×××しないと呪霊が出てこないラブホテルその後。 頼んでいた報告書を引き取りに、硝子の元を訪れたところ、突然こう言われた。
「────五条。可愛い系とセクシー系だったら、どっちが好み?」
「は」
大凡硝子の口から飛び出したとは思い難い質問である。急にどうした。この女はザルだったと思ったが、酒の飲み過ぎで遂に脳細胞がいかれたか。意図が読めないにもほどがある。
自分で聞いておいてさほど興味もなさそうな様子で書類仕事を進める同期に、僕は、取り敢えず巫山戯ておくことにした。
「え……まさか硝子、僕のこと、好きだったとか……? ごめんね、嬉しいけど僕、今すげぇ好きな女と付き合ってるから、その気持ちには応えられないや……」
「茶番が長い」
硝子はペンを走らせる手を止めて、呆れたように僕を振り返った。
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