主に、暁人くんに対する自己解釈 ゲーム本編当日が2022年で母3回忌後だと、少なくとも母死亡時から約3か月は暁人君も未成年だし、妹は義務教育中。
暁人君が子どもとして助けを求めるには年齢が微妙で、しかし法的にも社会的にも無力。さらに、成人しても社会的な部分は自動的に解決せず低いまま。
新しいスタート云々の力強い台詞は、そうでもしないとボキリと折れるから。底無し沼に沈みかけていたのは暁人君も同じ。
でもそれを認めると、唯一の家族である妹との生活が破綻する。だから、とにかく頑張ろうとしていた。
(実際は最初から破綻していたから本編開始時のムービーがああだったわけだが)
二人には大人や専門家の助けが必要だった。
けれど、ゲーム本編から推測する母の死因や、暁人君が隙間の年齢にあること、暁人君が妹以外の身近な人の話を一切口にせず匂わせもしないことを考えるに、暁人君も妹も『自分たちは助けてもらえる存在だ』と思う(=人や社会を信用する)のが難しかったのだろうと。
ゲーム本編で、そんな場合じゃないと言われても犬をかまい、サブミッションの霊や街の霊を必死で救おうとしていたのは、その裏返しだったのではないか。
がんがん前に進もうとする年長者と半強制的に行動を共にしながら、反発し口答えし、助け助けられ、認められ褒められることで、暁人君は独りでなくなった。
サブミで霊の未練を晴らし、杭に貫かれた霊の呟きを耳にして、暁人君は成功体験を積み、誰もが何かを抱えて生きているのだと気づく。
一方で、彼らを救えば救うほど、褒められ独りではないと実感すればするほど、妹への罪悪感が募る。自分だけが、と。
その噴出が電話口やタワーで聞こえた幻聴かなと。
もしラスボスが何もしないかKKさんが返り討ちにあわなければ、KKさんは命を落とさなかっただろうが、暁人君は妹の喪失に耐えきれなかったと思う。
KKさんにしても、その時は長らえても、暗い感情を抱えたまま、遅かれ早かれ燃えつきて…とも。
あのエンドは訪れうる結末の、最善のものだったのかな、と。