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    ue_no_yuka

    @ue_no_yuka

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    POIPOI 97

    ue_no_yuka

    DONE奥原氏物語 1

    ようみつシリーズ番外編。花雫家の先祖の話。平安末期過去編。皆さんの理解の程度と需要によっては書きますと言いましたが、現時点で唯一の読者まつおさんが是非読みたいと言ってくださったので書きました。いらない人は読まなくていいです。
    鶺鴒 いつか罰が当たるだろう。そう思いながら少女は生きていた。

    四人兄弟の三番目に生まれ、兄のように家を守る必要も無く、姉のように十で厄介払いのように嫁に出されることもなく、末の子のように食い扶持を減らすために川に捨てられることもなかった。ただ農民の子らしく農業に勤しみ、家族の団欒で適当に笑って過ごしていればそれでよかった。あとは、薪を拾いに山に行ったついでに、水を汲みに井戸に行ったついでに、洗濯を干したついでに、その辺の地面にその辺に落ちていた木の棒で絵が描ければそれで満足だった。自分だけこんなに楽に生きていて、いつか罰が当たるだろう。そう思いながら少女は生きていた。

    少女が十二の頃、大飢饉が起こり家族は皆死に絶えたが、少女一人だけが生き長らえた。しかし、やがて僅かな食べ物もつき、追い打ちをかけるように大寒波がやってきた。ここまで生き残り、飢えに苦しんだ時間が単楽的なこの人生への罰だったのだ。だがそれももういいだろう。少女はそう思い、冬の冷たい川に身を投げた。
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    ue_no_yuka

    DONE参拾玖

    ようみつシリーズ、これにて完結です…!!
    ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。メリハリもなく、説明不十分で、だらだらとただ長かったこの物語、大変読み苦しかったと思います。最後まで読んでくれてマジ感謝。
    分かりにくかったところはXで呟いたりして補完していければと思います。

    最終話と言いつつ、皆様の理解の程度と需要によっては奥原氏編を書こうかと考えています。
    ツルの嫁入り 季節は春になり、鍜冶屋敷のある山もすっかり春模様。山道にはフキノトウ、福寿草、つくし、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、カタクリ、スミレ、カラスノエンドウ、勿忘草、色とりどりの花が咲き乱れていた。雪解け水が心地よい音を立てて勢いよく沢を流れ落ち、その水の中ではメバルやワカサギが冷たい水を求めて遡ってきていた。他の動物たちも活発に動き始め、鍜冶屋敷の周りにもよく、鹿や兎、狐に狸、たまに熊もやって来た。屋敷の研場の近くにある池には、カルガモが雛を連れて泳いでいた。北国に生きる人々にとって、冬の間空が晴れることはほとんどなく、どんよりと落ち込んだ中寒さに凍えながら、今か今かと心待ちにしていた春の到来は、きっと他県で生まれ育った人々が考える倍以上は、希望に満ち溢れ、心が晴れ渡り、気分が高揚するものである。東北出身の演歌歌手・千昌夫の「北国の春」は私の最も好きな楽曲のひとつだが、あの曲は北国で生まれ育ったからこそ沁みるものがある。
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    ue_no_yuka

    DONE師匠過去編4

    後半に少しだけ震災の表現があります。時世を考慮して設定を変更することも考えましたが、自分の故郷を舞台にするということで、忘れてはいけない出来事として自分の作品に落とし込みたいと思いました。
    震災表現無いやつ↓
    https://poipiku.com/8874871/9879006.html
    鳶と鷹 鳶翔は三十年ぶりにやってきた里の景色に懐かしさをあまり感じなかった。というのも、この三十年で我が国の経済成長や世界の技術発展は目まぐるしく、この里の景色も最後に見た時とはまるで様変わりしていたからだ。中心街に木造の建物はほとんどなくなり、鉄筋コンクリートの高い建物が並び立っていた。鉄道駅も新しくなっていて、温泉郷と中心街を繋いでいるだけだった鉄道も本数が増えて、海辺行きと最近できた新幹線や空港へ繋がる線ができていた。人口の増加も凄まじく、里内に一つしかなかった高校も今では何校もあるらしい。

    陸流鍛刀場最後の刀工が先日亡くなり、もう陸流を直々に受け継いでいるのは鳶翔だけになった。そこで鳶翔は、亡くなった最後の刀工の遺言で、陸流の刀匠として鍜冶屋敷とその山を引き継ぐことになったのだ。もう里に来ることは無いと思っていた鳶翔としては些か複雑な心境だったが、正式な遺言に背くことは法を犯すのと同義なので致し方なかった。
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