星空に遊ぶ子ども達「お兄さん、一緒にイイことして遊ばな~い?」
そろそろ床に就こうかとしていた夜半過ぎ、ダイに貸し与えられた寝室に繋がるバルコニーから軽い声が聞こえてきた。
閉めていたはずの硝子扉がキイと微かな音をたてて開き、夜風に煽られ白いカーテンがふわりと揺れた。
ここは王城でもかなりの高層に位置する部屋だ。こんな場所に外からいきなりやって来られる人物など世界でも一握りしかいない。
「ポップ」
宵闇を背に、宙に浮いたままひらひら手を振る年上の友人を見てダイは柔らかく笑った。
「そういうこと言う人にはついてっちゃダメだって言われたんだけど」
「誰に」
「ヒュンケルとラーハルト」
「いつ、どこで」
「今日の昼間、一緒に街に行ったとき」
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