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    azusa_n

    @azusa_n

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    azusa_n

    ☆silencio seguir

    モクルク。エイプリルフールに通話する話。クリア後時空。

    「もしもし、ルーク」
    「モクマさん! お久しぶりです」
    「そっち何時だっけ。今電話大丈夫?」
    「こっちは今4月1日になったところですね。 ……明日はお休みなので少しくらい夜更かししても大丈夫ですよ」
    「そっか、ならよかった。 最近どう?」
    「最近、ですか。 ……あ、近所にミカグラ式のイザカヤが出来ましたよ。 結構本格的でおいしいです」
    「そいつはいい。 こっちもしばらくしたら纏まった時間取れそうでさ。 お前さんトコ遊びに行こっかなって思ってて。 そしたら一緒に行こっか」
    「はい、是非とも! 来れる日分かったら教えてくださいね」
    「りょーかい」
    「モクマさん達はお変わりなく?」
    「あー、……俺の病気が発覚しちゃってさ」
    「ええっ、大変じゃないですか。 …あ、あの、どんな病気なんでしょう。 お見舞い行っても大丈夫ですか?」
    「入院したり、命に関わるようなやつじゃないんだ。 ……恋煩いちゅうてね。気付くとある人の事つい考えてぼーっとしちゃったり、たまに胸が痛くなったりしちゃって」
    「えっ、それ……僕が聞いても大丈夫なやつですか。その、お相手とか」
    「うん。 今もね、声が聞きたくて耐えられなくなって電話しちゃったの」
    「…へぇ、そうなんで……。…ん? 今、電話って、…あっ、あああああの?」
    「好きだよ、ルーク」
    「な、……っ」
    「ルークは俺の事、嫌い?」
    「もちろんモクマさんの事は大好きですが! でもこういうのって、もっと順序だとか、ムードとか」
    「交換日記から始めたらいい?」
    「日記なんて渡すの難しいじゃないですか」
    「じゃあメールにしよっか?」
    「それなら…………って、ちょっと待ってください。 今日エイプリルフールじゃないですか」
    「はは、もうばれちった。 ま、こっちは元気にやってるよ」
    「ソレハナニヨリデスネ」
    「もう、そんな拗ねないで。 てか、ルークは明日も仕事あるんでしょ」
    「うっ、さらっとばれちゃいましたね……」
    「だって日付言った直後に言うんだもの。 いっぱいお話してくれようとしたのは嬉しいけどさ」
    「イザカヤは本当に出来たので、今度一緒に行きましょう」
    「もちろん。 あ、近々遊びにいけそうっての、本当だからね」
    「はい、楽しみにしてます」
    「あ、切る前に一個だけ。 今いるとこ、エリントンと結構時差あるんだ。 んじゃおやすみー」



    僕からの返事を待たずに通話は途切れた。
    『好きだよ、ルーク』
    エイプリルフールの冗談だとしてもなんて心臓に悪い嘘を。
    まるで本当みたいに自然な言い方で、思い出すだけで顔が赤くなる。

    それで、最後に言われた時差があることについて。
    いつだって遠い国にいるんだから時差は当然あると思うけど。
    ……あれ、モクマさんのいる場所は3月31日って事?
    いや、時差があるってことだって嘘かもしれない。時差があるけど日付は同じ地域って事もあるんだし。

    そもそも、別にエイプリルフールだからって嘘をつかなくてはいけない訳ではない。だから時差の有無じゃモクマさんの真意なんて分からない。
    なんにも分からないとは分かったけど、意図とか、本当ならどうするのかとか、ただの冗談に対してそれは流石におこがましいのでは、とか。色々考えてしまって眠れない長い夜になった。



    次の夜から『ボスの睡眠を侵害するような話をするなってチェズレイに怒られちゃった。』『今日はニンジャジャンショーの打ち合わせしたよ。グッズもらったから今度会うとき持ってくね』等々、日記めいたメールが届くようになって余計に混乱することになるのは、まだ知らない。
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    HECHO #チェズルク版ワンドロワンライ
    第8回お題「海」お借りしました。
     ――潮騒の音が聴こえる。

     ミカグラは島だから、四方を海に囲まれている。
     それはもちろん知っていたのだけれど、夏場と違って肌寒さを感じる時期しか知らなかったから、あまり実感はないままでいた。DISCARD事件の捜査の合間、海へ足を向ける事はついぞなかったし、労いにとナデシコさんが用意してくれた保養地は温泉で、長い時間を過ごしたマイカの里は山あいだ。
     海沿いの街をそぞろ歩くことはあっても、潮の香りが届く場所には縁がないままこの土地を離れた。
     だからこうやって、潮騒が耳に届く庭先でぼんやりと涼む時間を過ごすことは初めてだ。僕はと言えば、休暇中の穏やかな時間を存分に楽しんでいた。
     久しぶりに訪れたミカグラは、ますますマイカの影響を受けているように見える。朱塗りの電柱にはびっくりした。小さな島で異彩を放つ高層建築が立ち並ぶ中、平屋や二階建ての慎ましやかな家が新たにいくつも軒を連ねていた。事件の直後には、ほとんど木造の家なんてなかったけれど、マイカの里のひとたちが少しでも穏やかな気持ちで暮らせるようにと、ブロッサムの人たちが心を砕いた結果なのだと、コズエさんが嬉しそうに話していたことを思い出す。
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