篝火を見上げる後ろ姿。周りには誰もいないことを確認し、ジャックはその背中に声をかける。
「レオナさん」
ジャックの声に反応し小さな耳がピルルと動いた。ゆっくりと振り返るレオナに、ジャックは小走りで駆け寄る。
「少しお話でもどうですか?」
すっかり二人にとって馴染み深くなった誘い文句に、レオナはわざと考える素振りを見せ、やがて小さく頷いた。
「少しだけならいいだろう」
「ありがとうございます」
仕方がないという素振りを見せながらも浮かべられた笑みに、ジャックは同じように笑い返す。そして火に照らされたレオナの横に並び立ち、燃える炎を見上げた。
「レオナさんはマジフトやったことはありますか?」
「……少しだけな。でもお前と違ってただのお遊びレベルだ。たいした腕じゃない」
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