新たなる支配者 朝食も食べ終えて、ハーブティーの茶葉が透けるポットの中で踊っている様子を横目に、侑臣から渡された郵便物をペーパーナイフで一つずつ開けていく。
「…………」
いくつの誕生日だったか忘れてしまったが、このペーパーナイフ、僕の家庭教師だったジルさんから貰ったものだ。これを使うと従者が必ずチラリとこちらを伺ってくるのが面白いんで、見せびらかすように使っている。
山奥に住むようになって良かったこともいくつかある。その一つがこの郵便物。配達員には手間をかけてしまうが、余計なポスティングが無くなったおかげで手紙の確認がかなり楽になった。仕事柄、書留で書類が届くことが多い僕の家に、今日は一風変わったものが届いた。
1401