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    azusa_n

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    モクルク。エイプリルフールに通話する話。クリア後時空。

    「もしもし、ルーク」
    「モクマさん! お久しぶりです」
    「そっち何時だっけ。今電話大丈夫?」
    「こっちは今4月1日になったところですね。 ……明日はお休みなので少しくらい夜更かししても大丈夫ですよ」
    「そっか、ならよかった。 最近どう?」
    「最近、ですか。 ……あ、近所にミカグラ式のイザカヤが出来ましたよ。 結構本格的でおいしいです」
    「そいつはいい。 こっちもしばらくしたら纏まった時間取れそうでさ。 お前さんトコ遊びに行こっかなって思ってて。 そしたら一緒に行こっか」
    「はい、是非とも! 来れる日分かったら教えてくださいね」
    「りょーかい」
    「モクマさん達はお変わりなく?」
    「あー、……俺の病気が発覚しちゃってさ」
    「ええっ、大変じゃないですか。 …あ、あの、どんな病気なんでしょう。 お見舞い行っても大丈夫ですか?」
    「入院したり、命に関わるようなやつじゃないんだ。 ……恋煩いちゅうてね。気付くとある人の事つい考えてぼーっとしちゃったり、たまに胸が痛くなったりしちゃって」
    「えっ、それ……僕が聞いても大丈夫なやつですか。その、お相手とか」
    「うん。 今もね、声が聞きたくて耐えられなくなって電話しちゃったの」
    「…へぇ、そうなんで……。…ん? 今、電話って、…あっ、あああああの?」
    「好きだよ、ルーク」
    「な、……っ」
    「ルークは俺の事、嫌い?」
    「もちろんモクマさんの事は大好きですが! でもこういうのって、もっと順序だとか、ムードとか」
    「交換日記から始めたらいい?」
    「日記なんて渡すの難しいじゃないですか」
    「じゃあメールにしよっか?」
    「それなら…………って、ちょっと待ってください。 今日エイプリルフールじゃないですか」
    「はは、もうばれちった。 ま、こっちは元気にやってるよ」
    「ソレハナニヨリデスネ」
    「もう、そんな拗ねないで。 てか、ルークは明日も仕事あるんでしょ」
    「うっ、さらっとばれちゃいましたね……」
    「だって日付言った直後に言うんだもの。 いっぱいお話してくれようとしたのは嬉しいけどさ」
    「イザカヤは本当に出来たので、今度一緒に行きましょう」
    「もちろん。 あ、近々遊びにいけそうっての、本当だからね」
    「はい、楽しみにしてます」
    「あ、切る前に一個だけ。 今いるとこ、エリントンと結構時差あるんだ。 んじゃおやすみー」



    僕からの返事を待たずに通話は途切れた。
    『好きだよ、ルーク』
    エイプリルフールの冗談だとしてもなんて心臓に悪い嘘を。
    まるで本当みたいに自然な言い方で、思い出すだけで顔が赤くなる。

    それで、最後に言われた時差があることについて。
    いつだって遠い国にいるんだから時差は当然あると思うけど。
    ……あれ、モクマさんのいる場所は3月31日って事?
    いや、時差があるってことだって嘘かもしれない。時差があるけど日付は同じ地域って事もあるんだし。

    そもそも、別にエイプリルフールだからって嘘をつかなくてはいけない訳ではない。だから時差の有無じゃモクマさんの真意なんて分からない。
    なんにも分からないとは分かったけど、意図とか、本当ならどうするのかとか、ただの冗談に対してそれは流石におこがましいのでは、とか。色々考えてしまって眠れない長い夜になった。



    次の夜から『ボスの睡眠を侵害するような話をするなってチェズレイに怒られちゃった。』『今日はニンジャジャンショーの打ち合わせしたよ。グッズもらったから今度会うとき持ってくね』等々、日記めいたメールが届くようになって余計に混乱することになるのは、まだ知らない。
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    ポンタタの萼

    SPOILERネタバレは無いと思いますが、本編終了後時空のため念の為ネタバレ注意です。
    make magic聴きながら書いてたらめちゃくちゃ時間経ってて草
    キメ細かな肌チェリーなリップとろけるようなキュートな瞳!
    近頃、同僚のルーク・ウィリアムズの様子がおかしい。……と、思う。
    その変化に気づいているのは俺だけではないらしく、署内の視線はちらちらとあいつに向けられてはいるものの、どうやら肝心のウィリアムズ本人はその視線には気が付いていないようだ。
    そして、同じ部屋にいる同僚たち──特に女性職員たちからは、際立って熱い視線を向けられている。だが、それには恋慕の情は混じっていないだろう。
    彼女たちの視線に込められているのは、そう。興味と羨望だ。

    ルーク・ウィリアムズは、最近綺麗になった。


    ◇◇◇


    休職から復帰したウィリアムズは、パッと見では以前とそう変わりない。だが、ある時、特に目ざとい一人の後輩署員が気が付いたのだ。

    『……ウィリアムズさん、最近肌が綺麗じゃありませんか?』
    『そうかな? ありがとう』
    『何か変わったことしてるんですか?』
    『いや? ……ああ、でも。近頃貰い物のいい野菜を食べているし、……その、友人から貰ったスキンケア用品を使っているんだ。駄目にしてしまったら悪いからね』

    その短い会話は人の多く行き交いする室内で行われており、さして隠すように話された訳でも 3847