石乙散文 掌で触れれば柔らかくてでもしっかりとした弾力もある。その谷間に顔を押し付けながら、その感触を味わっていた。
「…………おい」
そんな乙骨の頭上から、そんな低い声が聞こえて、でも顔を押し付けたまま視線を向ければ、眉を寄せて、不機嫌と言うよりは戸惑ってる表情が見えた。
「オマエ……何やってんだよ…」
ベッドの上に横たわり、首だけあげてこちらを見ている。ちなみに乙骨はそんな彼の上に乗っかって、彼の胸筋もとい雄っぱいの感触を手と顔で味わっていた。
「…石流さんの、おっぱいを味わってます…?」
だからそのままそう言えば、「おっぱいってなぁ~~」と呆れたように言った。
「そこはむしろ筋肉だろ?」
「そうですけど……胸だからおっぱいじゃないですか」
言いながら、濃く色づいた乳首をつんつんと突いてみる。すると、石流が「うひっ」と声を上げて、口を抑えた。
「……石流さんもそんな声出すんですね」
「うるせぇ、さっさとどけよ」
乙骨が言ったことに、僅かに顔を染めてそう言ってきて、こちらの身体を押し返そうとしてきた。しかし、こっちも負けじと呪力を使って抑え込む。
「おい、こんなことに呪力を使うな!」
「でも使わないと簡単に転がされちゃうんで」
「ああもう、オマエがその気なら…!」
そう言って、石流も呪力を籠めて押してくる。呪力の出力に関しては彼の方が上だから、押し合いになったら勝てるはずもなく。
「う、あ…!」
吹っ飛びそうになった身体を、腕を掴まれて引き止められた。乙骨もその意図を察して掴まれた腕を呪力で強化したので、勢い余って腕ごと引き千切られることもなかった。
そのままポスリとベッドの上に着地して、そしていつの間にか身体を起こしていた石流と向かい合う体勢になって。
「…ココが敏感なのは、オマエの方だろうが」
そう言われながら指で胸を突かれ、それはピンポイントに乙骨の乳首の敏感なところだった。
「ひぁっ…!?」
思わず身体が跳ねて、声が漏れた。
「なんっ、で…!?」
自分は服を着ているのに、なんでピンポイントにそこを押せるんだよ、という意味でそう声を上げれば、更に指でぐりぐりとそこを刺激された。
「ひゃあ、あっ、ン…!」
「…そりゃあ分かるだろ、こんな先端を立たせてればよ…」
言われて弄られていない方の胸を見れば、確かに着ているTシャツがピンとテントを張っていた。いつもこんな分かりやすくないのに、と思っていれば、石流がチラリ乙骨の顔を見てきた。
「……俺のおっぱいとやらは、乳首が勃つほど、気持ち良かったかよ?」
そして、言われたことに、カッと顔に熱が籠もる。それに石流は笑って、その手つかずだが確かに主張している乳首を、パクリと口に含んだ。
「んんん───!!!」
舌で嬲られ、歯で噛まれ、唇で吸われて、腰が震えた。耐えられずにそのままベッドに倒れ込めば、当然のように石流が覆い被さってくる。
乙骨が石流の姿をぼんやりと見ていれば、石流がチロリと唇を舐めた。
「んじゃまー、胸だけじゃなく、オマエを全部堪能しようか?」
その明らかに欲情した視線にゾクリと背中を震わせて、もう好きなようにして下さい!と乙骨は思っていた。