもわからんだろうが、簡単に言えば命懸けの共同作業をしたんだよ。で、あの日もあいつは犬を見たらドッグフードを与え猫を見たら撫でたり声をかけたりと俺が引くぐらいさ。つまり恋人さまは根が優しくてなぁ…そこにマレビトも妖怪も寄っちまう程で俺ぁ心配でたまんねぇ。今もマレビトに怯えて逃げてた犬やら猫がマレビトを祓ったお陰なのか戻って来て恋人さまを奪いやがる。正直面白くねぇな。あいつの良さと言えば聞こえはいいが、俺だって…あ、いや、なんでもねぇ。……話を戻すが、俺は犬や猫に好かれねぇ質でな、こっちには来やがらねぇ。俺にとっちゃ良いことだがな。おい、今苦手なんだろとか思っただろ?苦手じゃねぇよ、あいつらが俺を苦手なんだ。そんなに好きなら自分家で飼えばいいだろって言ってみたがたまに触るから良いんだとよ。本当に人並みの好きなのか?まぁ、そこはいい。別に議論するつもりもねぇしな。っと、俺は餌なんて持ってねぇよあっちいけ」
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