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    まどろみ

    @mdrmnmr00

    皆様の七灰作品が見たいので書いてます

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    まどろみ

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    七灰。はっぴーばれんたいん!現パロ注意、モブ注意。甘さはあんまりない

    #七灰

    ダズン・ローズの恋朝の待ち合わせは無しで、と言われた時から何かあるとは思っていたがこれは予想外だった。
    「ハッピーバレンタイン」
    昼休み。七海はバラの花束を携えて灰原の元に現れた。
    「朝一緒に登校できなかった理由って」
    「花屋に行っていたからだ」
    戸惑う灰原に周囲が野次を飛ばす。
    「家でやれ」
    「七海バラ似合うな」
    「さっすが王子様」
    「キザっぽいのに決まってるのが腹立つな」
    「…片膝でもつきましょうか?」
    うろたえる灰原と違い七海の方はは頬は赤いものの野次に冗談を返せるくらいには余裕があるらしい。それが悔しくて思わず叫んでしまった。
    「やめて!これ以上惚れさせないで!」
    「…」
    「無言で膝つくのやめて!!」
    赤面カップルの攻防はしばらく続いたという。

    ***

    「にしても、赤い薔薇かー」
    「本物はじめて見た」
    灰原が花束を受け取ると彼の周りをクラスメイトが囲む。各々が思い思いのことを話す中、一人があることに気が付いた。
    「にしても何本あるんだ?」
    「ひいふうみい…ああ、なるほど」
    十二本かと呟くと花束に見惚れている灰原に小声で声をかけた。
    『灰原、花束を貰ったらそこから一本取って襟元に返すのがマナーだぞ』
    『そうなの?』
    『七海がまだ片膝ついてるのがその証拠だ』
    確かに、と七海へ視線を移すと花束を受け取ってからも動かずじっとこちらを見つめている。灰原は慣れない手つきで一本のバラを引き抜くと花束を片手に持ち替えていそいそと襟元へ刺した。途端七海は穏やかな笑みを浮かべて立ち上がる。
    「ありがとう」
    「よかったなー」
    灰原に助言をしたクラスメイトは一人パチパチと軽く拍手を送る。七海は彼に向き直り頭を下げた。
    「あなたが雄に教えてくれたおかげで良い返事がもらえました。ありがとうございます」
    「本音は?」
    「大歓喜ですありがとうございますお礼は後日させてください」
    「メロンパンでよろしく」
    「駅前の親カメロンパン買ってきます」
    「な、何?」
    七海にしては珍しい大盤振る舞いの約束に灰原が首をかしげる。七海の反応に何かを察し先んじて手元のスマホで情報収集を終えた別のクラスメイトが肩に手を置きそれを差し出した。
    「こういうことらしいぞ」
    数分後、悶絶する灰原が観測できたという。
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    nononoko1996666

    MOURNING呪詛師灰原②(前の話とはまったく続いていません)。
    自分に出来ることを精一杯やっていたら、呪詛師になってしまった灰原。呪術師の七海は灰原くんの邪魔ばかりしてる。
    明るい灰原くんはいません。酷い灰原くんはいます。
    あと激重七海はいます(七海視点)。

    別に灰原くんに呪詛師が似合うとかじゃなくて、完全な私の趣味です!書きたいとこだけ!
    暗転「………ぁ」

    「灰原っ!!!」

    必死に腕を伸ばすも届かず、名前を呼ぶことしか出来なかった。
    一瞬にして鉄骨が崩れ落ち、コンクリートの破片が辺り一面に飛び散る。
    灰原と依頼主が中に取り残されてしまい、焦りながら私が鉈を必死に振りかざしている間に、もう一人の依頼主が居なくなっていた事に気付けなかった。

    「どうか、生きていてくれ…」


    ✳✳✳


    縋るような灰原の泣き顔を、初めて見た。
    見開いた瞳からは止めどなく涙が流れ、腕に抱えている依頼主を見詰めている。

    「ねぇ、…あの当主って言ってた人、この子置いて逃げたんだ。…ねぇ、どうしてかな?」

    「考えるな灰原、こっちへ来い…早く」

    今回は嵌められたのだ。私達はあの当主という男に、2級に依頼する任務にしてはおかしいと感じていたというのに。
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