リメンバー・ミー・ソーダライトⅤ季節はすっかり秋めいてシャツ1枚では肌寒い。明日からはニット必須だなと腕を擦りながら廊下を歩いていると階下に二階堂の姿を見つけた。
“もうこの恋は終わらせる”
そう二階堂に告げてからすぐテスト期間に入ったおかげで部活禁止となりあれから二階堂に会うことなく1週間が過ぎていた。会えない期間が長かったせいか遠目に見るだけでも俺の心臓は高鳴った。
「全然、終わらせてねぇ‥」
これ以上二階堂を泣かせたくないし困らせたくないし記憶を失くす前の自分に嫉妬したくない、そんな思いが溢れて出た言葉ではあったが自分の心がそれに全く追いついていない。正直二階堂に未練タラッタラである。
(でもまた泣かせちまったしな‥)
あの時の二階堂の泣き顔を思い出す。
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