レオナは大きく息を吐いて自室のベッドの端に腰を下ろす。横を見れば、そこにはレオナのベッドで静かに眠り続けるジャックの姿があった。
あの時、会場にやってきた医療チームにジャックを引き渡し、レオナも共に王宮へと急ぐ車の中に乗り込んだ。同乗していた医師はすぐに運ばれてきたジャックの容体を調べ始めた。まず試合のユニフォームを裂き、上半身の怪我を確認する。そして次に下半身へと移っていく。
結果、奇跡的に外傷は擦り傷程度のものしか見つからなかった。しかし、安心することはできなかった。
医師によると、ジャックは頭を強く打ちつけていることにより、なんらかの障害が残るかもしれないとのことだった。それがどんなものなのかは意識が戻ってからでないと検査ができない。
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