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    sangurai3

    かなり前に成人済。ダイ大熱突然再燃。ポップが好き。
    CPもの、健全、明暗、軽重、何でもありのためご注意ください。
    妄想メモ投げ捨てアカウントのつもりが割と完成品が増えてきました。

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    POIPOI 64

    sangurai3

    DONEぽぷまつり連動企画投稿作品。2月のお題「おそろい」をテーマにしたポプマです。
    本編後かな?答えは出てるのにこじらせすぎて片思いみたいになっちゃってるマァム視点。
    ほつれた気持ちもきっともうすぐまとまります。
    ほつれる心は恋に揺れ 別に大した理由はない。ずっと使っていた髪紐が傷んできたというだけのことだ。たまたま立ち寄った道具屋には装身具の取り扱いがあった。ちょうど良い機会だと予備も含めて数本の髪紐を購入した。今日身に着けているのはその中の一つ。敢えて選んだ訳でもなく、適当に手にしたのがこの色だったというだけなのだ。
    「お客様の髪色ならこちらのお色なども映えると思いますよ」
     紺や濃い紫の髪紐を指差して店主は優しく笑った。マァムも店主が勧めるものの方が自分の髪色には合っている気がした。この手の中にある色ならば、己の薄桃色の髪よりもっと落ち着いた、そう例えば豊かな黒髪などの方が、よっぽど――
    「これが、いいんです。この色が」
     紺や紫が嫌だったのではない。手にしていたものを棚に戻したくなかったのだ。「左様ですか」と店主は頷き、「そちらもきっとよくお似合いになりますよ」と微笑んだ。後になって、強情を張らず勧められた色も買えば良かったのかもと思い至る。品物を包んでもらっている間、マァムの頬は何故かどんどん熱くなっていった。
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    sangurai3

    DONEぽぷまつり連動企画投稿作品。1月のお題「花」をテーマにしたポプマです。本編後想定。
    花、といえば華。ということでこんな感じになりました。…これはポプマなのか?新年早々暗めですいません。
    拙作「華はひときわ輝いて」 https://poipiku.com/2401134/4644282.html
    の内容と一部リンクしています。(読まなくても意味が分かるようにはしております)
    花の生命をその手に握る「自分でホイミかけた方が早いんじゃないの?」
    「人にやってもらったほうが痛みが早く治まる気がするんだって」
     全身擦り傷だらけのポップに、マァムは丁寧に回復魔法をかけていく。最近には珍しくルーラの着地に失敗したポップは、少し照れくさそうに鼻の下を擦った。
    「何となく分かる気もするわ。私も母さんにホイミかけてもらうの好きだった」
     ホイミの契約に成功してからも、擦り傷切り傷を作って帰宅したマァムを母は優しく癒やしてくれたものだ。外傷をおおよそ治し、マァムはポップの表情を窺う。
    「……隠してる傷は無いわね? 心臓が痛んだとか激しい咳が出たとか無い?」
    「無い無い! 着地失敗したのは単なるドジだから!」
     ぶんぶんと首を横に振るポップに「ならいいけど」と小さく返し、マァムは塞ぎきれていない傷が無いか改めて確認に入った。ポップの身体を優しい光が包む。見慣れた光であるはずのそれを、ポップは興味深そうに見つめていた。
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    sangurai3

    DONE恋人の日記念SS 恋人設定のポプメル。原作完結後想定。
    記憶の中の数少ないラブソングを総動員して書きました。甘さが出てるといいな。
    月夜のコネクション 日付が変わる一時間ほど前、メルルは寝室の窓を開け夜空を見上げる。外からは涼やかな風に乗って森の香りが流れてくる。聞こえるのはかすかな虫の音とフクロウたちの鳴き声。テランの夜は今日も静かだ。
     祖母のナバラは先に眠っている。若い娘がいつまでも夜更かしをするんじゃないよと言い残して。苦笑しながら頷いたが、このささやかな日課をやめるつもりはない。明日を迎える前のわずかな時間。このひとときこそが今のメルルにとって最も幸せな時間だと言えるのだから。
    (ポップさん。ポップさん。起きていらっしゃいますか)
     メルルは心の中で呼びかける。大戦のさなかでポップと繋がった『回線』は今も使用可能ではあるが常時接続はされていない。お互い常に感情が繋がりっぱなし感知されっぱなしでは都合が悪いこともあろうと、諸々調整の末普段は『閉じている』状態を保つことで同意したのだ。例えるならばお互いの心の中に小さな扉があって、メルルがポップの扉をノックし内側から開かれたときだけ通信が可能になるというわけである。そしてその『閉じた』状態を開くのがこの時間。今日が明日に変わる前の約一時間、メルルとポップは二人だけの心の会話を楽しむことにしている。
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