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    totorotomoro

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    totorotomoro

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    2作目。シンプルながら個人的に結構好き

    #鯉博
    leiBo

    散文2うつ伏せに寝るらしいと聞いて。

     書類の確認者欄にサインが足りないことを気づいたドクターがロドスに訪問中のリーの部屋を訪れると、かの人はどうやら寝台を使って昼寝の最中らしかった。
     体格も大きいが流水のように長くうねる尻尾が備わっていると横向きに寝るのはどうにも塩梅が良くないらしい。
     うつ伏せになり、枕を抱いて頭を預けて寝息を立てているのが聞こえた。
     少し斜めになって体に沿うようにだらりとした尻尾は尾鰭のところが空調の風にかすかに揺らいで、下げたブラインドの隙間から漏れる光をきらきらと揺らめかせている。
     起こすべきか、去るべきかで迷ったドクターはとりあえず近寄ろうとリーの側に近寄ってみた。
     そうするとぱかりとリーの金色の目が開いて、横目でドクターの姿を認めたようだった。
     ドクターが呼びかけようとしたその時、ふぉんとリーの尻尾が鳴くような音を立てて、しなやかな動きでドクターを打ち据える。
    「痛い!!」
     ばちんと意外と大きな音に、打ち付けた方のリーがびくりと体を震わせ目を丸くし、ぱちぱちと瞬きをして、しまった!という顔に移る。どうやら意図的に打ち据えたわけではなくて、寝ぼけて側にきた人間を排除しようとしたようだ。
    「すみませんドクター。お怪我はありませんか」
     メガネを手探りで身につけ、慌てて体を起こすリーに対してびっくりして尻尾の勢いごと床に膝をつかされたドクターは片手を上げてその謝罪を受け入れた。
     
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    Replies from the creator

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    はるち

    DOODLEロドスでダンスパーティーが開かれるのは公式というのが良いですね
    shall we dance「あなたには、ダンスはどのような行為に見えるかしら?手を相手の首元に添えて、視線を交わせば、無意識下の反応で、人の本心が現れるわ」

    踊ろうか、と差し出された手と、差し出した当人の顔を、リーは交互に見た。
    「ダンスパーティーの練習ですか?」
    「そんなところだよ」
    ロドスでは時折ダンスパーティーが開催されている。リーも参加したことがあり、あのアビサルハンター達も参加していることに少なからず驚かされた。聞けば彼女たちの隊長、グレイディーアは必ずあの催しに参加するのだという。ダンスが好きなんだよ、と耳打ちしてくれたのは通りがかりのオペレーターだ。ダンスパーティーでなくとも、例えばバーで独り、グラスを傾けているときであっても、彼女はダンスの誘いであれば断らずに受けるのだという。あれだけの高嶺の花、孤高の人を誘うのは、さぞかし勇気のいることだろう――と思っていたリーは、けれどもホールの中央で、緊張した様子のオペレーターの手を取ってリードするグレイディーアを見て考えを改めた。もし落花の情を解する流水があるのならば、奔流と潮汐に漂う花弁はあのように舞い踊るのだろう。グレイディーアからすれば、大抵の人間のダンスは彼女に及ばないはずだ。しかしそれを全く感じさせることのない、正しく完璧なエスコートだった。成程、そうであれば、高嶺の花を掴もうと断崖に身を乗り出す人間がいてもおかしくない。
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    はるち

    DONEリー先生の尾ひれを見るたびにドキドキするドクターのお話。
    その鮮やかさを覚えている 覚えているのは、黒と金。
     石棺で眠りについていた二年。あの漂白の期間に、自分はかつての記憶のほとんどを失った。それを取り戻すために、主治医であるケルシーとは幾度となくカウンセリングを行ったが、その殆どは徒労に終わった。医学的には、記憶喪失になってから一年が経過すると、記憶が戻るのはほぼ絶望的とされる。だからこれで一区切りをする、と。ケルシーは診察の前にそう前置きをし、そうして大した進展もなく、最後の診察も終わった。言ってみればこれは届かないものがあることを確認するための手続きだ。現実を諦めて受け入れるための。失われたものはもう二度と戻って来ないのだ、ということを確認するための。
     ドクターは書棚からファイルを取り出した。ケルシーとの診察の中で、自分に渡された資料の一部だ。何でもいいから思いつくものを、思い出せるものを書いてみろと言われて、白紙の上に書いた内面の投影。他者からすれば意味不明の落書きにしか見えないだろう。しかしケルシーにとっては現在の精神状態を推量するための材料であり、ドクターにとっては現在の自分を構成する断片だ。
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